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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2021年4月


業を背負う男たち、奇蹟のロードノベル
兄さん、今からあんたを殺しに行くよ――。
大阪ミナミでカレー屋を営む三宅紘二郎のもとに、ある日一通の絵葉書が届いた。葉書に書かれた漢詩に、紘二郎の記憶の蓋が開く。50年前、紘二郎の住む廃病院で起きた心中事件。愛した女、その娘、彼女たちを斬殺した兄……人生の終盤を迎えた紘二郎は、決意を固めた。兄を殺す、と。
思い出の旧車を手に入れ、兄の住む大分日田へ向かおうとする紘二郎の前に現れたのは、中古車店の元店長を名乗る金髪の若者・リュウだった。紘二郎の買ったコンテッサはニコイチの不良車で危険だと言う。必死に止めようとする様子にほだされ、紘二郎は大分への交代運転手としてリュウを雇うことに。孫ほど年の離れた男との不思議な旅が始まった。
かつて女と暮らした町、リュウと因縁のある男との邂逅、コンテッサの故障……道中のさまざま出来事から、明らかになってゆく二人の昏い過去。あまりにも陰惨な心中事件の真相とは。リュウの身体に隠された秘密とは――? 旅の果て、辿りついた先で二人の前に広がる光景に、心揺さぶられる感動作。2020年直木賞候補となり、いま最も注目を集める作家が贈る、渾身の一冊

                     (小学館HPより)



重たい話だけれど、今回も最初から最後まで引き込まれるように読んだ。


主人公の三宅紘二郎(74歳)が、兄からのはがきが届いたことで、50年前に
兄が起こした事件についての感情が爆発し、大阪からはがきにあった住所
大分県に向かう。
想いれのある車・コンテッサを手に入れ、それに乗って・・・


旅のお供となるリュウ(25歳)との掛け合いがなかなか楽しかったが
物語の軸は兄への恨みを持つ紘二郎が会いにいくというものなので結末が
最初から気になる。


兄は、かつて自分の恋人だった睦子とその子ども桃子(5歳)を殺し、自分も
死のうとしたが死ねきれず逮捕。罪を償い今は静かに暮らしている様子。

過去の紘二郎、兄の征太郎、睦子の関係は、紘二郎の親と睦子の親が決めた
婚姻だった。
征太郎と睦子はずっと前から婚約者同士。しかし弟の紘二郎と睦子は駆け落ち。

3人の悲劇は親のエゴから。

そして紘二郎と旅をするリュウもまた母親によって、とんでもない苦難の道を
歩くことになった。



親が子どもの生き方まで決めてしまうことで、皆が不幸になっている。
辛すぎる。

兄の起こした事件の真相が最後にわかる。
兄の征太郎の視線での話も知りたかった。
そんな風にしなければならない状況になってしまった背景にあるのは
親の希望を叶えたから。
そんな兄を子どもの頃から慕っていた香代が征太郎のそばに最期はいたのが
少し救い。


リュウも最期は安らかな気持ちだったのかな?

そして残された紘二郎はこのあと、どんな気持ちで生きていくのか?
まだまだ辛い気持ちを引きずるだろうけれど、気持ちに寄り添ってくれる人が
現れるといいな。



                         ★★★★★

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