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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2023年6月


信仰と自由、初恋と友情、訣別と回復。
淡々と歌うように生きるさまが誰かを救う、完全書き下ろし小説。

                (晶文社HPより)



あとがきでもあったけれど、宗教って集団って難しいなと。

この物語では、中本ひばりが両親の信仰する宗教に巻き込まれ
幼いときから友達できょうだいのように過ごしてきた上之江つばさが
なんとかしたいいと行動する。


ひばりは中学卒業と同時に宗教施設に移ってしまった両親を引き戻すと
決めて自らも施設内へ。
それから時が経ち、19歳でつばさのSOSの手紙を出す。

それが出来て本当によかった。
ひばりは、自分の信念を貫いていたんだ。
周りに同調して生きる方がきっと簡単だったと思うけれど
つばさやつばさの家族と過ごした時間みたいなものをまた取り戻したいと
思っていたんだろうな。



宗教って本当に厄介だな。
何を信じるかは個人の自由だけれど、子どもには、その自由はなくなって
しまうんだから。

世の中、ひばりみたいに苦しんでいる若者はいっぱいいるのかな。
そう考えるとすごく恐ろしい。


つばさの両親の考え方がすてき。
つばさのお父さんは、不運な事故で亡くなってしまったけれど
そのことさえも、恨んでいない。
こういう風に考えたほうが前向きに生きやすくなると思う。

そして、そのお父さんの言ってた
「誰かの痛みを無視すれば必ず自分になんらかの形で返ってくる」
という言葉。
その言葉通りに家族で、ひばりを救おうと決めて実際に行動する姿は
貴い!

この先、ひばりが普通に笑って生きられる日が来るといいな。
きっと来ると思うけれど。



                      ★★★★

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発行年月:2009年12月


普通の家庭料理がやっぱりいちばんおいしくって奥深い。ごはんを共にする大事な家族や友人にふれながら、食いしん坊である著者が、日々つくるスパゲッティナポリタン、キュウリとしその簡単サラダ、キムチと鶏挽肉のビビンバ……。行きつけの串揚げ屋、台湾料理店さんの味と雰囲気は? コロッケ、餃子、バナナケーキのとっておきの「楽しいレシピ」(カラー)付き。はじめての書き下ろし食エッセイ。

                  (朝日新聞出版HPより)


表紙の写真(コロッケ)がすごく美味しそう~(#^.^#)

食べものの話は、楽しいものばかりで、へ~なるほどね~など楽しく読んだ。

でも71番目の話で、夫の実家に行ったときかな?
義父さんが、メロンと桃が入った袋を持ってきて、夫が「いらないよ」というが
「新幹線のなかで食べなさい」と持たせてくれた。
まあ、それはよくある話。
袋のなかの桃は下のほうが痛んでいるのを確認できたとか。
まあ、それもあるかな?(^^ゞ


でも、それを新幹線を降りた駅のごみ箱に捨てたと。
えぇ~??
まあ、捨てるとしても、駅で捨てるのぉ~!?と、ちょっとびっくり。
そんな無神経な人たちだったの?と軽くショックで
その後の話は飛ばし読みしました・・・(^^ゞ


まあ、捨てるのは、仕方ないんじゃない?と思うのかもだけど
それを書籍にしていいのぉ~?
義父さんが気の毒だな・・・・と思ってしまった。


なので、読後の評価は厳しめに・・・笑



                     ★★



発行年月:2021年12月


たいせつなひとの死、癒えることのない喪失を抱えて、生きていく――。凍てつくヘルシンキの街で、歴史の重みをたたえた石畳のローマで、南国の緑濃く甘い風吹く台北で。今日もこうしてまわりつづける地球の上でめぐりゆく出会いと、ちいさな光に照らされた人生のよろこびにあたたかく包まれる全6編からなる短篇集。

                      (新潮社HPより)




6つのお話、それぞれ良かった。
親しい人を亡くした喪失感から再生していく過程が描かれている。


<夢の中>
この話は、親しかったというわけではないけれど、BFと30年前に訪れた
金沢での夜の話。
喧嘩別れした彼を置いてひとりで食事を摂っていたときに出会ったおじさん達
との思い出。


<SINSIN  AND  THE  MOUSE>
2人暮らししていた母が亡くなり落ち込んでいたら
新婚の友人夫婦が台北への旅行に誘ってくれて同行する。

旅先のちょっとしたことが良い再生のキッカケになって良かった



<ミトンとふびん>
お互いの母親に結婚を反対されていたけれど・・・
フィンランドの凍てつく寒さのなかでも旅行を楽しみながらそれぞれの
母親のことを思い出す。

レストランのクロークのおじさんからの話は、本当に二人には宝物の
ような思い出になるだろうな~。
天国ではそれぞれのお母さんも温かく見守っていてくれると思う。
ファッツェルのチョコ、食べてみたくなった!



<カロンテ>
イタリア留学中に交通事故死した親友で幼馴染の真理子。
その真理子の婚約者・マッテオに会うため、イタリアへ。
再会し、二人で真理子を思い出しては泣く。
マッテオの友人・ジャンルーカが偶然、通りかかり話に加わったことに
よって、悲しみから現実に戻される。

真理子が日本人の男性と親しくなっていた話を聞いていたが、その人・細田健一
にも偶然、会えて、彼はゲイで真理子とは友達として親しくしていたことを
知り、思いがけないプレゼントも貰い、それはマッテオにも渡される。

真理子って素敵な人だったんだろうな。



<珊瑚の指輪>
おばあちゃんの形見の珊瑚の指輪をリメイクして付けていた母。
その母が亡くなり、その指輪は自分がつけている。

遺品の整理について。
一挙に何もかも片付けてしまいたい人とじっくり時間をかけて
整理したい人がいるんだな。
自分は、どちらだろう。じっくり派かな?



<情け嶋>
夫に好きな人が出来て、子どもまで出来たと知り、離婚。
ゲイの友達・春夫がここに住めばいいよと。お言葉に甘える。
その後、春夫の恋人・義人も一緒に暮らすことに。


こんな暮らしも気楽そうで、ちょっといいな。


死がテーマだけれど、温かい気持ちになれるのはいい

                       ★★★★



発行年月:2020年10月


生きていてほしい。それだけでいい。
人智を超えた世界の理がしみじみと胸をうつ、大好評の傑作哲学ホラー。
吹上町に夏が来て、引きこもりの美鈴がミミのもとを訪れた。
「部屋の中に子どもの霊がいるんだ。いつも夜になると出てくる」
生も死も、過去も未来も溶け合う吹上町に、新たな風が巻き起こるーー。
吹上町の住人紹介
ミミ 夢見と屍人使いの才能を持つ。双子の姉
こだち 怪力の人気服飾デザイナー。双子の妹
墓守くん 町の墓守兼フラワーアーティスト
美鈴 墓守くんの彼女。腕利きの霊媒師
まなび ミミとこだちの母。異世界人
この町には「少し違う」形の人がたまに混じっている。

                  (幻冬舎HPより)



表題の、ざしきわらしの正体は、よくわからないまま。

でも、この不思議な物語の雰囲気はすき。
生きているって何をもってそういうのかな?とかちょっと考えちゃう。

墓守君と美鈴の関係、そしてミミと墓守君の関係がややこしい。
でも普通じゃない人たちの関係だからいいのか?

虹の家の姉妹のお姉さんは亡くなったんだ・・・寂しい。
妹は、まだ少女で名前はミノン。
お姉さんがいなくなっても虹の家はミノンがいるから、また登場するかな?
この物語には、不思議な人しか出てこないけど
それぞれの発言が時々、すごく感動的だったりする。


あと2話、楽しみにまた読もう。


                        ★★★★


発行年月:1988年1月

私がこの世でいちばん好きな場所は台所だと思う──祖母の死、突然の奇妙な同居、不自然であり、自然な日常を、まっすぐな感覚で受けとめ、人が死ぬことそして生きることを、世界が不思議な調和にみちていることを、淋しさと優しさの交錯の中で、あなたに語りかけ、国境も時もこえて読みつがれるロング・ベストセラー、待望の定本決定版。〈吉本ばなな〉のすべてはここから始まった。

             (発行/福武書店 新潮社HPより)


随分前の、ばななさんのデビュー作。

買ってから、何度か読んでけれど、ここ数十年は読んでいなかった。
細かい部分は忘れていたので、新鮮な気持ちで読めた。
そして、やっぱり、いいなぁ~と再確認。


3つの話が入っているけど、2つは連作。

<キッチン>と<満月>
それから、もう1編は<ムーンライト・シャドウ>


どの話にも共通して出てくるのは、大切に想っていた人の死。
悲しみの淵からどう這い上がっていくのか?という話。


幸い、ここの主人公のような、絶望感に襲われるような親しい人の死は
考えたら体験していない。
祖父母や義父母の死は、もちろん、哀しいものだったけれど、どこか
予測していたところがあった。

しかし、この物語の主人公たちは、ある日、突然大切な人を喪い
その哀しみや絶望感は、読みながら想像しているだけで苦しくなる。


でも人は、そんな気持ちからもちゃんと立ち上がり前を向いていく
ものなんだと哀しいだけじゃない、どこかホッとする温かさ、
みたいなものも感じられる。
だから何度も読みたくなるんだな・・・。


また暫くしたら再読しよう。



                   ★★★★★
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