忍者ブログ
読んだ本の感想あれこれ。
[2701]  [2700]  [2699]  [2698]  [2697]  [2696]  [2695]  [2694]  [2693]  [2692]  [2691


発行年月:2002年3月


読者が待ち望んだ、初の書き下ろし短編小説集。凛々しくて、
切なくて、幸福な女たちが生きるとりどりの人生を、
著者独特の冴えた筆で切りとった、贅沢な珠玉の小説10編を収録。

第15回山本周五郎賞受賞作。

                 (発行/集英社)



10の短編。
大事なことは起きない。
色々な環境で生きている女性たちの日常の一コマ。

表題作は一番最初。
93歳の祖母が肺炎で入院したと知り、ある程度の覚悟をして駆けつけると
そこに妹と母もいて、祖母は、意外と元気そう。
酸素マスクも外していいでしょうと。
ホッととしながら3人で病院を後にする。

たった、それだけのことなのに、江國さんの文章では、その時の情景とか
それぞれの心の内の言葉なんかが、ス~ッと入ってくる。



他の9編も同様。

すごく幸せな環境というわけではないなかで、それなりに幸福を感じる瞬間が
あったり、ホッとする瞬間があったり。

表題のことばは、誰の人生にも意外と沿う言葉なのかも・・・・
と読み終えたら、あとがきで江國さん自身もそんなことを書いていて
ちょっと嬉しくなった。

一番気に入ったのは<動物園>かな?
息子が「しまうまをみたい」と言ったから小雨が降ったり止んだりする
なかを動物園に行き、偶然、そこの今は別に暮らす夫から連絡がきて
動物園のしろくまの前で1時間半ごに待ち合わせするという話。

どうして離れて暮らすことのなったのか、サラッとしか書かれていないけれど
この家族には、この状態がきっと心地いいんだろうな。
こういう家族の在り方もありかな?と思った。


江國さんは、短篇もいい。
まだ読んでいないものがあるので、また探して読もう!



                     ★★★★
PR
この記事にコメントする
お名前
タイトル
文字色
mail
URL
コメント
パスワード   Vodafone絵文字 i-mode絵文字 Ezweb絵文字
secret (管理人しか読むことができません)
カレンダー
04 2024/05 06
S M T W T F S
2 3 4
5 6 7 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30 31
メ-タ-
kyokoさんの読書メーター
カテゴリー
フリーエリア
最新コメント
[09/20 kyoko]
[05/23 のぶ]
[09/15 kyoko]
[09/14 ひろ]
[03/06 kyoko]
最新トラックバック
プロフィール
HN:
kyoko
HP:
性別:
女性
自己紹介:
台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪

記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;

バーコード
ブログ内検索
P R
カウンター
フリーエリア

Copyright (c)本を片手に・・・ All Rights Reserved.
Powered by NinjaBlog  image by Night on the Planet  Template by tsukika

忍者ブログ [PR]