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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2025年3月


2019目の刊行以来、単行本で愛され続け、
異例のロングセラーとなっている
『月とコーヒー』。
人気作家が腕によりをかけて紡いだ
とっておきの小さな物語たち。
待望の第2集ができあがりました。
◎火星が最も地球に近づいた夜の小さな奇跡
◎〈まっくら都市〉で〈こころ〉を探すモグラの冒険
◎駄目なロボットによる素晴らしいオーケストラ
◎〈トカゲ式ゴム印〉と世界の果ての地球儀屋
◎夜を青く塗り替える、〈貴婦人〉という名の石炭
◎空を飛べなかった男と、ほろ苦いビター・チョコレート
◎〈白紙屋〉の白い手袋と三人の年老いた泥棒
今夜は少し遠いところへ
出かけてみませんか。
世界の片隅に生きる
ささやかで優しい
誰かと誰かのお話を
あなたにお届けします。


                  (徳間書店HPより)



ひとつひとつは、とても短いのだけど
そこに、ある雰囲気がすごくいい。すきだなぁ~。
情景とかが、ふと頭に浮かんでくる文章。

ひとつひとつの話は別々のものだけど、ふと「あれ?この人前に出てきた?」と
気づくのもあって、ちょっと嬉しくなる。


一番印象に残ったのが<1125>
11月25日の誕生日は家族で映画を見る日にした父。
母は早くに亡くなり、父と弟2人と妹とわたしの5人で映画をみる。
けれど17年前は、恋人との約束を優先し父には嘘をついてその
映画を見る会を欠席した、わたし。
そのことを詫びて父がその日、皆でみようとしていた「カマンザの朝食」の
動画データーを贈る。


カマンザの朝食・・・検索しちゃったよ(笑)
その日、映画を見る会に居たのは父のみだった。
そして、それぞれの場所で5人が「カマンザの朝食」を同時刻にみることを
約束するというのも素敵。
いい家族だな・・・・とほのぼの(^^)


いつもながら本の装丁も素敵でした♪



                   ★★★★★
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発行年月:2024年11月


小学生のとき、担任の先生と町の外からやって来た男が駆け落ちしたのを忘れられない主婦。東京 でバツイチ子持ちの恋人との関係に寂しさを覚える看護師。認知症の義母に夫とのセックスレスの悩みを打ち明ける管理栄養士。父と離婚した母が迎えに来て、まもなく転校することに なる小六の女の子。発達障害のある娘を一人で育てるシングルマザー。
遠き山に日は落ちて――
小さな町で、それぞれの人生を自分らしく懸命に生きる女性たちを描いた感動作。

                     (光文社HPより)



短篇連作の形で進む。
30代半ばになった同じ小学校出身の人たちの話。
全校生徒が少ない福岡県北部の小さな町の小学校の閉校がきまり
秋祭りを盛大に皆で盛り上げ、町を離れていた卒業生たちも集まる。

最初の話<ドヴォルザークの織より>は
地元から36年間出たことがなく、同じように過ごしてきた同級生と結婚し
今は息子が同じ小学校に通っている類のはなし。

担任の女性教師・群先生がどこからか来た画家とのSEXを目撃してしまう。
そのとき、一緒にいたのは年下の香坂玄(こうちゃん)。

こうちゃんはその後、両親が離婚して母親の実家に引っ越した。
そして作家になって、秋祭りの会場へ。

香坂玄、いいかんじと思っていたけど、とんでもない奴になっていて
ビックリ。
あのとき、類と目撃したことに囚われているかんじでゾッとした。


それぞれの今の置かれた立場やらが語られ、それぞれの立場で今、頑張っている
姿に共感したり、同情したり・・・


どうなる?と思われた類と悟志夫婦も、いろいろありながらも、そのまま
進んで行きそうなラストはホッとした。


凄く感動というような物語ではないけれど、楽しめた。

この表紙の絵を見るとドヴォルザークの曲が自然に頭に浮かぶ。




                   ★★★





発行年月:2002年8月


一年に四度の入退院を繰り返す作家松下センセ。
満身創痍の体で反戦の座り込みに参加する。
ひっそりとした暮らしを営むことすら、センセには烈しい生き方なのだ。

                 (筑摩書房HPより)




少し前に読んだ「教科書に載った小説」で

著者の「絵本」という凄く短い物語に凄く惹かれた。

中学3年生の教科書に載ったのは」1981年からだそうで
わたしは、既に短大に行っていた頃だった。
中学生でこの著者に出会っていたら、きっとそのころからファンに
なってであろうに・・・・

自分のことを松下センセと言いながら、書いているのが可愛い^m^


貧乏で口数が少なくて字が巧くなくて・・・・などなど
謙遜するようなことがいっぱい出て来るけれど、奥様や子どもさん
お孫さんたちにも慕われてその暮らしの一コマ一コマがすごくいい。
ほのぼのしていて癒される。

産まれてすぐに重篤な肺炎に罹り、命は助かったものの
右目の視力を失い、左耳は聴こえず、肺の機能も悪く、入退院を繰り返して
いる生活だと書かれていた。

それでも原発反対とかアメリカ軍絡みの座り込みには、参加している
熱い気持ちを持った松下センセ。

奥様はよく出来た人だと思った。
普通なら座り込みなんてダメだと喧嘩になりそうだけど・・・。

奥様とは幼馴染なのかな?
その辺を詳しく知るためにも豆腐屋時代の話を次は読んでみようかな。




                    ★★★★★



発行年月:2023年7月


原因不明の歯痛に悩む私が訪れた不思議な歯医者(『太陽』)。
女ともだちをサプライズパーティに連れ出す予定が……(『獣の夜』)。
短編の名手である著者が、日常がぐらりと揺らぐ瞬間を、
ときにつややかにときにユーモラスにつづった傑作短編集


               (朝日新聞出版HPより)



7つの短編集。

雨の中で踊る
Dshlia
太陽
獣の夜
スワン(「ラン」番外編)
ポコ
あした天気に

どれも面白かったけれど気に入ったものは・・・
<雨の中に踊る>
入社25年目で初めてもらった10日間のリフレッシュ休暇。
2年前から計画していたイタリア旅行はコロナ禍でなしになった。
妻に勧められてフットマッサージに行くことにして。。。
その途中で出会ったオカと成り行きで海へ。
そこにいたのはトシヤという男。

3人の男たちが海辺で踊る姿を想像して笑えた・・・^m^


<太陽>
奥歯が痛んで徒歩圏内にある風間歯科に受診。
診察後、悪いのは歯ではなく心。心が痛んでいるのだと

歯医者というより心療内科みたいなドクターだな。



<獣の夜>
友達・美弥の35歳のバースィパーティをサプライズ企画した夫・泰介と大学の
サークル仲間。
泰介に用事が出来、時間までに妻を会場まで連れて行けないと紗弓に連絡が
来て、美弥と二人サプライズ会場に向かおうとするが・・・
美弥が焼肉を食べたいと言い出し、ジビエフェスタの看板を見つけ
二人で色々な肉を食べながら、あれこれ話す

泰介、最低な奴だなと思ったけど、まあ美弥も似たようなものか?


<スワン 「ラン」番外編>
ランって読んだっけ?
まあ、楽しめた。
就職祝いにスワンボートをプレゼントされて、それに乗ると過去の自分が
ビデオを見ているように水面に映し出される。
母から追い詰められていたころの自分。
そして後日、母と二人でそのボートに乗ることに。

確執があったような母娘の関係が、これを機に解消されたのかな?



<あした天気に>
てるてる坊主を何気なく作って吊るしていたら夢でテルテル王国に招待
される。
願いを3つ叶えてくれると
明日のゴルフが嫌だったのでゴルフが中止になるような大雨を降らせてほしいと
願い叶えられる。
そして・・・

この男性はお人よしなのか?
自分のための願いは最初だけ。
この男性に何かいいことが起きますように・・・



                      ★★★





発行年月:2005年6月


加賀様は悪霊だ。丸海に災厄を運んでくる。妻子と側近を惨殺した咎で涸滝の屋敷に幽閉された加賀殿の祟りを領民は恐れていた。井上家を出たほうは、引手見習いの宇佐と姉妹のように暮らしていた。やがて、涸滝に下女として入ったほうは、頑なに心を閉ざす加賀殿といつしか気持ちを通わせていく。水面下では、藩の存亡を賭した秘策が粛々と進んでいた。
著者の時代小説最高峰、感涙の傑作。


                  (発行/新人物往来社)




宇佐は親分をなくし、引手の役も失い、渡部一馬の世話で中円寺の寺子として

身を寄せる生活に。
英心和尚は穏やかなもの言いでいい。

ほうは加賀殿が幽閉されている涸滝の屋敷で働くことになる。
女中の一人が亡くなり、その代わりとして。
舷洲先生も時々、屋敷に来たり、心優しいお侍の石野などがいて
ほうの暮らしもまあまあ平穏で安心。

そして加賀殿にも接することになる、ほう。
鬼だと恐れられていた加賀殿だったけれど、ほうに対しては優しく
手習いの相手もしてくれる。
加賀殿にとっても、法と過ごす時間はかけがえのないものだったのでは?


火事が起きたり、大雨で雷鳴が鳴り響き、落雷と災難が次々と起き、
それらは全て加賀殿の存在がもたらすものだという噂。

涸滝の屋敷にも雷が落ち、加賀は、ほうに逃げろという。
宇佐の元へ帰れと。


ほうが無事、元の場所に戻れたことはよかった。
けれど、宇佐は落雷により倒れた木の下敷きになり命を落としてしまっていた。

2人が無事に再会できたらよかったのに・・・
それだけが残念だったな~(/_;)


加賀がほうの名前は阿呆のほうでなく、最後に「宝」のほうだと
書き遺してくれていたのには感動。


                     ★★★★★

そこでも優しい

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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪

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★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
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