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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2023年12月


湖をわたって異世界へ――雨、波紋、等高線、球体、大航海時代
博物学的指向をともにするふたりが響きあう、
なんとも摩訶不思議な書物が誕生!
スコープオブジェ×短篇小説
幸福なコラボレーション! 
水辺のほうへ――
〈おおよそ15分で対岸の桟橋につきます。そこへボートをつなぎ、道なりにお進みください。微高地のうえの建物が当社です〉
スコープオブジェ51点収録。
横長の函入り美麗本!
【スコープ scopeとは】
桑原弘明が手がける唯一無二の金属性の〈覗き箱〉的オブジェ。スコープをのぞけば、ほのかに人の気配が漂う部屋や廃墟や、庭が見えてくる。箱のなかにわずか数ミリの机や家具が設えられた、超微小の博物学的世界。

                (株式会社国書刊行会HPより)



スコープオブジェというものを初めて知りました。
小さな箱のなかに作られた作品。
その箱そのものも美しい。
覗いてみると、ある景色は、どれも幻想的で美しい。

作品に合わせた長野さんの短編は、より作品のイメージを膨らませてくれる。

同じ景色でも光の色で、また違った風にみえるのも不思議。


巻末にある作品リストにある素材を見ながら、作品をみるとまた楽しい。


素敵な芸術作品。
機会があれば、実際に覗いてみたい。



                      ★★★★
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発行年月:2022年12月


角田光代/高野秀行/髙橋秀実/津村記久子/東直子/町田康/三浦しをん 著
子どもの毎日は、山あり谷あり。第一志望の学校に落ちた!
 体育が好きになれない。大人になるって楽しい……? 
ストレス社会でがんばる子ほど肩の力がみるみる抜ける
人気作家7人の迷回答


                 (中央公論新社HPより)


最初の質問は・・・夏休みの宿題、ギリギリやる派はダメ・・・?

これの回答は角田光代さん。

宿題に対してあまり記憶がないとしながら、美術部の宿題を何を描こうか
迷い過ぎて結果、ぎりぎりでしょうもない絵を描いて出したら
先生に「きったねえ絵だな」と言われ絶望し、短時間で描いたことを
後悔したという。

へ~美術部に居たんだぁ~と。

そして、結局、角田さん本人としては「早めに終わらせて、見直す派」だそう。
でもそんな回答は周りをしらけさせるので
「もちろん、ギリギリ派だよ~」と会話のマナーとして答えると。


この話、一番最初だったからか、インパクトあって最後まで読んだけど
一番面白かった・・・^m^


最後の質問・・・「大人になるって楽しい?」

この回答は、津村紀久子さん。
若い時(10代~20代)に感じたことも、次の時代まで生きたとき、
以前感じたことが変わることもあり、大人になったからそれがわかるのは
面白いことだと。

なるほどね。



子どもお悩み相談会だけれど、大人が読んだ方が、面白いでしょう。




                      ★★★


発行年月:2013年12月


この路地を曲がれば、そこはもう、すこし不思議な世界の入り口----。

ひとつの架空の商店街を舞台に、七人の人気作家がお店を開店し、
短篇を紡ぐほっこりおいしいアンソロジー。
商店街のマスコット「招きうさぎ」がなつかしくあたたかな
物語へと誘います。≪文庫オリジナル≫

                  (ポプラ社/発行)



一軒目<カフェスルス  大島真寿美>
60歳過ぎたらカフェを開く計画をしていた元女優のりゅんちゃん。
その友人・ビなちゃん(企業の経理を長くしていた)と作家のむうちゃん。
店名の<スルス>はフランス語の泉。
色々な知り合いに開店までの準備を協力してもらう様子が、こちらまでワクワク。


二軒目<あすかりやさん   大山淳子>
店主の桐島透(27歳)は目が見えない。
客があずけたいものを客の希望する期間、1日100円で大切に預かる。


三軒目<伊藤米店   彩瀬まる>
店主の息子が臨時で米屋の店先に。
焼きおにぎりを販売しはじめ、人気に。



四軒目<チンドン屋   千早 茜>
チンドン屋の清治郎。
親しくしてきた春さんの葬儀で希望していたチンドン屋をすることを
最後にやめることに。


五軒目<三波呉服店 ---2005---- 村松栄子>
最近は、売れなくなった着物。
68歳の店主は、店を畳もうかなとも考えていたが、ある日、若い女性が
店先に。着物の話をあれこれしていると、昔、馴染みの客・菊路に縁があるという。
その菊路のために作ったが本人の手元に行く前に亡くなってしまった着物を
ローンで買いたいという。とうぶん、店は畳めなくなったと思う店主。


六軒目<キッチン田中   吉川トリコ>
10年間、フレンチの店で働いていた修が店のシェフとして戻ってきた。
幼馴染のひな菊は、実家の生花店を手伝いつつ、商店街のパトロールを日課に
している。修と付き合っていたピアノの先生・久美子が近いうちに見合いを
すると知りり・・・・


七軒目<砂糖屋綿貫   中島京子>
先輩が4年間住んでいた砂糖屋に下宿することになった大学生の耕太。
大家はやもめ暮らしの爺さんで、風呂も洗濯機もトイレも冷蔵庫も共同。
大学の1年後輩のキズナといいかんじに距離が縮まって、下宿先に
来たいと言われて来たが、爺さんと親しくなり、ヤキモキ。




どの話も良かった!
最後の砂糖屋の綿貫徳次郎が耕太のガールフレンド・キズナの祖父というのも
なんだかほんわか。
女好きの徳次郎さんが最近、通っているという「カフェ スルス」。
目当ては元女優のりゅんちゃん。

この話の続き、どこかに書いていないかなぁ~。

こんぺいとうの角は24個って、始めて知った!
24軒分の話、全部読んでみたい!


                       ★★★



発行年月:2020年12月


27人による短編アンソロジー。
自転車にまつわるエッセイ、小説、詩、漫画。
乗り始めた頃、思い出の風景、走るとは……
最も身近なのりものが、私たちの生活にもたらす喜び・愉しみを味わう。


                (河出書房新社HPより)




作家さん、漫画家さん、芸能人などいろんな分野で名の知られた人たちが
語る自転車話。



自転車に乗るまでの話を書いたものがいくつかあって面白かった。

夏目漱石とか萩原朔太郎は、自転車日記として、自転車の練習をする話が
書かれていて、なんだかおもしろかった。


角田さんの体験は、ちょっと気の毒。
それが原因で自転車に乗らなくなったんだとしたら本当に可愛そう。



最後も益田ミリさんの話は、ほのぼのしていて、情景が浮かぶし
自分もそんな場面に遭遇したら同じ行動して、同じ感情になるだろうなと
思った。


自転車・・・もう20年以上乗ってないなぁ~。
小学生の頃はほぼ毎日。
中学は、塾や少し離れた友人宅には自転車で。
高校は自転車通学だったのに。



面白いアンソロジーだった。



                       ★★★



発行年月:2020年11月


列車の旅を愛する人たち垂涎の豪華寝台列車「ななつ星」は、開業7年目を迎えるいまも、予約が取れない状況が続いています。ゆったりと流れる時間、車窓を眺めながらの豪華なディナーは、日本の旅を変えたとさえ言われます。その「ななつ星」に現代を代表する作家、井上荒野、恩田陸、川上弘美、桜木紫乃、三浦しをん、さらには旅を愛するふたりのクリエーター、糸井重里、小山薫堂が乗車、新しい旅から生まれた極上のストーリーをお届けします。

                    (文藝春秋HPより)


5つの短編と随筆と随想。
どれも素敵だった。

本の表紙、装丁からして素敵で、これは、クラフト・エヴィング商会によるもの
だろうと予測できた。


<さよなら、波留   井上荒野>
二人で行くはずだった特別列車の旅。
夫は3か月前に心筋梗塞でこの世をさる。
予定通り、旅に出た妻を見守っている夫の語りは、とてもやさしい。
妻の波留さんも恰好いい。
結婚生活は3年だったけれど、お互いを想う気持ちがとても素敵。



<ムーン・リヴァー>
小学生の頃、両親を事故で亡くし、母の妹・キミコ姉が育ててくれた。
兄弟と3人で行くはずだったのに、キミコ姉はその前に他界。
キミコ姉のかたみのハーモニカを連れて豪華列車の旅に。

いい兄弟だな。
キミコ姉のおかげだ。



<夢の旅路  三浦しをん>
夫と行くはずだった列車の旅を夫が行けなくなり、親友と。

こんな親友関係は理想だな。
わたしも友とこんな風に旅をしたい。


<帰るところがあるから、旅人になれる  糸井重里>
なるほどね、
人はいつでも旅立って、ぐるぐる廻って同じところに帰ってくる。

帰るとことがなければ、旅とは言わないもんね。



<旅する日本語   小山薫堂>
美しいイラストと共に語られる素敵なことば。


<アクティビテーは太極拳   川上弘美>
母親から誘われた3泊4日の豪華列車の旅。
けれど、コロナ禍で出発が中止に。
母から「リモートで決行しよう」と。

アクテビティーなお母さんだ。



<ほら、みて   桜木紫乃>
夫が定年退職祈念にと豪華列車の旅に誘ってきた。
妻は、卒婚を言い出そうとしていたのに・・・。
旅行の最中にそれを言い出す。

卒婚か~。いいね。理想的。
でも経済力がないと難しいな・・・。
この夫婦の場合は、可能かな?
この旅のあとの暮らしぶりが気になる。



豪華列車は、「ななつぼし」。
旅番組などで、ときどき見て、「いいなぁ~」とひそかに憧れている。



スラスラと読めて、楽しい1冊だった!


                       ★★★★
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪

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