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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2016年1月

不妊で夫と義母からの嫌味に耐え続けてきた千穂は、算数障害に苦悩する男と出会う。妻と男との関係を怪しむ夫の奇行に、抑えてきた感情を一気に爆発させた千穂は、ある事件を起こしてしまう――。

                    (中央公論新社HPより)


重苦しい話でしたが、引きこまれました。

夫と義母から常日頃、屈辱的な扱いを受けている千穂は、偶然であった算数障害の透を
気にかける。
自身が開くそろばん教室で、そろばんを教えることから始める。
やがて、二人は離れられない関係に・・・・・。

う~ん。出会ったことは幸運だったのか?不運だったのか?
お互いが抱えて来た大きなものを理解し合えてはいないけど、一緒に居ることで
その抱えたものから逃げる仲間を得たかんじかな?

透の過去が、哀しい。
母と二人の生活を支えてくれた民生委員の新藤夫妻とのこと。
人の暮らしに立ち入るって難しいな~。


哀しかったのは、透の祖母・邦子の元で暮らし始めた千穂と透が、何かと手助けして
くれた邦子を殺害してしまうところ。
二人の行為は身勝手でしかない。
ここまでは二人の関係をある程度、認めたけれど、これ以降ちょっと批判的に
見てしまった。
追い詰められた人間って恐ろしいな。


二人は追い詰められて、人を殺めることを続けていく人たちなのかも。
逃げていくだけじゃダメでしょ?と考えるのは、他人事だからかな?

ラストもモヤモヤしたものが残りました。

二人の間に生まれた子どもはどうか幸せになって欲しい。


話としては好きじゃないけど、最後まで引き込ませてくれたのはさすが。


                       ★★★
 
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発行年月:2012年8月

最低の悪女をめぐる傑作ミステリ


離婚して経済的に困窮しているギタリスト・多聞に、
人気歌手・実菓子のインタビューの仕事が舞い込んだ。
多聞と実菓子は幼いころ同じ家で育ち、しかも
多聞の亡父と亡兄はともに実菓子の夫であった――。

                  (角川書店HPより)



表題からインパクトありますが、読むと衝撃をうけまくりの凄い話でした!!

青鹿多聞と実菓子の出会いは、多聞が小学生5年生、実菓子が小学4年生。

実菓子は母の鏡子と共に多聞の家に住むことになる。
多聞の兄・不動は、その時、中学1年生だが、病弱で母親は何かと不動の
世話を焼いていた。

最初から、この展開に何か嫌なことが起きそうだと、ソワソワ。
特殊な環境を持つある村の旧家同士の確執が土台にあって・・・・

多聞たちの藤屋と実菓子の元の家である斧屋。


最初は、大人になった実菓子が極悪の女性かと思って読んでいましたが・・・
実菓子は、ただの被害者でした。
実菓子の母親と同じくらい性悪だったと知った多聞の母の真実には、ビックリ!

もうドロドロの愛憎劇なんてもんじゃない。
旧家同士の恨みが絡まったとんでもない話で、読んでいてドキドキが持続しっぱなしで
読み終えたときには疲労感すら感じてしまった。


いや~凄い話、書きますね・・・・。


読み終えると、このタイトルと表紙が、すごく意味深に感じます。

遠田さんの作品は、全部凄い!!


                            ★★★★★

 



発行年月:2015年2月


 僕の尊敬する常に完璧な父親が、百合の花を買いに出かけて事故死した。2年前に母親を亡くして以来、父と二人きりで仲良く暮らしてきた大学生の息子・在は、几帳面な字で書かれた父親の驚くべき遺言を手にした。「父さん、あなたは嘘つきだったのか――?」そして事故の夜、一本の百合を持った少女が在の前に現れる。彼女はすぐに姿を消したものの、父の遺品のアルバムの中で少女と似た女性を見つけて……。徐々に明かされていく父親の過去は、僕の想像を超えた残酷なものであったが、それは大切な人を必死に守るためだった――。慈悲の心に満ちた者たちを、瑞々しい筆致で描ききった書き下ろし長篇小説。

                  (角川春樹事務所HPより)




遠田さんの描く物語はいつもその世界のなかに引きこまれるので今回も期待
していました。
そして、やはり期待を裏切らない展開で、最後まで頁を捲る手が止まらない。


主人公は大学生の片瀬在(ある)。
2年前に母が病死した後は、設計事務所に勤める父との二人暮らし。
食事の支度も協力し合い、やっと二人の生活を楽しめるようにもなってきた矢先
父親が突然の交通事故死。
その日、家の前にいたセーラー服姿の高校生が、やがて、在にとって
重要な人物となっていく。


いつも隙のない恰好で、友人にも「俳優みたいな父親だな」と言われた父・片瀬和彦。
家のなかでも快活で優しく愛嬌たっぷりの笑顔を絶やさない憧れの存在のような
父親だった。
けれど、父が生前は「秘密基地だから勝手に入らないように」と言っていた
書斎の片づけをしていて、どんどん不可解なものを発見していく在。

そして、段々と明かされる父の秘密。

ドキドキしながら読み進めました。
次第に片瀬和彦の高校時代の話になっていき・・・
息子として知るにはとても複雑な思いにさせられる真実。

在の気持ちに共感しながら、読み進めました。

どういうラストになるのやら?
と思っていましたが、納得出来る終わり方で、ホッ。


真実を知っても和彦のことを許せないと思わない在の人柄にも好感が持てました。
読む人によっては、和彦を許せないと感じる人もいるかもしれないけれど・・・。


表紙の絵はダヴィンチの「受胎告知」。
百合の花もそこに描かれていて、表題の「お葬式」とインパクト大で
本を手に取った時から謎だらけでしたが、
なるほど・・・読むとこの絵の装幀の意味がわかります。


次回作も大いに期待したい作家さんです!!


                          ★★★★★



発行年月:2014年3月


 母は失踪。女の出入りが激しい「たらしの家」で祖父と父に育てられた庭師の雅雪は、両親を失った少年、遼平の世話をしてきた。
しかし遼平の祖母は雅雪に冷たく当たり続ける。雅雪も、その理不尽な振る舞いに耐える。
いったい何故なのか? そして14年前、雅雪が巻き込まれた事件の真相は?
耐え続ける男と少年の交流を軸に「償いと報い」を正面からとらえたサスペンス。

                      (光文社HPより)





なんて、辛く切ない話なんだろう。

祖父、父ともに女性の出入りが激しい「たらしの家」と幼いときから陰口を言われて
大人になって、祖父と共に造園業を営む曽我雅雪。
14年前の事件によって全身火傷を負った雅雪。
そして、恋人は、服役中。

そんな雅雪は、一人の少年・遼平をずっと見守り続けている。
幼い時には、雅雪に懐いていたのに、最近は自分が遼平の両親を死に追いやった者の
関係者だとわかり心を閉ざしている。


14年前の事件の真相が明かされるのは後半なので、それまでは
登場人物たちがどう関係しているのか、明かされないまま読み進む。
そして、真相を知って・・・
雅雪が気の毒過ぎると感じた。
罪の意識を感じる必要あるのか?
雅雪の誠実さにはなんと言っていいのやら・・・。
理不尽過ぎる目に遭いながらも、遼平のことを気にかけ拒まれても離れず居るって
凄いな。

終盤は、それが、報われて、良かったぁ~。
二人で野宿することになり、お互いの気持ちをさらけ出して語る場面は感動的!!


凄く読み応えのある話でした。

雅雪、遼平二人ともこれからの未来はきっと幸せが待っている!と
信じたいなぁ~。
少し幸せに近づいていけそうなラストだったのが救い。



                         ★★★★★
41I192DRChL__SX230_.jpg    発行年月:2011年12月


   劣悪の環境から抜け出すため、罪無き少年は恐るべき凶行に及んだ。
   25年後の夜。大人になった彼に訪問者が。
   それは、救いか? 悪夢の再来か?

母に捨てられ、父に殴られ、勉強もできず、リコーダーも吹けない。
そんな俺でも、いつかなにかができるのだろうか。

河口近くの街の、掃き溜めの居酒屋「まつ」の主人、藤太。
客との会話すら拒み、何の希望もなく生きてきた。
ある夏の夜、幼馴染みの小学生の娘が突然現れた。
二人のぎこちない同居生活は彼の心をほぐしてゆく。

しかしそれは、凄惨な半生を送った藤太すら知らなかった、
哀しくもおぞましい過去が甦る序章だった。

今、藤太に何ができるのか?

この切なさ。この高まり。遠田潤子に注目!


                                       (光文社HPより)


なんと切なく哀しい物語なんだろう。
泣けるというより、胸がしめつけられるように辛い。

主人公の中井藤太40歳は、父が営んでいた居酒屋「まつ」を一人でやっている。
店の様子は、うらぶれているかんじ。
けれど、そこに集う常連客たちは、明るく店の雰囲気としては悪くはない。

そこにある日、小学生の女の子・ほづみを連れて、中学の同級生・秋雄が訪れる。
秋雄は、藤太とは違うエリ-トの道を進み、東大卒の弁護士になっていた。
いづみを暫く預かって欲しいと500万円とともに置いて行く。
ほづみは、同じく中学のとき仲のよかった子で3人はいつも一緒だった。
そして、3人には共通する悩みがあった。

それぞれの親は最低な父親。
酒が入ると暴れ、暴力をふるい、3人の父親は、賭けマ-ジャン仲間でもあった。

親が違っていれば、もっと楽しい毎日が送れるのに・・・
ついに秋雄と藤太は、それぞれの父親たちが、とんでもないことをしていることに気づく。


絶対に赦せない!!そして、計画するあること。


大事に思っているいずみのために犯す罪。
けれど。。。。終盤、その犯した罪により、さらに、いずみが辛い目に遭っていたことを知る藤太。

いずみの気持ちを考えると、本当に辛い。

表題の「アンチェル」は、有名な指揮者・カレル・アンチェルを指し、彼はチェコフィルハ-モニ-管弦楽団に属しているが、第二次大戦中、チェコはドイツに占領され、アンチェルはユダヤ系だったため、ポ-ランドの収容所に送られ、家族はそこで全員、亡くなっているそう。
アンチェルが指揮する楽団が奏でる、「新世界から」の曲が3人の思い出の曲になっていて、それを聞いて感銘を受けた藤太たちの気持ちがまた泣ける。

「蝶」についても藤太・秋雄・いずみにとっては、忘れられない思い出がある。


兎に角、暗くて、読んでいるのが辛くなることばかりですが、先が気になるお話です。
デビュ-作久の「月桃夜」を読んだときも衝撃的でしたが、これもまた凄い!!

しかし、辛い話の最後には、今回もちょっと光のようなものが見えたのが救いでした。


この表紙の絵も、儚げでいい。
蝶にも見えるし。

次回作も期待してます!!

★★★★★

 
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