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読んだ本の感想あれこれ。
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77fce58e.jpg発行年月:2008年12月


東京の文教地区に住む5人の母親たち。
育児を通して、交流を深める彼女たち。
が、次第に、自分とほかの者の暮らしぶり、子どもの小学校の進学先を探ったりするようになる。
そこには、妬み、疑い、憎悪などの負の感情が渦巻く。

本書は、1999年東京都文京区で実際に起きた、主婦により幼児殺害事件をモチ-フに書かれているそう。


実際の事件は、今でもよく覚えています。
母親同士の付き合いの中に隠された、複雑な想いが引き起こした悲劇。
犯人に対しては、同情の気持ちはないですが、同じ立場なら・・・・・と想像すると、もしかしたら自分も同じ過ちを犯してしまうかも・・・・なんて思って怖くなる事件でした。

この物語も読みながら、同じ気持ちになりました。
子育て世代だったり、かつて子育てを必死にやっていた人なら、共感しちゃう部分も多いと思います。

角田さんの鋭い、視線は今回も脱帽でした。

ここには5人の女性が登場します。
それぞれ、結婚するまでの暮らしぶりも違うし、夫の職業もバラバラ。
価値観だって当然、違うでしょうけど、子どもが同じ幼稚園にいて、教育熱心な家庭が多い地域独特の焦りのようなものが、小学校を決めるという現実が迫ってくると増してくる。
そして今まで上手く付き合って来た母親同士が、お互いの行動に必要以上に敏感になる。
これらの様子は、わたしが暮らす地域にはないことなので、「あ~東京(都会)なんかで子育てしてたら大変なのね~」なんて思って読んでいました。

元々違う考え方のはずなのに、よそはよそとは割り切れない感情は第三者として冷静に見ていたら滑稽でさえあります。でも、そこに描かれた環境が自分の身だったら?
エスカレ-トし、人に対して恨みの感情まで抱くかも。
恐ろしいことです。

小説の中では、殺人まで犯す過ちは誰もしなかったのが、せめてもの救いでしたが、ジワジワとした恐怖を感じました。

子育ては、小説のなかでもそうですが、母親ばかりが頑張っちゃう傾向にあるから、こういう母親同士の感情のもつれみたいのが生じるのかな?
子どもが中心でなくなって・・・母親のエゴが入って来ちゃったり・・・。
家のなかで、母親と父親がキチンと話しをして、子どもの為にはどうするか?
話をする機会をもっと持たなくてはいけないのかな?

というわたし自身もまだまだ子育て時期なので、偉そうには言えません^^;

でも、いろいろ考えることができました。
そういう意味では、とてもおもしろかった!!

★★★★




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