忍者ブログ
読んだ本の感想あれこれ。
[1]  [2



発行年月:2018年5月

夏の日の夕方、多摩川沿いを血まみれで歩いていた女子大生・聖山環菜が逮捕された。彼女は父親の勤務先である美術学校に立ち寄り、あらかじめ購入していた包丁で父親を刺殺した。環菜は就職活動の最中で、その面接の帰りに凶行に及んだのだった。環菜の美貌も相まって、この事件はマスコミで大きく取り上げられた。なぜ彼女は父親を殺さなければならなかったのか?
臨床心理士の真壁由紀は、この事件を題材としたノンフィクションの執筆を依頼され、環菜やその周辺の人々と面会を重ねることになる。そこから浮かび上がってくる、環菜の過去とは? 「家族」という名の迷宮を描く傑作長篇。

                     (文藝春秋HPより)



女子大生・聖山環菜が父親を刺殺。
父親は画家で、多くの美大生を指導。
デッサンのモデルに環菜は小学生のころからされていた。
母親も元は美大生で、父親のことを尊敬し、一切逆らうことない。

なぜ父親を刺殺したのか?
大きな謎だけど、読んでいくうちに環菜に同情する。
本当に憎んで刺したわけではないのか?本当に単なる事故だったのか?
真相はよくわからないままだけど、
こんな風に殺人者となってしまったことに一番戸惑っているのが本人というのが
なんとも哀しい。

環菜の国選弁護士・庵野迦葉(かしょう)と臨床心理士の真壁由紀が
環菜の事件背景を追っていく。

この二人の関係もちょっと訳ありな感じで気になったけど、
由紀の夫・我聞が良い人で救われた。
由紀もきっと我聞によって色々救われているんだと思う。

問題のなぜ、父親を刺殺の背景にあった家庭環境がわかってくると
両親から愛情を感じることなく成長したみたいで、孤独だったのかなと思う。

しかし、もう少し頑張れば、自立できる兆しがあったのに・・・・。


刑期を終えた環菜のその後の生き方が心配。
出来たら、社会復帰して、ちゃんと恋愛して幸せになってほしい。


読み応えはあったし、内容も濃かったけれど、直木賞貰える作品かな?と
個人的には思った。



                           ★★★
 

PR



発行年月:2017年6月


 特別じゃないわたしたちの、特別な日常 『ナラタージュ』『Red』の著者が描く、新たな恋愛小説。 「どこへ行きましょうか」 「どこへ行くか」 30歳の私は、あの日、夕方の春の海辺で、どこへ行けるか分からない恋を始めた。限られた時間の中にいる男女の行く末を描いた、渾身の恋愛小説。 年上のエンジニア・椎名さんと仕事先で出会った知世。美味しいものを一緒に食べる関係から、少しずつ距離が近くなっていったある日、椎名さんは衝撃の告白をするが……。

                   (幻冬舎HPより)




表題、変わってるな・・。

と思ったけれど、読み終えたら、これはピッタリな表題で
なんだかジ~ンと来るタイトルだなと思った。


主人公の30歳の知世は、バツイチで結構年上のパソコンエンジニア・椎名と出会う。
最初の方で知らされる彼の病気はHIV。

もっと若くて知り合ったなら成立しなかった恋愛かもね。
椎名が感染した経緯がよくわからなかったけど、誠意ある対応には
最初から好感が持てて、なんとかうまくいくといいなぁ~と思いながら
読んでいた。


知世と椎名の恋愛話だけでなく、知世の友人や、妹の話も良かった。

あまり仲が良くなかった妹との関係も少し変わっていくラストも
今後の知世と椎名の未来が明るいことを予測させてくれて
読後感もスッキリ♪


色々な問題があっても、乗り越えていけると確信できる人となら
幸せになれるんだろうな。



                          ★★★★



発行年月:2016年4月

幼い息子とふたりきりで生きる女性・比紗也は、対照的な性質の二人の男と出会う。複雑な過去を抱えた比紗也を、二人はそれぞれの想いから救おうとするのだが──。鮮烈な印象を残す傑作長編小説。

                 (集英社HPより)



徳永比紗也は、息子の紡と生きて居る。
まだ紡がお腹に居る頃、偶然、真田幸弘と会っていた。

比紗也の夫は、3.11で亡くなっている。



仙台から、東京に出て、美容師として働きながら子育てをしている。
美容院の店主家族が紡の面倒を見ることもあり、恵まれた人間関係かな?

そして、真田との再会。
最初は、だたのセックスフレンドという関係。
真田はプレイボーイで元カノが沢山いそう。

そして、もう一人、偶然の再会をした神父の如月。
指を挟みそのままだったら大怪我になりそうなところを咄嗟に助けた比紗也と
教会主催のヘアカットのボランティアで訪れた際に再会。

以来、如月は比紗也を守ると宣言し、何かと危機を救う。


真田と如月。
二人とも比紗也のことを大事に想っている。
が・・・比紗也の複雑な過去のことが、二人の想いを純粋に受け止められない。

神父の如月と一時は、このまま二人は???とまで思わせる場面もあったが
如月の理性は凄い。
真田を最後は、比紗也の元に行かせるお膳立てまでしてる。
神様のような人だ・・・。



ラストはハッピーエンドで良かった!
表紙の女の子は、比紗也の娘・紗雪かな~?なんて想像して
紡と紗雪がこの先、幸せであるといいな~と思った。


なかなか読みごたえあって面白かった!



                       ★★★★


 



発行年月:2015年8月


 女性作家の再生の物語

過去に性的な傷をもつ千紘の前にあらわれたのは、悪魔のような男性編集者だった。
若手実力派による、鬼気迫る傑作心理小説。

               (文藝春秋HPより)



薄い本なので、アッと言う間に読了。
しかし、内容は結構、濃かった!

小説家の菅野千紘。
両親は離婚し、母はスナックを経営。
その母から、2か月前に亡くなった学者だった祖父の蔵書を整理するのを
手伝ってほしいと頼まれ、鎌倉の祖父の家に。

大量の蔵書の整理の仕方に悩み、自炊することに。

自炊って初めて知った!
本を裁断してパソコンでスキャンする・・・つまり電子化して保存すること
だったんですね~^^;

ま、それはさておき・・・そんな作業をしながら
編集者として知り合った柴田という男とのあれこれを回想する話。

この柴田がクセのある男で・・・こういう人に引っかかったらいかん!
魅力もあるんでしょうけど・・・。

千紘が柴田との関係で悩む姿が切ない。
でも、ちゃんと見てくれてる人もいるのが救いでした。


柴田のことも裁断しちゃったということでいいのかな?


                          ★★★★
51QvkXxlOwL__SL500_AA300_.jpg発行年月:2013年4月


顔にアザがあるアイコ。
研究一筋の大学院生活を送っていたが、
映画監督の飛坂と恋に落ちる。
しかし飛坂は仕事優先、女優とのスキャンダルも飛び出し、
アイコは自身のコンプレックスと向き合うことに…。


                                       (集英社HPより)



表題と本の表紙からも宮沢賢治の『よだかの星』を連想させる。
でも、主人公・アイコの生き方は、芯が通っている感じで、好感が持てました。
変に卑屈にならず、けれど、控えめに目立たないように生きていた。
国立大の物理学科を卒業し、さらにその上の大学院に進んで研究室通いのアイコ。

研究室の仲間たちがみんな、良い人たち。
教授も素敵だなぁ~。

そして、アイコの家族もいい。
素敵な人たちに囲まれて成長していくアイコ。

そして、出版社で働く友人・まりえの頼みである雑誌のルポタ-ジュを受け、その雑誌の表紙写真に載ったことから、少し、世界が広がっていく。
俳優によってアイコを題材にした映画を作ることになり、その監督の飛坂と知り合う。
そして飛坂に惹かれていくアイコ。

自由奔放なかんじの飛坂だけど、アイコには心を開いて自分が今まで抱えていたことも吐き出す。
お互いが胸のうちをぶつけ合える相手に初めて出会ったという感じ。
しかし、そのまま恋愛に発展するのは・・・・・・
アイコの飛坂に対する気持ちが切ない。
気持ちは素直にぶつけたし、それを分かっても貰えたけれど・・・・・
もどかしいかんじが、なんだか凄く新鮮でした!
こういう表現力はウマいなぁ~。

顔に生まれつきのあざを持つ女性の恋愛というと、うまくいくのかいかないのか?とその行方が気になって読んでいたのだけど、うまくいかなくても、アイコが恋をしたということが、アイコを大きく成長させた。
清清しいラブスト-リ-だったと思う。

太田母斑はある程度、治療で消すことが出来るあざだと思うけれど、アイコはその治療をまだ受けない。
そこにある考え方には、納得した。

なるほどな~。そういう風に考えるのか?と。

あざに限らず、身体的コンプレックスを抱えている人は、世の中に沢山いる。
そういう人たちの思いを少し考えてみようと思える話でした。


                                         ★★★★★




カレンダー
08 2018/09 10
S M T W T F S
2 4 5 7
10
16 18 19 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30
メ-タ-
kyokoさんの読書メーター
カテゴリー
フリーエリア
最新コメント
[09/20 kyoko]
[05/23 のぶ]
[09/15 kyoko]
[09/14 ひろ]
[03/06 kyoko]
最新トラックバック
プロフィール
HN:
kyoko
HP:
性別:
女性
自己紹介:
台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪

記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★なんとか最後まで読み終えた
★途中放棄^^;

バーコード
ブログ内検索
P R
カウンター
フリーエリア

Copyright (c)本を片手に・・・ All Rights Reserved.
Powered by NinjaBlog  image by Night on the Planet  Template by tsukika

忍者ブログ [PR]