発行年月:2026年3月
光と闇、生と死、絶望と愛……この世のすべてを内包する、比類なき劇場【帝国劇場】。2025年2月をもって一時休館となった同劇場の記憶を未来へと繋ぐ、世界でたった一つの“帝国劇場”小説が誕生!
白杖の父が遺した、ミュージカル「屋根の上のヴァイオリン弾き」のパンフレット。そこには新人案内係からの手紙が挟まれていた――「ホタルさんへの手紙」
少年は、劇場のステンドグラスの裏側に寝泊まりしていた。舞台袖、楽屋食堂、馬小屋……館内を自在に歩き回る彼は、ある人を永遠に探し続けている――「内緒の少年」
劇場ロビーに一脚あるという“幸運の椅子”。売店で働くたった一人の“担当さん”だけが代々受け継いできたその伝説と、椅子に座った人々の元に訪れる幸運――「こちらへ、お座り下さい」
劇場の“壁”に深い愛着を抱いてきた税理士の男、観劇後に日傘を差し館内を歩く“パラソル小母さん”と呼ばれる女性……。彼らの思いを迎え入れ続けた劇場が、ついに最終公演の日を迎える――「劇場は待っている」ほか全八編を収録。
舞台上でスポットライトを浴びるスター、誰かにとっての特別な一日を支える案内係や売店スタッフ、客席から見えない裏側で上演を支えるエレベーター係や幕内係、そして観客……。劇場を愛し、劇場を作り上げてきた人々の密やかな祈りと願いがきらめく、豊饒な短編集。
(集英社HPより)
帝国劇場を舞台に、色々なひとの物語。
どれも温かいおはなしでしたが、最初の「ホタルさんへの手紙」が
印象的。最後の「劇場は待っている」ではホタルさんに手紙を書いた
亡き父親の想いを胸に帝国劇場にきた娘さんが、「内緒の少年」に
出会って一緒に新しい劇場に行きましょうと誘う。
「内緒の少年」は、たぶん、この世には肉体がないのかな?
お母さんを探して劇場内を歩き回っているらしいけれど、新しい劇場でも
ちゃんと居場所が見つかって、お母さんの姿を発見できる日が来るといいな。
昔の上演作品や役者さんの名前も出て来て、見たことはないのに
なんだか懐かしい気持ちになった。
劇場で働く多くの人たちのことも知れた。
ホタルさんと呼ばれた暗くなった劇場内で確実にお客さんの席を小さな光と
ともに誘導する人の心遣いは読んでいてすごく温かい気持ちになった。
いつか、新しい帝国劇場を見に行けるかなぁ~?
★★★★
(集英社HPより)
帝国劇場を舞台に、色々なひとの物語。
どれも温かいおはなしでしたが、最初の「ホタルさんへの手紙」が
印象的。最後の「劇場は待っている」ではホタルさんに手紙を書いた
亡き父親の想いを胸に帝国劇場にきた娘さんが、「内緒の少年」に
出会って一緒に新しい劇場に行きましょうと誘う。
「内緒の少年」は、たぶん、この世には肉体がないのかな?
お母さんを探して劇場内を歩き回っているらしいけれど、新しい劇場でも
ちゃんと居場所が見つかって、お母さんの姿を発見できる日が来るといいな。
昔の上演作品や役者さんの名前も出て来て、見たことはないのに
なんだか懐かしい気持ちになった。
劇場で働く多くの人たちのことも知れた。
ホタルさんと呼ばれた暗くなった劇場内で確実にお客さんの席を小さな光と
ともに誘導する人の心遣いは読んでいてすごく温かい気持ちになった。
いつか、新しい帝国劇場を見に行けるかなぁ~?
★★★★
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発行年月:2025年10月
神戸新聞連載エッセイ「遠慮深いうたた寝」などの最新エッセイを中心に、懐かしい思い出、創作をめぐる話、心に響く本と読書、ミュージカルや野球など、作家の日常を知る極上エッセイ集。
温かな眼で日常を掬い取り、物語の向こう側を描く、
大好評エッセイ集『遠慮深いうたた寝』第二弾!
毎日歩いている道端、何気なくつけたテレビの画面、劇場のロビー……
胸に飛び込んできた一瞬が、思いがけず深く刺さり、
奥行きが生まれ、隠れた扉が開かれて遠くから光を運んでくる。
――小川洋子
日常の出来事、創作、観劇、野球、読書……「神戸新聞」の連載エッセイ「遠慮深いうたた寝」などの最新エッセイを中心に編み上げた極上エッセイ集。
Ⅰ 遠慮深いうたた寝
Ⅱ 自転車と図書室
Ⅲ 小説に触れる手
Ⅳ おじいさんと通りすがりの者
Ⅴ 想像力の冒険 本と読書
*美しい装幀が話題
九谷焼による陶板画・上出惠悟/デザイン・名久井直子
(河出書房新社HPより)
今回のエッセイもよかった。
日常の何気ない場面なのに、素敵な表現で、読んでいて心地いい。
<迷子>
迷子を見つけるのが割と得意だという。
それだけ、優しい目で廻りを見ているんだろうなぁ~。
小川さんに見つけて貰えた子はラッキーだ!
<授賞式の思い出>
泉鏡花賞の授賞式を金沢でのはなし。
夜の食事は加賀料理。
川魚のゴリの唐揚げを目の前で調理される様子が可笑しい。
どんな味なんだろ?
受賞作は、ブラフマンの埋葬、再読したくなった。
<赤染晶子という名前>
赤染さんが芥川賞を受賞した<乙女の密告>。
選考委員だった小川さんは、この作品に賞を受賞させたいと凄い熱量で
推したそう。
そして赤染さんと一度だけ食事をして帰るとき、とても寒かったから冬だった
と記憶しているのに、後で調べたら9月7日だったという。
ここで、え?赤染さんって亡くなっていたの?と驚いた。
42歳で急性肺炎で?
早すぎる!<乙女の密告>もすごく良かった!
そして、小川さんも下戸だと知って嬉しい。
理想のお酒の場面を想像するのも面白い。
楽しいエッセイだった!
★★★★★
(河出書房新社HPより)
今回のエッセイもよかった。
日常の何気ない場面なのに、素敵な表現で、読んでいて心地いい。
<迷子>
迷子を見つけるのが割と得意だという。
それだけ、優しい目で廻りを見ているんだろうなぁ~。
小川さんに見つけて貰えた子はラッキーだ!
<授賞式の思い出>
泉鏡花賞の授賞式を金沢でのはなし。
夜の食事は加賀料理。
川魚のゴリの唐揚げを目の前で調理される様子が可笑しい。
どんな味なんだろ?
受賞作は、ブラフマンの埋葬、再読したくなった。
<赤染晶子という名前>
赤染さんが芥川賞を受賞した<乙女の密告>。
選考委員だった小川さんは、この作品に賞を受賞させたいと凄い熱量で
推したそう。
そして赤染さんと一度だけ食事をして帰るとき、とても寒かったから冬だった
と記憶しているのに、後で調べたら9月7日だったという。
ここで、え?赤染さんって亡くなっていたの?と驚いた。
42歳で急性肺炎で?
早すぎる!<乙女の密告>もすごく良かった!
そして、小川さんも下戸だと知って嬉しい。
理想のお酒の場面を想像するのも面白い。
楽しいエッセイだった!
★★★★★
発行年月:1991年2月
わたしは奇妙な日記をつけ始めた――
とめどない食欲に憑かれた女子学生のスタティックな日常、
青春最後の日々を流れる透明な時間をデリケートに描く。
(中央公論新社HPより)
もう30年以上前に買った本。
久しぶりに読んでみた。
主人公は大学4年生の、かおる。
ホテルでアルバイトしていて、披露宴後に残った巨大なアイスクリームを
主任(元華族のオールドミス)から一緒に食べて片付けてと言われ・・・
食べ切ってから、異常な食欲が続く日々。
下宿先はある神道宗教の教会の離れ。
母が信者で、その縁で下宿させてもらっている。
そして、そこに高校を卒業した弟・航平が教会で修業すると言って
親の反対を押し切りやってくる。
航平は両親が離婚後、父の再婚相手の連れ子。
かおるのは同じ大学の工学部の大学院生・吉田と付き合っている。
一緒に眠る。
ただ静かに・・・・
吉田の友人が精神科に一度、診て貰えということで受診する。
結局、かおると吉田は別れてしまうんだけれど。。。
吉田みたいな人、居そう。
こういう人と共に過ごすのは疲れそう。
かおるの友人・真由子がいい。
かおるの気持ちを汲んで、良い方向に背中を押してくれている。
上質な青春小説というかんじ。
小川さんの文章は、やはりいい。
★★★★★
発行年月:2025年6月
著者6年ぶり、待望の長篇小説
著者6年ぶり、世界が待ち望んだ長篇小説400枚。
内気な人々が集まって暮らすその土地は、“アカシアの野辺”と名付けられていた。たったひとりの家族であるおばあさんが働いているあいだ、幼いリリカは野辺の老介護人に預けられて育った。野辺の人々は沈黙を愛し、十本の指を駆使した指言葉でつつましく会話した。リリカもまた、言葉を話す前に指言葉を覚えた。たった一つの舌よりも、二つの目と十本の指の方がずっと多くのことを語れるのだ。
やがてリリカは歌うことを覚える。野辺の重要な行事である“羊の毛刈り”で初めて披露された彼女の歌は、どこまでも素直で、これみよがしでなく、いつ始まったかもわからないくらいにもかかわらず、なぜか、鼓膜に深く染み込む生気をたたえていた。この不思議な歌声が、リリカの人生を動かし始める。歌声の力が、さまざまな人と引き合わせ、野辺の外へ連れ出し、そして恋にも巡り合わせる。果たして、リリカの歌はどこへと向かっていくのか?
名手の卓越した筆は、沈黙と歌声を互いに抱き留め合わせる。叙情あふるる静かな傑作。
(文藝春秋HPより)
特殊な環境で育ったリリカ。
成長して、車を運転して有料道路の料金所を通ることが度々あり
「アカシアの野辺」のお菓子を買いに来る人だ!とその手をみてわかり
親しくなっていく。
そのまま他所で暮らす選択も出来たのに・・・・
リリカがアカシアの野辺のなかで色々な人の死をみる。
それがすごくリアルで、人の亡くる直前の様子をこんな風に書けるのは
凄いなとおもった。
羊が二頭、角が絡まったまま逃走し、その後の二頭が息絶えるまでの
描写も印象に残るものだった。
それを見ているリリカ。
行方不明になった幼い男のこのことを思って、迷子になったその子が遊べるように
と、リリカの祖母がつくった人形たち。
それらも月日の経過とともに朽ちていく。
人も動物も人形もいずれは生きていたころとは違う姿になって最後は
自然のなかに溶けていくんだな・・・とあたりまえのことだけど
改めて考えた。
また暫くしたら、再読したい。
★★★★★
(文藝春秋HPより)
特殊な環境で育ったリリカ。
成長して、車を運転して有料道路の料金所を通ることが度々あり
「アカシアの野辺」のお菓子を買いに来る人だ!とその手をみてわかり
親しくなっていく。
そのまま他所で暮らす選択も出来たのに・・・・
リリカがアカシアの野辺のなかで色々な人の死をみる。
それがすごくリアルで、人の亡くる直前の様子をこんな風に書けるのは
凄いなとおもった。
羊が二頭、角が絡まったまま逃走し、その後の二頭が息絶えるまでの
描写も印象に残るものだった。
それを見ているリリカ。
行方不明になった幼い男のこのことを思って、迷子になったその子が遊べるように
と、リリカの祖母がつくった人形たち。
それらも月日の経過とともに朽ちていく。
人も動物も人形もいずれは生きていたころとは違う姿になって最後は
自然のなかに溶けていくんだな・・・とあたりまえのことだけど
改めて考えた。
また暫くしたら、再読したい。
★★★★★
発行年月:2024年10月
耳の中に棲む私の最初の友だちは
涙を音符にして、とても親密な演奏をしてくれるのです。
補聴器のセールスマンだった父の骨壺から出てきた四つの耳の骨(カルテット)。
あたたかく、ときに禍々しく、
静かに光を放つようにつづられた珠玉の最新作品集。
オタワ映画祭VR部門最優秀賞・アヌシー映画祭公式出品
世界を席巻したVRアニメから生まれた「もう一つの物語」
「骨壺のカルテット」
補聴器のセールスマンだった父は、いつも古びたクッキー缶を持ち歩いていた。亡くなった父と親しかった耳鼻科の院長先生は、骨壺から4つの骨のかけらを取り出してこう言った。「お父さまの耳の中にあったものたちです。正確には、耳の中に棲んでいたものたち、と言えばよろしいでしょうか……」。
「耳たぶに触れる」
収穫祭の“早泣き競争”に出場した男は、思わず写真に撮りたくなる特別な耳をもっていた。補聴器が納まったトランクに、男は掘り出したダンゴムシの死骸を収める。
「今日は小鳥の日」
小鳥ブローチのサイズは、実物の三分の一でなければなりません。嘴と爪は本物を用います。
残念ながら、もう一つも残っておりませんが。
「踊りましょうよ」
補聴器のメンテナンスと顧客とのお喋りを終えると、セールスマンさんはこっそり人工池に向かう。そこには“世界で最も釣り合いのとれた耳”をもつ彼女がいた。
「選鉱場とラッパ」
少年は、輪投げの景品のラッパが欲しかった。「どうか僕のラッパを誰かが持って帰ったりしませんように……」。お祭りの最終日、問題が発生する。
(講談社HPより)
補聴器のセールスをしていた男の死から始まり、生前の男の様子が語られていく。
最後は、少年の頃のはなし。
最初の<骨壺のカルテット>では、骨になり骨壺に納まっている男の骨をとりだし
中から耳のなかに棲んでいたものたちを4つだけ取り出し、息子に渡す
耳鼻咽喉科の院長。
亡くなった男と仕事を通じて知り合い、親交があった。
息子も子どもの頃から、その耳鼻咽喉科には通ったことがある。
色々な人との関わりが、なかなかユニークなんだけど
結婚した女性の話などは出て来ない。
<踊りましょうよ>の彼女ではないよなぁ~?
大学生でアルバイトとして介護助手の仕事をしていて知り合ったそうだけど・・・・
男によると、とても素晴らしい耳を持っている女性らしい。
<今日は小鳥の日>は、ちょっとグロテスクだった。
小鳥ブローチの会に招かれた男が、聞くその会の亡くなった会長のことを聞く。
小鳥のブローチを作る過程がなんとも・・・( ゚Д゚)
そして会長は自死だというが、その方法が、また・・・・( ゚Д゚)
映像になったらホラーだ。
最後の男が少年の頃の話も、物哀しい雰囲気が漂っていた。
母親と二人、鉱山会社の社宅に住み、母親は会社の社員食堂で働いていた。
近所で祭りがあり、輪投げの景品のらっぱが欲しく、毎日、通って
誰かの手に渡りませんようにとみている。
祭りの最終日、輪投げを仕切っているおばあさんが突然、倒れ、人々は
救急車を呼ばなきゃとか移動させた方がいいか?など混乱している。
少年はそんななか、散らばった景品のなかから、欲しかったラッパを
掴み家に持ち帰る。
でも、一度も吹かず、五線紙に星座を描き、ラッパのなかに入れ
母親と引っ越すとき、押し入れの天袋の奥に押し込む。
男の家族を持つまでとその後のことを少し知りたかったけれど、
そうするとこの何か不思議な話が日常の平凡な話に隠れてしまうかな?
薄い本なので、あっという間に読めてしまい、もう少し浸りたかったな・・・。
★★★★
(講談社HPより)
補聴器のセールスをしていた男の死から始まり、生前の男の様子が語られていく。
最後は、少年の頃のはなし。
最初の<骨壺のカルテット>では、骨になり骨壺に納まっている男の骨をとりだし
中から耳のなかに棲んでいたものたちを4つだけ取り出し、息子に渡す
耳鼻咽喉科の院長。
亡くなった男と仕事を通じて知り合い、親交があった。
息子も子どもの頃から、その耳鼻咽喉科には通ったことがある。
色々な人との関わりが、なかなかユニークなんだけど
結婚した女性の話などは出て来ない。
<踊りましょうよ>の彼女ではないよなぁ~?
大学生でアルバイトとして介護助手の仕事をしていて知り合ったそうだけど・・・・
男によると、とても素晴らしい耳を持っている女性らしい。
<今日は小鳥の日>は、ちょっとグロテスクだった。
小鳥ブローチの会に招かれた男が、聞くその会の亡くなった会長のことを聞く。
小鳥のブローチを作る過程がなんとも・・・( ゚Д゚)
そして会長は自死だというが、その方法が、また・・・・( ゚Д゚)
映像になったらホラーだ。
最後の男が少年の頃の話も、物哀しい雰囲気が漂っていた。
母親と二人、鉱山会社の社宅に住み、母親は会社の社員食堂で働いていた。
近所で祭りがあり、輪投げの景品のらっぱが欲しく、毎日、通って
誰かの手に渡りませんようにとみている。
祭りの最終日、輪投げを仕切っているおばあさんが突然、倒れ、人々は
救急車を呼ばなきゃとか移動させた方がいいか?など混乱している。
少年はそんななか、散らばった景品のなかから、欲しかったラッパを
掴み家に持ち帰る。
でも、一度も吹かず、五線紙に星座を描き、ラッパのなかに入れ
母親と引っ越すとき、押し入れの天袋の奥に押し込む。
男の家族を持つまでとその後のことを少し知りたかったけれど、
そうするとこの何か不思議な話が日常の平凡な話に隠れてしまうかな?
薄い本なので、あっという間に読めてしまい、もう少し浸りたかったな・・・。
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女性
自己紹介:
台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
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