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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2017年10月


 「あの世からだっていい、俺の名前を呼んでくれ」
森二が刑務所を出た日、塀の外で二人の「兄」が待っていた――。自らの犯した深い罪ゆえに、自分を責め、他者を拒み、頑なに孤独でいようとする森二。うらぶれたアパートの隣室には、バンドネオンの息苦しく哀しげな旋律を奏でる美少女・沙羅がすんでいた。森二の部屋を突然訪れた『娘』冬香の言葉が突き刺さる──「私、あの夜のこと、憶えているんです。あなたは私の目の前でお母さんを殺しました」。森二の「奇跡」と「罪」が事件を、憎しみを、欲望を呼び寄せ、人々と森二を結び、縛りつける。更に暴走する憎悪と欲望が、冬香と沙羅を巻き込む! 森二は苦しみを越えて「奇跡」を起こせるのか!?

                    (幻冬舎HPより)



吉川森二(37歳)が刑務所を出る場面から。
妻を殺したというが、どういう経緯だったんだろ?先ずはそれが頭のなかにずっと
残っていました。

森二の言動をその後読みながら、妻の唯を故意に殺害したとは思えない、
妻のことを凄く大切に思っていたが、なんらかの裏切り行為があってのこと?

終盤、その夜のことが詳細に記され、故意ではなかったとわかる。
それゆえ、森二の後悔、哀しみが強く感じられ同情する。

生まれて、育つ家の環境って、凄く大事で、その人のその後の人生にまで
大きく影響を与えてしまうものなんだと感じた。

森二、森二の娘・冬香、森二が出所後暮らすアパートの隣人・沙羅。
それから、唯の兄(終盤その続柄は変わるけど)の長嶺圭介。

みんな過去の出来事によって心のなかに重いものを抱えながら苦しんでいる。

なにかキッカケがあれば変われそうな人たち。
悪人はいない、むしろ、心優しい人たち。


物語はどう終結するんだ?


そして、あるひとつの事実が判明して・・・・・それからは急展開。
森二が唯のお墓参りをした場面。
「え~?このお墓にある名前って????」

その真相は、ビックリ仰天でしたが、あり得ることかな?


それにより、森二が義兄・圭介とのわだかまりが解け、冬香との関係も良い方向に
向いそう。
それが一番、嬉しかった。

実の兄・光一もずっと敵対する相手だったのが、信頼できる兄に変わった。
沙羅も真実をしり前を向いていけそう。

ず~っと暗くて重くてシンドイ物語でしたが、最後に救いがあって
本当に良かった!

ちょっと韓流ドラマっぽいかも(笑)
でも読み応え十分で面白かった!


                            ★★★★★
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発行年月:2017年4月


 大阪で鷹匠として働く夏目代助。ある日彼の元に訃報が届く。12年前に行方不明になった幼い義弟・翔一郎が、遺体で発見されたと。孤児だった代助は、日本海沿いの魚ノ宮町(おのみやまち)の名家・千田家の跡継ぎとして引き取られた。初めての家族や、千田家と共に町を守る鷹櫛神社の巫女・真琴という恋人ができ、幸せに暮らしていた。しかし義弟の失踪が原因で、家族に拒絶され、真琴と引き裂かれ、町を出て行くことになったのだ。葬儀に出ようと故郷に戻った代助は、町の人々の冷たい仕打ちに耐えながら、事件の真相を探るが……。『雪の鉄樹』で最注目の新鋭が濃密な人間ドラマを描く、最高傑作!

                    (東京創元社HPより)



冒頭の愛美の遺書から始まる物語。
愛美は自殺だったが、物語のなかには、もう一つの事件。
まだ幼かった翔一郎の行方不明事件。やがて誰かの手によって殺されたことがわかる。


物語の主人公・夏目代助が以前、暮らしていた海沿いの町での話に戻る。
代助は孤児として施設で暮らしていたが、千田雄一郎・京香夫妻の元に。
跡継ぎとして鷹匠の仕事を仕込まれる。
が、後に千田夫妻に翔一郎が生まれ、千田家の跡取りとしては不要な存在になった
代助。
それでも翔一郎の兄として今まで通り、日常を過ごす代助だったけれど、
翔一郎の失踪に何らかの関与があるのではと町中の皆から疑いの目を向けられる。


代助の気持ちが痛々しい。
神社の巫女・真琴との恋の行方も気になった。


そして終盤、次々わかる事実にビックリ!
えぇ~?そういうことだったんだぁ~!!


遺書を遺し自殺した愛美も本当に気の毒な人生だったとわかる。

なんだか気持ちがズ~ンと重くなる物語だったけど、最後にちょっと明るい兆しも
見えたかな?という終わりが救い。
この後、どうなるんだろ???
あれこれ想像しちゃう。


一気読みの面白さでした!


                        ★★★★★



発行年月:2016年1月

不妊で夫と義母からの嫌味に耐え続けてきた千穂は、算数障害に苦悩する男と出会う。妻と男との関係を怪しむ夫の奇行に、抑えてきた感情を一気に爆発させた千穂は、ある事件を起こしてしまう――。

                    (中央公論新社HPより)


重苦しい話でしたが、引きこまれました。

夫と義母から常日頃、屈辱的な扱いを受けている千穂は、偶然であった算数障害の透を
気にかける。
自身が開くそろばん教室で、そろばんを教えることから始める。
やがて、二人は離れられない関係に・・・・・。

う~ん。出会ったことは幸運だったのか?不運だったのか?
お互いが抱えて来た大きなものを理解し合えてはいないけど、一緒に居ることで
その抱えたものから逃げる仲間を得たかんじかな?

透の過去が、哀しい。
母と二人の生活を支えてくれた民生委員の新藤夫妻とのこと。
人の暮らしに立ち入るって難しいな~。


哀しかったのは、透の祖母・邦子の元で暮らし始めた千穂と透が、何かと手助けして
くれた邦子を殺害してしまうところ。
二人の行為は身勝手でしかない。
ここまでは二人の関係をある程度、認めたけれど、これ以降ちょっと批判的に
見てしまった。
追い詰められた人間って恐ろしいな。


二人は追い詰められて、人を殺めることを続けていく人たちなのかも。
逃げていくだけじゃダメでしょ?と考えるのは、他人事だからかな?

ラストもモヤモヤしたものが残りました。

二人の間に生まれた子どもはどうか幸せになって欲しい。


話としては好きじゃないけど、最後まで引き込ませてくれたのはさすが。


                       ★★★
 



発行年月:2012年8月

最低の悪女をめぐる傑作ミステリ


離婚して経済的に困窮しているギタリスト・多聞に、
人気歌手・実菓子のインタビューの仕事が舞い込んだ。
多聞と実菓子は幼いころ同じ家で育ち、しかも
多聞の亡父と亡兄はともに実菓子の夫であった――。

                  (角川書店HPより)



表題からインパクトありますが、読むと衝撃をうけまくりの凄い話でした!!

青鹿多聞と実菓子の出会いは、多聞が小学生5年生、実菓子が小学4年生。

実菓子は母の鏡子と共に多聞の家に住むことになる。
多聞の兄・不動は、その時、中学1年生だが、病弱で母親は何かと不動の
世話を焼いていた。

最初から、この展開に何か嫌なことが起きそうだと、ソワソワ。
特殊な環境を持つある村の旧家同士の確執が土台にあって・・・・

多聞たちの藤屋と実菓子の元の家である斧屋。


最初は、大人になった実菓子が極悪の女性かと思って読んでいましたが・・・
実菓子は、ただの被害者でした。
実菓子の母親と同じくらい性悪だったと知った多聞の母の真実には、ビックリ!

もうドロドロの愛憎劇なんてもんじゃない。
旧家同士の恨みが絡まったとんでもない話で、読んでいてドキドキが持続しっぱなしで
読み終えたときには疲労感すら感じてしまった。


いや~凄い話、書きますね・・・・。


読み終えると、このタイトルと表紙が、すごく意味深に感じます。

遠田さんの作品は、全部凄い!!


                            ★★★★★

 



発行年月:2015年2月


 僕の尊敬する常に完璧な父親が、百合の花を買いに出かけて事故死した。2年前に母親を亡くして以来、父と二人きりで仲良く暮らしてきた大学生の息子・在は、几帳面な字で書かれた父親の驚くべき遺言を手にした。「父さん、あなたは嘘つきだったのか――?」そして事故の夜、一本の百合を持った少女が在の前に現れる。彼女はすぐに姿を消したものの、父の遺品のアルバムの中で少女と似た女性を見つけて……。徐々に明かされていく父親の過去は、僕の想像を超えた残酷なものであったが、それは大切な人を必死に守るためだった――。慈悲の心に満ちた者たちを、瑞々しい筆致で描ききった書き下ろし長篇小説。

                  (角川春樹事務所HPより)




遠田さんの描く物語はいつもその世界のなかに引きこまれるので今回も期待
していました。
そして、やはり期待を裏切らない展開で、最後まで頁を捲る手が止まらない。


主人公は大学生の片瀬在(ある)。
2年前に母が病死した後は、設計事務所に勤める父との二人暮らし。
食事の支度も協力し合い、やっと二人の生活を楽しめるようにもなってきた矢先
父親が突然の交通事故死。
その日、家の前にいたセーラー服姿の高校生が、やがて、在にとって
重要な人物となっていく。


いつも隙のない恰好で、友人にも「俳優みたいな父親だな」と言われた父・片瀬和彦。
家のなかでも快活で優しく愛嬌たっぷりの笑顔を絶やさない憧れの存在のような
父親だった。
けれど、父が生前は「秘密基地だから勝手に入らないように」と言っていた
書斎の片づけをしていて、どんどん不可解なものを発見していく在。

そして、段々と明かされる父の秘密。

ドキドキしながら読み進めました。
次第に片瀬和彦の高校時代の話になっていき・・・
息子として知るにはとても複雑な思いにさせられる真実。

在の気持ちに共感しながら、読み進めました。

どういうラストになるのやら?
と思っていましたが、納得出来る終わり方で、ホッ。


真実を知っても和彦のことを許せないと思わない在の人柄にも好感が持てました。
読む人によっては、和彦を許せないと感じる人もいるかもしれないけれど・・・。


表紙の絵はダヴィンチの「受胎告知」。
百合の花もそこに描かれていて、表題の「お葬式」とインパクト大で
本を手に取った時から謎だらけでしたが、
なるほど・・・読むとこの絵の装幀の意味がわかります。


次回作も大いに期待したい作家さんです!!


                          ★★★★★
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