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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2023年5月


作家生活10周年記念! 物語の魅力がぎゅっと詰まった、珠玉の作品集
「緑の子どもたち」
植物で覆われたその家には、使う言葉の異なる4人の子どもたちがいる。言葉が通じず、わかりあえず、でも同じ家で生きざるを得ない彼らに、ある事件が起きて――。
「空へ昇る」
大地に突如として直径二爪ほどの穴が開き、そこから無数の土塊が天へ昇ってゆく“土塊昇天現象”。その現象をめぐる哲学者・物理学者・天文学者たちの戦いの記録と到達。
SF、児童文学、ミステリ、幻想ホラー、ショートショート etc.
書き下ろし『この本を盗む者は』スピンオフ短編を含む、珠玉の全11編。


                    (発行/角川書店)


色々なジャンルの話。
ファンタジィーっぽいのもあれば、SFっぽいの、ちょっと恐ろしいもの。
そして、どの話にも惹き込まれた。

印象的だったのは
<カドクラさん>
戦争のため、母の遠縁にあたる90歳のカドクラさんの家に疎開したミノル。
カドクラさんは若い頃戦争に行ったと母に聞いていた。

ここで「え?」と思う。
今起きている戦争って昭和の戦争じゃないってこと??

一挙に恐ろしくなった。
こんなことが繰り返される世の中には、なりませんように・・・。


<本泥棒を呪う者は>も面白かった。
本を盗まれた犯人探しをアルムが大きくなってしていくのかな?
その話が<この本を盗む者は>に書かれているようなので、そちらも
早々に読んでみたいと思う。


おとぎ話っぽくて好きなのは最後の<緑の子どもたち>
植物に覆われた家に住む4人の子どもたち。
自転車づくりを通じて関わりをもっていく様子が微笑ましかった。


面白いお話を書く作家さんだな。

表紙の絵になっているお話は一番最初の<海>。
これも幻想的で美しい不思議なお話だった。



                       ★★★★

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発行年月:2022年9月


宮崎の山奥に異動になっていた山本猛元店長が、 三年ぶりに、吉祥寺本店に店長として復帰した。 張り切る店長だが、相変わらず、人を苛立たせる天才だ。しかし京子は、心の中で「お帰りなさい」とつぶやいた。そんな中、本や書店を取り巻く環境はますます厳しくなってきたが、 それでも京子は、新人作家の才能に出逢い、打ちのめされ、 好きな作家の新作に心躍らせ、時には泣き、笑い、怒り、日々戦っています。スタッフの磯田さんや、覆面作家だった大西先生や神楽坂で小料理屋を営む親父さんや、優しき先輩たちに、応援を受けながら――。2020年本屋大賞にノミネートされ、本を愛する人々を興奮と感動に巻き込み大ロングセラーとなり、今なお売れ続けている『店長がバカすぎて』、熱望の第2幕。 今を懸命に生きる私たちの特別な物語。とにかく文句なしに面白い!! 店長、ますますパワーアップ。小説と書店の未来を、仕事の意味を、生きる希望を改めて深く問い直す、第二弾。

                  (角川春樹事務所HPより)


山本猛元店長が、再び新店長として赴任。

相変わらずの人をイライラさせる人だな・・・。
でも、段々、これ、わざとやっているんじゃないかなぁ~?と思えてくる。


覆面作家の大西賢也は、谷原京子の実家で居酒屋の「美晴」の常連客で
たびたび、「美晴」で顔を合わせる。

今回は、書店にアルバイトで入った山本多佳恵(25歳)がちょっと変わりもので
目立つなぁ~と思って読んでいたら、最後にわかる事実。

まあ、大方予想はついたけれどね~^m^


これ、読んでいると書店員って、大変だなぁ~。
特に文芸担当さんはと思う。


社長の息子・柏木雄太郎が色々、笑わせてくれた。
バイトの多佳恵に説教する社長の息子に腹を立てた京子が、凄い剣幕で
まくし立てた言葉が・・・・プププ・・^m^
でもその後、それが京子の評判を上げることに繋がって、店長になれるところまで
行ったのに・・・なんで断るかなぁ~残念。


今回、店長・山本猛がなぜ書店員になったのかが、わかる話があって
ちょっと感動した。
やっぱり、店長は、バカじゃないと思うなぁ~。

今回も楽しく読んだ。
まだ続くかなぁ~?



                     ★★★


発行年月:2020年7月


「幸せになりたいから働いているんだ」谷原京子、28歳。独身。とにかく本が好き。現在、〈武蔵野書店〉吉祥寺本店の契約社員。山本猛(たける)という名前ばかり勇ましい、「非」敏腕店長の元、文芸書の担当として、次から次へとトラブルに遭いながらも、日々忙しく働いている。あこがれの先輩書店員小柳真理さんの存在が心の支えだ。そんなある日、小柳さんに、店を辞めることになったと言われ……。『イノセント・デイズ』『小説王』の著者が、満を持して放つ働く全ての人々に捧げるノンストップエンターテインメント。驚愕のラストが待ち受けています。「リアルすぎます」「爆笑のち号泣」「元気が出ました」「トリックもすごい!」、『ランティエ』連載時より全国の書店員さんはじめ、話題騒然!

                   (角川春樹事務所HPより)


書店員のお仕事話。
面白かった。

主人公の谷原京子は、最初、店長の言葉、態度にすべて否定的。
まあ、少し空気を読めないところはあるけれど、悪い人ではなさそうだし
そんなに嫌いほどでもないかなぁ~と思って読み始めた^m^


クレーマー的なお客さんへの対応は、苦笑。
どこにもいるいるこういうお客。
理不尽だと思いながらも丁寧な対応はいい。
心の声(本音)は毒舌で笑えるけど、心のなかで思うのはいいと思う!!


京子が毛嫌いする店長は、すごく京子のことを見ているし、正しく評価もしてくれて
いる。
もう少し、二人の関係が変わっていくといいのになぁ~と思っていたら・・・
終盤、ちょっといいかんじになってきて、おぉ~?と思う。


覆面作家の正体がわかったとき、想像してなかった人だったので驚いたけど
最初から最後まで楽しめた。

店長は異動することになったけど、このままおしまいの関係では
終わってほしくないなぁ~。

続編を読むのが楽しみ♪


                    ★★★★



発行年月:2022年6月


西加奈子氏、長濱ねる氏、推薦!
『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』の著者が14歳の少女の「世界」を描く、心揺さぶる長編小説。
この物語は、かき消されてきた小さな声に力を与えている。
その声に私たちが耳を澄ますことから、全ては始まるのだ。
――西加奈子氏
私たちはもう呪いから解放されていいんだ。
2人の少女を抱きしめながら、私も一緒に泣きたくなった。
――長濱ねる氏
◎ブレイディみかこ氏からのメッセージ
『ぼくはイエローでホワイトで、ちょっとブルー』には出てこないティーンたちがいました。ノンフィクションの形では書けなかったからです。あの子たちを見えない存在にしていいのかというしこりがいつまでも心に残りました。こうしてある少女の物語が生まれたのです。
◎STORY
私たちの世界は、ここから始まる。
寒い冬の朝、14歳のミアは、短くなった制服のスカートを穿き、図書館の前に立っていた。そこで出合ったのは、カネコフミコの自伝。フミコは「別の世界」を見ることができる稀有な人だったという。本を夢中で読み進めるうち、ミアは同級生の誰よりもフミコが近くに感じられた。一方、学校では自分の重い現実を誰にも話してはいけないと思っていた。けれど、同級生のウィルにラップのリリックを書いてほしいと頼まれたことで、彼女の「世界」は少しずつ変わり始める――。


                    (ポプラ社HPより)



なんとも辛い話。
主人公のミアは14歳で、ドラッグに溺れる母親と8歳の弟と暮らしている。
貧困のなかでも、淡々と自分の境遇を受け入れ生活している。
図書館で知らないおじさんから1冊の本を薦められる
それは日本人の女性「カネコフミコ」の自伝のような本で、自分の境遇と
共通点がありフミコの暮らしがどうなるのか気になり読み進める。


ミアは学校で、ウィルという少年から、ラップの詩を書いて欲しいと言われる。
レイラという少女とも音楽を通じて会話するようになる。


ミアは孤独じゃないことが救い。
ミアと弟のシャーリーのことを気にかけてくれる、同級生・イーヴィや
その母・ゾーイは、食堂で食事をふるまってくれている。

物語のなかでミアが読む本「カネコフミコ」という人物のことも
気になる。
今度、そちらも読んでみよう。

フミコがいう言葉で「子どもであるという牢獄」といい言葉が印象的。
ミアもその考えに大いに同意していた。

最悪の事態にミアたちがならなかったのは良かった。
希望ももてそうだし。
でも、実際、もっと悲惨な状況に置かれた子どもたちは世界中に
いるんだろなと思ったら、なんともやりきれない気持ちになった。

でも、読んでよかった。



                      ★★★



発行年月:2020年12月


明石家は夫婦あわせて、もうすぐ180歳。一家の主、新平は散歩が趣味の健啖家。妻はそんな夫の浮気をしつこく疑っている。長男は高校中退後、ずっと引きこもり。次男は自称・長女のしっかり者。末っ子は事業に失敗して借金まみれ。……いろいろあるけど、「家族」である日々は続いてゆく。飄々としたユーモアと温かさがじんわりと胸に響く、現代家族小説の傑作!

                     (双葉社HPより)



90歳の新平さん。元大工で明石建設会社社長だった。
同居の長男(孝史)は定職に就いたことがなく、引きこもり。
次男の健二は、フラワーアーティストで、女性として生活。
三男の雄三は、グラビアアイドルの撮影会を主催する会社を興しているが
いつもお金を貸してくれと新平を頼る。


三人の息子たちは独身。


妻の英子が認知症になり、放っておけない。

若い頃は愛人も何人かいたが、今はいない。
けれど、英子は新平が外出の度に、浮気相手と会ってきたと疑う。


はたから見てもなかなか大変そうな家族だけれど、淡々とユーモア混じりに
描かれているので深刻さは薄め。
それでも、実際問題、これはなかなか大変だと思う。

90歳で妻の介護をしている男性。

実家の両親もまさにコレだから、いろいろ考えながら読んだ。


英子が倒れて、このまま家で看取ると言った新平の気持ち、尊重しても
いいかもと思った。
子ども(次男)に叱られて救急車を呼んだけれど。

入院して意識が戻って、遺漏を作って、栄養補給してリハビリして・・・・
英子はその後、回復して会話もまた出来るようになった。

子どもたちは、ホッとしたかもしれないけれど、新平のことを考えたら
なんだか切ない気持ちにもなってしまった。


老人用、ホスピスみたいな延命治療はしない看取りの施設が沢山、欲しいかも。
なんて考えてしまった。



                       ★★★★
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪

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