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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:1999年7月(単行本は1997年)

家族のルーツ、出生、両親の不仲、家庭内暴力、いじめ、そして自殺未遂。家族や学校・社会との絶え間ない軋轢と葛藤のなかで自らが歩んできた姿を綴った、芥川賞作家の記念碑的作品。

                 (角川文庫HPより)



久しぶりに家の本棚より抜き出して読んだ。
柳さんの本は結構、読んでいるけれど、これは柳さんのルーツが赤裸々に
描かれていて、小説家になるまでのどの部分を読んでも苦しくなる。

虐められて家庭では両親は不仲で、どこにも安らげる場所がない状況で
何度か死にそうになりながら生き延びて・・・。

小説家になってくれて本当に良かった!


解説の林真理子さんが書いている。
最後の文章がインパクトあり。
どうか元気で長生きしてほしい。
作家という魔物と、どうかうまく折り合いをつけて欲しい。

この望みを柳さんは、ちゃんと遂行しているのが嬉しい。


また他の書も読み返そうかな。




                     ★★★
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発行年月:2016年6月


 生きることの哀しみ、そしきらめき……
ひかり公園で産まれた六匹のねことその家族が奏でる “命”の物語が
いま、幕をあける――中川翔子さん推薦!! 

著者2年ぶりとなる、待望の最新小説!

                  (河出書房新社HPより)



<ニーコのおうち>
<スワンのおうち>
<アルミとサンタのおうち>
<ゲンゴロウとラテとニーコのおうち>


最初のニーコの話は、なんとも哀しくて、やり切れない話。
でもこういう現実は多いんだろうな~。

ニーコが産んだ子どもたちが、色々な人と関わっいく話がその後、続く。


猫の存在が人の心を癒して前向きな気持ちにさせてくれるって確かに
沢山、あることだと思う。
その一方で、殺処分されてしまう命も多い。


猫社会のリアルな話。

命について考えさせられる箇所も多く、読み応えありの物語だった!

柳さんの小説、もっともっと読みたい!



                      ★★★★



発行年月:2017年11月


 東北各地の霊場を探訪し、日本人の死生観をさぐる。盛夏から晩秋、そして初冬へ──。作家(柳美里)と学者(佐藤弘夫)は、魂のゆくえを訪ねて、東北を歩いた。それは、大震災を経験した人々が待ち望む春を探す旅でもあった。

                (第三文明社HPより)



死者を巡る旅。
旅行記みたいに気楽に読めるけれど、そこには亡くなった人の何かを
感じる旅なので、厳粛なかんじもする。

宮城県の松島。
岩手県の遠野。

この二か所が印象的で、いつか訪れてみたい地でもある。

写真も豊富なので、パラパラと写真だけ、再度みて楽しんだ。

多くの人が亡くなった地とか、やはり行くと何かしら感じるものが
きっとあるんだろうな~。


                         ★★★
 

発行年月:2014年3月


また、あの音が聴こえる――東京オリンピックの前年、出稼ぎのため上京した男。
生者と死者が共存する土地・上野公園で彷徨う男の生涯を通じ、
柳美里が「日本」の現在と未来を描いた傑作!

                  (河出書房新社HPより



上野公園でホームレスとして生きる男が主人公。
名前は?出てきたかな?

男は、福島県で昭和8年生まれ。
8人の弟、妹の一番上で、貧しい一家の暮らしを支えるため懸命に働き
成人し、結婚し妻と娘・息子との生活を得たが、出稼ぎのため東京に出る。
昭和38年の12月。
東京オリンピックが開催される前の年で、インフラ整備などで働き口には困らなかった。
福島に帰るのは、盆暮れだけで、後は東京で働いた。

やがて、娘は嫁ぎ、息子は、レントゲン技師の国家資格を得たという嬉しいニュースを
聞くが、その直後、息子はアパートの部屋でひとり死んでいたという。

65歳の妻が他界してからは、一人暮らしだったが、孫が世話をしてくれることに
なった。
が・・・・孫を自分のことで縛るのは忍びないと一人東京へ出て
ホームレス生活を始める。



男の人生、なんだか空しいことだらけ。
やがて、3.11でその孫も津波にのまれる。

辛いことがこれでもかと押し寄せるが、男は淡々と生きる。
心の中のことが描かれていないので、余計空しさを感じてしまう。


柳さんのあとがきが、またいろいろと考えさせられる内容でした。

こういう真面目に生きて来たのに、理不尽な運命を生きている人たちに
福祉の力でもっと手を差し伸べられないのかな?


歯がゆさだけが残りますが、こういう事を多くの人が知るべきだと感じた。


                        ★★★★★
 
c9c530ac.jpeg   発行年月:2012年10月


   ネットの掲示板に飛び交う「自殺」「逝きたい」の文字。
   携帯電話を手にその画面を見つめる少女。
   彼女は「品川発・伊東行き」の電車に乗り
   「その場所」へ向かうが……2年半ぶりの最新小説  
  

                     (河出書房新社HPより)  



主人公は、高校生の百音。
学校では友達はいるけれど、そのグル-プのなかで浮かないようにするのに必死。
家では中学受験を控える弟に母親は必死。

友達も家族もいるけれど・・・空虚感をまとっている様子の女の子。

  
そしてネットで募った人たちと自殺を決行するために、集まる。

ネットのやりとりが不気味。
こんな風に実際、やり取りして、複数で自殺しちゃう人たちがいるんだ~。
実際のニュ-スで時々、知る事件の経過をリアルに読んでいるかんじ。

ごく普通に見える高校生が、こんな風にネットで知り合った人たちと命を絶つなんて考えたら
高校生の娘を持つ親の自分としては、恐ろしい。

なんとか、思い留まって!!と祈る気持ちで途中から読んでいた。

で、最後は・・・・その祈りが通じてホッ!

でもなんだか後味悪いな。


★★★
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