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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2022年2月


あきらめた人生の、その先へ――片足の祖父、学校に行けなくなった甥、〝正義感〟で過ちを犯したみのり。小さな手にも使命が灯る、慟哭の長篇小説。「今、だれもがスタートを待っている」周囲の人々が〝意義ある仕事〟に邁進する中、心に深傷を負い、無気力な中年になったみのり。実家に届く不審な手紙、不登校になった甥の手で、祖父の過去が紐解かれるとき、みのりの心は、予想外の道へと走りはじめる。

                    (中央公論新社HPより)


時代や語り手が変わりながら進むので、少し戸惑うけれど、段々慣れて
読み応えもあり、面白かった。

主には38歳で2つ年上の夫・寿士と東京で暮らす山辺みのりと
香川県で暮らしているみのりの祖父・多田清美(90歳代)の過去と現在を
それぞれの語りで。


みのりの大学生時代の話や、清美の戦地での体験談、
段々、わかる清美のこと。
戦争がなかったら・・・

そして現代では、コロナが世界的に蔓延。
コロナさえなければ・・・ということも色々。


清美の青春時代の話がもっと深く知りたかったなぁ~。
戦地で体験したことは、惨い。
片足をなくして戦地から帰って、誰も知る人がいないところで、救いの手を
差し伸べてくれる人に出会えて本当に良かった。
その出会いがなければ、みのりも存在していないということ。


そして、ボランティアってやはり難しいものがあるな~と感じた。
何かを求めてやるものではないと頭ではわかっていても拒絶される言葉を
面と向かって言われることもあるんだと覚悟していくことも必要なんだな。


みのりと寿士の出会い方はなんだかいいなと思った。
2人の会話のかんじもいい。



角田さんの長編は久しぶりだったけど、よかった!




                        ★★★★

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発行年月:2020年11月


イラストレーター井出ちづる。夫は若い女と浮気をしている。嫉妬はまるで感じないがそんな自分に戸惑っている。早くに結婚して母となった岡野麻友美。自分ができなかったことを幼い娘に託し、人生を生き直そうとする。帰国子女で独身の草部伊都子。著名翻訳家の母のように非凡に生きたいと必死になるが、何ひとつうまくいかない。三人は女子高時代に少女バンドを組んでメジャーデビューをした。人生のピークは十代だったと懐かしむ。三十代となったこれからの人生に、あれ以上興奮することはあるのだろうか……。
「これは、私たちにとってやり遂げなくてはならない何かなのだ」

                       (光文社HPより)



高校時代、バンドを組んでメジャーデビューまでした経験を持つ3人が
35歳になっての話。


結婚している者、既婚だけど子どもを持たない者、独身者。

たまにあっても環境が違っていると共通の話題がないというのはよくわかる。
なぜ、それでも時々、会うのか?
本音を出したくてもつい見栄を張ったりして。


終盤、独身で母親にずっと支配されてきたと思っている伊都子の母親が
病に倒れ、余命が短いという状況で、結束する彼女たち。
伊都子の母・芙巳子の言葉をそれぞれが、自分の言葉として受け入れ
前に進むラストは、良かった。


3人の女性たちが、凄く魅力的に感じられた。
この先は、そんなに会う機会が減るのかもしれない3人だけれど
それはそれで。
今は連絡の取り方はいろいろあるしね。


久しぶりに読んだ角田さんの作品だったけど、やはり読みやすい。
新刊も読みたいな。


                      ★★★



発行年月:2018年3月


角田ワールド全開!心震える待望の小説集
《「さがさないで。私はあなたの記憶のなかに消えます。夜行列車の窓の向こうに、墓地の桜の木の彼方に、夏の海のきらめく波間に、レストランの格子窓の向こうに。おはよう、そしてさようなら。」――姿を消した妻をさがして僕は記憶をさかのぼる旅に出た。》(表題作)のほか、《初子さんは扉のような人だった。小学生だった私に、扉の向こうの世界を教えてくれた。》(「父とガムと彼女」)、《K和田くんは消しゴムのような男の子だった。他人の弱さに共振して自分をすり減らす。》(「猫男」)、《イワナさんは母の恋人だった。私は、母にふられた彼と遊んであげることにした。》(「水曜日の恋人」)、《大学生・人妻・夫・元恋人。さまざまな男女の過去と現在が織りなす携帯メールの物語。》(「地上発、宇宙経由」)など八つの名短篇を初集成。
少女、大学生、青年、夫婦の目を通して、愛と記憶、過去と現在が交錯する多彩で技巧をこらした物語が始まる。角田光代の魅力があふれる魅惑の短篇小説集。

                  (小学館HPより)


短編集とは知らずに図書館から借りました。
やはり表題作は良かった。

前日まで仲良く連休中の計画なんかを話していたのに、翌日、置手紙を残して

消えた妻。
戸惑いながらも、置手紙をヒントに妻は探してごらんと言っているのかもと
置手紙にあった2人の思い出の場所を旅する夫。

妻の本心はわからない。
でも良い夫みたいだし、ふらりと戻って来るんじゃないかな?


最初の話<父とガムと彼女>も好きだった。
父の葬儀に参列してくれた初子さん。
子どもの頃、子守り役として家に来てくれた人。
脚本家だった父のことを尊敬していると言っていた。

本当は父の恋人だったんじゃないか?と大人になって思っていたけど
実際はどうだったんだろ?



バラバラの話だけど、この表題に合う内容の話が集まっているかんじ。
人の記憶のなかのこと。
時間が経っても、ふと鮮明に蘇る記憶って誰にもあるよね~。


感動するとかいう話じゃないけど、どの話も楽しめた。
やはり角田さんの文章はスッと入ってくる。

今度は長編が読みたいな。

                          ★★★
 



発行年月:2017年11月

愛猫トトと角田光代さん. 角田光代史上最長連載!
角田 光代史上最長連載! 雑誌『オレンジページ』で人気のエッセイを書籍化

                 (オレンジページHPより)



雑誌オレンジページで連載中のエッセイ。
2012年7月2日号~2015年2月2日号を再編成したのが本書だそう。


愛猫トトちゃんが可愛い(=^・^=)。

エッセイの内容も楽しめる。

素麺南瓜・・・知っているけど、実際に手にとったことがない興味深い野菜(?)
素麺みたいにほぐれる南瓜、どんな風にだろ?
食べてみたい!料理してみたい!
角田さんのエッセイ読んで更に興味深くなった~。
どこで手に入るんだろ???


それから、ファーストバイトっていうもの初めて知りました!
今はそんなのあるの?
ケーキ入刀のあとに新郎新婦がお互いにケーキを食べさせ合うことを
言うらしいけれど。
確かに、それの前にいう言葉はちょっと違和感あるな。

新郎はこれから稼いで食べさせる。
新婦は美味しい料理を食べさせる。
っていうらしいんだけど、角田さんの考え方に同感!
ちょっとなんだか時代錯誤なかんじだなぁ~。

最後の方に大きな写真。
トトちゃんのアップ画像。p199の写真、すごくいい!
ちょっと怒ってる?ってかんじが逆にかわいい^m^


                           ★★★
 
 

発行年月:2007年6月(単行本は2004年5月)


 大好きなのに、許せないことがある。
太陽の光が雲にさえぎられて届かないように…。
恋人たちの日常と小さな諍いを描く恋愛短篇集

                (文藝春秋HPより)



11のお話。

変なカップルばっかだったなぁ~(^_^;)

<サバイバル>
彼女が風呂に入るの嫌い、顔を洗うのも、歯を磨くのも

<昨日、今日、明日>
記念日大好きな彼女に、ちょっとウンザリしつつも言いなりになる

<お買いもの>
同棲して1年半。お互いのプライバシーは守ろうと約束をしている。
が・・・最近、彼の買い物(荷物が貯まっていくばかり)に不満を感じている彼女。

<57577>
同棲を始めた時から、自分の気持ちを57577で言うのがクセになった。
彼女は周りに自分たちのことを喋り過ぎる

<雨と爪>
古い迷信を信じすぎる彼女

<100%>
100%合う人なんていない

<共有過去>
万引きクセのある彼女と付き合って10年。
そろそろそのクセを止めてほしい。

<糧>
同棲中の彼女がお菓子を食事にしてしまうことに腹が立ち、度々喧嘩。
だけど、もう我慢できないと彼女が家を出て行った。

<二者択一>
同棲してから彼に「あなたの飲み方はきたないね」と言われた。
付き合う前に酒飲みの女は嫌いと言ってくれたら恋愛対象として見なかったのに・・・

<旅路>
海外旅行先で、彼の貧乏臭さに嫌気がさす

<未来>
同棲中の男とは別れた方がいいと友達たちは揃っていう。
浮気する、甲斐性なし、うそつき・・・・わたしもそういうとことは大嫌い
でも・・・



読みながら「なんだこの人!?」と思う人が続々登場で、笑えた。
いろんなカップルのバカらしい日常を面白く読ませて貰った。


                         ★★★
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪

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