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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2020年7月


気ままな連中が”昨日”を改変。世界の存続と、恋の行方は!?
水没したクーラーのリモコンを求めて昨日へGO! タイムトラベラーの自覚に欠ける悪友が勝手に過去を改変して世界は消滅の危機を迎える。そして、ひそかに想いを寄せる彼女がひた隠しにする秘密……。
森見登美彦の初期代表作のひとつでアニメ版にもファンが多い『四畳半神話大系』。ヨーロッパ企画の代表であり、アニメ版『四畳半神話大系』『夜は短し歩けよ乙女』『ペンギン・ハイウェイ』の脚本を担当した上田誠の舞台作品『サマータイムマシン・ブルース』。互いに信頼をよせる盟友たちの代表作がひとつになった、熱いコラボレーションが実現!

                 (角川書店HPより)


この物語の時代背景は昭和っぽいな。

大学生たちの暮らす下宿「下鴨幽水荘」の住人プラスその仲間たちの話。


残暑厳しいなか、リモコンをコーラで水没させた彼ら。
そんなとき、タイムマシンで25年後から現れた青年・田村くん。


壊れる前のリモコンを前の日から持ってくればいい。


その発想から始まる、ドタバタ劇。




面白かった。
馬鹿だね~と思いながらも。
クスッと微笑ましく思いながら楽しんだ。



こんな大学生活は、大人になっても忘れないだろうな~。
彼らは、この先、ずっと親交が続くんだろうか?そうであってほしいな。



                     ★★★★


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発行年月:2018年11月

汝にかかわりなきことを語るなかれ――。そんな謎めいた警句から始まる一冊の本『熱帯』。
この本に惹かれ、探し求める作家の森見登美彦氏はある日、奇妙な催し「沈黙読書会」でこの本の秘密を知る女性と出会う。そこで彼女が口にしたセリフ「この本を最後まで読んだ人間はいないんです」、この言葉の真意とは?
秘密を解き明かすべく集結した「学団」メンバーに神出鬼没の古本屋台「暴夜書房」、鍵を握る飴色のカードボックスと「部屋の中の部屋」……。
幻の本をめぐる冒険はいつしか妄想の大海原を駆けめぐり、謎の源流へ!

我ながら呆れるような怪作である――森見登美彦

                       (文藝春秋HPより)





2003年に小説家になった森見氏。
大学4年の8月、佐山尚一が書いた小説<熱帯>を買うが、最後まで読む前に
紛失。
あれから16年経つが未だに<熱帯>を見つけられず・・・

そん森見氏が友だちの誘いで参加した沈黙読書会で<熱帯>を手にしている女性
白石さんと知り合う。

白石さんは同じビル内で働く池内氏から、<熱帯>について語り合う
<学団>という名のメンバーの読書会に誘われる。

メンバー内には古書蒐集家やら言語学専攻の学生など。
そしてその中にいるマダムこと海野千代は、<熱帯>の著者・佐山氏と親しかった
という。

話は30年前の千代さんが佐山氏に出会った経緯へ。
そして再び現在へ戻る。
失踪した千代さんを探して池内氏は、<熱帯>が生まれた京都へ謎解きの為に
向かう。

池内氏もその後消息不明となり白石さんも京都へ向かう。


池内氏が<熱帯>を手に入れたのも京都。
白石さんが偶然、池内氏が<熱帯>を手に入れた暴夜書房(アラビヤ書房)を
見つける。

池内氏がアヤビヤ書房で画廊勤務の牧さんと知り合う。千代さんとも親しい関係。
その祖父・牧信夫は画家で美術館に絵が展示されている。
絵を見つめる池内氏、ふと白石さんの声を聞く。

千代さんを探す池内氏の元に千代さんの昔からの知り合いだという今西氏が
連絡をくれる。
彼女を探す手がかりが見つかるかと今西氏と会う。

そして今西氏の話。


謎は、牧信夫氏のアトリエ裏にある平屋の建物(図書館)の中に・・・・・



語り手が次々変わるので、「あれ?これ喋ってるの〇〇でいいよね?」と
混乱する。
時代も過去の話と現在が混ざり合うかんじだし、
本当に読者を混乱させる物語・・・^^;

でもそれも段々楽しくなってくる。
よくわからないなぁ~と思いつつ、面白いなぁ~とも。

不思議な物語を書く作家さんだけど、今回のが一番、不思議だった。



もう少ししたら再読しようかな?


                           ★★★



 



発行年月:2016年10月


 僕らは誰も彼女のことを忘れられなかった。
 私たち六人は、京都で学生時代を過ごした仲間だった。十年前、鞍馬の火祭りを訪れた私たちの前から、長谷川さんは突然姿を消した。十年ぶりに鞍馬に集まったのは、おそらく皆、もう一度彼女に会いたかったからだ。夜が更けるなか、それぞれが旅先で出会った不思議な体験を語り出す。私たちは全員、岸田道生という画家が描いた「夜行」という絵と出会っていた。
 旅の夜の怪談に、青春小説、ファンタジーの要素を織り込んだ最高傑作!
「夜はどこにでも通じているの。世界はつねに夜なのよ」

                  (
小学館HPより)




10年ぶりに集まった5人。
大橋、中井、武田、藤村、田辺。

10年前はそこに長谷川さんも加わった6人で鞍馬の火祭を見に行った。
その日から長谷川さんは姿を消している。
5人は再び、長谷川さんに会うために鞍馬に。


集まった5人がそれぞれ、自分が体験した不思議な話を話す。
皆、それぞれ共通するのが銅版画家の岸田道生の「夜行」と題された謎めいた
連作の絵に出会っていたこと。

第一夜 尾道
第二夜 奥飛騨
第三夜 津軽
第四夜 天竜狭
第五夜 鞍馬


夜読むと、雰囲気味わえていいかも。
ちょっと怖いけれど、眠れなくなるほどではなくて良かった^^;


最終夜の鞍馬の話で、今までの不思議話が、ああ、そういうことね。
うんうん、なるほどね。
と思えて、やはり巧いなぁ~と思った。


夜はどこにでも通じている・・・・・この一言が残る。

世の中、不思議なことあっても、「そんなこともあるかもね」
と静かに受け入れればいいか?と
思える。


                         ★★★★



発行年月:2013年5月


「何もしない、動かない」ことをモットーとする社会人2年目の小和田君。ある朝目覚めると小学校の校庭に縛られていて、隣には狸の仮面をかぶった「ぽんぽこ仮面」なる怪人がいる。しかも、そのぽんぽこ仮面から「跡を継げ」と言われるのだが……ここから小和田君の果てしなく長く、奇想天外な一日がはじまる。朝日新聞夕刊連載を全面改稿、森見登美彦作家生活10年目にして、3年ぶりの長篇小説。

                     (朝日新聞出版HPより)

 


またまた京都が舞台のお話。
今回は、「ぽんぽこ仮面」を巡るお話。
怪人・ぽんぽこ仮面ってなに?と思ったら、単に狸のお面を被った人で
怪人と名がついているけれど、ちょっとした人助けはするし、
逆に追い詰められて困惑していたりとナンだかかわいい存在。

そんな怪人・ぽんぽこ仮面を追いながら・・・・なんて思ったら
すぐに対面しちゃうのが、この物語の主人公・小和田君。
そして、「後を継がないか?」と言われる。

小和田君は自分で怠け者と言うだけのことはあり、本当に動かない。
なのに、要所要所でナイスな行動。
逆に動き回っているのに、何ら成果を得られない、探偵事務所の週末探偵・玉川さん。
けれど、玉川さんも良い味出してる。

登場人物たちがみんな憎めない人たちというのが、森見作品の特徴かな?

京都の宵山祭りの夜のお話というのも、独特な雰囲気。

楽しく読ませていただきました。

挿絵のフジモトマサルさんの絵もほのぼの。
そんあ挿絵を1冊にまとめた本も同時発売されているそうなので
手に取ってみてみたいな~。

                          ★★★★
3040e5cc.jpg   発行年月:2011年1月


   四次元的に広がり続けるこの王国の存在を、ゆめゆめ疑うことなかれ!

世界は四畳半の内部にこそ存在しているのだ----ある男は数式による恋人の存在証明に挑み、ある男は桃色映像のモザイクを自由自在に操る。彼らを見守るは、神出鬼没の水玉ブリーフ男。純粋なる四畳半主義者たちによる、めくるめく7つの宇宙規模的妄想が、京の都を震わせる! 阿呆らしくも恐るべき物語。

                              (新潮社HPより)


森見さんらしい、京都が舞台の可笑しな物語。

四畳半に住み、阿呆神を崇拝する男たち。
四畳半を出た場所では、勉学に勤しんだり、研究では有能ぶりを発揮している様子の彼らだけど、何処か可笑しい。

天才とバカは紙一重ということを表した話ということか?


凡人のわたしには、どれもこれも理解不可能。
けれど・・・・憎めない愛嬌のようなものが彼らにはあり、その暮らしぶりは変だけど他人として眺めているぶんには面白い。
実際には自分から近づこうとは思わない人達ですが・・・・^^;

別々のアパ-トと学生ハイツに、住む若者たちの阿呆な生活ぶりが描かれ、最後には、そこに繋がりがあったとされたのは面白かった。

男子が多く登場する物語だけど、三浦さんと初音さん。
この二人の女子もそれぞれにまた変わっていて面白い。

三浦さんと鈴木くんの会話には噛み合わないおかしさがあるけど、結構、お似合いじゃないかと思ったり・・・。

数学的な証明から恋人と認とめた初音さんと出会う数学氏(結局名前はなんだった??)とそれを見守る面々の様子も笑えた。

結局、どんな話?かと聞かれると「?」な内容だけど
こういう話、結構すきなので、個人的には◎。
過去の森見作品に通じるものが沢山で、過去作品のファンなら間違いなく楽しめる。
(逆に過去作品で馴染めなかった人にはお薦めできない・・・かも)

こういう話は、ほかの作家さんには書けないだろうな~。


★★★

 
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