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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2022年5月


大丈夫。昼間だって、見えないけれど星はそこにちゃんとあるから。
南の島で、山奥のホテルで、田舎町の高校で。
星を愛し星に導かれた人々が紡ぐ七つのミステリー。
「南の島へ行くぞ」突然のパパの言葉で石垣島へ旅することに。正直言って、あんまり気は進まない。家族旅行といえばママも一緒だったのだ、去年までは――(「南の十字に会いに行く」)
小学四年生の九月のこと、同級生の過失で私の右目は取り返しのつかない怪我を負った。世界はぼやけて頼りない姿に変わり果ててしまった。星降る夜に大事な友達と交わした約束も――(「星は、すばる」)
廃部寸前のオカルト研究会、天文部、文芸部。生徒会に必死で部の存続を訴えると、「じゃあ、スぺミス部ってことで」と、とんでもない提案が――(「箱庭に降る星は」)
読み終えたら世界が変わる!
〈日常の謎〉の名手が贈る、驚きと爽快な余韻に満ちた全七話。

                  (集英社HPより)


素敵な家族とその家族と関わる人たちの物語。
短篇かと思って読んでいたけれど、「あれ?繋がっているのかな?」と途中で
気づき、最後のお話で全員集合みたいな嬉しさ。


最初の話<南の十字に会いに行く>
は、小学6年生の七星が父親と二人で石垣島に行く話。
本当は、お母さんも一緒にいくはずだったのに・・・・とあるので
「え?父子家庭?」と思ってしまった(^^ゞ

七星の父親・北斗。
両親は北斗が小学生にときに離婚している。
以後、祖父母と父での暮らしに。
北斗の母親は天文学者で、自分の夢を追いかけて幼い北斗を置いて家を出た。


次の話<星はすばる>では、別の話に。
男の子の不注意で視力が極端に悪くなった女の子・美星(小学4年)
宇宙飛行士になることを夢見ていたのに・・・
ケガをさせてしまった男の子・コータは美星のそばにいつも付き添って
色々、手助けしてくれていた。
家族旅行で参加した子ども天文学教室で知り合った男の子・すばる。


<箱庭に降る星は>
ここでは、七星のお母さんが高校生の時の話。
生徒会副会長だけど、実質、会長という役割。
廃部に追い込まれた3つの部員4名で新しい部を立ち上げればいいのでは?と
提案。部の設立には部員は5名以上必要なので、副会長もここに加わると。
そして山に登り、町を皆で高いところから眺める。

<木星荘のヴィーナス>
七星の両親の出会いを書いたお話。
同じアパートの上下の住まいの関係。
七星のお母さんの旧姓は金江ということがあとで、効いてくる。

<孤舟よ星の海を征け>
地震で58時間後に救出された男の子・海斗の話。
家の中で一緒だった母親と弟は命を落とすが、母親のおなかのなかの子は
無事・誕生し、瑠奈と決まる。
海斗が生死を彷徨いながらいたとき、夢で出てきた女の子の名前。


<星の子>
七星が中学に入学して出会った水輝。
父親は、有名なイケメン俳優。
七星も母親が皆が知る女性宇宙飛行士で、似た境遇ゆえ、お互いの気持ちが
よくわかり仲良しに。

最後の話<リフトオフ>では今までの話の総まとめ的なかんじ。
七星と水輝はアメリカに留学していて、七星の母親がいるアメリカで
母親の知り合いが集まるパーティへ。
目を怪我して視力が悪くなった女の子・美星はロボットの開発・設計をしていて
母親とも仲良し。
美星が努力して夢を叶えていたことには感動した。

他にも「あ~この人は・・・」という人たちが、最後の場面にいて
みんな繋がっていたんだなぁ~と思うと、また最初から読みたくなる
素敵な話だった。


この先の七星と水輝の成長も気になるなぁ~。
女性が第一線で働いているのは、恰好いい!
家族の理解と協力が必要になるけれど。



                      ★★★★★
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発行年月:2020年8月

就活に挫折して以来ずっと、実家でオンラインゲーム三昧の日々を送る“俺”に転がり込んだ伯父さんの遺産は、離島に建てられた館を丸々一棟。なんと無職から一転して不動産持ち、これからは課金し放題だ!と浮かれて現地を下見に行った俺は、まだそれが両親からの最後通牒であることに気づいていなかった……。
「もう面倒見きれない。そこで一人で生きていけ」
いきなり始まった強制自立生活。とにかく金銭問題を解決するべく下宿人を募ることに。
母親に送り込まれてきたニートのヒロ、無医島には是非とも呼び込みたい元医者ニートのBJさん、遊び人風のリア充・カインさん……ゲームの中にあった人間関係は、島のおじいちゃんおばあちゃんも巻き込んで、だんだんとリアルの世界へと広がっていく。
立ち止まっていたニートたちが、おっかなびっくり歩き出す前の「人生の夏休み」が青い空と海のもとで始まります!

                (文藝春秋HPより)



ニートたちが離島の二百十番館で暮らす話。

主人公の俺は、就活に失敗し、オンラインゲーム三昧の日々を両親から
「一人で生きていけ」と見捨てられる。
伯父の遺した離島の館丸1棟を財産分与で貰って・・・


他の住人たちは、
・東大卒のコミュニケーション障害のヒロ。
・元産婦人科医のBJ
・体格のいいサトシ
おまけで
・ゲームを通じて、遊びにきたカイン



島の住人は20人足らず。年寄りがほとんど。
島のお年寄りたちは、若者の移住を歓迎し、温かく迎えてくれる。


住人たちも元々の性格は、いいので段々と本来の自分を取り戻し
最終的にはめでたしめでたし。

やや出来すぎだけど、物語的には、楽しく読めるし、良かった。


ちょっとそたことで引きこもったり、社会と離れてネットの世界だけでの
人間関係を築く人って多いみたいだけど、こんな風にキッカケさえあれば
生き生きした生活を取り戻せるという話。

そのきっかけになかなか巡りあえないのが問題だけど。


親がニートの息子を見放したような印象だったけど、違ったのも良かった。
ちゃんと見守っていたんだな。



                  ★★★★



発行年月:2019年6月

あの頃のわたしに伝えたい。
明日を、未来をあきらめないでくれて、ありがとう。
いま、わたしは元気です。
今よりも少しだけ生きるのが楽になる心温まるミステリー。
主人公・徹子は、クラスメイトとも母親ともうまくいかず、彼女にとって、人生はとても生きづらい。
そんな彼女の味方は、幼馴染の護。
ある晩、交通事故に遭い入院している護に、なぜか、徹子は泣きながら謝った。
その答えを知ったのは、ずっとずっと先のことだった。
生きづらさを感じているすべての人に贈る感動の物語。

                  (幻冬舎HPより)


2部作。
最初の<フラット>では、幼馴染の森野 護と平石徹子の小学生時代から社会人までの
物語。

次の<レリーフ>は、徹子の語りで幼い頃から、社会人になり婚約するまでの
出来事をあれこれ。
ここで知らされる徹子の秘密。

過去の色々な出来事の裏にあった徹子の事情が明かされ、ああ、そうだったんだ~と
気づく。

しかし、護との関係はいつも変わらず、とてもほのぼのしてて温かい。

最後、二人の関係が最高な形で終わって、良かった!




                           ★★★★



発行年月:2017年12月


 経営難で閉校する萌木女学園。私達はその最後の卒業生、のはずだった――。とにかく全員卒業させようと、限界まで下げられたハードルさえクリアできなかった「ワケあり」の私達。温情で半年の猶予を与えられ、敷地の片隅で補習を受けることに。ただし、外出、ネット、面会、全部禁止! これじゃあ、軟禁生活じゃない!

                    (新潮社HPより)



卒業出来ない女子生徒たちの半年間の特別補習。

・綾部桃花・・・心は男の子。
行き難さを感じながらいた中学時代、塾で知り合ったミエちゃん。
彼女が進学したがっていた萌木学園。
そこで今、卒業するための補習を受けることになる。


・有村夕美・・・・突然意識を失う病気(ナルコレプシー)を抱えながらも健気で
明るい。
・梨木朝子・・・入りたくて入ったわけではない大学。寝坊続きで単位足りず
卒業保留。起立性調節障害あり。


・金剛真実・・・小説家希望。夜中も作業し寝不足で授業に遅れたりさぼったりで
単位足りず。桃花の同室。


・細井茉利子・・・拒食症。太ることが恐怖
・小山千帆・・・・過食。肥満。
理事長は、二人にそれぞれ相手の子を健康にする手助けをすることと指令をだす。


・矢島夏鈴・・・休学しようとしたら学校が閉校になると知り、単位取得のため
渋々補習参加。
・喜多川菜々子・・・優等生っぽいのに何故、補習?休学したのは出産のため
だった!


・清水玲奈・・・死にたがっていた。
寮ではなく角野理事長夫妻の部屋で寝起き。



最後の卒業式に1人欠けていると言うと言葉にドキっ!
菜々子がついに??と思ってしまったけれど
無事に全員を卒業させるのは初めてと理事長が挨拶したから無事だったんだと
わかりホッ。

色々な問題を理事長はそのままにしておけなかった。
その理由がわかって、泣けた(:_;)。

良い話だったけど、卒業後、彼女たちがここを離れてからの生活が少し心配。
みんな逞しく生きて欲しいな。


                       ★★★★



発行年月:2016年11月

少年少女の青春の舞台裏には、親たちの奮闘が!? 息子の吹奏楽部の活動に巻き込まれたワーキングマザー。やることはどっさり、人間関係も大変! それでも頑張る、笑いと涙の痛快エンターテインメント。       

                   (集英社HPより)




「七人の敵がいる」の山田陽子が主役。

文芸編集者でバリバリ仕事をこなしながら、一人息子の陽介の学校でも
PTA役員などを引き受けたり頑張る姿は応援したくなる。

今回は、私立中学受験の場面から・・・。
夫の上司の息子がトランペット演奏をする姿に感動した陽介は
同じ中学で自分もトランペットを演奏したいという。

ああ、でも受験は失敗。
公立中学へ進学。
そして吹奏学部に入部。

トランペットは人気の楽器で、経験者が優先的に割り当てられ、
陽介はファゴット演奏に。

ファゴット・・・知らなかった^^;


陽子は息子がトランペットを演奏出来ないことが不満で、学校に意見しに。
ああ、相変わらずの姿・・・笑

自分の息子のこととなると周りのことを考えずに突っ走る。
でも、どうにもならない事情がわかれば引くのでまあまあ許せる^^;

その後も陽子に降りかかる難題。
吹奏学部の保護者って大変だわ~。

定期演奏の会場になる市民ホールの予約取りが一番ビックリ!
でも陽子の働きでそれが解消されて良かった!
大手柄です!


陽介の部活動の様子もなんだか微笑ましい。
ファゴットを優しく指導してくれた先輩の女生徒に恋心を抱いたり。

最初から最後まで楽しく読めた。



                          ★★★
 
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★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;

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