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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2014年5月


 つい想像してしまう。もしかしたら、私の人生、ぜんぜん違ったんじゃないかって――。

もし、あの人と別れていなければ。結婚していなければ。子どもが出来ていなければ。仕事を辞めていなければ。仕事を辞めていれば……。もしかしたら私の「もう一つの人生」があったのかな。どこに行ったって絶対、選ばなかった方のことを想像してしまう。あなたもきっと思い当たるはず、6人の「もしかしたら」を描く作品集。

                     (新潮社HPより)



6つの短編集。
どれも面白かったなぁ~。

確かに誰でも「あのとき、もしも・・・していたらもしかしたら・・・・」って
考えることあるでしょうね。
そんなことを考える人たちのお話。


<もうひとつ>
一組の夫婦とその夫婦の結婚式を機に知り合ったもう一組の男女が海外へ旅行。
その旅行先でのあれこれ。
夫婦じゃない男女は、それぞれ既婚者。
旅先で結婚式の真似事をやろうと言いだし・・・


<月が笑う>
結婚6年目に妻から別れてほしいと言われてた男性。
探偵を雇い、妻に交際相手がいることを突き止め、なんだか勝ったような気になるが・・
ふと思い出した子どもの頃の「許す」という出来事。


<こともなく>
夫と一人娘と暮らしている主婦。
5年前からブログをはじめ、毎日の食卓などの画像を載せたり家族との一コマを
書いたりしている。
夫の前に付き合っていた男性のこと、男性が選んだ女のことを思い出す。


<いつかの一歩>
離婚して独りになった男性が元恋人がやっている飲み屋を訪ねる。


<平凡>
中高と同級生だった友達が遊びに行くから会えないか?と連絡をしてくる。
彼女は、今や超人気料理家としてメディアでもひっぱりだこ。
そんな彼女がニュースで知った火事の焼死者が元恋人かもしれないから
確かめたいと言う。


<どこかべつのところで>
離婚後飼いはじめた猫が行方不明になる。
「猫が居ました」と迷い猫の張り紙を見たという女性から電話を貰い、会いに行く。
猫は居なくなっていたけれど、その女性と話が弾み、彼女は10年前に1人息子を
バスの事故で亡くし、その後夫とも別れ、その夫も2年前に他界したと聞く。



どれも良かったけれど、表題作の「いつかの一歩」「平凡」「どこかべつのところで」と
後ろ3編が特に好き。

「こともなく」の
別れた相手には、不幸になって欲しいか?幸せになって欲しいか?を話し合う
女性の会話も興味深かった。
「平凡」の元恋人の安否確認をしたかった女性は、その恋人が平凡な幸せのなかで
生活していることを望んだ。
相手から別れを言いだされたら、一時的に相手を恨むことはあるかもしれないけれど
そういう気持ちをずっと引きずったら、自分も幸せになれないよね~。
ということかな?


男性が主人公の「月が笑う」もよかった。
偶然な出会いが男性の気持ちを180度変えた話。
こんな男性の元を去ろうとする妻の方が間違ってる気がしちゃうなぁ~。


どの話も読みながら、「そう!そう!」と共感したり、「なるほどね」と思わされたり
頁をめくるのが楽しみで、さすが角田さん!という感じでした♪
角田さんの才能は非凡です!!



                          ★★★★★
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