忍者ブログ
読んだ本の感想あれこれ。
[1]  [2]  [3]  [4]  [5


発行年月:2023年9月


世間を震撼させた白昼のテロ事件から17年。
名を変え他人になりすまし、
"無実"の彼女はなぜ逃げ続けたのか?
1995年3月某日。渋谷駅で毒ガス散布事件が発生。実行犯として指名手配されたのは宗教団体「光の心教団」の幹部男性と、何も知らずに同行させられた23歳の信者岡本啓美(おかもとひろみ)。この日から、無実の啓美の長い逃亡劇が始まった。他人を演じ続けて17年、流れついた地で彼女が見つけた本当の"罪"とはいったい何だったのか――。

                  (毎日新聞出版HPより)



あの事件の話だったんだ~。

事件当日、実行犯の男・貴島にたまたま施設内で会い、一緒に来るように
言われたからついていっただけの岡本啓美(23歳)。
貴島が持っていた荷物は、その後、5人の死者を含み多くの被害者を生んだ
毒ガスだったと、後で知る。


そのまま、警察署に行けばよかったものの、教団内で過ごした啓美は
貴島の言うままに行動を暫く共にする。
その後、一人での逃亡を決意し17年間の逃亡生活が・・・。


最初に母と離婚した後、疎遠になってた新潟の父の元を訪ねる。
そこで後妻のみどりとその娘・すみれにも受け入れられ、暫く居候生活。
元々、バレエを母の教室で習い節制した生活をしていたが
それから逃れたくて教団内での生活。
食べることに制限がなくなり、随分太ってしまったが、その姿が
指名手配写真になっていたため、みどりの協力を得て、1か月で10kgの減量。
髪型も変え、化粧をすればもう指名手配犯とは気づかれないレベルに変身。

その後、埼玉に。
フリーの記者・鈴木真琴から80歳の祖母の元でスナックを手伝って欲しいと。
貴島を匿っているともいう。
やがて梅乃が亡くなり、スナックを継ぐが店を父親と別れたみどりに任せ
再びひとり。
スナックの客だった中国人のワンウェイとの間に子どもが出来、出産。
鈴木真琴が子どもを引き取り、
今度は、別の人物・山口りりとして生きることに。


次々、違う人の名前で生活していく啓美。

ワンウェイの後で知り合った男・田口丈治。
借金の保証人になったため財産を失い、もうどうにでもなれと思っていたときに
啓美が声を掛けたのがきっかけ。

丈治の昔からの知り合いから「もしかして逃亡犯なんじゃないか?」と
言われ、それでもずっと啓美を守るという丈治。

元々に人柄がいいのかも。
容姿も整っているようだし、最初に逃げずに本当のことを言えば
その後、犯してしまった罪もなかったのに・・・。


最初のプロローグは捕まるところ。

物語の最後は、意外と平和な日常のまま。

でも、きっと捕まったとき、ホッとしたんだと思う。


そういえば、実際、あの事件で長く逃亡していて捕まった女性は
今頃、どんな風になっているんだろう?と気になった。




                     ★★★★

PR



発行年月:2021年9月


死に場所を求め、生きる女が、裏切りの果てに辿り着いた終焉の地とは。
ブルースに続く、『新たなダークヒロイン』の誕生!
釧路の街を、裏社会から牛耳る影山莉菜。
亡父・博人の血をひく青年を後継者として育て、官僚から代議士への道を歩ませようとしていた。
「男と違って、女のワルには、できないことがない」
亡き父の言葉を胸に、重い十字架を背負った女が、幾度もの裏切りの果てに――。
『ホテルローヤル』『家族じまい』を経てデビュー20年目の桜木 紫乃が放つ最高傑作!

                      (文藝春秋HPより)



ブルースは既読だけれど、そんなに覚えていない。
ブルースの主人公・影山博人の娘として裏社会を牛耳る影山莉菜が主人公の本書。


博人の用心棒だった弥伊知が莉菜の元でも用心棒として働いている。

莉菜の野望は、博人の愛人の子・松浦武博をゆくゆくは政界に押し上げること。
同じような野望を持つ外科医の儀俄内あすみと知り合い、あすみが先ず、政界へ。
そして武博は、衆議院議員に初出馬で初当選。


巧く行ったなぁ~と思っていたけど・・・

ああ、女は怖いね。
え?と思う人がまさかの裏切り。

それでも武博を遠くから見守ろうと決める莉菜は潔い!


北海道から離れるが、そこで手助けしてくれた人もまさかの裏切った女の
指示でのことだった!
あぁ~、そこまでして邪魔者にしなくても・・・(;O;)
怖すぎる。
気づいた莉菜も凄かったけど。


北海道から瀬戸内に住処を変えたのは良かったと思う。
温暖な気候でこの先は静かに暮らしていけるのか?


続編で、また武博と再会するような話があるのか?
それはそれで楽しみだけど。


莉菜は強くて人情が厚くて、魅力的な女性だった!



                       ★★★★★


発行年月:2021年2月


「血のつながり」はなくても、そこには家族があった。
【第13回 新井賞受賞決定!】
切ない事情を持ち寄って、不器用な四人が始めた同居生活。
ギャンブルに溺れる父と働きづめの母から離れ、日々をなんとなく生きる二十歳の章介。北国のキャバレーで働きながら一人暮らしをする彼は、新しいショーの出演者と同居することになった。「世界的有名マジシャン」「シャンソン界の大御所」「今世紀最大級の踊り子」……店に現れたのは、売り文句とは程遠いどん底タレント三人。だが、彼らと言い合いをしながらも笑いに満ちた一か月が、章介の生き方を変えていく。『ホテルローヤル』『家族じまい』著者が放つ圧巻の人間ドラマ! このラストシーンは、きっとあなたの希望になる。

                    (角川書店HPより)




昭和の時代が懐かしく思い出される。
こういう世界は、全く知らないので、興味深く読んだ。

・キャバレー(パラダイス)でマジックをするチャーリー片西・・・師匠
・シャンソン歌手のシャネル・・・ブルーボーイ
・自称28歳のベテランストリッパー、ひとみ

そして、そこに人生に何ら希望のない俺(章介)が父親の遺骨とともに3人と共に
生活することに。
キャバレーの照明係が居なくあったということで、その代わりに。


4人の方寄せ合って生活している様子が、微笑ましい。
章介が持ってきた父親の遺骨をお墓に納める話は、びっくり!
そんなこと可能だろうか???



元々、期限つきの間柄だったけど、まさかの4人の住居が全焼という展開。

章介はその後、別の仕事に就くが、仕事で師匠に再会という話は嬉しかった!


年齢もバラバラの短期間の共同生活でも4人のいる空間は家族みたいな温かい
雰囲気だった。



                       ★★★












発行年月:2020年6月


【第15回中央公論文芸賞受賞作】
「ママがね、ボケちゃったみたいなんだよ」。
突然かかってきた、妹からの電話。
両親の老いに直面して戸惑う姉妹と、それぞれの家族。
認知症の母と、かつて横暴だった父……。
別れの手前にある、かすかな光を描く長編小説。

                  (集英社HPより)



48歳の智代の元に44歳の妹の乃理のから母がボケたと電話。
両親は、二人で暮らしていて、父親は姉妹が幼いことは、理髪店を営み
長女の智代にはいずれ店を継がせると理容師の道を進ませる。
が・・・店はたたむことになり、以来父は長女に肩身が狭い。
智代もそんな実家から離れ、距離をおく暮らしを長年続けてきた。


第1章から5章、それぞれ語り手は変わるが、ボケたサトミを中心に
その家族たちとの物語。



同年代の両親を持つ身としては、あまり真剣に考えたくはない現実を
突きつけられているようで、気分が沈むような物語だった( ;∀;)


桜木さんの作品はいつも楽しく読んでいるけれど、これはちょっと



                     ★★



発行年月:2019年6月


蔑みの視線も、親も先生も、誰に何を言われても関係ない。「どうせなるのなら、この世にないものにおなりよ」。その言葉が、生きる糧になった。カルーセル麻紀さんのことを、いつか絶対に書きたかった、という熱い思いが物語から溢れ出る。彼女の人生は、波瀾万丈、完全無欠のエンターテインメントだ!

               (新潮社HPより)



北海道を舞台にした物語がつづく、桜木作品。
今回も同様。
哀愁漂う物語には北海道って合うなぁ~。


カルーセル麻紀さんの物語と知って読んだので、より一層、興味がわいて
最初から最後まで楽しめた。

家族のなかで、母親や姉が優しく、主人公の秀男は、救われただろうな。
でも、自分の居場所を見つけて自ら家を出ていく。
偶然、出会ったお姉さんのようになるたいという気持ちだけで
自分の意志のまま突き進む秀男。
華奢な見た目と違って逞しい。

つらい思いもしたかもしれないけれど、随分、多くの人に助けられも
したんだなぁ~。

芸能界に入って有名になる前までの話だけれど、芸能界に入ってからの
こともちょっと知りたかったなぁ~。

でも十分、面白かった!


                    ★★★★

カレンダー
02 2024/03 04
S M T W T F S
1 2
3 4 6 7 9
10 12 15
17 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
31
メ-タ-
kyokoさんの読書メーター
カテゴリー
フリーエリア
最新コメント
[09/20 kyoko]
[05/23 のぶ]
[09/15 kyoko]
[09/14 ひろ]
[03/06 kyoko]
最新トラックバック
プロフィール
HN:
kyoko
HP:
性別:
女性
自己紹介:
台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪

記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;

バーコード
ブログ内検索
P R
カウンター
フリーエリア

Copyright (c)本を片手に・・・ All Rights Reserved.
Powered by NinjaBlog  image by Night on the Planet  Template by tsukika

忍者ブログ [PR]