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読んだ本の感想あれこれ。
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KAGEROU.jpg   発行年月:2010年12月


   第5回ポプラ社小説大賞受賞作。
   「命とは何か?」「人間の価値とは何か?」という
   深遠なテーマに、ダイナミックな物語構成で鋭く切り込む。

                            (ポプラ社HPより)




水嶋ヒロが書いたと話題になった本なので、冷やかし半分で読んでみました^^;
評価もマチマチだったので、自身で確かめたいという気持ちも大きくて・・・。


すごく読みやすかった。
そして、意外と楽しめた。
悪くないじゃん!初めて発表した小説がこれなら今後も期待出来そう!


主人公の大東康雄は、自殺しようとしたところを、京谷に止められる。
京谷はドナ-レシピエント協会のコ-ディネ-タ-で、ヤスオに死んだ後の肉体の臓器提供を申し出る。

最初から、面白い展開になりそうだという設定であり、ヤスオはどうなる?と興味が沸きました。

死ぬと決めたヤスオの気持ちのなかに、変化が生じてくる少女との出会いがあって、この少女との会話の場面はなかなか良かった。


そしてラスト。
いろんな解釈が出来そう。
わたしは悪くない終わり方だと思った!


もっとダ-クな内容かと思っていたけど、意外と明るいかんじで「命」の大切さを著者なりに懸命に伝えようとしていると感じた。


期待半分で読んだけど、案外良い出来だと評価したい!
別に水嶋ヒロのファンじゃないけど、小説家としての「齋藤智裕」のファンにはなれそう。
次回作も是非、読ませてもらいたい(^^)

★★★
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8f6bef54.jpg発行年月:2010年11月


次期華道家元でぼっち部部長のマスノくんを囲む
超個性派集団の笑いと涙の青春譚! 
他人とうまくやれない人、人間関係に悩む人に
励ましと勇気を与える1冊です。


                        (ポプラ社HPより)


表題を見るとマスノくんが主人公のようですが、語りは倉沢チナツの目線で進む。
チナツは高校入学早々、病欠し、登校したときにはクラス内には既にグル-プのような物が出来上がっていた。
仲間に入れてというのも面倒で、一人で過ごすことが続く日々。
そんなある日、一人外で昼食を摂っていたら、マスノくんが現れた。

マスノくんの物言いはどこか品があるなぁ~と思ったら、いけばな雪宝流次期家元だとか。
なるほど~。
チナツに部室に一度遊びにくるよう誘うのだけど、その誘い方もユニ-ク。

部室を訪ねたら数人の男女。
それが部員たちなのだけど、皆、個性的。

非公認サ-クルの一人部長・増野シンイチロウ。
第二演劇部の一人部長・西園寺ユリヤ・・・プロの女優志望。
戦士部の一人部長・田尻サトシ・・・覇王丸豹牙(はおうまるひょうが)の別名を持つ戦士。
そして、実態は謎でネットを通じて交信のスカイプ。

そんなところに加わったチナツ。
初日に手作りのシフォンケ-キを持参し、以来何かと手作りおやつを提供するおやつ要員と化す。


一人一人は多分、クラスのなかでも浮いてるのかもしれない面々。
けれど、そんな個性を否定しないで集まれる仲間の存在があるっていうのはいいかも(^^)

探偵と表題にあるけど、そんなすっごい事件が起きるわけでもない。
でも、偽造テレカの入手経路を探ったり、遺失物の捜索をしたり、スナイプが提供したゲ-ムを攻略したり・・・楽しい。

そして謎のスナイプの実態も少し明かされる。

淡々と描かれる高校生の日常なので、盛り上がりとかあまりないけど、こういう物語、好きだなぁ~。


「TEAM★ BOTCH」彼らのその後も読みたいなぁ~なんて思った。

★★★

 
63b59a3e.jpg発行年月:2009年5月


われらが浦沢中学にすごい先生がやってくるってさ----。
北村ハルトは中学2年生。
始業式の日、彼の前に現れた1人の先生。
軟弱そうでやぼったい。
そう、彼こそがハルトのクラスの新担任
----小津ケイイチロウ先生、だった!

                       (講談社HPより)


北村ハルトは、中学二年。
両親は離婚して、父親と二人暮らし。
学校のクラス担任が入院したため、後任の教師が赴任して来た。

前の担任は、崩壊気味の学級を受け持つプレッシャ-で体調不良になったとか?
今度の教師は、それをカバ-するため区の教育委員会が放つ最終兵器!

と学校の裏サイトでの書き込みあり。


そして、やって来た先生は・・・・小津ケイイチロウ32歳、独身。

この先生が、予想に反してのダメダメ。見た目は貧弱。そして初日の挨拶はガチガチに緊張していて、自己紹介を終えたあと脳貧血を起して倒れた!

どうなる?このクラス?

最初から面白かった。
クラスの面々は、新任教師を馬鹿にする。
裏サイトでも小津先生の初日の騒動の話題で盛り上がる。

今時の中学生の姿がリアル。

その後も先生のダメっぷりは続くのだけど、人間性はとても好感が持てる感じで、段々と生徒たちは小津先生の良いところを認めていく。

俺たちで育てればいい・・・なんて最後は言っちゃうんだから。

教え方が上手くて、当たり前のことしか言わないような教師より、案外、生徒たちは、こういう先生に心を開いていくのかもなぁ~。
なんて読みながら思いました。


そして、ハルトと父親の関係。
離婚して出て行った母親との再会。
これらも、なかなかユニ-クなかんじで楽しかった。


★★★

c608efb9.jpg発行年月:2010年9月


ひとかけらでいい。僕が死んだら、愛する女性の骨と一緒に眠らせてほしい。

最愛の父に愛人がいた----見知らぬ男からもたらされたのは、娘が最も知りたくなかった事実。しかし亡き父の妄執は、35歳の主婦・美砂子の結婚生活にまで影を落としていく。愛に理由はあるか。人生に意味はあるか。運命は遺伝するのか。命から命へ脈々と根を張る「縁」に搦め捕られる男と女を描いた圧倒的長編小説。

                                           (新潮社HPより)

見知らぬ人から、突きつけられた衝撃的なこと。
自分の尊敬し、愛していた今は亡き父に、母のほかに愛する女性の存在があり、死んだ後、骨の一部でも良いので一緒に葬って欲しいと望んでいた。

主人公の美砂子は、そんな父親の希望をいとも簡単に叶えてあげる。
ま、それはそれでいいんでしょうけど・・・。
その事実を伝えてきた父の愛した女性の息子・浩之と深い関係になるのには、驚いた。

美砂子には夫が居て、不妊治療に協力的でない夫との間は、少しギクシャクしているのだが・・・。

美砂子との会話の中で発せられた浩之の「子どもなんてどうして欲しがるのか?」の疑問から始まった独特な考え方は、共感出来ないけど、その考え方はなかなか面白かった。


物語は中盤から、ちょっと複雑になってゆく。
父親と浩之の母・紘子の関係を追ううちに、浩之と美砂子の夫・直志は、知り合いという事実にも行き当たり・・・その後もどんどん、美砂子の周りの人たちが運命の偶然なのか、どんどん繋がっていく。
これを縁というのかな・・・?ちょっと出来すぎじゃない?とも思ってしまったけど
まあ、物語としては、面白く楽しめたから良しとしよう。


夫の間には、子どもが出来なかった美砂子だけど、妊娠したり・・・
夫は妻とは別の女性に子どもが出来たり・・・

美砂子夫婦は、それぞれ一緒になる相手を間違えたのかなぁ?

この夫婦がそれぞれ幸せになってくれたら良いな。なんて思いながら本を閉じました。

★★★
 
9cd91bf4.jpg発行年月:2010年11月


暗い過去を糧に成功を収めた男と
美しい心を持て余し生きる希望を失くした女。
父娘ほどの年齢差を乗り越えて2人が結ばれた時
・・・哀しい奇跡が起こった----。

                       (ポプラ社HPより)



話としては、何処かで読んだことあるような感じもしないではないけど・・・
48歳の聖人と21歳のそらが互いを求め結ばれて・・・・の物語は美しく哀しく
童話と呼ぶに物語でした。

聖人もそらも過去の生い立ちに共通するものがあり、成功者として生きる聖人だけど心のなかに抱える過去の贖罪のような重いものを、そらが少しずつ軽くして行き、年齢差など関係なく二人はお互いを愛する。

そらの発言やら行動には多少、ぶりっ子(死語ですが・・・・^^;)っぽいものを感じてしまいましたが、こういう女性像は男性の理想なのかもなぁ~なんて思ったりもして。

二人は独身同士だし障害もないわけで、幸せに二人で生きていけばいいのにと思っのですが・・・・
あ~そういう展開ですか?
とちょっとここもよくある話で、ガクッと来ましたが、話の流れとしては不自然なものではないし、ラストは感動もありました。

素直な気持ちで泣けるほどではなかったけど、良い読後感ではありました。

純粋な心を持った男女の物語でした♪

★★★
 
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