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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2022年9月


まったく先の見えない状態で会社を辞めてしまった美月(28歳)。転がり込んだのは母の昔からの友人・市子(56歳)の家。昔なじみの個性の強い大人達に囲まれ、一緒に過ごすうち、真っ暗闇の絶望の中にいた美月は徐々に上を向く。
 誰の心にも存在する将来への恐れや不安、葛藤……。自分と格闘する美月を周囲の大人達は優しく見守る。さりげなく、自然に、寄り添うように。
 何度も心が折れそうになりながらも、やがて美月はひょんな出会いから、自分自身の夢と希望を見つけていく……。


                    (小学館HPより)




シリーズ物とは知らずに読んだけれど、楽しめた。


主人公の美月(28歳)は、大手化粧品会社を辞めて無職に。
母親の友達・市子の家で居候生活を送る。


美月の母親・奈津の友達だという市子や三宅ちゃん、まりちゃんたちが
美月ともまるで親戚のおばちゃんみたいに親しく交流している様子が
なんだか微笑ましい。
言いたいこといったり、心配されたり。


無職の美月が、やはり母親の親友たちの繋がりで知り合った起業家の辻房江と
知り合い、とんとん拍子に次の目標に向かって歩み出す。


タイトルの葡萄がここに関わってくる。

山梨で夫と暮らす、まりちゃんとその近くでワイナリーで使う葡萄を
栽培している美月が幼い頃から知っている元悪ガキのセブン(24歳)とも
良い関係が築けていく。
セブンって名前何なんだ?

このシリーズは、まだまだ続きそう。

面白かったから、過去の話に当たる前作も読んでみようかな?



                      ★★★


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発行年月:2023年5月


あのトンデモ精神科医・伊良部が17年ぶりに復活!
直木賞受賞、累計290万部の人気シリーズ17年ぶりに復活!
低視聴率にあえぐワイドショーのスタッフの圭介は、母校のつてで美人精神科医をコメンテーターとしてスカウトしようとする。が、行き違いから伊良部とマユミが出演することに。案の定、ふたりは放送事故寸前のコメントを連発するが、それは暴言か、はたまた金言か!?
目次
コメンテーター
ラジオ体操第2
うっかり億万長者
ピアノ・レッスン
パレード


                    (文藝春秋HPより)





今回もハチャメチャな精神科医・伊良部一郎。

看護師のマユミとともに診察に来る患者をビビらせつつ、ちゃんと治療する。

<コメンテーター>はコロナ禍におけるメンタルヘルスについてのコメントをという
ワイドショーの担当者からの依頼に乗った伊良部。
最初は、モニター出演。
言っていることもやっていることも放送事故じゃないか?というレベルなのに
視聴率は上昇。
看護師のマユミがやっているロックバンド、ブラックヴァンパイアのマユミちゃん
推しがその原因。


ハチャメチャだけど、時々、「なるほど~そうかもね」と思わせる言葉を
発する伊良部。


<ピアノレッスン>のピアニストがマユミのバンドのライヴで発散する場面は
爽快だった。


神経が疲れて、なんらかの不具合が生じた人たちには、伊良部の荒療法は
いい治療になっている。
今回も楽しかった。

このシリーズ、まだまだ続くかな?



                      ★★★



発行年月:2022年6月


【第168回直木賞受賞作】
【第13回山田風太郎賞受賞作】
「君は満洲という白紙の地図に、夢を書きこむ」
日本からの密偵に帯同し、通訳として満洲に渡った細川。ロシアの鉄道網拡大のために派遣された神父クラスニコフ。叔父にだまされ不毛の土地へと移住した孫悟空。地図に描かれた存在しない島を探し、海を渡った須野……。奉天の東にある〈李家鎮〉へと呼び寄せられた男たち。「燃える土」をめぐり、殺戮の半世紀を生きる。
ひとつの都市が現われ、そして消えた。
日露戦争前夜から第2次大戦までの半世紀、満洲の名もない都市で繰り広げられる知略と殺戮。日本SF界の新星が放つ、歴史×空想小説。

                    (集英社HPより)


満州の歴史を背景に繰り広げられる物語。

1899年、21歳の大学生・細川が志那語とロシア語が話せる通訳として軍人の高木と共に
船に乗りハルビンへ。
支配しているロシアの懐に潜入調査に入るのが目的。


その後、舞台は満州へ。
満州の理想郷と呼ばれる『季家鎮』に集まる人々。
ロシア人宣教師・クラスニコフは、ロシアから入植してくる者たちのため教会が
造られ、布教活動。

貧しく過酷な暮らしから逃げ出し、『季家鎮』にたどり着いた孫悟空は独自の考えを
説いて人々を魅了し、権力を得る。
沢山の女性と関係を持ち、子どもも多かったが、妊娠中の女性との関係で
生まれた丞琳は、父親のことを恨み、いつかこの手で殺したいと思っていた。

そして、そのために孫悟空が関わっている日本人の炭鉱を潰すことを計画。


軍人の高木はロシア軍との戦いで命を落とす。
最期は持っていた軍刀で部隊の頭の喉をついて 自らの命も落としてしまう。
日本にいる妻-・慶子は細川が引き合わせた須野(東京帝大で気象学を研究)と再婚。
高木との子・正男(5歳)のあとに須野との子・明男が生まれる。

正男と明男は、成長し、それぞれ軍のために働く。
明男は、満州に初めて行ったとき、孫悟空の、娘・丞琳に会い言葉を交わす。
それは、丞琳が日本の炭鉱を潰す計画を実行しようとして失敗した日。
一部の爆破事故だけで終わり、すぐに修繕される。

時代は、日中戦争、日露戦争、世界大戦へと向かっていく時代。

日本が満州にいたロシアを追いやり、理想郷を造り支配しようとしていたが
アメリカ相手に戦争が始まると、満州に築いてきたものも無用の長物と化すことに。



そんな情勢を冷静にみていた、細川はさすがだ。
戦争後の日本のことをちゃんと考えて満州の建材を日本の戦後の復興に使える
手筈を整えていた。
明男も復興の都市計画に関わっているという終盤の結びがいい。

1955年、再び、満州の地を訪れ、当時、整備に関わった季家鎮の公園広場で
丞琳に再会する場面もよかった。
二人でクラスニコフが描いた地図を広げながていく。


存在しない青龍島が、なぜ描かれていたのか?の理由も。


登場する人物たちが魅力的。
架空の話というけれど、史実もまじっているのでリアル。

映像化されたら面白そうだな~。

こんなに長い話なのに、全く飽きずに読めた。
この著者、すごいな。
他の作品もぜひ、読まなきゃ!!



                      ★★★★★



発行年月:2023年2月


たった一つのどら焼きが、海を越え、時代も越える。
少女の切実な願いが胸を打つ感動巨編!
製菓学校を卒業した樋口和子(わこ)は、浅草にある奥山堂の門を叩く。
祖父が亡くなる前に作ってくれた特別などら焼きを再現すべく、和菓子職人への第一歩を踏み出すために。
だが、待っていたのは男ばかりの職人世界の逆風、なかなか工房に立たせてもらえない年功序列の社会。
荒波の中でもひたむきに努力を続ける和子は、やがて一人前の職人になっていく。
一方、調べていくうちに、祖父が太平洋戦争に出征していたころ、ある船に乗っていたことを知る。
「お菓子の船」と呼ばれていたその船にこそ、どら焼きの秘密があるかもしれない。
当時の乗員に会って話を聞いていくうちに、和子は祖父の知らなかった一面を見つけていく。
ふんわりと溶ける皮、口の中でほどける餡子と、ひとつまみの“秘密”。
誰にでも、一生ものの忘れられない味がある。
「お菓子には不思議な力があるんだよ」

                    (講談社HPより)


幼いころに食べた祖父が作ったどらやきの味が忘れられず、いつか自分もと
和菓子職人になる。
祖父のどらやきを食べたとき、春と海の景色が見えた。
お菓子を食べて景色が見えることが驚きで、祖父に話すと凄く喜んでくれた。


和菓子職人になってからも苦労続き。
でも、懸命に努力して技術を身につけていく。

女性が居ない職場というなかで最初は、好奇な目で見られたり
いじわるをされたり・・・でも次第に他の職人に認められていく。

一方、祖父のことをもっと知りたいと、祖父を知る人を探し話を聞きにいく。
そんななかで、祖父が戦時中は食糧艦<間宮>のなかで菓子を作っていたと
言うことを知る。
当時の祖父を知る人の話を聞きに福島まで行き、戦地でのことを聞く。

菓子を作るための船なので戦闘に備えた装備はなく、最後は敵に撃たれて
沈没したという。
270名ほどの乗員のなか、助かったのは6名のみ。
祖父はそのなかの一人。

知らない史実だった。


和菓子職人として成長していく、女性とその祖父の話、
すごく読み応えあった。

初読みの作家さんだったけれど、読みやすいし、また他の作品も
是非、読んでみたい!




                     ★★★★★



発行年月:2020年7月

ある朝、目を覚ますと腕に大きく「神様当番」という文字が! 突如目の前に現れた「神様」のお願いを叶えないと、その文字は消えないようで……?
 「お当番さん、わしを楽しませて」
 幸せになる順番を待つのに疲れたOL、理解不能な弟にうんざりしている小学生の女の子、SNSでつながった女子にリア充と思われたい男子高校生、学生の乱れた日本語に悩まされる外国人教師、部下が気に入らないワンマン社長。
 小さな不満をやり過ごしていた彼らに起こった、わがままな神様の奇跡は、むちゃぶりなお願いから始まって――。
 ムフフと笑ってほろりと泣けて、最後は前向きな気持ちになれる。
5つのあたたかい物語。

                   (宝島社HPより)



表題の「ただいま」は只今という意味だったんだな。
ただいまを、おかえりに繋がるものだと思っていたけれど・・・・(^^ゞ

5人の神様当番の話が順番に。
5人は、毎朝、同じバス停で顔を合わせるメンバー。
他人だけど、ちょっと繋がりがあるのも楽しい。

それぞれの元に突然、現れ、神さまからのお願い事を受ける。
それが叶えられるまで居るのだと。



<一番 水原咲良  OL(23歳)>
神様のお願い事は  「楽しませて」


<二番 松坂千帆 小学6年生>
神様のお願い事は  「最高の弟がほしい」


<三番 新島直樹  高校1年生>
神様の願い事は   「リア充させて」


<四番 リチャード・ブランソン  大学非常勤講師>
神様の願い事は   「美しい言葉でお話がしたい」


<五番 福永武志  零細企業社長>
神様のお願い事は   「えらくなりたい」



神様がチャーミングでいいなぁ~。
願い事を叶えてくれるまで居座るから・・・・と言いながら
結局、それは、それぞれの心の中にある思いを現実にしていく
ことに繋がって、皆が前より確実に幸せになっているのが素敵。

面白かった!!



                    ★★★★★

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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪

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