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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2023年8月




大手ゼネコン勤務の加茂川一正は、インドネシアの小島で海底に聳え立つ仏塔を発見する。一正はこの遺跡の保護を自らの使命とし本格的な調査に乗り出すが、次々と障壁が立ち塞がる。住民の反発、開発を優先する地主、他宗教からの弾圧……人間の欲望が女神の怒りに触れたとき、島に激震が走る。圧巻の長編エンタテインメント!

                  (新潮社HPより)



インドネシアにある小島・ネピ島へ海底遺跡の調査に参加する
加茂川一正。
同行するのは人見淳子(海洋学文明研究科特任教授)と
藤井(水中考古学の研究者)

加茂川は離婚歴3回だけれど、特別、変なかんじじゃない。
むしろ、結構、ちゃんとしていると思ったなぁ~。

人見は女性だけれど結構、度胸があるし行動力も。
藤井は冷静沈着で研究者っぽい。

三人三様のかんじがいい。



海底に沈んだ町の存在を確認したが、そこをゴミの処分場を建設する動きが
あることがわかり、阻止するのはどうするか?と頭を捻る三人。
なんとか、一旦、計画を中止するまでになったけれど、その土地の
権力者が違う開発を企てていると知る。

そうこうするうち、火山の爆発!
このままでは島そのものが沈むかもという危機!



島のガイド・ケワンとその母親・マヒシャ、父親のボラ、姉のエダ。
ケワンの家族の大活躍。
特にエダ姉さん、最高でした!
人見教授も危険を前にしても逃げずにマヒシャとエダに同行して凄い。



最後は、めでたしめでたしなんだけど、この後の島民たちの暮らしが
心配。
加茂川が始めた支援活動はいいこと。
日本の技術がこういう活動を通して活かされることは素晴らしい。



読むのに時間がかかったけれど、面白かった。



                     ★★★★
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発行年月:2022年6月


50歳を過ぎても、敗者復活の大逆転!
麻里、51歳。長い介護の末母親を見送った。
婚期も逃し、病院に行けばひどい数値で医者に叱られ、この先は坂を下っていくだけと思っていたが……。
親友・千尋の「自分ファーストにしな。一生、利用されっぱなしで終わるよ」で一念発起。
水泳教室に飛び込んだら、人生がゆるゆると転がり出した。
ほろ苦く、やがて元気の出る応援歌
謎の上級者・伊津野「あたしさぁ、命かけてんだよね、全国大会に」
イケメン・イケボディの岸和田コーチ「タイムから言えば、俺が社長だ!!」
元文芸編集者・古矢「接待接待で太って、デブキャラに」
人生、まだまだ捨てたもんじゃない。

                 (講談社HPより)



麻里は、偉いなぁ~。
両親の介護して、お兄さんの子どもの子守りも時にはして・・・・
法事があれば、親戚の人たちの接待もして・・・。
読んでいて、ホント、「自分のための時間を大事にして!」と思った。

健康のため、水泳を始めてよかった!
健康になったし、仲間も出来て、良いことだらけ。
最初は、苦労もしていたけれど、途中で投げ出さないで良かった。


水泳仲間の古矢との関係もいい。

篠田さんの小説は、いつも結構、重厚なやや暗い話が多い記憶だけれど
こんなお気楽な雰囲気の話もいい。



                     ★★★



発行年月:2021年10月


 
古い友人も、ノーベル賞作家も、「岬」に消えた。神無き時代の新たな黙示録
古くからの友人も、ノーベル賞作家も、その「岬」に消えた――
この物語はあなたを、思いもよらぬところまで連れて行く。
人が人であるというのは、どういうことなのか。
練熟の著者が今の時代に問う、神無き時代の新たな黙示録。
 以前から美都子が夫婦ぐるみで付き合ってきた、憧れの存在である友人・清花。だが近年、清花夫妻の暮らしぶりが以前とは異なる漂白感を感じさせるようになり、付き合いも拒否されるようになったのち連絡がつかなくなった。清花たちは北海道に転居後、一人娘・愛子に「岬に行く」というメッセージを残し失踪したようだ。彼女の変貌と失踪には肇子という女性が関わっているようだが、その女性の正体も分からない。
 時は流れ約二十年後の二〇二九年、ノーベル文学賞を受賞した日本人作家・一ノ瀬和紀が、その授賞式の前日にストックホルムで失踪してしまった。彼は、「もう一つの世界に入る」という書置きを残していた。担当編集者である駒川書林の相沢礼治は、さまざまな手段で一ノ瀬の足取りを追うなかで、北海道のある岬に辿りつくが――。
 やがて明らかになる、この岬の謎。そこでは特別な薬草が栽培され、ある薬が精製されているようで……。
 近未来から戦時中にも遡る、この国の現実の様相。
 岬に引き寄せられる人々の姿を通して人間の欲望の行き着く先を予見した、著者畢生の大作。


                        (角川書店HPより)



長かったぁ~。
面白くないわけじゃないけど、ちょっと疲れた。


途中までの親しくしていた夫婦の所在がわからなくなり、探すまでは興味深かった
けれど、不明の夫婦が最後に行ったという北海道のとある岬の話になると
戦時中は、軍の施設として、その後は、ある考えを持った人たちが暮らす
場所になりもう少し先の時代になると、ノーベル賞作家がその地を訪れてと
色々な人たちが岬に入ったことを綴る。


その岬にたどり着くまでは容易ではないという。
人を襲う熊が多く生息していて、実際に犠牲になった人も。

そして突然の爆破騒ぎ。


不穏な出来事が満載で心休まることがない物語。


特に戦時中、その岬で行われていたという薬の製造の話は、恐ろしかった。
戦争はただでさえ、悲惨なことだけど、人の意識まで薬で操ってしまおうと
考える国になってしまうとは!
そんな風にしないと生きて戦おうとは思えないってとだろうか?



なんとも気味が悪い話だったな・・・。



                       ★★★



発行年月:2021年4月


日常”から生まれたロードノベル集
『田舎のポルシェ』(篠田 節子)
 篠田節子さんの最新刊『田舎のポルシェ』は、読者を日常の一歩外へと誘うロードノベル三篇を収録。リタイアした六十過ぎの男性二人が北海道へ向かう「ボルボ」は、この本が出来上がるきっかけとなった一作だ。
「別の作品の取材で北海道に行ったとき、この道を男性二人がドライブしたらどうなるんだろう、とふっと思いついて、物語の最後の展開まで頭のなかで出来上がってきたんです。また、自分の車にものすごくこだわりを持っている知人の男性がいるのですが、彼は愛車に対して恋人に近いような感情を抱いていました。一方、彼の奥さんにとっては車は単なる生活のツール。そのギャップが面白いなとずっと思っていたんです。ふたつの出来事が自然と組み合わさっていきました」
 表題作「田舎のポルシェ」は、三十代の男女が、あるモノを車に積んで岐阜−八王子間を往復する珍道中。車を運転する“マイルドヤンキー”感溢れる男と、東京出身だが家族との折り合いが悪く田舎で暮らす女が、様々なトラブルに見舞われながら目的地を目指す。車中で交わされる二人の会話の端々から、それぞれの価値観の違いが滲み出てくるのも面白い。
「車の免許もない私がこういう話を書くのは無謀かなと思ったのですが……。旦那や他の方の運転する車の助手席に乗って取材を重ね、資料もたくさん集めて描写に活かしていきました」
「ロケバスアリア」はコロナ禍だからこそ生まれた作品。介護施設で働く七十代の女性が、緊急事態宣言に伴う施設の休業を機に、長年の夢を叶えるべく行動を起こす。世相を憂うのではなく、一度きりの人生を目一杯生きようと前を向く彼女の姿は、読者に元気を与えるに違いない。
「私の周りには、子どもの世話になることなく、一人住まいで、パートや趣味に生きる元気いっぱいの七十代の女性たちが多いんです。テレビCMなどでは、未だに上品できれいで穏やかな“おばあちゃん像”が溢れていますが、実際はもっとパワフル。おばあちゃんの実像はひと昔前から確実に変化しています」
 どの作品も、登場人物たちのさりげない言動や佇まいが妙にリアルで、思わずクスっとしてしまう場面が多い。篠田さんならではの鋭い観察眼が光っている作品集だ。
「作家というよりは、自分のキャラそのままで書いて出来上がった感じで、笑わせようなんて全く考えていませんでした。日常を地道に生きることが、むしろオリジナリティにつながるのかもしれないですね」


                    (文藝春秋HPより)



3つのお話。
共通しているのは車があっての話。


へ~「ボルボ」がこの本のキッカケだったのかぁ~。
男2人が北海道へという話。
妻同士が親友でその旦那さん2人の話なんだけど、二人の変に馴れ馴れしくない
かんじが良かった。



お話としては、最後の話が良かったな。
物語のなかの<湖月堂ホール>ってどこだろ?
なんて、物語のそのホールがあるという地に住んでいるので、気になった。
70歳の春江さんの行動力が読んでいて、こちらも元気になる。
それを手助けする孫の大輝も良い子。
前科があってもその後の暮らしぶりがしっかりしていたら
応援してあげたい。
春江さんの来月に控えているという手術も成功しますように。



どのお話も楽しく読めた。



                     ★★★


発行年月:2018年7月


第53回吉川英治文学賞受賞!
私たちの「先生」はいったい誰だったの?
「聖母」の正体をめぐる、傑作長編サスペンス。

                  (集英社HPより)



少し前の作品。

かなり厚い本だけど、筆力のおかげでスラスラと読める。
けれど・・・かなり重たい。
気が滅入りそうになる。


薬物やアルコール依存、性暴力、DV被害などにより心的外傷を負った
女性たちの社会復帰を手助けするための施設「新アグネス寮」。
そこで先生と呼ばれ慕われていた女性・小野尚子(67歳)と職員の榊原久乃が
寮の火災で亡くなった。
二人は、逃げ遅れた母子を助けるために炎のなかに入り、母子を助けた後
建物と一緒に焼けた。


が・・・榊原久乃と一緒に見つかった遺体は、小野尚子ではないという。
じゃあ誰なんだ?というところから始まるミステリー



フリーランスの記者・山崎知佳は、生前の尚子にインタビューしていた。
小野尚子に成りすましていたのは、半田明美という小野尚子より6歳若い女性。
半田明美とは、どんな人なんだ?

そんな半田のことをとんでもない悪い女だと記事にしていた長島。

長島の意見を参考にしながら、半田明美について調べていく山崎知佳。


身近な存在の男性4人を次々、殺害した半田明美。
そんな人が、小野尚子と出会ってしまった。
自分のことしか考えていない。
そして、小野も亡き者にして、身代わりになって生きていく。
最初は、自分の保身のためにやったことだったけど、アグリス寮のなかでは
正に聖母の言動。
演技でやっていたとしても365日、ずっとやっていたのは、凄い。



う~ん。実際は、こんなこと無理だろうな。
小野に成りすまして、外国から帰国って出来ること?
ま、これがないと物語は成立しないから置いておくけれど・・・


最後の最後に半田明美の日記にようなものが見つかり、彼女の生い立ちとか
明かされる。
でも、この部分を生きていた半田明美の言葉で読みたかった。
一緒に亡くなった久乃との関係ももっと深くしりたい。


二人して母子を助けて焼死してしまったけれど、その道を選ぶまでの
二人の物語を詳しく読みたかったな。


でも、おもしろかった。



                      ★★★★

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