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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2019年7月


今日はご褒美、もう一杯気!

疲れた心にじーんと沁みる珠玉の人間ドラマ×絶品グルメの五つ星小説!


〈見守り屋〉の祥子(しょうこ)は今宵も寝ずの番で客を見守る。
夜勤明けの疲れを癒すのは、絶品ランチ酒。
明日はどんな味に出会えるだろう?

悲しくても寂しくても、やっぱりおいしい。

バツイチ、アラサー、犬森祥子(いぬもりしょうこ)の職業は〈見守り屋〉。
依頼が入ると、夜から朝までひたすら人やものを見守る。
彼女の唯一の贅沢は、夜勤明けの晩酌ならぬ「ランチ酒」。
街で出会ったグルメを堪能しながら思うのは、一人娘のこと。
別れた夫とその再婚相手のもとで暮らす娘に会えぬまま半年が
経っていた。独り思い悩むが、ワケありな客たちと過ごす時間が徐々に祥子を
変えていき……。

恋(?)の予感の半生ハンバーグとビール、母心のスパゲッティーグラタンとレモンハイ、
復活のからあげ丼とハイボール……今日も昼どき、極上の一杯を
いただきます!

                   (祥伝社HPより)



前作は読んでいないけど、読んでいるうちに主人公・犬森祥子のことや
祥子の周りの人間関係もみえてきた。

離婚して、元旦那は再婚し、娘も新しい家庭で暮らしているという状況。
それでも新しい奥さんや娘との関係は良さそう。

祥子の仕事(夜の見守り屋)で出会う人たちとの話も興味深いし、仕事終わりの
ランチとお酒を楽しむ様子もいい。
解放感のなかでのランチとお酒が美味しそう。
夜、寝る前に読んでいたら、小腹が空いてきて困った・・・(^^ゞ


祥子の人柄も良さそう。
小山内と角谷、二人の男性から好意をら寄せられるのもわかる。

でも、自分の気持ちだけで突っ走らないところもいい。

ラストは、でもちょっと気になる。
続きの展開が読みたい(知りたい)。


表紙の絵は、地元のハンバーグ店「さわやか」のもの。
お皿が特徴的なので、「おっ!」とすぐ思った。
久しぶりになんだか食べたくなったなぁ~。
でも、今は自粛の休業中ですね~(/_;)


                       ★★★
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発行年月:2020年1月

戦後日本を象徴する大ヒットドラマ「鐘の鳴る丘」をモチーフに、
突如ラジオドラマに出演することになった子供たちと、
自分たちが起こした戦争への後悔に苛まれた大人たちが、
力を合わせ生きていく姿を描く感動の物語。


             (小峰書店HPより)



児童書なんだ~。

でも、大人が読んでも十分、楽しめた。

戦後わずかの日本。
東京練馬区小峰町が舞台。

物語の冒頭は、劇作家の菊井一夫の訃報が、当時、菊井氏の書いた
ラジオ放送劇に参加した良仁の元に届くところから始まる。

そして、ラジオ放送劇に参加した時の話に・・・


戦争で、家と父親を亡くした将太の言動が印象的だった。
途中から放送劇に加わることになるんだけど、せりふ覚えも、演技力も
素晴らしい。
凄く頭が良い証拠だろうけど、将太は、過酷な生活のなかで
逞しく生き抜く要領の良さも持っていて、それがなんだかとても切ない。


放送劇「鐘の鳴る丘」は、戦災孤児たちが主人公。
慰問として孤児たちが保護されている施設に出向いたときのことが衝撃的。

施設にいた少年・光彦の「鐘の鳴る丘は嘘ばっかりだ」という言葉。

そんな光彦に彼が欲しいものとして挙げた万年筆を手渡す菊井の優しさに感動。
「それで、君は自分の物語を書きなさい」

大人になった彼は、その後、作家になったという。

放送劇に参加したメンバーが、大人になり菊井氏の葬儀の場で再会。
大人になった彼らのその後がわかる。

一番、気になった将太は、やはり彼らしい行動を起こしていた。
戦争さえなければ、将太のような賢くリーダーシップもとれる者は
違った活躍をしたでしょうに・・・


実際の放送劇を探して聞いてみたいと思った。


                     ★★★★★



発行年月:2019年8月

兄弟姉妹に一度でも仄暗い感情を抱いたことのあるあなたへ。
花言葉をモチーフにした感泣と戦慄の連作短編集。

                 (キノブックスHPより)


色々なきょうだいの話。

<アネモネの姉妹>
アネモネの花言葉:嫉妬のための無実の犠牲

優等生で器量よしの姉と劣等生で不器量な妹。
姉はいつも平均以上でいなければと思って努力してきたが、そんなことは
お構いなしの妹に猛烈な嫉妬心を抱く瞬間がある。

幸せそうなのは、断然、妹だな。


<ヒエンソウの兄弟>
ヒエンソウの花言葉:私の心を読んでください

中堅の出版社ににゅしゃ6年目で念願の文芸部で働く弟。
自分より優秀で有名私立大卒の兄は、リーマンショックのあおりで内定取り消しに
あってから放浪の旅に出て行方しれず。
新人賞の応募作品のなかに、自分の幼いころのことが書かれた小説が!

これは、また新たな兄弟関係が出来そうでいいかんじ(^^)


<マツムシソウの兄妹>
マツムシソウの花言葉:あなたは私を置き去りにする

恋人の元に妹が転がり込んできて、恋人との関係を邪魔されることに苛立つ。
自分の兄はカメラマンで海外に取材に行くことが多い。
兄を心から慕っている。恋人より実は好きなくらい。
恋人の妹から、兄を束縛していると言われ腹が立つが、自分も同じことを
兄の恋人に対してしていたと気づく。

素敵なお兄さんがいるとこういうことありそう。


<リコリスの兄弟>
リコリス(彼岸花)の花言葉:悲しい思い出

一卵性双生児の兄弟。
二人で競い合いながら水泳を続けてきたが、事故で兄は足にマヒが残り
リハビリ中。
兄が居なくなった途端、うまくタイムが伸びなくなった弟。
そんな弟に兄がかける言葉で再び奮起する。

いいお兄さんだな~(/_;)


<ツリフネソウの姉弟>
ツルフネソウの花言葉:私に触らないでください

弟が10歳のとき、父親に恋人が出来て両親が離婚し、
母親と姉は家を出て別々に暮らす。弟は、継母と3人での生活。

久しぶりに会った姉から「あんたにとって家族なんてただの世間的義務でしかない」
の指摘され、都内のお嬢様学校に通う15歳の娘が自分の目の前で高いところから
飛び降り大怪我。
妻にも夫でも父親でもなかったと。


やり直せるかなぁ~。
ちょっと辛い話だった。


<アルフォリニアポピーの義妹>
父が亡くなり、フローラル・テラ(生花を扱う会社)の社長を引き継いだ姉。
しかし、社内の風当たりは強く、自分をよくおもわない営業部長から嫌がらせを
受ける日々。
そんなとき、ラノベ作家の弟が婚約者を紹介するため実家に連れて来る。
見た目は日本人だが両親がアメリカ人というヤンキーっぽい物言いのキャロラインが、
自分の義妹になることに納得がいかない。
が、彼女の言葉や行動に勇気をもらう。

明るい話が、最後でよかった!
スッキリした!

前の話で出てきた15歳の少女の話も少し出て来て、みんなの
未来が明るい方向に行くといいなぁ~と思った。



いろいろなきょうだいの話。
面白く読みました♪


                      ★★★★


発行年月:2019年12月

池内胡雪は多忙なベンチャー企業で働く三十歳。
不規則な生活で食事はおろそかになり、社内も散らかり放題で殺伐とした雰囲気だ。
そんな状況を改善しようと、社長は会社に家政婦を雇うことに。
やってきた家政婦の筧みのりは無愛想だったが、
いつも心がほっとするご飯を作ってくれて――。
現代社会の疲れを癒す、美味しい連作短編集。

                           (双葉社HPより)




大学時代の同級生たちで立ち上げた医療系のベンチャー企業内で働く
池内胡雪、桃田雄也、田中一郎、伊丹大悟。

そこに週3回、通う筧みのり(52歳)。
筧は、14時~16時の勤務で、社員の夕食と夜食を作る。

忙しさで殺伐とした雰囲気の社内が、美味しいものがあることで、柔らかい雰囲気に
変わっていく。
社員の一人一人と向き合う、筧の言葉も響くものがあって気持ち的にも
楽になっていく面々。


そんななかで、一番、重たいものを抱えていたのが、現社長の田中。
会社を立ち上げたときのリーダー的存在の柿枝との確執。
一人悩んできたことを筧に話し、吹っ切れる。


そして、筧自身のこと。
これは少々、ショッキングだった。
波乱万丈の人生だったんだ~!!
でもそんな体験をしたからこそ、時には、厳しく、時には優しい助言が出来たのかも。


柿枝とも繋がっていたこともびっくり!
最期に柿枝に言った言葉は恰好よかったけど。
柿枝みたいな人間、いやだな。



筧が作る、夕食や夜食は美味しそう。

カレーうどん、ハンバーガー、鯛めし、かやくごはん、だし巻き卵、などなど。

キャンプ先で桃田が食べていた辛ラーメンのスープで
野菜とウインナーを食べてその後の乾麺にチーズと韓国のりも
絵が浮かんできて本当に美味しそうだった!



会社のメンバーは、ここでの経験を元に新たな道に、それぞれ向かいそう。
筧も幸せになってほしいな~


読み始めたときは、ほのぼのしたお仕事小説?と思ったけれど
結構、ダークな部分もあって、読み応えあって面白かった!



                             ★★★★


発行年月:2019年9月


仕事じゃなくても輝ける、いつもの景色が違って見える――
人生後半戦を迎える男たちの、まさかの新しいステージは、
おじさんたちだけの社交ダンス! 
中年世代を熱くする、出会いと躍動の物語。

                 (中央公論新社HPより)


表紙のおじさんたちの物語。

社交ダンスの講師は、米山信也。
妻(ダンスのパートナーでもあった)を半年前に亡くし、何事にもやる気が沸かない。

生徒の面々。

田中武士・・・60歳で定年退職。何となく体調が優れず、妻に勧められ
受診し、医師から社交ダンスを勧められる。

川端諒一・・・51歳。商事会社の部長。子どもはいない。
妻も働いていて、自分より会社の地位は高い、

大塚正彦・・・町工場の社長。IT会社を辞めた息子(25歳)が一緒に働くが
何となく息子とはうまくかない。


おじさんたち、それぞれが社交ダンスを通じて、新しい人間関係を築き、
そういう生活の変化がそれぞれの生活でも良い変化を起こすというかんじ。


読んでいて楽しかった!


                       ★★★
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪

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