発行年月:2023年9月
かつての「三人娘」が織りなす幸福な食卓と友情と人生に乾杯!作家の民子、自由人の理枝、主婦の早希。そして彼女たちをとりまく人々の楽しく切実な日常を濃やかに描く、愛おしさに満ち満ちた物語。江國香織〝心が躍る〟熱望の長編小説。 「会わずにいるあいだ、それぞれ全然べつな生活を送っているのに――。会うとたちまち昔の空気に戻る」――作家の民子は、母の薫と静かなふたり暮らし。そこに、大学からの友人・理枝が、イギリスでの仕事を辞めて帰国し、家が見つかるまで居候させてほしいとやってきた。民子と理枝と早希(夫とふたりの息子がいる主婦)は、学生時代「三人娘」と呼ばれていた大の仲良し。早速、三人で西麻布のビストロで、再会を祝しておいしい料理とワインを堪能しながら、おしゃべりに花が咲いて……
(角川春樹事務所HPより)
50歳半ば(56~57歳?)過ぎた、3人の女性の日常を綴りながらの物語。
恋人らしき人は出てくるけれど、愛情表現の場面は、ほんのちょっと。
でも、なんだか読んでいて楽しかった♪
諏訪民子・・・・作家。父親は亡くなり母の薫と二人暮らし。
清家理枝・・・・外資系の金融会社に勤務していて、長くイギリスに住んでいたが
仕事を辞めて帰国。新居が見つかるまで民子の家で居候生活。
二度の離婚歴あり。
室伏早希・・・・主婦。夫と二人の息子の母。
長男(23歳)は就職を機に家を出て一人暮らし。
次男は高校生。
義母はアルツハイマーで施設入所。
3人それぞれの日常。
それぞれに大変さはあるものの、皆、充実しているかんじで良い。
たまに会って、美味しい物を食べたり、お酒を飲んだり、共通の知り合いの
話をしたり・・・。
こんな風にずっと続く友達っていいなぁ~。
表題のシェニール織とメロン(カンタロープメロン)、
他にはポークパイハット
3人が、学生時代、どういうものかわからずに勝手に想像していたものだとか。
シェニール織がもっと素敵な織物だと思っていたのに、フランス語に訳すと
毛虫織りと知り、ショックというのが笑えた。
毛虫織というと確かに・・・^m^
3人の10年先くらいの話も読んでみたいなぁ~。
★★★
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発行年月:2002年3月
読者が待ち望んだ、初の書き下ろし短編小説集。凛々しくて、
切なくて、幸福な女たちが生きるとりどりの人生を、
著者独特の冴えた筆で切りとった、贅沢な珠玉の小説10編を収録。
第15回山本周五郎賞受賞作。
(発行/集英社)
10の短編。
大事なことは起きない。
色々な環境で生きている女性たちの日常の一コマ。
表題作は一番最初。
93歳の祖母が肺炎で入院したと知り、ある程度の覚悟をして駆けつけると
そこに妹と母もいて、祖母は、意外と元気そう。
酸素マスクも外していいでしょうと。
ホッととしながら3人で病院を後にする。
たった、それだけのことなのに、江國さんの文章では、その時の情景とか
それぞれの心の内の言葉なんかが、ス~ッと入ってくる。
他の9編も同様。
すごく幸せな環境というわけではないなかで、それなりに幸福を感じる瞬間が
あったり、ホッとする瞬間があったり。
表題のことばは、誰の人生にも意外と沿う言葉なのかも・・・・
と読み終えたら、あとがきで江國さん自身もそんなことを書いていて
ちょっと嬉しくなった。
一番気に入ったのは<動物園>かな?
息子が「しまうまをみたい」と言ったから小雨が降ったり止んだりする
なかを動物園に行き、偶然、そこの今は別に暮らす夫から連絡がきて
動物園のしろくまの前で1時間半ごに待ち合わせするという話。
どうして離れて暮らすことのなったのか、サラッとしか書かれていないけれど
この家族には、この状態がきっと心地いいんだろうな。
こういう家族の在り方もありかな?と思った。
江國さんは、短篇もいい。
まだ読んでいないものがあるので、また探して読もう!
★★★★
発行年月:2021年12月
大晦日の夜、ホテルに集まった八十歳過ぎの三人の男女。彼らは酒を飲んで共に過ごした過去を懐かしみ、そして一緒に猟銃で命を絶った。三人にいったい何があったのか――。妻でも、子どもでも、親友でも、理解できないことはある。唐突な死をきっかけに絡み合う、残された者たちの日常。人生におけるいくつもの喪失、いくつもの終焉を描く物語。
(新潮社HPより)
篠田莞爾(86歳)、重森勉(80歳)、宮下知佐子(82歳)
3人は、1950年代の終わりころ、美術系の出版社で一緒に働いていた。
その後、職場が変ったりしながらも3人の親交は続き、ある大晦日の夜、
ホテルで食事をしてお酒を飲みながら、昔話に花を咲かせて・・・
「そろそろ眠くなったね」と同じ部屋に向かい、命を絶つ。
物語には、悲壮感みたいなものが殆どない。
これがもっと若い3人なら違っただろうけど、3人はそれぞれに十分、人生を
楽しんだのだと思う。
猟銃自殺は、ちょっと派手過ぎるけど(3人には似合ってるのかも)
潔くてちょっと羨ましいとさえ思ってしまった。
残された親族や知り合いは驚き、どうして?と思うのだけど、篠田と宮下は
色々な身辺整理を済ませてあり、身寄りがいない重森も後を任せられる人に
遺書を遺している。
親族や知り合いたちそれぞれが代わり代わりに語りながら物語が進む。
知佐子の孫・作家の塔子
莞爾の孫・葉月(コペンハーゲンでアンデルセンの研究をしている)
この二人が印象的だったかな?
時間を置いて、また再読したい本。
★★★★
発行年月:2015年11月(2003年発行の新装改装版)
カーヴァーの「ぼくの船」から谷川俊太郎の「手紙」まで。江國香織が選び、解説を付した、ささやかで力強い59編の名詩。疲弊していく恋の詩もあれば、情熱的な愛の詩もある。そんな詩のアンサンブルをお楽しみください。
たぶんかなり無秩序で、むろんひどく偏った、でもどう見ても力強いアンソロジーです。力強すぎるかもしれません。――江國香織
(いそっぷ社HPより)
江國さんが集めた詩たち。
どれも素敵。
名前しか知らなかった人も多いし、知らなかった人の作品も。
堀口大学の名前は聞いたことあるけれど、作品をいくつか読むと
どんな人物だったんだろう?こういう感性はどんな生活をしていて生まれたんだろ?
と人物に興味を覚えた。
ウィキペディアで調べたら、やはりなかなか面白い人生の様子。
クマのぷーさんの作者 A・Aミルンの<窓辺ではっている>
は以前何処かで読んで、「ああ~いい詩だなぁ~」と思ったので
載っていて嬉しかった。
窓ガラスにある雨粒に名前を付て流れ落ちる様子を見ながらの詩。
情景が浮かぶし、同じようなこと子どもの頃、やっていたので
なんだか凄く懐かしい気持ちにもさせてくれる詩。
巻末の解説で、一人息子のクリストファー・ロビンや自分の幼年期時代を
題材にした詩集「わたしたちは今六つ」是非、読んでみたい。
忘れずメモしておかなきゃ!
表紙の絵は、酒井駒子さん。
表題とともに凄くいい!
酒井さんの本も読みたくなった!
素敵な1冊でした♪
★★★★★
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
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