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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2015年10月

「猫のつなをといて、自由にしてやること」――慶長七年、洛中にだされたおふれに、猫たちは大喜び。一方ねずみたちは猫たちに追われる身となり、物陰に隠れる日々に。猫を再びつなぐように訴える老鼠法師、それに反対する猫又和尚。それぞれの主張に僧師は如何に答えるか?通事をつとめた象の法師が伝える、ねずみと猫の諍いの顛末は――

人気作家と人気画家のコラボで、あの「おとぎ話」が新しい文学になった!
自由自在に描かれた新作小説と個性豊かなカラー挿画で贈る絵本シリーズ、2015年10月より刊行開始。

【シリーズ全6冊】
『付喪神』 町田康 × 絵・石黒亜矢子 
『象の草子』 堀江敏幸 × 絵・MARUU  
『木幡狐』 藤野可織 × 絵・水沢そら  
『うらしま』 日和聡子 × 絵・ヒグチユウコ
『鉢かづき』 青山七恵 × 絵・庄野ナホコ
『はまぐりの草紙』 橋本治 × 絵・樋上公実子

                  (講談社HPより)



シリーズ物のひとつだったんだ~。

これは猫が出てくるし、堀江氏の作品なので興味があって読んでみた。

お話も面白いけど、絵が素晴らしい!
絵だけ読んだあと、じっくり見て楽しんだ。


猫と鼠がそれぞれ自分たちの言い分を僧師に訴える。
その一部始終を見ている僧師に仕える象の法師。

繋がれていた猫を放せというおふれが出たことで猫は大喜び。
鼠は逆に窮地に追いやられることになる。


冒頭は、そもそもなんで猫が繋がれていたのか?という話。
象が原因だったとはね・・・笑


話のなかに出てくる果物・・・あんもらか=庵摩羅果=マンゴー
こんな時代にマンゴー?あったのか?


薄い本だけど、時間をかけてじっくり堪能。


                      ★★★★★
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発行年月:2012年5月

築四十年を超えた雑居ビルに探偵とも便利屋ともつかない事務所を構える枕木。
依頼内容が「うまく言えない」と口ごもる客人と、その心を解すように
言葉を継いでいく枕木の会話に、雷雨とともに戻ってきた郷子さんも加わって、
時はゆるやかに流れる。
別れた妻と息子の消息が知れない男の胸によぎる思いとは?

                (講談社HPより)


3人の会話だけで進行していく。

探偵・枕木と事務所の訪問者・熊埜御堂氏と事務所のスタッフ・郷子さん。

熊埜御堂氏は、13年前に離婚した妻と息子の消息が知りたくて事務所を
訪ねた。
が、妻子に関する話から、どんどん話は逸れていく。

買い物から帰った郷子さんが加わってからは特に・・・

でもその話が面白い。
次々、変わる話のなかの人物のことが気になってくる。

外は暴風雨になり、雨宿りのかんじで熊埜御堂氏もお喋りに乗って・・・

途中お腹が空いて、郷子さんが作るツナとバターを混ぜたパスタや、
再びお腹が空いて、しまってあった牛肉の佃煮を具にしたおにぎりもなんだか
美味しそう。

枕木氏と熊の御堂氏には、過去にいくつかの接点があったことも
話を広げていくことになる。

暴風雨のなか、ホームレスの老人・伊丹のことが気になり、知り合いの
個人タクシー運転手の枝盛に連絡して走りながら探して欲しい旨を伝えたり、
どんどん気になることが増えていく・・・笑

伊丹は無事に枝盛に保護されてよかった。

肝心の熊埜御堂氏の妻子の消息は、わかりそうになりけれど
枕木と親しい昔からの友人のような関係が出来た様子は、なんだか微笑ましい。

枕木の話のなかに以前読んだ「河岸忘日抄」の停泊している船を借りて
住んでいた男が友人として出てきたのも嬉しかった。
その男も探偵の友人が居るって言ってた記憶。


たわいもない会話の続く物語だけれど、楽しかった!

表紙のシミのようなものは、枕木氏のネスカフェ三種混合(コーヒー+粉末ミルク
+角砂糖(スプーン印の)の物だろうか?


                      ★★★★★


発行年月:2001年2月



芥川賞受賞
いくつもの物語に出会う旅は、フランス人なら誰でも知っているという寓話に辿り着いた。

ながくつきあっている連中と共有しているのは、社会的な地位や利害関係とは縁のない、ちょうど宮沢賢治のホモイが取り逃がした貝の火みたいな、それじたい触れることのできない距離を要請するかすかな炎みたいなもので、国籍や年齢や性別には収まらないそうした理解の火はふいに現われ、持続するときは持続し、消えるときは消える。不幸にして消えたあとも、しばらくはそのぬくもりが残る。――本文より

                    (講談社Hpより)



堀江氏の文章に惹かれ、過去のものをあれこれ読んでいる。

これは、芥川賞受賞作<熊の敷石」>を含む3編。


芥川賞って「?」っていうのが結構、あるけれど、これはわかりやすい!
そしてやはり堀江氏の文章は素晴らしいと思う。
特に景色の描写、なにげない会話から浮かぶ、そこにある空気感みたいなもの
も伝わってくる。

<熊の敷石>は、フランスの寓話のなかの言葉らしい。
ラ・フォンテーヌの寓話<熊と園芸愛好家」というお話のなかで
森に暮らす孤独な熊と一人暮らしの老人がばったり出会い、最初はお互い
緊張するが老人が家に招き、意気投合し、一緒に暮らすことになる。
熊は、老人がお昼寝している間、わすらわしいハエを追い払うのが日課。
ある日、老人の鼻先に止まったハエを追い払うのに難儀し、おもわず敷石を
ハエめがけて投げるがそれは老人の頭を直撃することになり即死させてしまう。

このことから、いらぬお節介のことを「熊の敷石」というのだとか。

面白い!
おじいさん気の毒だし、熊のこのあと、どうしたんだろ?
その後の熊が精神状態が気になる。

で、主人公はユダヤ人の友人・ヤンにとって、自分は熊かもしれないと考える。
ちょっと考えさせられる内容。


<砂売りが通る>は、主人公が亡き友人の年の離れた妹とその娘と浜辺にいる場面から
過去の友人と妹のことなどを思い出しながら目では妹の幼い娘を追っている。

砂売りが通るは、フランスで眠くなることをさすときに使うそうです。
ああ、勉強になるなぁ~。

これは、ちょっとほんわかしたかんじかな?


最後の<城址にて>は主人公が、友人宅を訪ね、電車で出向き
そこで友人の同棲している女性と対面し、家で過ごす間の出来事を書いている。
向かう電車での様子、駅に迎えにきれくれた友人に会った時の様子
思わず、クスッと笑ってしまう。
友人宅のそばに復元工事の途中になっている城があり、それを見たいという
主人公に友人が案内してくれる。
けれど、それを見るのは、ドーベルマンと共に厳しい目を光らせている
番人の目に見つからないことが条件。

ちょっとハラハラした。そして、可笑しい。


どの話も良かった!
表紙の写真、かわいいな~と思ったけど、本を読んだあとみると
ちょっと切ないかんじがする。


                          ★★★★


発行年月:2005年2月

ためらいつづけることの、何という贅沢──。ひとりの老人の世話で、異国のとある河岸に繋留された船に住むことになった「彼」は、古い家具とレコードが整然と並ぶリビングを珈琲の香りで満たしながら、本を読み、時折訪れる郵便配達夫と語らう。ゆるやかに流れる時間のなかで、日を忘れるために。動かぬ船内で言葉を紡ぎつつ、なおどこかへの移動を試みる傑作長編小説。

                   (新潮社HPより)


主人公の彼が、公園で倒れている老人を助ける。
その老人が所有している河岸に繋留されている船を借りて住むことにする彼。

船のなかといっても、その調度品はなかなかの充実ぶり。
居心地がとても良さそう。

そこで、レコードを聴き、本を読み、悠々と暮らす。


訪ねてくる、郵便夫を船内に入れて珈琲をふるまったり、
たまに訪ねてくる少女と会話をしたり、入院中の船の持ち主を見舞いに
行ったり、FAXでやり取りしている枕木氏がいたり
日常のなかに関わる人も何人か。


郵便夫から預かった、前に船に住んでいたという女の人宛ての手紙。
船の持ち主に、その件を聞くと思うような回答がなかったが、心辺りは
あるのか、「女の子もいたのか?」と。


船に時々訪ねてくる女の子が、船の持ち主と何か関係があるのか?
彼はあれこれ考えるが・・・・
結局、関係はなかったみたい。


彼の日々、考えることは、小説の内容からだったり、何か哲学めいた
ことだったり、何やら知識が豊富な人だなぁ~と彼のことを思う。
けれど、彼の具体的なことは最後までわからない。
名前も出てこないし、ここに来る前、何をしていて、どんな風に
生きてきたのかもわからない。
ずっと船の生活をしていけるわけでもないだろうけど、この先
どうするんだろ?なんて思ったりもした。


何も大きな出来事は起こらない、淡々とした日常。
でもすごく読んでいて楽しかった。

堀江さんの作品、どれもハズレがない!
とはいえ、まだまだ少ししか読んでいないので
これから読んでいこう!


                      ★★★★


発行年月:2009年6月

背表紙のむこうに、彼女がいる。

逆を言えば、そこにしかいない。
すぐ近くなのに遠く、
遠いのにひどく身近な友人のように。
書物のなかの「彼女」と書き手の生きた道すじを静謐な筆致で重ね綴る。
『クロワッサン』誌で好評を博した、上質な随筆集。

                (マガジンハウスHPより)




まず、表紙の写真と表題のセンスが抜群!!

堀江氏が物語のなかの女性たちについて語る。
ひとつひとつの話は、短いけれど、ただの本の紹介ではなく、そこに
持って行くまでの堀江氏の日常の話がまた素敵だった!


フランス文学に精通しているのは、知っていたけれど、日本の文学にも
詳しいんですね~。
凄いなぁ~。
名前すら聞いたことない作家さんが多くて・・・(^^ゞ


是非、今後読みたい!と思った本をいくつかここに記憶のために残しておこう。


<なんというロバだ、おまえは!>
ナタリア・ギンズブルグの『ある家族の会話』

ユダヤ系イタリア人で解剖学の教授である癇癪持ちの家長は、気に食わないことが
あると「なんというロバだ!」と叫ぶ。
ロバは無作法なこと、礼儀に悖る(もとる)ことをする人に対しての言葉。

ここで、あれ?主人公は彼女じゃないの?と思ったら・・・
そんな夫を心から愛しつべこべ言わず、ほがらかについていく妻が
実は主役だという。


日本文学では
<新芽の匂うような本能的なざわめき>
佐多稲子の『素足の娘』

昭和15年が物語の舞台。
母が16歳、父が19歳の時生まれた桃代は、まだ学生だった両親のもとでは
育てられないということで父親の叔父にあたる人の娘として籍をいれる。
実の母は23歳で肺病で亡くなる。

桃代が15歳の時、父親と祖母のいる家に養女という形で戻る。
実の父と娘なのに、お互いが抱く感情は複雑な様子。


まだまだ読んでみたい作品は沢山!つでにここに記しておこう

・フランソワ・サガンの『私自身のために優しい回想』
・フィリパ・ピアス 『サティの入り江の謎』・・・おばあちゃんは二人いる
・『花がたみ 安西冬衛の思い出』
・・・「てふてふが一匹韃靼海峡を渡って行った」の詩が有名な
安西冬衛の娘・美佐保の回想録



膨大な読書量でしょうが、短篇のなかのひとつの話とかもいくつかあって
読んだ本の記録をどうやって取っているのかな~なんて思ってしまった。


堀江氏の作品、読んでいないのが、まだまだあるので、これからのお楽しみ♪



                        ★★★★★


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★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
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