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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2016年9月

シンジツ一人ハ堪ヘガタシ。
二人デ居タレドマダ淋シ、
一人ニナツタラナホ淋シ、
シンジツ二人ハ遣瀬ナシ、
シンジツ一人ハ堪ヘガタシ。
(北原白秋「他ト我」より)

 北海道釧路市の千代ノ浦海岸で男性の他殺死体が発見された。被害者は札幌市の元タクシー乗務員滝川信夫、八十歳。北海道警釧路方面本部刑事第一課の大門真由は、滝川の自宅で北原白秋の詩集『白金之独楽』を発見する。滝川は青森市出身。八戸市の歓楽街で働いた後、札幌に移住した。生涯独身で、身寄りもなかったという。真由は、最後の最後に「ひとり」が苦しく心細くなった滝川の縋ろうとした縁を、わずかな糸から紐解いてゆく。

北海道警釧路方面本部。新たな刑事の名は、大門真由。

                       (小学館HPより)




本を読む前にドラマ化されたものを観てしまった^^;
なので、大門真由は、柴崎コウの顔が浮かぶし、その他の人物も
ドラマの人の顔が・・・・。


お話は切ない。哀しい。
今までの桜木作品に共通した過去にある事情を抱え生きる女性の強さ
哀しさなどがヒシヒシ伝わってくる。


事件は一人の男性の死。
そこに関わってくるのは、ある姉妹の哀しい過去。


何かがもう少し違ったら、皆、昔のことは思い出話にして幸せに暮らせただろう。

なんとも言えない空しい気持ちになります。


ドラマも面白かった。
桜木さんの北海道を舞台にした作品の風景描写は、映像化することで生きたかんじ。

北原白秋の詩がジ~ンと沁みました。




                        ★★★
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発行年月:2016年6月


怪我で引退した元ストリッパーのノリカは故郷で、自分の店を持つことを決意する。
ダンサーを募集すると、二人の若い女性が現れて……。
師匠から弟子につなぐ踊り子の矜持を鮮やかに描いた傑作長編。       

               (集英社HPより)




桜木さんと言えば、北海道。

そして、ちょっと暗い境遇の女性。

今回の主人公は、怪我のため踊ることから離れたストリーパーノリカ。
東京を離れ、札幌に戻り、空き物件を自身の店に。
その物件を世話してくれた不動産会社の竜崎は、元バーテン。
ノリカがダンススアターを開業すると聞き、ダンサー2名を連れてくる。
瑞穂(23歳)とみのり(20歳)。
そして竜崎も店のバーテンダーとして働く。

巧いこと集まったメンバーだけど、皆良い感じで、店の繁栄間違いなしね~と
すぐ感じた。
そして、その通りになるのだけど、色々な事情が重なり1年後には閉店の運び。


ノリカが師匠・静香を訪ねる場面は感動的だった。
ノリカの元を訪ねて来た元の常連客でノリカのファンのおがちゃんとの
話も良かった。


そしてノリカ自身も怪我の回復もあって、再びストリッパーの世界に戻る。



ストリッパーってよく知らない世界だけれど、こういう物語読むと
ダンサーとしての意識は凄く強いプロなんだなと思う。
ちょっとした偏見が崩れました。


登場人物たちが、店の閉店後は、それぞれ別の場所で幸せになれるといいなぁ~。

いつもの桜木さんの作品に比べたら明るめでしたが、こういう感じも好き。


                            ★★★



発行年月:2015年9月


 今日から海峡の鬼になる。記念碑的傑作誕生
舞台は、国境の町・根室
男の屍を越えて生きてゆく女たち。
北海道最東端・根室は、国境の町である。戦前からこの町を動かしてきた河之辺水産社長には、三人の娘がいた。長女智鶴は政界入りを目指す運輸会社の御曹司に嫁ぎ、次女珠生はヤクザの姐となり、三女早苗は金貸しの次男を養子にして実家を継ぐことになっている。昭和四十一年の国政選挙で、智鶴の夫・大旗善司は道東の票をまとめ当選を果たした。選挙戦を支えたのは、次女・珠生の夫で相羽組組長の相羽重之が国境の海でかき集めた汚れ金だった。珠生は、大旗当選の裏で流された血のために、海峡の鬼となることを誓う。

                    (小学館HPより)




舞台はまたまた北海道。
時代は昭和30年代半ば~40年代。
この時代の北海道、根室が舞台。

そんな場所に名士の娘として生まれた河之辺珠生が主人公。
父親は水産会社の社長。
珠生はその次女。
父親の妹が喜楽楼で芸者として働き、そこで知り合った相羽重之と所帯を持つ。
相羽の仕事は、裏稼業。
北方領土付近での海を支配する。

長女の智鶴は、国政に出馬する夫・大旗と共に自身も地域の女性たちを束ねる活動に精出す。

三女の早苗は家業を継ぐため金貸し屋の次男との縁談話は持ち上がるが・・・・


主人公・珠生の生き方が哀しい。
最初は好きで結婚した相羽だけど、他所に女が何人も居るような男。
でも珠生の割り切って考え先に進む様は恰好良い。
自分はヤクザの姐さんとして生きると決めて、夫の女の元にもその立場で
出向く。

最後は壮絶な夫の死があるが、その時も冷静沈着。
凄い芯の強い女性だなぁ~。

もう少し、ふつうの幸せを感じられるときが今後、来ると良いんだけれど…


しかし、桜木さんの描く女性って、何故、こんなにも哀しいのか?
そこがまた魅力なんだけど・・・。


                            ★★★★




発行年月:2015年3月


 妻を失い故郷を追われた男。夢を失い東京に捨てられた女。交わるはずのない二人が出会ったとき、運命の輪が大きく軋み始めるーー。

「いざわコーポレーション」の社長であり、10歳年上の妻である章子が、64歳の誕生日の夜、交通事故にあった。意識不明のまま眠り続ける妻の他、社内に人脈を持たぬ亮介は、会社から、そして新潟から追われる。新たな職を得た記念に訪れた銀座のグランドキャバレーで、席についた紗希もまた、その日、19歳で上京してから10年目、タレント事務所からクビを宣告されたのだった。寄る辺ない心を抱えながら出会った二人は、微かに互いを意識しながら別れる。ひと夏に6戸の販売目標を与えられた北海道のリゾートマンションで亮介が目にしたのは、廃墟同然の新古物件だった。絶望感にかられる亮介を追って、東京から紗希がやってくるーー。実に1年半ぶり、直木賞受賞後初の長編は、まさに桜木ワールドの真骨頂! 誰もが懸命に生きているだけ。悪い人がいるわけではないのに、それぞれが報われない。切なさと、最初から流れているどうにも逃げられない不穏な空気……。そして最後に用意された、度肝を抜かれるラスト……! 緊迫感と圧倒的なドライブ感で駆け抜ける、最高傑作!

                      (幻冬舎HPより)




桜木さんの描く主人公たちって、どうして幸薄いんだろ?

でも、この重苦しい感じがたまらなくクセになる。

今回の主人公は伊澤亮介(54歳)なのかな?
10歳年上の妻が経営するホテルの店長として働き、結婚後は副社長の肩書で
会社経営を陰で支えていたけれど、妻が事故で意識不明の状態が続き
会社経営は、妻の実の息子に託され、会社から追われてしまう。

そして、あるキャバレーで知り合ったのが白川沙希。
彼女は高校生で「これが美少女だ」コンテストで準優勝し芸能界デビュー。
けれど30歳を目前にタレント業を廃業し、唯一の勤め先がキャバレー「ダイヤモンド」。

亮介と沙希の間に男女の関係はない。
けれど、間違いなくお互いが心の拠り所という時期があり、沙希の方が
それが強かったんじゃないかな~?


ラストの展開には、ちょっとビックリだったけど・・・・。
沙希にとっては、人は違うと言っても、それは愛と呼べるものだったのかも
しれないな~。


相変わらず、読後感は重たい^^;
けれど小説としては面白かった。


                           ★★★





行年月:2013年1月


 寄せては返す波のような欲望に身を任せ、どうしようもない淋しさを
封じ込めようとする男と女。
安らぎを切望しながら寄るべなくさまよう孤独な魂のありようを、
北海道の風景に託して叙情豊かに謳いあげる。

(本書は2009年刊行の『恋肌』を改題のうえ大幅な加筆・修正を
ほどこし、新たに未発表作品「風の女」を加えて文庫化したものです/角川文庫HPより)




7編の短編集。
どの話も独特な閉塞感をはらんでいる。
主人公たちが置かれた環境は、その同じ立場にもし自分が立たされたら・・・と
想像するだけで鳥肌が立ちそう(^^;


「プリズム」が一番、嫌な話だったなあ~。
殺された大学生が気に毒過ぎるよ~(ノД`)・゜・。
他の話に出てくる女性たちには、がんばって!と言いたいけれど
「プリズム」の仁美には、違う感情を抱いた。



しかし、桜木さんの書く物語って、どうしてこんなに切ないんだろ?
北海道は行ったことないけれど、こういう雰囲気は北国が似合うんだろうな。


                             ★★★
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