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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2022年12月


やすらぎのひとときに、心にあかりを灯す21話の物語。◇オオカミの先生の〈ヴァンパイア〉退治◇ギター弾きの少女の恋◇予言犬ジェラルドと花を運ぶ舟◇天使が見つけた常夜灯のぬくもり……他〈中公文庫創刊50周年記念刊行〉

                  (中央公論新社HPより)




手に取りやすい大きさの本で、装丁も素敵。

図書館の本だけれど、手元に置いておきたくなる。

とても短いお話が21編。

表題の<中庭のオレンジ>は、戦時下、図書館の本を守るために中庭に皆で
埋める。本と一緒に皆で食べたオレンジのタネを一緒に。
すると、それが芽を出し、やがてオレンジの実が沢山出来る。
その実で作ったお酒には物語が宿っている。

素敵な話から始まる。


これは、後で<オレンジの実る中庭><オレンジ・スピリッツの作り方>と
いう話でも、この中庭のオレンジの話が出てくる。


面白かったのは<カウント・シープ#5391>
夢主にカウントされることを待ち望む5391番の羊。
そうそう、カウントされることにはならない。
そしてある日、7番の羊と話す。
#5391が羨ましがると、毎晩カウントされるのも大変なんだという。

なるほど・・・#5391の方が気楽でいいかも・・・^m^


クスッと笑えるものあり、ちょっと不可解なものあり
これからも色々な物語を読ませてほしい。



                         ★★★★
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発行年月:2021年7月


もういちど会いたいです――。 都会のはずれのガケの上にある古いアパート。 その屋根裏にひっそり暮らしている元オーボエ奏者のサユリ。 唯一の友だちは、頭の中にいる小さなチェリー。 「流星新聞」の太郎、定食屋〈あおい〉の娘のミユキさん、鯨オーケストラの元メンバーたち……と個性的で魅力的な登場人物が織りなす待望の長編小説――。 『流星シネマ』と響き合う、 愛おしい小さな奇跡の物語

                  (角川春樹事務所HPより)



「流星シネマ」「屋根裏のチェリー」「鯨オーケストラ」

3部作から成るシリーズ。
登場する人たちがみんな穏やかで優しい雰囲気で癒される。

先に「鯨オーケストラ」を読んだので、オーボエ奏者のサユリが、人と付き合うのが
苦手で、頭のなかに存在するチェリーが唯一、気兼ねなく話せる相手だったと
知る。

チェリーは、良きアドバイザーだな。
外に出てみることを勧め、その行動によって、どんどん奇跡的な
出会いが生まれて行って、解散したオーケストラを再結成したい!と強く
思って行動するようになるんだから、凄い変化!

鯨オーケストラの再結成の過程も知れて楽しかった♪

音楽で繋がっていく人間関係って、素敵だな。

今も音楽が人を繋げていくドラマ「さよならマエストロ」を見ているけれど
ちょっと通じるようなものを感じた。


もう暫くしたら、また三部作を通して読んでみたい。



                      ★★★



発行年月:2023年3月


僕は地元のラジオ局で深夜の番組を担当している。ある日、17歳の時に絵のモデルをしたことを話したところ、リスナーから、僕によく似た肖像画を見た、と葉書が届く――。土曜日のハンバーガー、流星新聞、キッチンあおい、行方不明の少年、多々さん、鯨オーケストラ――すべてが響きあって、つながってゆく。小さな奇跡の物語がここに終わり、ここから、また始まる。『流星シネマ』『屋根裏のチェリー』そして――。静かに心が共振する、希望の物語。


                  (角川春樹事務所HPより)




三部作って知らずに読んだけれど楽しめた。

「流星シネマ」は読んでいたので、途中「あれ?」と。


主人公の曽我哲也(33歳)が偶然、出会っていく人たちと、また新たな
人との出会いを生む。
17歳のとき、「ソガ君の目は昔々と未来の両方を見ている目なのよ」と
多々さんの絵のモデルになったことがあり、その絵かもしれない絵が、
ある美術館に展示されていると知り・・・

後半、多々さんとの再会があり、哲生は鯨オーケストラの一員になりそう。

出てくる人たちが、いい。
親しくなっても、馴れ馴れしくなく、いいかんじの雰囲気。


とりあえず、二作目らしい「屋根裏のチェリー」。
オーボエ奏者のサユリさんが主人公の話を読まなきゃ!


このお話の雰囲気がすき。



                      ★★★★



発行年月:2020年11月


言葉が少しずつ集まって語り始めようとしている。
まだ書かれていないこの本はきっと
小さなものと静かなものについて書かれた本になる──。
夢のつづきと物語の始まりの小文集。

               (平凡社HPより)



前書きに書かれている通り
短い小説でも詩集でも随筆集でもない新しい1冊。

物語として成立しているようなものもあれば、1場面を切り取ったようなものも。
でも、どの言葉も文章も素敵。
SFっぽく、少し怖いなというものもあれば、ほんわか夢の中のようなものも
本当にいろんな物語のタネのようなものが集められている。


楽しい。
短いお話なので、次はどんな文章かな?とワクワクしながら頁をめくれるのも
いい。
気づけば1冊読み終えるのにアッという間。

イラストもいい。

ほんと、センスいいな。吉田さん。


                        ★★★★★


発行年月:2020年7月


北海道新聞文化面での連載(16年8月~20年2月)に加筆修正し、単行本化。
笑ったり
考えたり
思い出したり
忘れたり
奇妙な星(地球)、おかしな街(東京)でのほのぼのとした癒されるエッセイ集。

                  (春陽堂書店HPより)



エッセイだけど、物語っぽいのもあって、読んでいて楽しい。
同い年だから、昔のことを思い出して書いている場面では、共感してしまったり・・。


一番好きなのは<虹の根元を通り過ぎて>。
新幹線に乗っているとき、急に徐行になったので「?」と思ったら
色のついた霧のようなものが見えて・・・。

あまりの見事さに徐行したのだろうって書かれていたけど、
霧で見通しが悪くなっての運転士さんの判断じゃなかったのかな~?

まあ乗客に、そんな素敵な配慮で徐行したと考える方が素敵ではあるけれど。


本の装丁も相変わらず素敵。

薄い緑色の罫線があるなかに文字があって、原稿用紙に書いたのを読んでいる気分。
イラストもいい。


                       ★★★★
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