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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2013年11月

仁藤全。高校では42本塁打を放ち、2000年のプロ野球ドラフト会議で阪神タイガースの8位指名を受け入団。強打の外野手として期待されたものの伸び悩み、2001年から2010年までの10年間で171試合に出場、通算打率2割6分7厘で本塁打は8本。もちろん、ヒーローインタビューのお立ち台に上ったことはない。しかし、彼について語るところのある者にとって、仁藤はまぎれもなくヒーローだった――。彼の担当スカウト、彼が好意を寄せる女性、タイガースで彼の後輩にあたるドラ1投手、彼と因縁のあるドラゴンズのベテラン左腕投手、高校時代の野球部で彼とバッテリーを組んでいた男、それぞれの視点で語られる、あるプロ野球選手の物語。


                   (角川春樹事務所HPより)




図書館棚を見ていて、目に留まった一冊。

ちょうど、昨年、阪神が優勝したし、ある意味タイムリーかも。

阪神ファンじゃなくて楽しめた。
実際に知っている選手の名前も出て来たし・・・。


主人公の仁藤全を知る人たちが、それぞれの仁藤とのことを語る。
思い出話だったり、最近のことだったりするけれど、みんな仁藤のことが
好きなんだなぁ~というのが伝わってくる。

仁藤自身の人柄もいいからかな?


野球人生を終えたあとの仁藤も幸せそうなのが、またいい。

最後の話で、仁藤が命の恩人的存在になったというスポーツライター・田所の
話がいいかんじで物語を締めている。


初めて読んだ作家さんかも。
なかなか良かったので、他の作品も今度、読んでみよう。



                      ★★★★

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発行年月:2023年2月


育たない胸に、どうしてこんなに悩んでいるのだろう。いくつ年を重ねても、いつも人生に自信を持てない。たかが胸なのに。されど、胸――。生きづらい世の中との隔たりをやわらかく溶かす珠玉の小胸小説。『ブラ男の告白』『EあるいはF』『授乳室荒らしの夢』『胸は育たない』の4篇を収録。

                  (双葉社HPより)



初めて読む作家さん。
「胸」のことで悩むお話4つ。
どの話も面白かった。
悩んでいる本人には、真面目な問題なんだろうけれど・・・


<EあるいはF>
推していた男性俳優が元グラビルアイドルと結婚。
その結婚相手に嫉妬心を抱くのだけど・・・・
それは彼女の胸に対して?

彼女自身が悩んでいることに、向き合ってそれを振り切ったような
ラストは清々しく、よし!がんばれ!と思う。


<ブラ氏の告白>
トレンチコートの中にブラジャーを着けた小太りな男が現れるという
噂を聞いて、混乱する主婦の話。
ブラ氏は、自分なのかも?いや、夫なのかも???

妄想力が凄くて・・・笑える^m^


<授乳室荒らしの夢>
郵便局員として働いているモナミ。
窓口に来る作家志望の男と親しくなるが、忙しくなるので、もう会えないと
言われショックを受ける。
ふと目に付いた授乳室のなかに。
居るべきではない場所に居ることを訓練として15分居る。

思考が独特過ぎるけれど、まあ、その変な行動が、いいように転んで
よかった・・・かな?


<胸は育たない>
胸の大きな人に憧れる女子高校生。
プールではしゃぐ男子サッカー部員と女子マネージャーをスマホで盗撮。
撮っているのは、女子たちの胸。

ああ、この頃はこういうことで悩んだりすることあるよなぁ~。



4つのお話のそれぞれの主人公たち、なんだか愛おしいな。

この作家さん、面白い話を書くなぁ~
他の作品がちょっと気になる。




                        ★★★




発行年月:2006年2月


~ この小説は、軍事政権下のプノンペンから逃れ、必死で生きようとするある少年(主人公)と、その家族を描いています。現実にあった出来事をベースにしながら、少年が成長していく過程、家族との絆などが抒情性豊かに描き出されます。
著者の謝孝浩は、これまで、『スピティの谷へ』『カンボジアからやってきたワンディ』(いずれも新潮社刊)など、おもにノンフィクションの分野で活躍してきましたが、今回は、初めての小説に挑戦しました。ノンフィクションで鍛えられた確かな観察眼と、みずみずしい感性に支えられた作品となっております。
■小説『藍の空、雪の島』について
異国に来て十年、自分を「異物」と感じながらも日々の生活を送っていた「僕」のもとに、一通のエアメールが届く。その封筒の色と消印から、「僕」は、手紙の送り主が誰であるかを、確信する。封筒を開けたとたん、「僕」の記憶が甦る。おぼろの月、ドブ川のにおい、闇の森に響く野獣の遠吠え……。「黒服たち」に弾圧された祖国での体験と逃避行、旅の途中で出会った人々。「僕」の心に、つぎつぎと記憶が溢れ出してくる……。
内容(「BOOK」データベースより)
故郷を追われた少年は、家族とともに海の彼方の「イープン」を目指す…。みずみずしい感性が描き出す、ひとりの少年の成長の物語。


                    (発行/スイッチ・パブリッシング)



10歳のワンディ少年とその両親と5歳上の姉の家族の壮絶な話。

カンボジアで結構、裕福に暮らしていた一家が、ポルポト派に突然、追われ
家から逃げ、村を転々としながら生きていくことになる。
暴力によって命を落とす人も。

村を転々としながらも、必ず、助けになってくれる人が現れるのは救いだった。
ワンディにも友達ができ、その交流は心が温まる。

けれど、そんな暮らしもすぐに逃げ出さなければならない状況になり
親しくなってもすぐに別れが来て辛い。

カンボジアからベトナムへ。そしてタイ。
最後の目的地は日本。

物語は、日本での生活から始まる。
そして、届いた1通の手紙によって、ワンディの記憶が蘇る。


手紙の主はリュイ。
リュイの家族と共に途中までは逃げた。
ワンディのお父さんが凄く立派な人で、自分の身の危険よりもリュイの家族の
ことを考えて行動する姿は、尊敬。


ワンディとリュイは、再会したんだろうな。


こういうことが世界の色々なところで、あったことをニュースでは知っていても
こうして物語で読むとリアルに感じることが出来る。



                   ★★★★

発行年月:2021年5月


【第165回直木賞受賞作!】
鬼才・河鍋暁斎を父に持った娘・暁翠の数奇な人生とは――。
父の影に翻弄され、激動の時代を生き抜いた女絵師の一代記。
不世出の絵師、河鍋暁斎が死んだ。残された娘のとよ(暁翠)に対し、腹違いの兄・周三郎は事あるごとに難癖をつけてくる。早くから養子に出されたことを逆恨みしているのかもしれない。
暁斎の死によって、これまで河鍋家の中で辛うじて保たれていた均衡が崩れた。兄はもとより、弟の記六は根無し草のような生活にどっぷりつかり頼りなく、妹のきくは病弱で長くは生きられそうもない。
河鍋一門の行末はとよの双肩にかかっっているのだった――。


                      (文藝春秋HPより)



河鍋暁斎(きょうさい)と言われても・・・?だったけど絵を見たら
ああ、こういうのね・・・と。

物語は、その娘・とよの話なので、全く知らない(^^ゞ
それでも、面白く読めた。
父は世に名の知れた絵師だったが、その父が亡くなったところから物語が始まる。


父を慕っていた弟子の鹿島清兵衛が葬儀のすべてを滞りなく進めてくれるし
他にも父を懇意にしてくれた質屋の八十吉、その息子の八十五郎も、とよのことを
何かと気遣いしてくれる。


父・暁斎には、息子・周三郎もいるが、とよとは腹違いの兄。
父の絵師の腕を引き継いでなかなかの絵を描く。とよもその腕は認めているが
会えば、喧嘩口調になる兄との会話。
実の弟・記六は母方の縁戚に養子に行き、お気楽もので度々、金を借りにくる。
妹・きくは病弱(20歳で亡くなる)。
と家の雑事に振り回される、とよ。


絵師としては、いまいち大成できず、それを悩んだりしていた、とよだけど
結婚(のちに離婚)もして娘・よしも生まれ、美術学校の先生として生徒たちからは
慕われるなど、それなりに良い生き方をしたんだと思う。

絵師として大成せずも十分、幸せそうで、よかった。

仲が悪かった兄も病に倒れ気弱になったのか、とよに本心をぶつけたり
兄は兄なりに、とよのことを気にかけてくれていたんだな。


とよというひとりの女性の生き様を明治~大正という時代背景とともに
楽しめた作品だった。




                        ★★★★



発行年月:2021年6月


さまざまな人たちと案内人が織りなす、最後の再会を描いた感動小説。
「あなたが、最後に会いたい人は誰ですか」
さよならの向う側と呼ばれる場所にいた男、案内人はそう言った。
人は亡くなった時、最後に一日だけ現世に戻って会いたい人に会える時間が与えられる。
ただし、その中で会える人は、
『あなたが死んだことをまだ知らない人だけ』。
人は最後に大切な人に会いに行く。
きっとどんな困難が待っていても、人はそれでも大切な人に会いに行く。
そんな、さまざまな人たちと案内人が織りなす、最後の再会を描いた純度100%の温かい感動の物語。
今すぐ、大切な人に会いたくなる物語が、ここにある――。

                    (マイクロマガジン社HPより)



号泣間違いなしみたいな謳い文句があったけど・・・・正直そこまでは・・・(^^ゞ

でも、まあ楽しめた。

5つのお話、それぞれ主人公は違うけれど、少しリンクしていたりする。


亡くなった人に案内人が問う
「あなたが、最後に会いたい人は誰ですか?」
ただし、会えるのは、あなたが死んだことをまだ知らない人だけ。



こんなこと言われたら困る。
自分の死を知らないような関係の人に、会いたい人なんていない。

実際、登場するに5人も、困惑する。

けれど。。。なるほどね。
そういう意味でなら会いたい人いるかも!
そのアイデアは面白かった。


三番目の同棲していた恋人に会いたいと会いにいく幸太郎の話のオチは
やられた!(笑)
猫だったんかい!


最後の話、案内人が案内人になった経緯。
これは一番、感動的だったかも。
泣けるほどではないけれど・・・。
良い話だったなぁ~。
ここまで愛されている奥さんはきっと素晴らしい人だったんだろう。




                      ★★★
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪

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