発行年月:2026年4月
昭和54年大阪、猟銃を持って銀行に侵入し、四人を殺害して
立て籠もった花川清史は香川からヘリで駆け付けた母の説得を拒絶し、
射殺された。事件解決後、新聞記者は犯人の生涯を掘り起こし、
母は問い直し、愛人は振り返る。
『ホテルローヤル』『家族じまい』などで親子、
愛憎を描いてきた著者がその究極に迫る長篇小説。
(新潮社HPより)
実際に起きた事件を基にしたフィクション。
読み応え、あった。
犯人は花川清史(30歳)。
銀行に猟銃を持って立てこもり、支店長と行員を射殺し、
駆けつけた警官2名も射殺。
香川から犯人の母親・カヨがヘリで駆け付けるが、説得に応じず
その場で射殺される。
人質の男子行員7名、女性行員18名は救出される。
事件後、新聞記者の海原将志(30歳)は、先輩記者の近藤勝也と共に
犯人の母親・花川カヨ、元恋人・時任亜紀に取材し犯人像に迫る。
犯人が射殺されるまえに言葉
「オレは異常やない。道徳と善悪をわきまえんだけや」の言葉が
腹立たしい。
母親・カヨの生い立ちを読んでいると、なんとも言えない。
苦労の連続で幸せな時期が本当に少ない。
本人は、そう思っていないのかもしれないけれど・・・
15歳で殺人を犯した息子なのに、溺愛し過ぎ。
我が子を可愛いと思うのは仕方ないとして、甘やかし過ぎだし
言いなりになりすぎ。
愚かとしかいいようがないけれど、こんな母親の子供が皆、凶悪な事件を
起こすかと言えば、そうとも言えないけれど・・・・
父親の繁もしょうもない男。
こちらには嫌悪感しかなかった。
父親の自覚がなく、何か起きても逃げるだけ。
元恋人の亜紀は、男運が無さすぎる。
優しくて容姿も良いのに、なんで、こんな男のそばにずっと居たんだろ?
途中、逃げ出すけれど、遅すぎ!
読みながら、本当に、どうしようもない人たちばかりでイライラ。
最後に殺された人たちには、なんら落ち度がないのに・・・
結局、なんでこんなことをしたのかは、わからないままだけど
それもリアルでいいかも。
本当のことなんて本人しか、結局、わからないんだから。
でも、なぜ、今、この物語を書いたのかなぁ~?
先輩の新聞記者・近藤が、なんだか、すごく魅力的だった。
奥さんと離婚しちゃったけど、家庭では奥さんの気持ちに沿えなかったのか?
亜紀に対しては男前だったけど・・・。
北海道に妻を残して赴任してきた海原の方は、夫婦の関係が少し修復
したということか?
スラスラと読み終えることは出来たけれど、
物語としては、ちょっとイマイチかな?
★★★
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発行年月:2026年1月
第4回警察小説新人賞受賞作
【第4回警察小説新人賞受賞作】
「書きぶりは堂に入っており、プロとしてやっていける風格をたたえていた」
東山彰良氏(選考委員)
「文章力が高く、スピード感もあり掴みは抜群」
柚月裕子氏(選考委員)
熊本県警本部警務部監察課の阿玉清治は非違事案の調査を命じられる。
爆発事件に巻き込まれて意識不明となっている刑事の澤守が、
暴行騒ぎを起こしていた疑いがあるというのだ。
警察の威信に傷がつかない無難な着地を求められた。
時を同じくして、熊本地震をきっかけに失声症を患っている小学生の息子が、
動物殺しの疑いをかけられる。
阿玉は妻や息子との関係に心を砕きながら、非違事案の調査を進めるが――。
感涙の家族小説×超弩級の警察ミステリ
(小学館HPより)
警察小説新人賞は、初めて知った。
あまり期待しないで読んだけれど、良かった!
登場人物たちのキャラクターが個性的で、名前がすぐに覚えられた。
熊本県警本部監察課
警部補・阿玉清治は、首席監察官の刈谷塚優子から新人の船場新太巡査部長と
組んである爆発事故現場で怪我をし、重体になっている捜査一課刑事の澤守竜人の
非違事案を調査するよう命じられる。
その調査をしながら、阿玉と船場、それぞれが家族に抱えるものも
並行して語られるので、気になることが、あれこれ。
阿玉の方は、妻が以前、育児ノイローゼが原因で万引きをしてしまったこと。
熊本地震で家が壊れた際、家族はなんとか助かったが愛犬が亡くなり、
それを目撃した息子の喜徳が失声症になってしまい、妻からは離婚を
切り出されている。
船場は、大企業で会計の仕事をしていたが、1年ほどで会社を辞め警察官になった。
その理由は、兄が痴漢の冤罪から自殺未遂の末、植物状態で入院しているという。
兄がどれだけ無実を訴え続けても被害者という高校生の言い分だけが
真実とされたことから、
警察の在り方を自らが変えたいという強い思いから。
爆弾騒ぎが続くなか、阿玉にはもう一つの気がかり。
それは息子が動物を殺しているのではないかという疑惑。
最後は、びっくり!
動物を殺し続けていた人は、まさかの小学校の担任教師(女性)。
爆弾事件の犯人がその弟(腹違い?)。
終盤、バタバタと真実が明かされ、阿玉の息子の容疑も晴れ
崩壊しかかっていた家族も、息子の言葉で取り敢えず、そのまま家族と
して生活することになるかんじでホッとした。
しかし、警察って闇がありそうでモヤモヤ。
正義感の塊のような船場が、この先、警察組織のなかで、心を壊さず
やっていくことを祈りたい。
次に作品が出たら、また読んでみたい作家さんかも。
★★★
爆発事件に巻き込まれて意識不明となっている刑事の澤守が、
暴行騒ぎを起こしていた疑いがあるというのだ。
警察の威信に傷がつかない無難な着地を求められた。
時を同じくして、熊本地震をきっかけに失声症を患っている小学生の息子が、
動物殺しの疑いをかけられる。
阿玉は妻や息子との関係に心を砕きながら、非違事案の調査を進めるが――。
感涙の家族小説×超弩級の警察ミステリ
(小学館HPより)
警察小説新人賞は、初めて知った。
あまり期待しないで読んだけれど、良かった!
登場人物たちのキャラクターが個性的で、名前がすぐに覚えられた。
熊本県警本部監察課
警部補・阿玉清治は、首席監察官の刈谷塚優子から新人の船場新太巡査部長と
組んである爆発事故現場で怪我をし、重体になっている捜査一課刑事の澤守竜人の
非違事案を調査するよう命じられる。
その調査をしながら、阿玉と船場、それぞれが家族に抱えるものも
並行して語られるので、気になることが、あれこれ。
阿玉の方は、妻が以前、育児ノイローゼが原因で万引きをしてしまったこと。
熊本地震で家が壊れた際、家族はなんとか助かったが愛犬が亡くなり、
それを目撃した息子の喜徳が失声症になってしまい、妻からは離婚を
切り出されている。
船場は、大企業で会計の仕事をしていたが、1年ほどで会社を辞め警察官になった。
その理由は、兄が痴漢の冤罪から自殺未遂の末、植物状態で入院しているという。
兄がどれだけ無実を訴え続けても被害者という高校生の言い分だけが
真実とされたことから、
警察の在り方を自らが変えたいという強い思いから。
爆弾騒ぎが続くなか、阿玉にはもう一つの気がかり。
それは息子が動物を殺しているのではないかという疑惑。
最後は、びっくり!
動物を殺し続けていた人は、まさかの小学校の担任教師(女性)。
爆弾事件の犯人がその弟(腹違い?)。
終盤、バタバタと真実が明かされ、阿玉の息子の容疑も晴れ
崩壊しかかっていた家族も、息子の言葉で取り敢えず、そのまま家族と
して生活することになるかんじでホッとした。
しかし、警察って闇がありそうでモヤモヤ。
正義感の塊のような船場が、この先、警察組織のなかで、心を壊さず
やっていくことを祈りたい。
次に作品が出たら、また読んでみたい作家さんかも。
★★★
発行年月:2023年7月
失ったものと手に入らなかったものについて、お話しします。
クラスメイトの稚拙な行動の理由。
パリに降り立った彼女の秘めた思い。
忘れ得ぬ在りし日の祖母の姿。
他人のものばかり欲しがるあの子。
いるはずのない住人の気配。
甘やかに秘密を分かち合う二人の女。
宿命的な死に蝕まれた村。
妻と別れた男に訪れた非日常。
言い訳はいらない。もう、とりつくろえない。
隠された真実に気づかせてくれる珠玉の作品集。
(光文社HPより)
ちょっと毒を孕んだ短編集で、後味はよくないけれど物語として楽しめた。
<降霊会>
学園祭で幼馴染が企画したペットの霊を呼び寄せるという出し物「降霊会」。
ぼくの妹が死んだのはぼくのせいだという。
自分の喘息の薬が危険なものじゃないかと両親に訴えたけれど
聞き入れて貰えず、強制的に飲ませれ続ける日々。
半分の量を妹に「足が速くなる薬」だと言って飲ませた。
妹は自死。
そのきっかけは幼馴染が本当のことを妹に告げたせい?
最初のこの話を読んで・・・ああ、こういう類の短編集?と予測。
大抵の話は後味が悪かった(^^ゞ
でも、それでも楽しめたのは、文章が上手いからかな?
表題作<ホテル・カイザリン>は、
ホテル・カイザリンに放火の罪で取り調べを受けている鶴子のはなし。
夫が出張する第二週の火曜日は、ホテル・カイザリンに一人で宿泊することが
楽しみ。
そして、知り合った愁子。
夫が亡くなり、残った遺産で悠々自適に生活している彼女と
度々、ホテルで一緒に過ごすようになる。
が・・・夫の経営するレストランでO157に感染されたハンバーグを
食べた100人以上が食中毒になりうち重症の人も。
夫は事態が落ち着くまで海外に逃げようと提案する。
ホテルに放火したのは、鶴子の身勝手。
でも、怖かったのは愁子自身も夫を殺害していたということ。
後味が悪い話のなかで唯一、よかったのは<迷宮の松露>
日本から離れた遠くに行きたいと強引に留学をきめた、わたし(27歳)。
選んだ国はモロッコ。
カフェで食べたデーツの中に何かが詰まったお菓子を食べて
祖母との思い出のお菓子「松露」を思い出す。
松露・・・頭になんとなく浮かぶ。
あまり食べたことはないけれど、スーパーでもたぶん、売っている
餡子玉みたいな周りに白い砂糖が付いている和菓子。
そんな松露の名前の由来が興味深かった。
クロマツ林に発生する松露は、マッシュルームみたいな丸い形のキノコ
らしい。
へ~キノコだったのかぁ~。
トリュフのことを西洋ショウロと呼ぶらしい。
いろいろなウンチクが面白いお話だった。
★★★
(光文社HPより)
ちょっと毒を孕んだ短編集で、後味はよくないけれど物語として楽しめた。
<降霊会>
学園祭で幼馴染が企画したペットの霊を呼び寄せるという出し物「降霊会」。
ぼくの妹が死んだのはぼくのせいだという。
自分の喘息の薬が危険なものじゃないかと両親に訴えたけれど
聞き入れて貰えず、強制的に飲ませれ続ける日々。
半分の量を妹に「足が速くなる薬」だと言って飲ませた。
妹は自死。
そのきっかけは幼馴染が本当のことを妹に告げたせい?
最初のこの話を読んで・・・ああ、こういう類の短編集?と予測。
大抵の話は後味が悪かった(^^ゞ
でも、それでも楽しめたのは、文章が上手いからかな?
表題作<ホテル・カイザリン>は、
ホテル・カイザリンに放火の罪で取り調べを受けている鶴子のはなし。
夫が出張する第二週の火曜日は、ホテル・カイザリンに一人で宿泊することが
楽しみ。
そして、知り合った愁子。
夫が亡くなり、残った遺産で悠々自適に生活している彼女と
度々、ホテルで一緒に過ごすようになる。
が・・・夫の経営するレストランでO157に感染されたハンバーグを
食べた100人以上が食中毒になりうち重症の人も。
夫は事態が落ち着くまで海外に逃げようと提案する。
ホテルに放火したのは、鶴子の身勝手。
でも、怖かったのは愁子自身も夫を殺害していたということ。
後味が悪い話のなかで唯一、よかったのは<迷宮の松露>
日本から離れた遠くに行きたいと強引に留学をきめた、わたし(27歳)。
選んだ国はモロッコ。
カフェで食べたデーツの中に何かが詰まったお菓子を食べて
祖母との思い出のお菓子「松露」を思い出す。
松露・・・頭になんとなく浮かぶ。
あまり食べたことはないけれど、スーパーでもたぶん、売っている
餡子玉みたいな周りに白い砂糖が付いている和菓子。
そんな松露の名前の由来が興味深かった。
クロマツ林に発生する松露は、マッシュルームみたいな丸い形のキノコ
らしい。
へ~キノコだったのかぁ~。
トリュフのことを西洋ショウロと呼ぶらしい。
いろいろなウンチクが面白いお話だった。
★★★
発行年月:2025年2月
「昭和100年」記念出版!
昭和の暮しの温もりを綴る
時代の変遷とともに人々の生活習慣や価値観も移り変わり、昭和の風物詩が消え去りつつある今、「昭和」といえば、戦争や不況、思想弾圧など昭和史の暗い面に焦点をあてて語られがちである。だが、そんな時代にも市井の人々の暮しには穏やかな時間が流れていた。本書では、「失われた昭和」の温もりを、映画や文学、流行歌や絵画などに「描かれた昭和」から多面的に浮かび上がらせる、著者ならではのエッセイ集。
紙芝居、熱海への新婚旅行、アルマイトの弁当箱、夕暮れ時に傘を持って駅にお迎えに集まる人々の姿など、昭和の失われた風景がある一方で、「外食」や「アルバイト」はいつから始まったのか? 「ハイボール」の起源は? 「名曲喫茶ブーム」の背景は? ラジオの普及を促したのはスポーツ中継だった……など、令和にも息づく流行や事柄も多く、意外な発見がある。また、昭和30~40年代の高度経済成長期には、女性のバス車掌が最も多く、美容師は「キャリアウーマン」の先駆けだったことなど、戦後自立して生活していく女性の姿とその背景を細やかに追う著者のまなざしもあたたかい。人々の生が輝いていた、懐かしい昭和が詰まった一冊。
(白水社HPより)
エッセイというから、著者の幼いころから昭和の時代のことを書いているのかと
思ったけれど・・・ちょっと違ったなぁ~。
昭和と言っても東京オリンピックまでの頃までが主だった。
そして文学や映画のなかの話を引用しての解説が多かった。
まあ、懐かしいものも色々あったけれど・・・
例えば、バスの車掌さんやデパートの屋上の遊園地、アドバルーン、
紙芝居、小学校の各教室にあったオルガンなどなど。
小津安二郎の映画がよく出て来て、ちょっと見てみたくなった
「秋刀魚の味」は以前、NHKのBSで放送されたのを見たことがあって
面白かった。
「東京物語」の話がちょくちょく出て来たので、それを見てみようかな。
★★★
(白水社HPより)
エッセイというから、著者の幼いころから昭和の時代のことを書いているのかと
思ったけれど・・・ちょっと違ったなぁ~。
昭和と言っても東京オリンピックまでの頃までが主だった。
そして文学や映画のなかの話を引用しての解説が多かった。
まあ、懐かしいものも色々あったけれど・・・
例えば、バスの車掌さんやデパートの屋上の遊園地、アドバルーン、
紙芝居、小学校の各教室にあったオルガンなどなど。
小津安二郎の映画がよく出て来て、ちょっと見てみたくなった
「秋刀魚の味」は以前、NHKのBSで放送されたのを見たことがあって
面白かった。
「東京物語」の話がちょくちょく出て来たので、それを見てみようかな。
★★★
発行年月:2018年11月
ブッカー賞候補作。台湾文学をリードする著者の代表作
失踪した父と同時に消えた自転車の行方を追う「ぼく」。
台湾から戦時下の東南アジアへ、時空を超えて展開する壮大なスケールの物語。
(文藝春秋HPより)
「歩道橋の魔術師」が面白かったので、こちらも読んでみた。
こちらも主人公は子ども時代、中華商場で暮らしていた。
父親は仕立て屋。
姉が5人居て、兄がひとり。
家族の主人公が生まれる前の話が可笑しかった。
自転車を置き忘れて盗まれたかと思ったら、帰ってきたり・・・
表題は「自転車泥棒」とあるけれど、失くす側の過失だから仕方ないんじゃない?
と思うところもあったり・・・
そして、主人公は20年前に失踪した父親と父親の乗っていた自転車と同じ
車体番号の自転車を見つける。
その自転車は、色々な人の手に渡って、そこにあった。
その自転車を手にした人たちの話が長いけれど、興味深くもあり。
小説家になった主人公の元に、あるメールが届く。
メールを送った主はサビナという女性で、主人公の父親が乗っていた自転車と
たぶん、同じ自転車をある人から預かったのだという。
そのある人・ムー隊長は亡くなってしまったが、当時、ムー隊長と親しかった
静子という人と会えることになる主人公。
静子とムー隊長の思い出話もなかなか興味深いものだった。
動物園の象とムー隊長の戦争体験。
ムー隊長は、ある男と出会い、初対面だったにも関わらず、自分たちの戦争体験などを
話しながら過ごし、ムー隊長がトイレに行き、戻ったときに
自転車とメモがあり、「わたしが帰って来なかったら、この自転車を
家に返してください」とあったと。
しかし、住所は書かれてなく、戻せず、預かったままになっていたらしい。
サビナは、ムー隊長からその自転車を預かる役目を譲られたと。
結局、ムー隊長に自転車を預けたのは、主人公の父親で間違いないだろうと
自転車は戻ってきた。
でも、父親はどうしたんだろ?
自転車を託して何処にいったのか?
ムー隊長自身も自転車を託して山に行き誰にも看取られず亡くなっている。
最初に自転車を見かけ、最初に持ち主か?と思って話をした喫茶店のアッバスの
父親・バアスの戦争体験の話もなかなか興味深いものだった。
日本軍が自転車を軍事的に使っていたという話。
その父親も戦後、タクシー運転手になったが、ある日、その車のなかで自死して
いたりと何だか辛い。
戦争は、心に傷を残し、それは容易に癒えることはないんだなと。
話が広がって行って、なかなか整理できない。
何処までは本当のことなのかも分かり難い。
苦労しながら、やっと読み終えた。
でも不思議な魅力のある物語を書く作家さんだな・・・
訳も素晴らしいんだろうと思い、巻末の訳者のことばを読んで
凄い苦労して訳されたんだなと感嘆した。
でも、残念ながら、この書を訳したあとで亡くなってしまっていたと知る。
1971年生まれで著者と同じ年。
まだまだ亡くなるには若すぎるのに・・・・(/_;)
★★★★
台湾から戦時下の東南アジアへ、時空を超えて展開する壮大なスケールの物語。
(文藝春秋HPより)
「歩道橋の魔術師」が面白かったので、こちらも読んでみた。
こちらも主人公は子ども時代、中華商場で暮らしていた。
父親は仕立て屋。
姉が5人居て、兄がひとり。
家族の主人公が生まれる前の話が可笑しかった。
自転車を置き忘れて盗まれたかと思ったら、帰ってきたり・・・
表題は「自転車泥棒」とあるけれど、失くす側の過失だから仕方ないんじゃない?
と思うところもあったり・・・
そして、主人公は20年前に失踪した父親と父親の乗っていた自転車と同じ
車体番号の自転車を見つける。
その自転車は、色々な人の手に渡って、そこにあった。
その自転車を手にした人たちの話が長いけれど、興味深くもあり。
小説家になった主人公の元に、あるメールが届く。
メールを送った主はサビナという女性で、主人公の父親が乗っていた自転車と
たぶん、同じ自転車をある人から預かったのだという。
そのある人・ムー隊長は亡くなってしまったが、当時、ムー隊長と親しかった
静子という人と会えることになる主人公。
静子とムー隊長の思い出話もなかなか興味深いものだった。
動物園の象とムー隊長の戦争体験。
ムー隊長は、ある男と出会い、初対面だったにも関わらず、自分たちの戦争体験などを
話しながら過ごし、ムー隊長がトイレに行き、戻ったときに
自転車とメモがあり、「わたしが帰って来なかったら、この自転車を
家に返してください」とあったと。
しかし、住所は書かれてなく、戻せず、預かったままになっていたらしい。
サビナは、ムー隊長からその自転車を預かる役目を譲られたと。
結局、ムー隊長に自転車を預けたのは、主人公の父親で間違いないだろうと
自転車は戻ってきた。
でも、父親はどうしたんだろ?
自転車を託して何処にいったのか?
ムー隊長自身も自転車を託して山に行き誰にも看取られず亡くなっている。
最初に自転車を見かけ、最初に持ち主か?と思って話をした喫茶店のアッバスの
父親・バアスの戦争体験の話もなかなか興味深いものだった。
日本軍が自転車を軍事的に使っていたという話。
その父親も戦後、タクシー運転手になったが、ある日、その車のなかで自死して
いたりと何だか辛い。
戦争は、心に傷を残し、それは容易に癒えることはないんだなと。
話が広がって行って、なかなか整理できない。
何処までは本当のことなのかも分かり難い。
苦労しながら、やっと読み終えた。
でも不思議な魅力のある物語を書く作家さんだな・・・
訳も素晴らしいんだろうと思い、巻末の訳者のことばを読んで
凄い苦労して訳されたんだなと感嘆した。
でも、残念ながら、この書を訳したあとで亡くなってしまっていたと知る。
1971年生まれで著者と同じ年。
まだまだ亡くなるには若すぎるのに・・・・(/_;)
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HN:
kyoko
HP:
性別:
女性
自己紹介:
台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
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