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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:1999年4月

死んだ女ともだちを思い起こす奇妙な夜。そして入院中の姉の存在が、ひとりひとりの心情を色鮮やかに変えていく「ハードラック」。闇の中を過ごす人々の心が輝き始める時を描く二つの癒しの物語。              

「ハードボイルドに生きてね。どんなことがあろうと、いばっていて。」最後になった電話でそう言っていた千鶴。彼女のことを繰り返し思い起こす奇妙な夜を描く「ハードボイルド」。死を待つ姉の存在が、ひとりひとりの心情を色鮮やかに変えていく季節を行く「ハードラック」。闇の中を過す人々の心が光り輝き始める時を描く、二つの癒しの物語。 

                 (発行/ロッキング・オン)




かなり前に買って読んだ本。
よしもとばななになる前の本ですね~。
家の本棚から何気なく手に取りましたが・・・・2編目の「ハードラック」が
ちょうど11月の季節の物語だという偶然にビックリ!


二編とも「死」と向き合うような話ですが、全然、暗さはなくて
生きて居れば死ぬのはあたりまえだよね~だから特別なことと考え過ぎないほうが
いいのかもなぁ~なんて漠然と思いました。


「ハードボイルド」は、山道を一人歩きながらちょっと奇妙な感覚に襲われながら
辿り着いた古いホテルで一晩過ごす主人公の話。
その間、思い出す、一緒に暮らしていたことがある千鶴のこと。
ちょうど、千鶴の命日であることを思い出す。

ホテルのおばちゃん(支配人?)とのやり取りが可笑しいけど、ホッとする。


「ハードラック」は、脳出血で突然植物状態に陥っている姉を見舞う妹。
姉の婚約者は、ショックで見舞いにも来ないけれど、その兄が代わりに
見舞いによく来て妹である、わたしと会話する内容が、なかなか意味深く
いいかんじ。

身近な人の死を静かに受け入れていくそんな人たちの様子は、切ないけれど
温かいかんじもした。


ああ、やっぱり、ばななさんの文章は昔からいいなぁ~と再確認(^^)

この表紙のイラスト・奈良美智さんの絵も好き


                       ★★★★★

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発行年月:2015年1月

さやかと小学生の娘みちる。
亡き夫・悟の想いを胸に、穏やかな毎日を送っていた。
だがある日、家に一通の手紙が届く。
差出人の名前は、 さやかが封印した記憶を呼び覚ますものだっ たーー。
家族の新しい幸せな絆を発見する物語。

                   (幻冬舎HPより)




さやかの周りの人達がみんないい人。
亡き夫の両親が、本当に温かい良い人たちで、さやかは幸せだなぁ~と思った。
こんな義母さんなら夫が亡くなっても離れたくないかも。
けれど、義父母さんたちは、さやかのことを一番に考えてくれて・・・・。


ある日、届いた手紙は、偶然、元カレのものだったというのは、ちょっと
出来すぎな偶然ですが、こういう展開は好きなので、許せちゃう(^^;

ばななさんの作品には、よくバリが出てくるけれど、ばななさん自身が本当に好きな
土地なんだろうなぁ~。


さやかの娘・みちるもきっと素敵な女性に成長するんだろうな。
みちるのその後もまた書いてほしいな~。


                              ★★★★



発行年月:2014年10月

それぞれの家族を亡くし、天涯孤独で身を寄せ合う運命のふたり。
お互いしか癒せない孤独を抱え、かすかな光へ歩き出す道のりを描く。
恋と、魂の救済の物語。1年ぶりの長編小説。

                        (集英社HPより)




まこと、嵯峨。

二人は幼いときから、ずっと一緒に生きてきた。
姉と弟のように・・・。
成長すると恋人となり、将来もずっと二人は一緒だとお互い確信しているかんじ。


二人の生い立ちが特殊だからだろうか、二人の世界が完全に出来ていて
ほかの者を寄せ付けない雰囲気。
こういう男女の関係も実際、あるのかもな・・・。


二人のやや複雑な生い立ちのなかで、アリゾナのセドナで暮らした時期が
もっとも幸せな思い出でもあり辛い思い出でもある。
そんな場所に、二人が希望を持って再び訪れようと決めるまでの過程の物語。

辛いことがあっても、二人一緒に居れば大丈夫!


まこの通う大学の教授も素敵だったし、嵯峨が務めるパン工房の人たちも
きっと素敵な人たちなんだろうな。

アリゾナのセドナの街の様子が、なんだかとても魅力的に描かれていた。
実際、どんなかんじなんだろ?
ばななさんの思い出も込められた物語なんでしょうね。


哀しい部分もあるけれど、希望に満ちたラストが良かった。


                          ★★★★★




発行年月:2013年11月

主人公の幹は赤ん坊の頃、浜辺でわかめにくるまっているところを拾われた。大平家の家族になった幹は、亡き祖父が始めた実家のB&Bを手伝いながら暮らしている。美しい自然にかこまれた小さな村で、少し不思議なところもあるが大好きな家族と、平凡ながら満ち足りた暮らしをしていた幹だったが、ある日、両親が交通事故に遭ってしまう。大事にはいたらなかったが、それから家族が不気味なうさぎの夢をみたり、玄関前に小石がおかれたりと奇妙なことが続くようになる……。

神聖な丘に守られた小さな村。みなしごの主人公が手にした“幸せの魔法"とは?
この美しい世界に生きる希望を描ききった著者の最高傑作!
待望の最新小説。

                   (毎日新聞社HPより)


ちょっと不思議な話だけれど、読んでいて心地よかった。
主人公の大平幹は、海辺に捨てられていたのを大平家に拾われた。

両親のほかに、祖父と父の弟・章夫おじさん。
祖父はイギリスに住んでいたことがあり、そのときのことが忘れられず
美しい自然に囲まれた土地でB&Bを経営していた。
祖父が亡くなり、叔父さんも亡くなり今は母親が食事の世話をし、幹も手伝う。
母親の提供するフィッシュ&チップスはなかなか好評。

読んでいると、風景が目に浮かんでくる。
いいなぁ~のどかなかんじ。

しかし、大平家のすぐ横にはちょっと変わった人が住んでいた。
今は廃墟となったその家は、不気味な様相。


でもその廃墟に幹の友人・野村くんが引っ越して来る事に。
二人は30半ばになるが、子どもみたいな会話が微笑ましい。
野村くんは奥さんを病気で亡くして独り。


幹は夢のなかで、野村くんの奥さんに出会い、彼とのことを聞く。
同じく夢で若いころのおじいさんに会ったりする。

夢と現実がうまく絡み合って現実の生活の疑問点が解決していく様が
愉快。

人は亡くなっても、現実に生きる人のなかで生きていけるのだなぁ~
なんてことを思った。

あとがきで、ばななさんがお父様を亡くされて悲しくて仕方なかったときに
そんな気持ちを忘れるために一生懸命書き続けたとか。

そんな精神状態でもこんなステキな物語が書けるって、すごいな。

表紙の絵もすごく好き♪


                 ★★★★★



 




発行年月:2013年10月

手が震え文字が血でにじんだり、かすれたりしてひとつも読めない血まみれの手帳。父・吉本隆明の血糖値の記録。それはどんな教えよりもはっきりと、最後まであきらめない父親の姿勢を教えてくれた――。産まれること、生きること、子を育てること、死ぬこと、 看取ること。人間として避けては通れない時を、著者は娘として、親として、一人の女性として真摯に過ごしてきた。どんな苦しみの中にもある輝きと希望を紡ぐ珠玉のエッセイ。

                   (幻冬舎HPより)


表紙の血液らしいものがついた手帳が読む前から、とても気になりました。
ばななさんのお父様の遺された手帳だったんですね。
朝、起きてすぐの数値だとしたら・・・結構高いですね。
目も不自由になられて、それでも日課になっている血糖値検査をして
その数値を手帳に残す作業をしていた。
自分の父親がもしそれを遺してくれたのだとしたら・・・
ばななさんと同様、大切にとっておきたいと思うでしょう。
そこに父親が生きていた証があるわけだから・・・。


ばななさんの周りにいらっしゃる人たちの温かい気持ちも感じられる
ステキなエッセイでした。

写真も素晴らしい。

平凡なことの繰り返しの毎日が、本当は奇跡のようにすばらしい日々なんだと
改めて思わせてくれました。


                         ★★★★★
 
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