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読んだ本の感想あれこれ。
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722ff8e7.jpg発行年月:1993年5月


ジャズピアニストのおふくろは、あいつと再婚するんだろうか?

事故で父親と片腕を失った少年と、母親がつむぐ新しい家族の物語。


                         (偕成社HPより)



『サマ-タイム』の続編ですが、お話は、サマ-タイムのサイドスト-リ-のようなかんじ。
こちらにも2編の話が収められています。

表題作「九月の雨」は、16歳になった広一が、母親の再婚相手になるかもしれない男性・種田との関わりについて語る。
時々、3年前(サマ-タイムの時期)出会った進と佳奈と過ごした夏の思い出を振り返りながら。

種田は、今まで母が付き合ってきたタイプの男性とは、正反対で、見映えもしないし、話をしていても冴えないかんじで、彼といるとイライラ感さえ感じてしまう。

ある日、母の留守に訪ねてきた種田を最初は、疎ましく感じながら接する広一だが、ある事を一緒にやるうち、種田の本当の人間性に気づく。
広一の心の変化が読んでいて、嬉しかった。

きっと新しい家族を広一も温かく迎えるんだろうなぁ~なんて思いました。

もうひとつの話「ホワイト・ピアノ」は、14歳になった佳奈。
広一が引っ越してから届けた手紙は、あまりにもそっけないものでややガッカリしている。
でも、いつも心の中には、弟の進と三人で過ごした夏の思い出は大切にある。

ピアノの修理工場の社長令嬢・亜紀に「ホワイト・ピアノを見に来ない?」と誘われ遊びに行く。
亜紀は大人びた物言いをする子で、ロマンチックな夢を語ったり・・・。
そんな亜紀と話をしていると、やはり広一の事が頭に浮かんで来る。

ホワイト・ピアノを調律している千田という26歳の青年。
初恋の人が、ある日、そのピアノを突然、買いに来たが、気に入らないと言われてしまったのは気の毒だったな。
でも、その後の千田青年の行動は感動。
優しい人なんだなぁ~。

そんな優しい彼に接しながら、佳奈は再び、広一の事を想う。

彼と二年前に喧嘩しちゃったこと。そのまま引っ越して行ったこと。
そっけないと思った手紙だけど、わたしの事をまだ想ってくれているのかも・・・・。

なんだか、切ないな。でもすごくいいな。

実際は前作『サマ-タイム』の最後に、大人っぽくなった広一が佳奈の家を訪ねて二人は再会する場面があるので、この物語は、そこに行くまでの二人の出来事という事かな?


今回の挿絵も毬月絵美さん。どれもステキでした。
色つきで全部見てみたい!

わたしは、単行本で「サマ-タイム」「九月の雨」と読みましたが、文庫本「サマ-タイム」には、単行本にそれぞれ2つずつあった話、全4話が1冊に収められているようです。

これを読んで、ちょっとでも興味を持たれた方は、文庫本で一挙に読むのもいいかな?
その場合の挿絵はどなたでしょう?
そこまで、調べてなくてすみません^^;

★★★★
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