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読んだ本の感想あれこれ。
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1cf1e61b.jpg発行年月:2010年12月


ファインダーを通して見ていたのは誰の秘密なのか?
東京でカメラマンのアシスタントとなり、
少女から大人になっていく黒江は、愛と葛藤と、
隠された秘密との闘いの世界へ向かう。


                    (中央公論社HPより)



上巻で、家出した黒江がカメラマンの浦賀仁の元でどう生きていくのか?
気にしながら読みました。
中学時代から文通のような交流を続けていた仁の人柄も気になって、またこの居候生活のなかで悲劇みたいなのが起こらなきゃいいけのなぁ~
なんて、ちょっといい加減な感じの仁の様子に危惧してしまった。
写真家だけど、アダルト雑誌が主な活動の場とか。ちょっと言動も最初は「?」だったので。。。

でも予想に反して本質の部分では、良識ある大人でホッとした。
亡くなった恋人との話は、結構切なかったなぁ~。


そして、黒江の過去の話は驚きの連続。

両親離婚の前の黒江と両親の暮らしの様子は、異様だったし、父親と黒江。
母親と黒江の関係も、わたしからしたら異常。
仁の恋人の死と、黒江の両親の離婚の原因のひとつが宗教というのも衝撃的だった。


結果的に高校中退して、家出したことが黒江にとっては、正しい選択だったということかな?

仁のアシスタントとして働きながら20歳に成長した黒江が、再び出会う、中学時代の弥生くん。
淡々とした会話のなかに、黒江のことを想う気持ちが溢れていてよかった。

黒江の過去は重苦しいことが多かったけど、現在の生活のなかでは、黒江のことを心配し力になってくれる人たちがいて、良かった。

写真家として、これから独立していくのかな?と希望が見えるラストも好き。


高校時代に写真を通じて仲良くなった、佐々木光太郎くんの近況が出てたときは嬉しかった♪
二人がまたいつか写真を通じて再会するなんてこともありそうだなぁ~
なんて勝手に想像したりして。


なかなか読み応えがあり、内容は少し重いものを含んでいるけど、物語としては面白かった!

 

★★★★

 

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45158ebe.jpg発行年月:2010年12月


中三の春、少女は切ない初恋と未来への夢と出会った。
それは愛と破壊の世界への入り口だった。

恋愛小説の枠を越えた恋愛小説の最高傑作。
デビュー10周年を飾る書き下ろし作品。

                        (中央公論社HPより)


主人公の藤枝黒江は、両親が離婚して母親と二人暮らし。
第一章は、黒江の中学3年生の話。
途中、東京から転校してきた男子・酒井弥生は、父親が亡くなり母親と二人暮らし。
なんとなく似た様な境遇で親近感を覚えつつ・・・・
他の親しかった友達とも卒業と同時にさよなら。

第二章では、高校に進学した黒江。
そこで何となく親しくなった百合。
付き合っているのは、バイト先の店長だったり、年上の男性の友達が多い。
やや気まぐれな性格もあって他の女子生徒たちから敬遠されている存在。
百合の広い交友関係が黒江にも繋がり、学校の友達よりも親密な関係を築いていく。


黒江自身は優しいこ心遣いも出来てよい子だと思う。
第一章の中学時代の友達との様子は学生らしい微笑ましいものもあったけど、第二章では
年上のやや素行の悪い男の子と付き合ったりで、なんとなく危なっかしい。


高校生活のなかで、唯一癒される会話は
写真部を一緒に作ろうと誘ってきた佐々木光太郎との会話。
話し口調も敬語で、彼と黒江の会話は、良かった。

中学時代から写真の魅力に惹かれ、写真家の浦賀仁と文通(?)のような交流を続けていた。

そして、上巻の最後の方で、いろいろなゴチャゴチャなことから逃げるように東京の浦賀を頼って家出してしまう黒江。
高校は中退。
いちおう、母親も納得のもとでの退学だったけど、なんだか惜しいな。
写真部の佐々木との会話をもっと読みたかったし。。。。

浦賀とは運よく遇えて、家に居候させてもらうというラッキ-な展開。

下巻で浦賀との関係がどうなるのか?

高校時代に付き合った男の子たちとは、このままなのか?

気になることだらけ。

早く続きの下巻を読むとしよう!

★★★
 
b097df52.jpg   発行年月:2010年5月


   〈あなた〉と〈私〉……名前すら必要としない二人の、密室のような恋
    
    山本文緒・行定勲・西加奈子・青山七恵さん絶賛の至上の恋愛小説。
    読売新聞、毎日新聞でも話題になった島本理生の新境地!



                              (河出書房新社HPより)


なにやら、淫靡なものを連想させるタイトルと表紙ですが・・・ある意味、純愛を描いているのかも。
主人公の「わたし」とその恋の相手である「あなた」。

わたしには、同居している直樹という恋人がいるけど、時々、暴力を受けたりしていて健全ではないかんじ。
「あなた」から恋を打ち明けられたときには、一緒に暮らしている人がいるからと断る。
けれど、二人の関係は、途絶えることなく続く。

この辺の関係の持続は、第三者的にみると理解し難いものなんだけど・・・・
わたしの抱えるもの(両親や同居する恋人との関わり方)を考えると、「あなた」の存在は必要なものだったのかも?
告白は受け入れられないけど、そばに常においておきたい存在?

一方の「あなた」も結婚したのに、「わたし」を今までと同じように「僕はあなたが好きです」と言ってる。

お互いさまの関係なのかなぁ?

この二人でないと成立しない関係でしょうね。

二人に共感は出来ないし、行動もよくわからないけれど、文章はなんだか美しくて読んでいて心地よかった。
不思議な魅力の作家さんだ。

好き嫌いが分かれそうな話でもあるだろうけど、好きか嫌いか?と問われたら
わたしは、好きです(^^)

★★★
 
e4fafc14.jpg発行年月:2009年3月


恋人・隆一を事故で亡くした志保。彼の母が営む店を手伝う彼女の前に現れたのは、その死の原因をつくった五十嵐だった。

ベストセラ-「ナタラ-ジュ」の著者が贈る、切なくも儚い恋愛小説。


                        
(幻冬舎HPより)


表題作「君の降る日」とほか「冬の動物園」 「野ばら」と3編が収められています。

表題作の「君の降る日」がちょっと長くて2つの連作から成っている。
事故で突然、恋人を亡くし、そこに現れた隆一の友達で事故のとき、運転手だった五十嵐。
事故は、五十嵐の過失からというわけでは、ないけど、隆一の母も志保も最初は、少し五十嵐を責める気持ちを持っている。
しかし、五十嵐の誠実な態度に惹かれ始める志保。
これは、愛なのか?
う~ん。こういう状況に自分が直面したら?なんて考えちゃいました。

まだ若いから、普通に付き合っていても、別れたかもしれない恋人。
だけど、突然この世から消えてしまったら、気持ちは好きなまま止まったままになって、苦しいだろうなぁ~。
切ない話でした。


二番目の「冬の動物園」は、ちょっと明るい未来が見えるお話で、微笑ましいかんじ。
失恋したばかりの女性が、かなり強引な年下の男の子に誘われ、付き合うという話。
このくらい強引に誘われたら・・・・年下でも心は揺らぐかな?


そして、三番目の「野ばら」はまたまた、切ないお話でした。
女性の気持ちが丁寧に描かれていて、好きなのに本音は言えず・・・・というビミョウな関係が続くのって、あるとき(恋人になれる可能性アリの時)までは、それで満足でも、あるとき(相手に恋人が出来たとき)から苦しいなぁ~。


本文中に出てくる谷川俊太郎さんの詩「あなたはそこに」の全部を、読みたくなり、探して読んで、島本さんがあとがきで書かれていた意味が少し理解できました。


3つのお話それぞれが胸に響いてくるものでした。

★★★★
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