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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2023年1月


桐野夏生が描く「バブル」
欲、たぎる地で向かえる圧巻のクライマックス
時代はバブル全盛に。東京本社に栄転が決まった望月と結婚した佳那(かな)は、ヤクザの山鼻の愛人・美蘭(みらん)のてほどきで瞬く間に贅沢な暮らしに染まっていく。一方の水矢子(みやこ)は不首尾に終わった受験の余波で、思いがけない流転の生活がスタートする。そして、バブルに陰りが見え始めた頃、若者たちの運命が狂い出す......。
目次
第三章 ドリーム
第四章 フェイク
エピローグ

                 (毎日新聞出版HPより)


バブルが弾けることは、知っているので、その過程と
佳那と水矢子のその後は気になり読み進む。


佳那は望月と結婚し、専業主婦になり東京の一等地のマンション暮らし。
贅沢に慣れ、知り合ったホステスの美蘭とホストクラブで遊ぶ日々。


そして、やってくるバブル崩壊。
株の暴落。



儲け話に乗って来た人たちは、自分たちに損失が出るとその責任を
人に押し付ける。
ヤクザがそれに絡んで来たら、命も狙われて・・・恐ろしい。


望月は最後、泣いてるだけなのに対して、佳那は強かった。
一瞬で覚悟を決めたかんじで潔ぎ良かった。

水矢子は、ある程度儲けたら、貯金し、余分な投資をせずバブル崩壊の
影響を受けず良かったと思いきや・・・・
別の理由で転落人生が・・・


真珠は、佳那でダイヤモンドは水矢子だったんだ。


面白くて一気読みさせてくれたのは、さすがの桐野さん。



                    ★★★★
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発行年月:2023年1月


桐野夏生が描く「バブル」
実体なき熱狂の裏側をえぐる傑作長編!
1986年春。二人の女が福岡の証券会社で出会った。一人は短大卒の小島佳那(かな)、もう一人は高卒の伊東水矢子(みやこ)。貧しい家庭に生まれ育った二人は、それぞれ2年後に東京に出ていく夢を温めていた。野心を隠さず、なりふり構わずふるまう同期、望月昭平に見込まれた佳那は、ある出来事を契機に彼と結託し、マネーゲームの渦に身を投じていく。
目次
プロローグ
第一章 バブル
第二章 フィーバー

                    (毎日新聞出版HPより)



バブル期の証券会社が舞台。
この時代のことは、懐かしい。
民営化に伴ったNTT株の売却に奮闘する証券会社社員たち。
世の中、少しお金のある人は誰でも欲しがるNTT株。
この先、バブルは弾けることを知っているから、面白い。


下巻で絶頂に上っていい気になっている人たちが、どうなってくのか・・・
表題の意味は?

スラスラと読めるのは、さすがの桐野さん!


急いで下巻を読もう!



                      ★★★


発行年月:2022年3月


この身体こそ、文明の最後の利器。
29歳、女性、独身、地方出身、非正規労働者。
子宮・自由・尊厳を赤の他人に差し出し、東京で「代理母」となった彼女に、失うものなどあるはずがなかった――。
北海道での介護職を辞し、憧れの東京で病院事務の仕事に就くも、非正規雇用ゆえに困窮を極める29歳女性・リキ。「いい副収入になる」と同僚のテルに卵子提供を勧められ、ためらいながらもアメリカの生殖医療専門クリニック「プランテ」の日本支部に赴くと、国内では認められていない〈代理母出産〉を持ち掛けられ……。
『OUT』から25年、女性たちの困窮と憤怒を捉えつづける作家による、予言的ディストピア。

                    (集英社HPより)



主人公・大石理紀の葛藤がリアルに伝わってきた。
故郷の北海道から東京に出て来て、一応、働いて給料は貰っている。
けれど、貧困だという。

こんな女性、沢山いそう。
それで、こんな逼迫した生活をしているとは・・・
なんでそんな困窮しているのに東京に住み続けるのか?は疑問なんだけど。

お金を得るために、代理母になることを選ぶっていうのが凄い。
そんな覚悟あるのなら他にもっと出来そうだけど・・・・

と色々な「?」を持ちながらも物語には、どんどん引き込まれていく。
さすが桐野さん!


代理母の契約を結ぶ、草桶夫妻が、理紀に対して良心的だったことは救われた。
でも、生まれてくる子どものことは全然、考えていない人たち。

草桶夫妻は、代理母の理紀を子どもたちの母親として出産させる目的で
離婚する。そして理紀は戸籍上、草桶理紀に。
出産後は、離婚して再び草桶夫妻は復縁の計画。


そのことに、理紀自身は納得するのだけど・・・・


ラストの理紀の行動には、驚いた!

この先の生まれた子たちの成長が気になる話。

凄い話だったな。



                         ★★★★




発行年月:2021年10月


貧困と虐待の連鎖――。
母親という牢獄から脱け出した少年は、
女たちへの憎悪を加速させた。
ジャンルを超えて文芸界をリードする著者の新たな傑作
予定調和を打ち砕く圧倒的リアリズム!
小学校にも通わせてもらえず、日々の食事もままならない生活を送る優真。
母親の亜紀は刹那的な欲望しか満たそうとせず、同棲相手の男に媚びるばかりだ。
そんな最悪な環境のなか、優真が虐待を受けているのではないかと手を差し伸べるコンビニ店主が現れる――。
ネグレクトによって家族からの愛を受けぬまま思春期を迎えた少年の魂は、どこへ向かうのか。
その乾いた心の在りようを物語に昇華させた傑作長編小説。

                   (朝日新聞出版HPより)



なんとも重たい物語。
でも、こういう現実も世の中には沢山、あるんだろうなと思う。

子どもは、親によって生きる環境を決められてしまう。
そんななかで生活していたら、性格も考え方もどんどん捻じれていくだろうな。
食べるものが十分にあって自分を大切に想ってくれる人の存在が常にそばにあるって
子どもにとってはとても大切なこと。

主人公の小森優真は小学6年生。
母親が恋人と外出したきり数日帰ってこない日々のなか4歳の弟・篤人と
ともに、生きるために必死。

コンビニ経営の目加田浩一(50歳)は、そんな優真を気にかけ
声をかけ、廃棄する弁当を内緒で分けてあげる。

そして、やがて妻と同じ考えで、里親として預かる決断をする。

なかなか出来ないことだし、この夫婦、凄いと思った。

優真は、最初は感謝するが、段々と鬱陶しいと感じるようになる。
警察沙汰まで起こすが、目加田夫妻の自分に対する気持ちに、最後に気づいたかな?


少年がこのあと、どんな成長をするのかも気になるところ。

重たく苦しい物語だったけど、少しだけ光が見えるラストに救われた。



                       ★★★★



発行年月:2021年5月


この旅で、おまえのために死んでもいい
平凡な顔、運動神経は鈍く、勉強も得意ではない――何の取り柄もないことに強いコンプレックスを抱いて生きてきた八目晃は、非正規雇用で給与も安く、ゲームしか夢中になれない無為な生活を送っていた。唯一の誇りは、高校の同級生で、カリスマ性を持つ野々宮空知と、美貌の姉妹と親しく付き合ったこと。だがその空知が、カンボジアで消息を絶ったという。空知の行方を追い、東南アジアの混沌の中に飛び込んだ晃。そこで待っていたのは、美貌の三きょうだいの凄絶な過去だった……

                   (角川書店HPより)



主人公・八目 晃が高校時代ほぼ一緒にいた親友・野々宮空知の父親が
亡くなったと母親から聞かされ、通夜に出向き、空知の元夫だという男・安井に
声をかけられるところから話が始まる。

空知の姉は橙子。妹は藍。
空知と姉妹は、カンボジアに居たことがあると聞き安井から旅費と幾らかのお金を
貰い、カンボジアへと旅経つ晃。


旅の最初で大金(30万)を盗まれるというアクシデント。

行きの飛行機内で知り合った吉見という女性から何かとアドバイスを貰う。
紹介されていったゲストハウスでバイトとして雇ってもらい、なんとか食事と
宿泊の心配がなくなりホッ。
ゲストハウスの経営者ニェット(婆ちゃん)には何かと親切にしてもらう。
が・・・あとで、利用されていたのか?と思う事態に。

SNSでまず、藍にコンタクトを取り、その後、橙子にも再会。

そして最後は、死んだと聞かされた空知とも。

しかし、最後は、なんとも哀しい。


ポル・ポト政権時代のカンボジアって、多少は知っていたけど、酷いな。
それに翻弄されてしまった空知の人生。
幸せに暮らしていた日本の友・晃に会えて嬉しかっただろうな。
最後の晃への頼みがなんとも辛い。
友の願いを聞き入れた晃の今後はどうなるんだ?


表紙の絵からインドを連想したけど、違ってた(^^ゞ
でも読み応えあった。


                     ★★★
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪

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