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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2023年7月


明日が怖いものではなく楽しみになったのは、あの日から――
『そして、バトンは渡された』『夜明けのすべて』の著者の書下ろし長編
いまを生きる私たちの道標となる物語の誕生!
「明日が怖いものではなく楽しみになったのは、あの日からだよ」
今でもふと思う。あの数年はなんだったのだろうかと。
不自由で息苦しかった毎日。
家で過ごすことが最善だとされていたあの期間。
多くの人から当たり前にあるはずのものを奪っていったであろう時代。
それでも、あの日々が連れてきてくれたもの、与えてくれたものが確かにあった――。


                  (文藝春秋HPより)




小学3年生の

岸間 冴・・・・父親が病死後、母親と暮らす。
        母は、夜の仕事で夕方~深夜まで勤務。
        近所のおばさんが母の代わりの夕方から来てくれる。


江崎心晴・・・・小中一貫校に通っている。両親と暮らす。
        母親は幼児教室の先生で心晴の教育にも熱心にアドバイス。
        コロナ禍、時間差登校から一斉登校になったが
        心晴は学校に行かなくなる。



二人の少女が大人になって就活で出会う場面が突然、出てくるので最初は「?」
別の人たちの話かな?と少しだけ混乱。
大人になった場面では苗字。
小学生の時代では名前で出てくるので・・・。
ただ途中、それが同一人物の現在と過去だとわかり、余計に面白くなった。


冴と心晴が段々、親しくなっていく様子もいいし
それぞれの子ども時代~高校生までの話で関わる人たちの物語も素敵。


コロナ禍の最初は大人も戸惑う事態で、子どもも色々と翻弄される。
冴の母親と心晴の母親は真逆のような人だけど、子どものことを大切に
思う気持ちは同じだったんだとわかる。

特に冴の母親は、素敵だった。
冴にとってはかけがえのない存在になる同級生の男の子・蒼葉の希望そのものに
なったのだから。


冴が小学校の先生になり、色々な子どものよき理解者になっていく未来が
楽しみ。
勉強だけじゃない、大切なことをたくさん教えてくれそう。
こんな先生が、沢山、教育の場にいるといいのにな。



今回も文句なしの感動作でした!!



                        ★★★★★
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発行年月:2022年7月


ちょっぴりつらい今日の向こうは、光と音があふれてる。
『幸福な食卓』本屋大賞受賞作『そして、バトンは渡された』に連なる、究極に優しい物語
私は、ぼくは、どうして生まれてきたんだろう?
大学生の梨木匠は平凡なことがずっと悩みだったが、中学3年のときに、エスパーのように人の心を読めるという特殊な能力に気づいた。ところが、バイト先で出会った常盤さんは、匠に心を開いてくれない。常盤さんは辛い秘密を抱えていたのだった。だれもが涙せずにはいられない、切なく暖かい物語。

                 (講談社HPより)



瀬尾さんの書く物語は、外れなく、優しく温かい。

主人公の梨木匠(19歳)は、本当に神様から選ばれた人なんじゃないか?
彼の言葉にどれだけの人が救われているんだろう。

最初にその能力を発揮したのは、中学3年生のとき、転校生の女子・三雲さんへの
ナイスフォロー。

それから大学生になった三雲さん(苗字が河野さんに変わっていたことが
後でわかるけど・・・)が声を掛けてあげて欲しいと匠に頼んだ香山くん。

匠のバイト先(美味しいオムライスのお店)の口も態度も悪い店長・大竹。
バイトに加わった看護学生の常盤さん。


心を読める匠でも、全然、読めない相手が常盤さん。
でも、常盤さんから聞こえる常盤さんのことを見守っているらしい女の子の声。


みんな、それぞれ心に抱えているものがあって、それでも何とか頑張っていて・・。
梨木くんは、みんなのことをいつも考えていて、だれとでも等しく
優しい。

それゆえ、自身の恋愛がうまくいかないというのは、気の毒だけど。。。

常盤さんから聞こえる声の主のことが、わかったときは、ちょっと切ない気持ちに
なったけど、これから常盤さん、変わっていくかな。


付録のアフターディは、楽しかった。


                     ★★★★★


発行年月:2006年5月


「きっといいことがある」と信じられる1冊
ショッピングセンターの片隅に場所を構える元OLの占い師、ルイーズ吉田。
子供から大人まで様々な悩みを持つ人たちが訪れて……


                    (文藝春秋発行)



元OLの占い師・吉田幸子(ルイーズ吉田)が、色々なお客さんと接する話。


楽しかった。
一応、ちゃんとした占いのノウハウは知りつつも、直感を大事にするルイーズ。
占いしてほしい人をちょっと元気にする言葉で帰してあげるルイーズの
接客はいい!

ショッピングセンターの片隅にあるっていうのもいいなぁ~。
20分、3000円で前向きになれるのならいいのかも。

印象的だったのは、おしまいがわかるという武田くん(大学4年生)。
自分はその能力をどうしたらいいか?とルイーズの元で人との会話の
仕方を勉強したいと無給で通う。


寝たきりの父親の介護に疲れた女性にかけた言葉は、本当に救われた言葉
だったと思う。

武田くんは保険会社に就職したんだ!
意外と能力活かせるかもね。


武田くんの存在から、正式にアシスタントを雇うことにして
竹子さんが一緒に働くことになったけど、
竹子さんが成長した話もちょっと読んでみたいなぁ~。
これ、続編あるのかな?

何も考えず、楽しめる1冊だった(^^)



                       ★★★★


発行年月:2020年10月


知ってる? 夜明けの直前が、一番暗いって。
職場の人たちの理解に助けられながらも、月に一度のPMS(月経前症候群)でイライラが抑えられない美紗は、やる気がないように見える、転職してきたばかりの山添君に当たってしまう。
山添君は、パニック障害になり、生きがいも気力も失っていた。
互いに友情も恋も感じてないけれど、おせっかい者同士の二人は、自分の病気は治せなくても、相手を助けることはできるのではないかと思うようになる――。
人生は思っていたより厳しいけれど、救いだってそこら中にある。
暗闇に光が差し込む、温かな物語。
本屋大賞受賞後第一作。渾身の書き下ろし。

                    (水鈴社HPより)



他人には理解が難しい病気を抱えているふたり。

藤沢美沙(28歳)・・・PMS(月経前症候群)
山添孝俊(25歳)・・・パニック障害


同じ職場で働く二人がお互いの辛さを理解し助け合っていく様子がいい。
この物語の良いのは、小さい会社だけれど、皆が優しい。
社長をはじめ従業員たちが皆、気遣いが出来る人たち。


山添君の前の会社の上司も良い人。

嫌な人が出てこないので、辛い症状を戦っている二人の話もそんなに
重苦しくなく、時には笑える。

瀬尾さんの話は、やっぱり読んでいて癒される。


世の中の人たちが、みんなこんな風に他人に対して思いやりを示せるように
なったら最高に住みやすい世の中になるのにな。



病気のことは知っているつもりだったけれど、具体的にどうなるのか
あまりよく解っていなかったので、これを読んでよくわかった。




                      ★★★★★



発行年月:2021年2月


本屋大賞受賞『そして、バトンは渡された』著者の新たな代表作!
音楽と人が生み出す、たしかな希望の物語。
29歳、無職。
ミュージシャンへの夢を捨てきれないまま、怠惰な日々を送っていた宮路は、ある日、利用者向けの余興に訪れた老人ホームで、神がかったサックスの演奏を耳にする。
音色の主は、ホームの介護士・渡部だった。「神様」に出会った興奮に突き動かされた宮路はホームに通い始め、やがて入居者とも親しくなっていく――。
人生の行き止まりで立ちすくんでいる青年と、人生の最終コーナーに差し掛かった大人たちが奏でる感動長編。

                   (集英社HPより)



主人公の宮路は29歳。ミュージシャンになる夢を絶たれ、大学卒業以来、
就職もせず、市議会議員の父親が毎月振り込む20万円でふらふらした生活を
している。
こんなダメダメな青年が、ある日、ギター弾きの余興を老人ホームで披露し
その会場でスタッフの渡部の吹くサックスの音に感動するところから物語が
始まる。


ダメダメな青年だけど、性格はいい。
お年寄りたちとすぐに親しくなれたし、自分の駄目さも認めている。

渡部くんが、以前にも登場していた渡部くんだというのは、読み終えてから
知った。(ウロ覚えだけど・・・(^^ゞ)



宮路のことをこき使いながら、言いたいことを言っていた90歳過ぎの
静江さん、良い人だな。
人はいつか命が尽きるけど、こんな風に人生の終盤で誰かの前を向かせる
ことが出来たら最高だな。

宮路が今後、どんな風に行くのか、また何かの物語で知ることが
出来たらいいな。


                      ★★★★
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