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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2020年10月


好きなチームといる喜び。
光輝くスタジアムの幸せ。
本屋大賞受賞作『一瞬の風になれ』の著者が描く
どこまでも熱くて、かぎりなく純粋な、人生と応援の物語!
「愛すべきチームと愛すべき自分の人生。僕がいつも思っていることがこの本に一杯に溢れていました」
クレイジーケンバンド/小野瀬雅生
物静かな高校の先生。
予備校に通う女子高生。
家業の電気店を継いだ若者。
少年野球のピッチャー、洋食店のシェフーー
一見なんのつながりもない人たちを結んでいる、
強くてまっすぐな気持ち!
「何かのために見るんじゃない。見たいから見るんだ」
なにかを心から「好き」でいる、
すべての人へ贈る爽快な感動!

                 (講談社HPより)


横浜ベイスターズ(横浜大洋ホエールズ)を愛する人たちの物語4編。
プロ野球は、あまり見ないけど、面白かった。

4つの話の主人公たちの日常のなかにあるのが、ベイスターズ(ホエールズ)。
野球を通じての人間関係が出来ていったり、関係が修復されたりと
人間模様も楽しめて良かったなぁ~。


私自身は、高校卒業後、2年間、横浜に住んでいたので、熱狂的な
大洋ホエールズファンの同級生が、授業終わりに「さ~今からスタジアムだ~」と
よく言っていたことを思い出して懐かしかった。
今も応援しているんだろうなぁ~。


著者の佐藤さん自身が野球好きということが、あとがきでよくわかった。

応援するチームがあるっていいよね~


                 ★★★★




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発行年月:2016年9月


 今は学生でいたくなかった。コンビニでバイトし、青くない海の街でひとり暮らしを始めた。唯一のアイデンティティは深夜ラジオのリスナーってこと。期間限定のこのエセ自立で考え直すつもりが、ヘンな奴らに出会っちまった。つまずき、人づきあい、好きだって気持ち、夢……若さと生きることのすべてが詰まった書下ろし長篇。

                  (新潮社HPより)




主人公は20歳の大学生・富山一志(トミヤマ)。

1年の秋から大学に行かなくなり、休学して親元を離れ生活。
夜はコンビニでバイトしながら、大好きな深夜ラジオは録音してバイト明けに
聴く。

バイト先の仲間、鹿沢や度々、夜来る高校生・佐古田愛、高校時代からの親友・永川
らとの関係がどんどん深まって行く様子がなんだか楽しかった。
そこに共通してあるのが、ラジオ。
ラジオに投稿して度々、読まれるリスナーは職人と呼ばれるんだね~。
そういう世界の話、全然知らないけれど、楽しかった。

ラジオ番組をしている芸人たちも実在の人たちが出てきて・・・
でも、富山の好きなアルコ&ピースっていう芸人さん知らなかったぁ~^^;
知っていたらもっと面白かったんだろうけど。


表題の「明るい夜に出かけて」・・・いい。
この物語の核心部分。


女子高生の佐古田愛(虹色ジャランドゥ)が、可愛い。
ちょっと変わっているけどチャーミングな子だなぁ~。

富山と同じ大学受験していい?なんて聞くのも可愛いけど
その理由が一緒に学食で昼食を食べたいって。


二人が並んで学食でランチしてる姿想像しちゃいました^m^


話の内容には、ちょっとよくわからない部分もあったけど
若者たちの親密感が、なんとも心地よい物語だった。


                          ★★★

21738591.jpg    発行年月:2010年12月


    パイプオルガン-----この心の震えは、祈りに似ている

     “俺は記憶のないころから鍵盤に触れてきた”。
      聖書に噛みつき、ロックに心奪われ、
      メシアンの難曲と格闘する眩しい少年期の終わり


                                            (文藝春秋HPより)


先に読んだ「第二音楽室」に続く、School&Musicのシリ-ズ2弾目の本書。

主人公の鳴海一哉は、キリスト教系の高校に通う3年生。
父親が牧師で両親は離婚しているが、母親はピアニスト。
幼い時から、オルガンの音に親しみ、高校でもオルガン部に所属し、礼拝奏楽を担当する。

オルガン部は5人。
文化祭で発表するメシアンの「神はわれらのうたに」を弾くことになり、元々メシアンは母親も好きでよく演奏していた曲だったが、次第に母親に対する複雑な想いや曲を弾く事につまずき、その曲を弾きたくないと思うようになって、文化祭当日は、クラスメイトの一人にエスケイプを誘われたことも重なって無断で欠席してしまう。


学校を無断で抜け出し、クラスメイトと共に行動しそのまま友人宅に泊まった一哉だったけど、その事がキッアケで一哉の気持ちも吹っ切れる。

外泊後の祖母の言葉が印象的だった。
怒るのは父親の役目だからとあえて厳しい言葉は言わず、一哉がずっとわだかまりにしていた母親が家を出て行ったことについての話。

その後、父親からも母が出て行った後の消息や届いた手紙を見せてくれる。

自分の元に残ってくれた一哉の存在が嬉しいとも。

ずっと正しい人、優しい人であった父親にも弱い部分はあったんだと思ったんじゃないかな?

オルガン部の皆にも謝り、担当の倉田コ-チ(先生とは呼ばないでということで、この呼び名)は一哉の気持ちに気づかなかったことを詫びる。
そして、文化祭直前に好きだと告白した青木は「自分のせいだと思った」と。
あ~青木さん、可愛いなぁ~。
一哉の周りの子達、みんな良い子♪

音楽を通じて成長していった一哉の物語も先に読んだ「第二音楽室」同様、爽やかで感動できる物語でした♪
音楽に詳しい人なら、より一層、楽しめるだろうな。

★★★★
 
a4d2fce8.jpg   発行年月:2010年11月


   あの場所で、ウチらはイカれた最高のパーティーをしてた

   鼓笛隊の“おちこぼれ”ピアニカ組。
   練習場所は第二音楽室。
   あのころ屋上教室には特別な時間が流れていた。
   音楽室に彩られた4つの物語

                              (文藝春秋HPより)


音楽に関わっている少女たちの物語が4つ。

「第二音楽室」
小学校の鼓笛隊でピアニカ組のままのの5年生5人。
6年生が引退した後、ピアニカ以外の楽器を演奏する者はオ-ディションで合格した者だけ。
いわば、ウチ(倉田)の他敗北者の6年生ピアニカ組のル-ちゃん、佳代、山井、久保田、江崎の6人は練習の場を今は殆ど人の出入りがない「第二音楽室」に決めて集まる。

男子も女子もまださほど異性を意識しないで、仲間として一緒のときを過ごしている感じが小学生ぽくて良いな♪




「デュット」
中学の音楽の実技テストは男女で歌うため、各自パ-トナ-を選ぶよう言われ戸惑う生徒たち。
男子は女子の申し込みを断ってはいけない。
3人に申し込まれたら3回歌うこと。

誰と歌おうか?単純に誰でも言い訳でもなく、どうせなら、好きな人にこの際、お願いして一緒に歌おうか?
主人公の女の子がパ-トナ-に選んだのは、綺麗な声の男子・三野田くん。
二人が一緒に歌おうと決めた会話がなんだか良かったな~(^^)


「FOUR」
中学の音楽の先生から放課後呼ばれた4人。
その4人はリコ-ダ-・アンサンブルの結成メンバ-として、卒業式の卒業証書授与のときBGMとして生演奏することになり、練習が始まる。
男女2人ずつ。

主人公の女の子は、メンバ-の一人・中原くんが好きなのに、気持ちを隠している。
バレンタインディに手作りチョコを渡そうと思っていたら・・・
あ~、切ないね。でも、こんなシチュエ-ションはなんだか身近にあった気がして
懐かしい気持ちになった。



「裸樹」
中学のとき、何気ない一言からいじめられるようになってしまった望(ノゾミ)。
高校では軽音楽部に入り、常に自分の居場所を失わないように気をつけている。

良い子なのに、些細なことで学校での居場所が無くなってしまうのって辛いこと。
高校で、仲間も出来たけど、再び孤立しないように気を張っている望が、音楽を通じて自分の意見を周りを気にせず出していくようになった姿にホッとした。


4つの音楽に関わりながら成長していく少女たちの物語は、
どれも清々しかった。

佐藤さんの物語は、はるか昔の主人公たちと同じ年代だった自分を振り返らせてくれる。


★★★★

 
722ff8e7.jpg発行年月:1993年5月


ジャズピアニストのおふくろは、あいつと再婚するんだろうか?

事故で父親と片腕を失った少年と、母親がつむぐ新しい家族の物語。


                         (偕成社HPより)



『サマ-タイム』の続編ですが、お話は、サマ-タイムのサイドスト-リ-のようなかんじ。
こちらにも2編の話が収められています。

表題作「九月の雨」は、16歳になった広一が、母親の再婚相手になるかもしれない男性・種田との関わりについて語る。
時々、3年前(サマ-タイムの時期)出会った進と佳奈と過ごした夏の思い出を振り返りながら。

種田は、今まで母が付き合ってきたタイプの男性とは、正反対で、見映えもしないし、話をしていても冴えないかんじで、彼といるとイライラ感さえ感じてしまう。

ある日、母の留守に訪ねてきた種田を最初は、疎ましく感じながら接する広一だが、ある事を一緒にやるうち、種田の本当の人間性に気づく。
広一の心の変化が読んでいて、嬉しかった。

きっと新しい家族を広一も温かく迎えるんだろうなぁ~なんて思いました。

もうひとつの話「ホワイト・ピアノ」は、14歳になった佳奈。
広一が引っ越してから届けた手紙は、あまりにもそっけないものでややガッカリしている。
でも、いつも心の中には、弟の進と三人で過ごした夏の思い出は大切にある。

ピアノの修理工場の社長令嬢・亜紀に「ホワイト・ピアノを見に来ない?」と誘われ遊びに行く。
亜紀は大人びた物言いをする子で、ロマンチックな夢を語ったり・・・。
そんな亜紀と話をしていると、やはり広一の事が頭に浮かんで来る。

ホワイト・ピアノを調律している千田という26歳の青年。
初恋の人が、ある日、そのピアノを突然、買いに来たが、気に入らないと言われてしまったのは気の毒だったな。
でも、その後の千田青年の行動は感動。
優しい人なんだなぁ~。

そんな優しい彼に接しながら、佳奈は再び、広一の事を想う。

彼と二年前に喧嘩しちゃったこと。そのまま引っ越して行ったこと。
そっけないと思った手紙だけど、わたしの事をまだ想ってくれているのかも・・・・。

なんだか、切ないな。でもすごくいいな。

実際は前作『サマ-タイム』の最後に、大人っぽくなった広一が佳奈の家を訪ねて二人は再会する場面があるので、この物語は、そこに行くまでの二人の出来事という事かな?


今回の挿絵も毬月絵美さん。どれもステキでした。
色つきで全部見てみたい!

わたしは、単行本で「サマ-タイム」「九月の雨」と読みましたが、文庫本「サマ-タイム」には、単行本にそれぞれ2つずつあった話、全4話が1冊に収められているようです。

これを読んで、ちょっとでも興味を持たれた方は、文庫本で一挙に読むのもいいかな?
その場合の挿絵はどなたでしょう?
そこまで、調べてなくてすみません^^;

★★★★
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪

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★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
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