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読んだ本の感想あれこれ。
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1df9b899.jpg発行年月:2001年6月


1960年、小学校4年生のマリは、プラハのソビエト学校にいた。男の見極め方やセックスのことを教えてくれるのは、ギリシャ人のリッツァ。ル-マニア人のア-ニャは、どうしようもない嘘つきのまま皆に愛されていて、クラス1の優等生はユ-ゴスラビア人のヤスミンカだ。30年後、激動する東欧で音信の途絶えた彼女たちと、ようやく再会を果たしたマリが遭遇した真実とは-----。

                       
(本の帯文より)

先日、読んだ、「打ちのめされるようなすごい本」が、すごく面白かったので、過去の出版物に大いに興味を持ち先ずはこちらの書を読みました。

これもまた引き込まれるように、読みました。

米原万里さんは、お父様が日本共産党員でそこからの派遣でプラハの『平和と社会主義の諸問題』という雑誌の編集局勤務をしていたそう。

同じように父親が共産党員である子ども達が多く、ここで登場するリッツア、ア-ニャ、ヤスミンカの家族も共産主義こそ人類最高の考え方をしている。

みんな同年齢なのだが、国はバラバラ。
ソビエト学校には、実に多くの国々の子ども達が集まって学んでいたらしい。
生まれた時から祖国を離れている者も多いけど、愛国精神は皆、とても強く自分は国の代表としてここに居るのだと思っているからスゴイ。

そして国は違っても、かけがえのない友情は育つものだと思いました。
しかし、激動の時代ゆえ、元々は差別な平等な理想社会をめざし闘う仲間同士の親たちが、国が違いその考え方にズレが生じると相手の事を汚く罵りあう。
子ども達の育んだ友情も哀しいことに隔てられたり・・・・。

米原さんがプラハに居た時代に知り合った人たちを30年後に訪ねるのもすごい。

日本に帰国した米原さんは友人たちと文通をはじめるのだが手紙が届かなくなりありそれは資本主義の国とは関わりを禁じられていたからとソ連崩壊後に知ったとか。

それでも、友人たちの安否が気になり、再会を願って訪ねて行く。
絶対、会えないでしょ?というような状況にも関わらず、運よく、皆と再会出来て、読みながらこちらまで感動しちゃいました。
再会した友だちはそれぞれ、社会的にも立派に活躍されていたのもすごい!
そうなるまでの苦労も並じゃなかったでしょうに・・・・・。

激動の東欧社会(最近は中欧に分類される国もあるそうですが)の歴史も万里さん自身が体験してきた事実と照らし合わせて読むと、、頭に整理されて入ってくるかんじがして、いろいろと学ぶ事が多い書でした。


う~ん、やはり米原さんってスゴイ方だわ!

文章が読みやすく、時にはユ-モアで笑わせてくれます。

これもお勧めの本です!


★★★★★


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