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読んだ本の感想あれこれ。
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行年月:2016年5月


 女優の藤吉弓香は、故郷で開催される同窓会の誘いを断った。母親に会いたくないのだ。中学生の頃から、自分を思うようにコントロールしようとする母親が原因の頭痛に悩まされてきた。同じ苦しみを抱えた親友からの説得もあって悩んだのだが……。そんな折、「毒親」をテーマにしたトーク番組への出演依頼が届く。(「ポイズンドーター」)
呆然、驚愕、爽快、感動――さまざまに感情を揺さぶられる圧巻の傑作集!

                     (光文社HPより)



長篇かと思ったら、短編集でした^^;

どの話もダーク。
母親と娘の関係がうまくいっていないことから招かれる悲劇の数々。
う~ん。母親と娘って、難しい。


<マイディアレスト>
6歳下の妹には、甘かった母親。
同じことをしても自分は叱られたり罵られたりするのに妹にはお咎めなし。
近所で起きる妊婦の連続暴行事件。
妊娠して里帰りする妹を心配する母親。


<ベストフレンド>
テレビの脚本新人賞に応募した涼香は優秀賞。
最優秀賞は、大豆生田薫子。
薫子の作品はやがて映画化が決まる。
薫子を羨む涼香。
薫子が命を狙われる。涼香から恨みをかっていると思っていた薫子だったけど・・・・


<罪深き女>
15名の死傷者を出した事件の犯人・黒田正幸20歳。
幼い頃、同じアパートに住み、共に母子家庭だった天野幸奈(25歳)は
正幸をそんな風にしてしまった原因は自分にあると語る。


<優しい人>
バーベキュー広場で殺された奥山友彦。
一緒に居た女性・樋口明日実が事情聴取される。
二人を知るどれぞれの人たちはそれぞれが優しい人だったという。


<ポイズンドーター>
女優の藤吉弓香はトーク番組でその話題である「毒親」について語る。
その後、弓香の母親が交通事故死。

<ホーリーマザー>
弓香の母親・佳香を知るものが弓香が語った毒親節を否定。



その人のためと思って本人がやっていることが必ずもその人のためになっていない
という話。
それどころか、逆に憎しみや妬みを抱かせてしまう恐怖。
ああ、怖いな。
こんな風にならないためにはどうしたらいいのかな?

でも親になって娘を持つと、以前は腹が立った母親の言葉も今なら少し
理解出来ることも多々。

後味悪い話ばかりなのに、面白かった。
流石、湊さんです!


                         ★★★★
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発行年月:2015年5月


 深瀬和久は、事務機会社に勤めるしがないサラリーマン。今までの人生でも、取り立てて目立つこともなく、平凡を絵に描いたような男だ。趣味と呼べるようなことはそう多くはなく、敢えていうのであればコーヒーを飲むこと。そんな深瀬が、今、唯一落ち着ける場所がある。それは〈クローバー・コーヒー〉というコーヒー豆専門店だ。豆を売っている横で、実際にコーヒーを飲むことも出来る。深瀬は毎日のようにここに来ている。ある日、深瀬がいつも座る席に、見知らぬ女性が座っていた。彼女は、近所のパン屋で働く越智美穂子という女性だった。その後もしばしばここで会い、やがて二人は付き合うことになる。そろそろ関係を深めようと思っていた矢先、二人の関係に大きな亀裂が入ってしまう。美穂子に『深瀬和久は人殺しだ』という告発文が入った手紙が送りつけられたのだ。だれが、なんのために――。
深瀬はついに、自分の心に閉じ込めていた、ある出来事を美穂子に話し始める。全てを聞いた美穂子は、深瀬のもとを去ってしまう。そして同様の告発文が、ある出来事を共有していた大学時代のゼミ仲間にも送りつけられていたことが発覚する。”あの件”を誰かが蒸し返そうとしているのか。真相を探るべく、深瀬は動き出す。

                     (講談社HPより)


*ネタバレ含みますので、未読の方は読まない方がいいですm(__)m


大学時代の夏休みに起きた事故。
社会人になって、そのことを蒸し返す告発文が、深瀬和久の元に届き
同じようなものがその事故に関わった友人たちの元にも届いていると知る。

告発文を出した犯人は、事故で亡くなった広沢由樹の彼女だった。

その彼女は、事故に関わった者たちにそれぞれ接触し、彼が仲間たちの
中でどんな風に過ごしていたのかを知ろうとする。
復讐をするというよりも、彼が仲間たちのなかでどんな立ち位置だったのか
知りたかったんだということがわかって来て、少しホッとした。

一番親しい関係までになったのが、深瀬。
深瀬の行きつけのコーヒー豆専門店で出会い、深瀬は告発文のことも美穂子本人に
告白していた。

告発文が届いた仲間のなかで、唯一危ない目に遭った谷原。
そこには美穂子なりの理由があり、つい行動を起こしたという。


が・・・・驚愕の事実はラスト2頁に!!

えぇ~っ!
こんな事実を知った深瀬は、どうなるんだ????
気の毒過ぎる。
ずっと罪の意識を背負って生きていくって事?


最後の最後にがーん!と衝撃を受けてしまいました。


オセロが全部、逆の色にひっくり返されるかんじ。
タイトルの意味がよくわかった!

さすが、湊さん! お見事です!


                         ★★★★★



発行年月:2015年11月

舞台は太平洋を望む美しい海辺の町。足の不自由な小学生久美香と、親友の彩也子の友情を契機に、三人の女性たちによって車椅子の基金「クララの翼」が設立される。だが些細なことから連帯が軋みだす。傑作心理ミステリ!       

                  (集英社HPより)



途中まで、なんだか和やかな出だしだなぁ~と思いつつ、過去に殺人事件が
あったという話が、この和やかな雰囲気にどう絡んで来るんだろう?と
期待しながら読みました。


和やかムードから徐々に人の私欲絡みのややザワザワするようなかんじが
出てきて、おお来ましたねとワクワク。

でも大人たちのちょっと不調なかんじの人間関係のなかで
足の不自由な久美香と少しお姉さんの彩也子の関係は微笑ましく
彼女たちは姉妹のような関係をずっと続けて欲しいなと読んでいました。


そして殺人事件の犯人が、この姉妹のように仲良しの久美香と彩也子に接触する
ラストはハラハラドキドキ。
二人が無事で良かった!


そして最後の彩也子の文章にドキッ!
そうだったんだ~。

子ども達も色々大人を見て自分たちがどう行動するか考えるんだな。


最後の最後に大きなドキッとさせる湊さん、やっぱりサスガだわ。



                         ★★★★
 



発行年月:2015年1月

悲しみしかないと、思っていた。でも。死は悲しむべきものじゃない――南の島の、その人は言った。

心を取り戻すために、約束を果たすために、逃げ出すために。忘れられないあの日のために。別れを受け止めるために――。「死」に打ちのめされ、自分を見失いかけていた。そんな彼女たちが秘密を抱えたまま辿りついた場所は、太平洋に浮かぶ島。そこで生まれたそれぞれの「希望」のかたちとは? “喪失”から、物語は生まれる――。

                    (新潮社HPより)



4つの章からなる物語で、章ごとに主人公が変わる。
いずれも阪神淡路大震災を経験し、大事な人を亡くしている。
それぞれの章に共通して登場は、トンガ王国でゲストハウスを経営する日本人
尚美。


<楽園>
濱野毬絵は、震災で双子の姉妹を亡くしている。
当時5歳。
亡くなったのは、雪絵だが、母親は毬絵を亡くしたものとして毬絵の墓を建てた。
毬絵は雪絵として生きることを強いられる。
20歳の毬絵は、一人ある決心をしてトンガ王国のトンガタブ島に来た。
毬絵として生き返るために。


<約束>
松本理恵子は、トンガの中高一貫の女子校に赴任して2か月。
婚約者だった柏木宗一と距離をおくために日本を離れてきた。
それなのに、宗一はトンガまで理恵子に会いに来る。
戸惑う理恵子だったが、それは、震災で亡くなった友と交わした約束を
果たすためという。


<太陽>
杏子は5歳の娘を連れてトンガ王国に来た。
大学2年のときに妊娠し、一人で娘の花恋(かれん)を産んだ。
子どもの頃、震災で父親を亡くし、慣れない避難所生活は苦痛でしか
なかったが、そこでボランティアのトンガ人・セシミさんに出会い
救われた。トンガでセシミさんに会えたらいいなと思い・・・。


<絶唱>
土居千晴は、大学4年のときに震災を体験した。
その日は、前の日からまだ卒論が完成しない同じアパートの友人の部屋で
パソコンに向かっていた。
自分たちは怪我もせず無事だったが、別のマンションに住んでいた友人・静香は
建物の下敷きになり圧死したと後から知りショックを受ける。
震災後わりとすぐに電車が復旧し、安全な場所に避難したが、後に静香の
葬儀の場でほかの友人からそのことを非難され傷つく。



あれから20年経ったんだなぁ~。
その年に長女が生まれて、長女も20歳になっているから・・・
離れた場所で、住んでいるところでは少し揺れを感じた程度だったけど
あのニュースを見たときは被害の大きさに唖然とした。

そんな当事者たちの物語。

大変な体験をして、その後も重いものを抱えて生きることになった人たちだけど
そんな気持ちを軽くしてくれる人との出会いがあってホッとする。

特に最後の<絶唱>は、自然と涙が溢れて来た。
亡くなった人との思い出を胸に秘めながら、前を向いて明るい方へ
進んで行ってほしい。


良い物語でした。


                        ★★★★★



 


発行年月:2014年10月


 妊娠三ヶ月で癌が発覚した女性、父親の死を機にプロカメラマンになる夢をあきらめようとする男性……様々な人生の岐路に立たされた人々が北海道へひとり旅をするなかで受けとるのはひとつの紙の束。それは、「空の彼方」という結末の書かれていない物語だった。山間の田舎町にあるパン屋の娘、絵美は、学生時代から小説を書くのが好きで周りからも実力を認められていた。ある時、客としてきていた青年と付き合い婚約することになるのだが、憧れていた作家の元で修業をしないかと誘いを受ける。婚約を破棄して東京へ行くか、それとも作家の夢をあきらめるのか……ここで途切れている「空の彼方」という物語を受け取った人々は、その結末に思いを巡らせ、自分の人生の決断へと一歩を踏み出す。湊かなえが描く、人生の救い。

                      (朝日新聞出版HPより)




とても面白かった。
最初の話<空の彼方へ>は、中学の頃から小説を書いていた少女・絵美。
両親が営むパン屋の手伝いをしていて知り合った高校生の公一郎(通称:ハムさん)と
出会い、やがて結婚を前提とした両家公認の付き合いになる。
絵美が書いた作品が作家の目に留まり作家を目指して上京しないか?という話に
なり・・・・
そんな自分の話を小説にした「空の彼方」。
結末は書かれないままの物語。

その「空の彼方」が、いろいろな人の手に渡り、それを受け取った人は、それぞれ
その結末を想像する。
そして、自らが迷っているものに対して前を向いて行こうとするキッカケになっていく。


8つのお話から成りますが、最初の話と最後2つは絵美と公一郎の物語。
うしろ2つの物語は、最初の話からは数十年後。


終わりのなかった物語の終わりの方が見えてきて、とても温かい気持ちに
なれました。

話の展開の仕方が巧いなぁ~。
流石だなぁ~と思わせます。


今までの湊さんの作品のなかで、一番すきかも。
こういう毒気なしの温かい気持ちにさせてくれる物語もいいな。


                         ★★★★★
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