発行年月:2026年4月
書けなくなった作家の女と、5年前に消えた最愛の人。
そして、殺人事件の加害者を家族にもつ青年。
孤独な魂が惹かれあうとき、この世ならざる景色が見える――。
直木賞作家の新境地!
そして、殺人事件の加害者を家族にもつ青年。
孤独な魂が惹かれあうとき、この世ならざる景色が見える――。
直木賞作家の新境地!
「間違ったものに一度でも救われたら、それもすべて間違いだと思いますか?」
(河出書房新社HPより)
もうすぐ40歳になる岸田沙文。
作家だけれど、近年書けていない。
仕事で知り合った今はノンフィクション本を作る部署にいる川名(37歳)から
一人の青年・東雲創のことを聞き、自分も何か手助けしたいと申し出る。
創(30歳くらい?)の母親は新興宗教の信者で、
教えを過大解釈して糖尿病患者のインスリン注射を
悪として取り上げ、それが原因でその人は亡くなってしまう。
殺人罪で逮捕され獄中死。
父親は母親とは離婚しているが再婚した妻と共に交通事故死。
暫く、祖父母宅で暮らしていた。
沙文も家族を亡くしている。
母親が精神的に病んで父を殺害後に自死していて、高校の途中から
児童養護施設で暮らしていた過去がある。
そんな二人は互いの気持ちに寄り添いながら一緒に暮らすことになる。
辛い過去があるけれど、二人が一緒にいる様子は、明るい。
時には姉と弟のように。
そして、ある時は恋人のように。
沙文には青野という好きだった人との思い出がある。
ある日、姿を消して、その後、自死しているのだけど・・・
沙文の周りにはあまりにも死が多い。
終盤、ちょっとSFっぽい場面もあるけれど、それがあって青野のことは
踏ん切りがついた感じで、よかった。
創の祖父母も良識のあるいい人で良かった。
二人は、これからも共に歩んでいくのかな?
過去のことは、仕方がなかったことと割り切って生きて行ってほしい。
★★★★
PR
発行年月:2025年6月
恋愛小説の旗手・島本理生の新境地!
他人からはままならない恋愛に思えても、本人たちは案外、
その”雑味”を楽しんでいるのかもしれないーー。
その”雑味”を楽しんでいるのかもしれないーー。
目次
停止する春
最悪よりは平凡
家出の庭
God breath you
一撃のお姫さま
*5つのちょっと不思議な、新たなる読書体験
「停止する春」
東日本大震災から11年目。会社で毎年行われていた黙とうがなくなった。
それから私は、仕事を休むことにした。代わりに、毎日時間をかけて大根餅を作る。ある日、八角の香る味玉を作り置きした私は、着ていたパジャマの袖口を輪にして戸棚に結び、首を突っ込んだ……。
「最悪よりは平凡」
掃除機をかければインコをうっかり吸い込み窒息死させ、夫が書斎を欲しがれば娘を家から追い出す母に、「妖艶な美しい娘」をイメージして「魔美」と名づけられた私。顔見知りの配達員にはキスされそうになり、年下のバーテンダーには手を握られ、不幸とまでは言い切れないさまざまな嫌気を持て余す。
「家出の庭」
ある日、義母が家出した。西日に照らされた庭に。青いテントの中で義母はオイルサーディンの缶を開け、赤ワインを飲んで眠る。家出3日目、私はお腹に宿した子が女の子だと知る。
「God breath you」
女子大でキリスト教を中心に近現代の文学を教える私はある日、ほろ酔いでおでんバーから出たところを若い青年に声をかけられる。彼は、世を騒がせた宗教施設で幹部候補として育てられた宗教二世だった。
「一撃のお姫さま」
歌舞伎町が舞台のアニメ主題歌の仕事を受けたアーティストの睡は、音ゲーの配信者兼会社員の友人から、曲作りのためホストに通うことを提案される。100万円を使い切ることを決めた彼女は夜な夜なチープな照明に照らされ、シャンパンコールを浴びることになるがーー。
(文藝春秋HPより)
どの話も面白かった。
それぞれの主人公たちが応援したくなる。
最初の話<停止する春>は、ちょっと、ドキッとしてしまった。
こんな風に、人は死へ向かってしまうこともあるんだなと。
印象的だったのは
<God breath you>
40歳の大学で近現代キリスト教文学について講義していり依里と
偶然、出会った25歳の時生の物語。
年の差は関係なく、惹かれるってあるんだと思う。
二人の今後が気になるけど、ずっといい関係が続くといいなと思った。
表題作<一撃のお姫さま>も面白かった。
アニメの主題歌を作曲している若松睡。
曲のイメージが湧かないと言っていたら「体験してみればいい」と。
100万円を軍資金にホストクラブへ。
そこで36歳のホスト・聖一と若手の涼太と対面。
聖一とlineでやり取りし、食事に行ったり・・・
睡が、仕事と割り切っているのがいい。
聖一とも用は済んだと判断したら、すっぱり連絡を絶って
別のところから今度は若い子を選び、いい感じの曲を作る。
うん、プロだな。
変にホストに溺れたら興ざめだったけど、なんか、爽快だった!
★★★★
発行年月:2021年7月
行方不明の父、未完の『銀河鉄道の夜』、書きかけの小説。三つの未完の物語の中に「私」は何を見い出すのか? 人生の岐路に立つ女子大学院生を通して描く、魂の彷徨の物語。
執筆に先立って著者は、以下のようなエッセイを寄せています。
=================
(前略)
もうひとつ分からないのは、宮沢賢治のことだ。
幼い頃、私はたぶん明確に宮沢賢治作品が嫌いだった。理不尽と唐突な怒りと自己犠牲に溢れ、常に死の気配がして、それでいて、熱くどろりとした生命力も感じる。正直、気味が悪かった。
ただ、アニメ版の『銀河鉄道の夜』のビデオだけは繰り返し見ていた記憶がある。ますむらひろしさんのファンだったこともあるが、なにより、アニメーションと呼ぶにはあまりに深い銀河の闇に引き込まれた。
私が一九八三年生まれで、映画が公開されたのは一九八五年なので、おそらく私が六、七歳の頃に失踪して、それ以来、行方不明の実父がまだいた頃に見ていたことも、関係しているように思う。
だから、大人になり、宗教的な関心から賢治の作品を読み返すようになって、その面白さにようやく目覚めてからも、『銀河鉄道の夜』だけは自分の中でぽっかり浮いている作品だった。
(中略)
私の手元には、消えた父の残した手紙が一通だけある。その文体からは、私が身内から聞いていた父の人物像とは、かなり異なる印象を受ける。
この連載長編は、主人公の「私」と、消えた父親と、『銀河鉄道の夜』という三つの未完の物語をとおして、銀河の闇のむこうに消えたものを見つけたくて書き始めた。
じつは数週間前まで、自分がこんな小説を書くとすら思っていなかった。ほんとうの意味で消えた父親について書こうと考えたことがなかったのだ。そしていきなり始まったということは、たぶん、そういう時期やタイミングが来たのではないかと思う。
==============
「私」をめぐる大いなる冒険の一つの答えが提示される物語をご期待ください。
(文芸春秋HPより)
複雑な家庭環境で育った主人公・原 春。
大学院の日本文学研究科で学び、修士論文で宮沢賢治とキリスト教の関係に
ついて書く。
小学生のときに父親は失踪。
父親と母親の関係もなんだかふつうの家庭とは違う。
特殊な家庭環境で育つって、やっぱり色々と心の中に重たいものを抱えて
成長することになるんだろうな。
主人公の春を恋人として見守る社会人の亜紀君は、春のことを一生懸命
理解して自分がそばにいてくれる。
良い恋人だと思う。
それから大学院の友人たち。
篠田くんや売野さんもいい。
修士論文を書くために小説家の元でアルバイトすることになったのも友人の篠田くんが
出版社に就職が決まっていたため助けた。
そしてそのアルバイト先の小説家・吉沢も、春のことを理解し、アドバイス
してくれた。
春の周りにいる人たちは、素晴らしい。
自分のそばにいた人が突然、居なくなってしまうって、ショックなことだけど
自分の力ではどうしようもないことがその人に起きた結果だとしたら
仕方ない、その人にとってはそれがベストだったのだからと思うしかないな。
銀河鉄道の夜や宮沢賢治の作品って大人になってからは読んでない。
時間が出来たら作品集を読んでみたいな。
★★★
(文芸春秋HPより)
複雑な家庭環境で育った主人公・原 春。
大学院の日本文学研究科で学び、修士論文で宮沢賢治とキリスト教の関係に
ついて書く。
小学生のときに父親は失踪。
父親と母親の関係もなんだかふつうの家庭とは違う。
特殊な家庭環境で育つって、やっぱり色々と心の中に重たいものを抱えて
成長することになるんだろうな。
主人公の春を恋人として見守る社会人の亜紀君は、春のことを一生懸命
理解して自分がそばにいてくれる。
良い恋人だと思う。
それから大学院の友人たち。
篠田くんや売野さんもいい。
修士論文を書くために小説家の元でアルバイトすることになったのも友人の篠田くんが
出版社に就職が決まっていたため助けた。
そしてそのアルバイト先の小説家・吉沢も、春のことを理解し、アドバイス
してくれた。
春の周りにいる人たちは、素晴らしい。
自分のそばにいた人が突然、居なくなってしまうって、ショックなことだけど
自分の力ではどうしようもないことがその人に起きた結果だとしたら
仕方ない、その人にとってはそれがベストだったのだからと思うしかないな。
銀河鉄道の夜や宮沢賢治の作品って大人になってからは読んでない。
時間が出来たら作品集を読んでみたいな。
★★★
発行年月:2020年11月
ワインバーを営んでいた母が、突然の事故死。落ち着く間もなく、店を引き継ぐかどうか、前原葵は選択を迫られる。同棲しているのに会話がない恋人の港、母の店の常連客だった幸村、店を手伝ってもらうことになった松尾、試飲会で知り合った瀬名、そして……。楽しいときもあった。助けられたことも。だけどもう、いらない。めまぐるしく変化する日常と関係性のなかで、葵が選んだものと選ばなかったもの――。直木賞受賞後長篇第一作。
(中央公論新社HPより)
なんとも奔放な女性だったなという主人公・葵の印象。
近づく男性とすぐに親しくなって、別れるの繰り返し。
最初に同棲していた港が引きこもり、別れを一方的に告げて家から出て行くのを
なんでだろ?何があった?と疑問だったけれど、
後半に経緯が語られ・・・唖然。
そりゃ、葵が悪いよ。
母親が遺したワインバーを一緒に始める松尾君とは、お互いよき理解者という
間柄で始終、通していたけれど、今後、変わることはあるのかな?
と思ったら・・・葵には新たな男性が現れておしまいという
「えぇ~!?」と心のなかで叫んじゃった(^^ゞ
こういう人、東京には多くいそう・・・偏見か?(笑)
★★★
発行年月:2019年10月
島本さんの小説はいつも、自分は傷ついているのだと気づかせてくれる。――藤崎彩織
深い闇の果てに光を掴もうとする女性たちの、闘いと解放。直木賞作家の真骨頂!
性とお金と嘘と愛に塗れたこの世界を、私たちは生きている。
ミスコンで無遠慮に価値をつけられる私。お金のために愛人業をする私。夫とはセックスしたくない私。本当に愛する人とは結ばれない私――。
秘密を抱える神父・金井のもとを訪れる四人の女性。逃げ道のない女という性を抉るように描く、島本理生の到達点。
(講談社HPより)
登場する女性たちそれぞれが生きづらそう。
このままでいいのか?と思いながら生きているってしんどいだろうな。
女性たちが共通して接する、司祭の金井先生。
女性たちの悩みに、助言したりしているけれど、彼にも大きな胸に抱えた痛みが
あったとわかる。
司祭になぜなったのか?
妹を救いたくて、神学を学んだのに、それが妹を自殺に追いやることになって
しまったということ。
なんだか、一番思いたい過去!
誰かを慰めたり、勇気づけたり、することで、自分自身も救われることに
なるのかな?
<雪ト逃ゲル>に出てきた女性が、息子とスペインで新しい
生活をスタートさせている後日談は、明るい未来が見える気がしてホッとした。
彼女の夜はおしまい。
他の女性と金井先生も、夜がおしまいになるといいな。
★★★
カテゴリー
フリーエリア
最新記事
(08/22)
(08/20)
(08/17)
(08/15)
(08/13)
最新トラックバック
プロフィール
HN:
kyoko
HP:
性別:
女性
自己紹介:
台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
ブログ内検索
アーカイブ
P R
カウンター
フリーエリア
