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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2023年8月

私の幸せも不幸も、私が決める。そう、決めた
「離婚って失敗なの?」「恋愛と結婚って別物?」
新直木賞作家が描く、おとなの女性の結婚と幸福をめぐる物語。
桐原まりえは40歳を手前に離婚した。夫の森崎に「恋愛がしたい」と切り出され、2年近い話し合いの時期を経て、7年半の結婚生活に終止符を打ったのだ。理由にはいまも納得がいかないまりえだったが、自分はもう誰にも属していない、そう思うと心は軽やかだった。離婚届を提出する朝、寂しさよりも、手放して一人になることの清々しさをこそ感じたのだ。
「あんたもこれから恋愛できるわね」、行きつけのワインバーでよく遭う年かさのかっこいいマキさんはそう言うが、まりえにはその気はない。駆け引きも探り合いも億劫だし、今のからだを見せる羞恥が性欲を上回る。なにより、すべて自分の自由にできる生活が一番大事でそれを危うくする欲望に呑み込まれたくはないのだ。でも、なにか不安で、なにか取りこぼしている気がする……。
ひょんなことで懐いてきた由井君が粉料理を教わりに訪ねてくるのを好ましくは思うが、物事の受け止め方に7つの歳の差を感じるばかりだ。そんな折、些細なきっかけと少しの興味から、まりえは結婚相談所に登録をした。そこで見聞きする世界は、思いもよらないものだった。マリッジコンサルタントに、紹介された男たちに、婚活仲間に、切実な「現実」や結婚に対する価値観を次々と突きつけられ、まりえは考え続ける。自分が人生に求める幸せとは何なのか。
若い頃のように無邪気に恋愛に飛び込んでいけなくなった眼にだからこそ捉えられる、おとなの女の幸せをめぐる長篇。

                (文藝春秋HPより)



森崎の離婚理由は、「なんだそれ?」だけど、
意外とすんなり受け入れるマリエに違和感。
まあ、自分も働いていて、それなりの責任ある仕事を任されている様子なので
経済的にも一人で生活していける環境が確保されているからなのかなぁ~?

知り合った7つ年下の由井くんとも、良い感じだし
それなりに離婚後の生活も充実している。

マリエの心のなかは、それでも色々、揺れているんだけれど
なるようにしかならないんだから、楽しめばいいんじゃないかな?
とやや冷めた感想しか浮かばないかな~?

まあまあ、楽しめたけれど・・・・
ちょっと物足りなかった。



                      ★★★
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発行年月:2022年9月


戦国末期、シルバーラッシュに沸く石見銀山。天才山師・喜兵衛に拾われた少女ウメは、銀山の知識と未知の鉱脈のありかを授けられ、女だてらに坑道で働き出す。しかし徳川の支配強化により喜兵衛は生気を失い、ウメは欲望と死の影渦巻く世界にひとり投げ出されて……。生きることの官能を描き切った新境地にして渾身の大河長篇!
第168回 直木賞受賞

                  (新潮社HPより)


石見銀山が舞台。
主人公のウメは、幼いとき、両親と母親が背中に弟をおぶって、村から逃れるが
途中で一人だけになってしまう。
そして、山師の喜兵衛という男の元で暮らす。
喜兵衛は、銀山の集落では一目置かれる存在。
銀のあるところを見つけるのが仕事で、ウメの手子として間歩に入り
銀堀りを手伝う。
夜目が効くウメは、皆に重宝がられ、ぶっきらぼうだが面倒見の良い
喜兵衛の元でそこでの生活に馴染んでいく。


しかし、銀堀りは、肺にはよくない。
男たちは若くして肺を病み、咳をしながら苦しみつつ亡くなっていく。

ウメが成長し、女性らしくなると、今までと違う目でウメをみるものもあり
そんな男たちによってウメも暴力的に子どもをお腹に宿すことに。
結局、流産するのだけど・・・酷い。

ウメが一人でも生きられると判断したのか、喜兵衛は他所の土地へと
行ってしまう。
ウメは子どもの頃から知る隼人と一緒に暮らし子どもも3人(男子2人、女子1人)
けれど、隼人も亡くなり、同じように小さい頃、可愛がっていた龍がウメの
そばに。
やがて龍の子も2人。
それでも、やはり龍も亡くなり、息子たちも同じように・・・。


なんと辛い人生だろう。
愛するものは、どんどんいなくなってしまう。

こういう風に生きるしかなかった人たちが居たんだなぁ~。


重厚な物語だった。




                    ★★★★★




発行年月:2021年4月


私たちずっと一緒だと思っていたのに。彼女は脱獄犯の男と、島から消えた。
小学校最後の年を過ごした島で、葉は真以に出会った。からかいから救ってくれたことを機に真以に心を寄せる葉だったが、ある日真以は島に逃げ込んだ脱獄犯の男と一緒に島から逃げ出し、姿を消してしまう。裏切られたと感じた葉は母に連れられ東京へ戻るが、大人になって会社で日々受けるハラスメントに身も心も限界を迎える中、ある陶芸工房のHPで再び真以を見つける。たまらず会いに行った葉は、真以があの事件で深く傷ついていることを知り――。女であることに縛られ傷つきながら、女になりゆく体を抱えた2人の少女。大人になった彼女たちが選んだ道とは。

                     (角川書店HPより)




都会から祖父母の元に来た葉(よう)と離れ島に祖父と暮らす真以。


島に来て、なかなか雰囲気に馴染めない葉だったけれど、表情が乏しいけれど
優しい真以と親しくなる。
が、ある時、窃盗か何かの犯罪で捕まった青年が逃亡犯として島に来ているらしいと
警察が見回りに。
そして真以と葉は、その青年と知り合う。
名前を知らず、お兄さんと呼び、おにぎりなど食料を渡したりしていたが
ある日、お兄さんと真以は島からいなくなる。



第二部は第一部から20年後。

大学を卒業し飲料メーカーの販売促進部で働く葉。
上司の男性から理不尽ないやがらせを受けながらも仕事はきちんとこなして
いた。
ある時、任された企画に関連する資料を見ていて、焼き物の作者として
横顔の顔写真から真以だと知り、再会。

2人は離れていた間もお互いを大切に思っていた。
職場で辛いハラスメントを受けていることも打ち明け、葉は、強くなる。


心強い理解者の存在が踏み出す勇気をくれる。

真以自身も辛い思いをしてきたからこそ、人の痛みに敏感なのかな?と
思うと少し辛いけれど、二人はこの先もお互いを支え合って
強く生き抜いて行ってくれると信じたい。


しかし、ホント、最低最悪の上司だな。
もっと痛い目に遇わせてやりたいわ!(怒)



                      ★★★


発行年月:2020年4月


香りは、永遠に記憶される。きみの命が終わるまで。
元・書店員の一香がはじめた新しいアルバイトは、古い洋館の家事手伝い。
その洋館では、調香師の小川朔が、オーダーメイドで客の望む「香り」を作る仕事をしていた。人並み外れた嗅覚を持つ朔のもとには、誰にも言えない秘密を抱えた女性や、失踪した娘の手がかりを求める親など、事情を抱えた依頼人が次々訪れる。一香は朔の近くにいるうちに、彼の天才であるがゆえの「孤独」に気づきはじめていた――。
「香り」にまつわる新たな知覚の扉が開く、ドラマティックな長編小説。

                    (集英社HPより)




調香師の朔とそこで家事手伝いをすることになった一香。

二人は、家族のことで深く傷ついた過去がある。

朔は、母親がネグレクトでごみの中から保護された過去。

一香は、虐めから不登校になり自殺した兄のことを自分は見捨てていたと
自分を責めていた。



朔には、幼馴染の新城がいる。
幼い頃からの朔を知りながら、特殊な鼻の力を活かす仕事を与えた。
自身は探偵として動き、そこには朔の鼻が大いに役に立つ。




朔は、調香師として、その人が望む香りを再現する。

亡くなった夫の香りをと望む女性の依頼人。
香りを作ったけれど、使うことはお勧めしないと忠告を。

女性は嘘をついていた。朔は嘘も見抜く。
女性は、元不倫相手の男性の香りを望んだのだけど、その香りによって余計
執着心が増幅し、警察に捕まる事件へ。



朔と一香はどこか似たところがあるな~と思って、この二人はお互いを
支えて生きていけるんじゃないかな?と思ったのに、途中で朔は一香を突き放す
ような香りを渡す。

この先、一香が変化するのが怖かったから・・・・と
新城は、そんな朔の気持ちに気づく。

誰かに対して興味を示し、行動したのは初めてのことだから・・・と。
ナイス!新城!

朔自身も変わって、もう少し、生き難さから解放されていくといいな。


物語の雰囲気がすごく良かった!
表紙の絵が少し、不気味だけど、内容は爽やか。



                       ★★★★★


発行年月:2019年7月

あの人は、きれいな思い出なんかじゃない

きつい目に大柄な身体、恋愛なんて私には似合わない。
そんな二十歳の藤子に恋を与え奪ったのは
死んだ父より年の離れた写真家だった

              (文芸春秋HPより)


20歳の藤子は、二人暮らしだった父親を亡くしばかり。
そこに現れた、同じ町内の写真館の息子・全さん。
父より10も年上の男に、だんだん惹かれていく藤子。


自分の小さい頃のことを知っていて、弱っているところに
するっと入り込む全さんに読みながら、藤子、危ないぞ!と
警告のことばを心の中で叫びながら読んでいた(笑)。

でも、案の定、恋愛経験のない藤子は、まんまの全さんに
はまってしまう。
あ~全さん、なんと罪深いんだ~!(怒)


でも、全さんは自分からは誘ってないな。
積極的に誘ったのは藤子の方だしね。
でも、普通の大人なら、断ると思うけどなぁ~。
余命短い身なら尚更。


兎に角、読みながら、あれこれ突っ込みしたくなった。


20歳だった藤子がその後、社会人になり、全さんの遺した
写真集を見る場面は、ちょっとドキッとした。
全さんが自分のことをどう見ていたかに気づく瞬間。


藤子には、新たな恋をしてほしいな。

タイトルの意味をあれこれ考えた。

神様は、誰だ?
全さんにとっての神様は藤子。
藤子にとっての神様は全さん。


そんな二人を引き合わせたのは、どこかの神様?
その神様の暇つぶし?

う~ん。わからん。

何処かに著者のインタビューでタイトルについて語って
いないかな?


なかなか、良い話だったと個人的には思う。



                   ★★★★

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