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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2014年8月


 二度は出会えない、貴重な旅の記録

旅好きだけど、旅慣れない――そんなスタイルだからこそ出会えた人や出来事。
日本国内から海外まで、旅の記憶を集めたエッセイ集。

                 (文藝春秋HPより)




角田さんの旅のエッセイは以前も読んで楽しかったので、これも

楽しく読みました。
方向音痴なのに、好奇心旺盛で、海外へ一人旅に出かける角田さん。
困った状況では、必ず助けてくれる神様に、各所で出会うのも
人柄ゆえかな?

楽しく読んでいたら・・・
最後の第四章では、ちょっと衝撃的なお話が出てきてビックリ!

NGO「プラン・ジャパン」のキャンペーンに参加した話。
発展途上国の子どもや生活を支援しているというプラン・ジャパン。
2009年から「Becaue   I  am  Girl」というキャンペーンを行っている。
発展途上国では貧困から女性や子どもがいろいろな犠牲を負わされる現状があり
そんな現状をレポートするよう依頼されての訪問だったとか。

作家活動以外にもすごい仕事もしてるんだ~と先ずは驚いたけれど、
訪れたアフリカ、インド、パキスタンで暮らす女性たちの何と過酷な目に
遭わされていることかと胸が痛くなってきた。

こういうレポートを通じて世界に発信することで、彼女たちの未来が少しでも
生きやすい世の中になったら・・・と願う。


                           ★★★★
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発行年月:2014年5月


 つい想像してしまう。もしかしたら、私の人生、ぜんぜん違ったんじゃないかって――。

もし、あの人と別れていなければ。結婚していなければ。子どもが出来ていなければ。仕事を辞めていなければ。仕事を辞めていれば……。もしかしたら私の「もう一つの人生」があったのかな。どこに行ったって絶対、選ばなかった方のことを想像してしまう。あなたもきっと思い当たるはず、6人の「もしかしたら」を描く作品集。

                     (新潮社HPより)



6つの短編集。
どれも面白かったなぁ~。

確かに誰でも「あのとき、もしも・・・していたらもしかしたら・・・・」って
考えることあるでしょうね。
そんなことを考える人たちのお話。


<もうひとつ>
一組の夫婦とその夫婦の結婚式を機に知り合ったもう一組の男女が海外へ旅行。
その旅行先でのあれこれ。
夫婦じゃない男女は、それぞれ既婚者。
旅先で結婚式の真似事をやろうと言いだし・・・


<月が笑う>
結婚6年目に妻から別れてほしいと言われてた男性。
探偵を雇い、妻に交際相手がいることを突き止め、なんだか勝ったような気になるが・・
ふと思い出した子どもの頃の「許す」という出来事。


<こともなく>
夫と一人娘と暮らしている主婦。
5年前からブログをはじめ、毎日の食卓などの画像を載せたり家族との一コマを
書いたりしている。
夫の前に付き合っていた男性のこと、男性が選んだ女のことを思い出す。


<いつかの一歩>
離婚して独りになった男性が元恋人がやっている飲み屋を訪ねる。


<平凡>
中高と同級生だった友達が遊びに行くから会えないか?と連絡をしてくる。
彼女は、今や超人気料理家としてメディアでもひっぱりだこ。
そんな彼女がニュースで知った火事の焼死者が元恋人かもしれないから
確かめたいと言う。


<どこかべつのところで>
離婚後飼いはじめた猫が行方不明になる。
「猫が居ました」と迷い猫の張り紙を見たという女性から電話を貰い、会いに行く。
猫は居なくなっていたけれど、その女性と話が弾み、彼女は10年前に1人息子を
バスの事故で亡くし、その後夫とも別れ、その夫も2年前に他界したと聞く。



どれも良かったけれど、表題作の「いつかの一歩」「平凡」「どこかべつのところで」と
後ろ3編が特に好き。

「こともなく」の
別れた相手には、不幸になって欲しいか?幸せになって欲しいか?を話し合う
女性の会話も興味深かった。
「平凡」の元恋人の安否確認をしたかった女性は、その恋人が平凡な幸せのなかで
生活していることを望んだ。
相手から別れを言いだされたら、一時的に相手を恨むことはあるかもしれないけれど
そういう気持ちをずっと引きずったら、自分も幸せになれないよね~。
ということかな?


男性が主人公の「月が笑う」もよかった。
偶然な出会いが男性の気持ちを180度変えた話。
こんな男性の元を去ろうとする妻の方が間違ってる気がしちゃうなぁ~。


どの話も読みながら、「そう!そう!」と共感したり、「なるほどね」と思わされたり
頁をめくるのが楽しみで、さすが角田さん!という感じでした♪
角田さんの才能は非凡です!!



                          ★★★★★




発行年月:2013年4月


旅、日常が新鮮に愛おしくなる角田マジック

●アジアは水で、ヨーロッパは石なのだ●旅の疲れは移動の疲れと言うよりも、野生の本能を始終使っている疲れなんだろう●7月のあたまにセールなんてするなら、金輪際、5月6月に夏物なんて買わないからな!●じつは若いときからずっとサザエの母、磯野フネに憧れていた。●毎日仕事中、ほとんど負け戦ながらチョコ衝動と闘い続けている。・・・・いずれも本文より。

                                (小学館HPより)


2つの章から成るエッセイ。

最初は「旅に思う」と題して13の話。
最初の話<はじめに世界があると知る>は、衝撃的だったなぁ~^^;
角田さん、おもしろすぎる!!
海外文学を読んでも、日本人の誰かだと思い込んで読んできたとか。
ホントかなぁ~?
そして大学生活に入って初めて、どうやら世界は私にいる「ここ」だけではなく、途方もなく広いらしいと、ほかの人がとうに知っていることに気づきはじめたとか。
ホントかなぁ~?
読みながら、思わずウソでしょ?そんなわけないよ~と突っ込み入れながら読んでいました。

で、ほかの場所に興味を持ち始めて、あちらこちら旅をするようになったのかなぁ~。
それはそれは沢山の国を旅していて、ビックリ!!

旅した国で、体験したことが独自の視点で描かれていて、楽しい。

次の「モノに思う」は、25の話。
お弁当の話は、お母様との思い出も。
既に他界されているんですね~。小学生~高校までお母様のお弁当を持参していたそうで
給食の経験がないんですね~。
セッセとお弁当づくりをされたお母様、大変だったでしょう。頭が下がります。

角田さんの金銭感覚的な話も出てきて、庶民的なその感覚には共感を覚えました。
ネットでの買い物は5万円未満やら。
わたしの場合2万円未満かなぁ~(笑)。

そして、文中に突然、「夫」の文字が出てきてビックリ!
結婚されたのを知らなかった~。

これからは、結婚生活の話もエッセイで書いてくださるといいな~


                                     ★★★★




発行年月:2013年11月

いつも前を行く彼と、やっと対等になれるはずだったのに──。待望の最新長篇小説。

「もしかして、別れようって言ってる?」ごくふつうに恋愛をしていたはずなのに、和歌と仙太郎の関係はどこかでねじ曲がった。全力を注げる仕事を見つけ、ようやく彼に近づけたと思ったのに。母の呪詛。恋人の抑圧。仕事の壁。祖母が求めた書くということ。すべてに抗いもがきながら、自分の道を踏み出す彼女と私の物語。

                   (新潮社HPより)




大学生のとき(18歳)で恋人の仙太郎と出会い、大人になってもず~っと続く仲。
和歌は仙太郎の言うことに感化され、何かといえば仙太郎に意見を求め
その通りにしていく。
大学4年のとき、周りが就職先を見つけたり、大学院への進学を決めたりしているなかで
和歌はどうしようか、迷い、在学中、週刊漫画誌に掲載されたりで社会との繋がりを
築きつつある仙太郎に意見を求め、就職したほうがいいんじゃない?と。
そして、仙太郎のツテで幾つかの会社の面接を受け、幼時教育のテキストを制作している
出版社に就職。

そして、実家の蔵を壊すということで、蔵のなかの物を整理しに実家を訪れたとき
祖母の旧姓・山口多栄とある1冊の本を見つける。
母親からは、祖母のことを聞くにくいため、叔母の房世に聞くと、祖母は以前、作家だったと聞く。
ふと、祖母のことを小説にしたいと思う和歌。
そして、そんな思いを機に小説を書き、出版社に送る。
それが機で作家活動を仕事と平行して行うことに。

仙太郎との仲は続いていて、一緒に暮らすようになっていたが、作家活動を続けていると
家のことがうまく出来なくなり、仙太郎に甘える日々が続く。
仙太郎は、最初、理解ある風だったが、小説を書く生活が主になってくると
お互いの思いにすれ違いが出てくる。

結果、二人は別れて暮らすことに。。。。


半分、同業者みたいな二人だからかな?
理解はしていても一緒に暮らすとなると、やっかみみたいなものも
生まれてきちゃうのかな?

作家として出版社との関わりが深くなっていくなかで、作家だった祖母と
その周りにいた人のことがわかってきて、祖母は、師事してくれた作家・桐島鉄治に
よって、作家としての人生を潰されたのでは?と和歌は推測する。


自分の今の状況と祖母の昔をダブらせて考える和歌。
でも最後は自分の意志で作家の道をあきらめた祖母。

和歌は、作家として今後も生きていくのかな?


作家と言う仕事を女性が続けるのは大変なんだろうなぁ~。
ということがよくわかった。

結婚して、子どもを持って、書いている女性作家さんは凄いな。
なんてことも、感じたり・・・・。


                          ★★★★
7cbf1400.jpeg    発行年月:2012年10月


    若き無名のボクサーたちが鍛え上げた肉体と拳で掴み取るのは、
    何にも揺るがないタフさと一瞬の輝き。
    男たちの成長ぶりを爽やかに描き出した時代を超えた青春小説の傑作!
    角田ワールドは新たな見果てぬ地平へ!

     強いから勝つんじゃない、勝つから強いんだ


                              (日本経済新聞社出版HPより)


500頁近い長編ですが、最初から最後まで一気に読ませてくれました。
さすが、角田さん!!拍手です!!
ま、正直なところ、試合シ-ンはちょっとだけ飛ばしましたが・・・^^;


最初に登場したのは、出版社勤務の25歳・那波田空也。
文芸志望なのに、異動の先は、隔月刊のボクシング雑誌編集部。
空也の担当する雑誌は「ザ・拳」。
そして訪れたボクシングジム。
練習風景などを見学させて貰って・・・・と軽い気持ちで出向いたけれど、自らもジムの練習生として
通いながら記事を書くことになる。

ジムのなかの花形選手・立花望(リング名:タイガ-立花)を主に取材対象にして、交流を深める。
同い年なので練習後は、話も弾み、楽しそう。
ほかのジム通いのメンバ-、中神や坂本も皆、好青年というかんじなので
読みながら、応援したくなる。

しかし、立花は、リング上では別人に変わる。
悪役ぶりを徹底して披露。
試合中は、相手を挑発する言動。
立花に対するヤジも多い。
本当の立花を知っているから、嫌いにならないで応援できるけど、普通なら嫌われるキャラを
あえて作って戦う。

そういうことってあるんだな・・・・・・。
ボクシングとかあまり知らないからわからなかったけど、そういう演出っぽいこともアリなんだと
知って頭に浮かんだのは,亀田興毅選手。

立花の試合中とリンクを降りた普段の生活で見せる姿のギャップが面白かった。
亀田興毅選手もなんだか同じような気がする。

物語のなかで、立花たちが試合をこなして、勝ったり負けたりしながらも成長していく様子が楽しかった。
空也との関係も取材する人、される人以上の信頼関係みたいなものが出来て行って
ずっと付き合っていける親友のような仲になっていったのも良かった。


新聞掲載小説なので、試合の描写は実に細かい。
なので、途中、先にも書いたけど飛ばし読みしてしまったけど、ボクシングがわかる人には
その辺も楽しめたと思う。

角田さん自身もジムに通って、空也みたいに実際にボクシング体験とかしたのかなぁ~?

物語の最後は、少し年月が経ち、空也や立花たちのその後の様子が書かれていた。
みんなそれぞれ前より立派になっていて嬉しかった♪

楽しい物語でした!


★★★★
 
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪

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