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自分の備忘録としてのものなので 本のネタバレ的内容も多々あり。
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発行年月:2025年3月


取り返しのつかないあの夜の過ちが、あったはずの平凡な人生を奪い去った。
2026年本屋大賞2位!
第20回中央公論文芸賞 受賞
本の雑誌が選ぶ2025年度上半期 ベスト10  1位
激しい雨の降る夜、眠る夫を乗せた車で老婆を撥ねたかおりは
轢き逃げの罪に問われ、服役中に息子・拓を出産する。
出所後息子に会いたいがあまり園児連れ去り事件を起こした彼女は、
息子との接見を禁じられ、追われるように西へ西へと各地を流れてゆく。
自らの罪を隠して生きる彼女にやがて、過去にまつわるある秘密が明かされる。
『鳩の撃退法』(山田風太郎賞受賞)
『月の満ち欠け』(直木賞受賞)著者による最新長編小説。


                  (角川書店HPより)



犯した罪は、その後の人生を大きく狂わせることになる。
事故のすぐあと、救急車と警察を呼んでいれば、もう少し罪は軽かったかも
しれないのに・・・

しかし、妻の親戚の葬儀で酔っ払って泥酔し、雨が激しく降る中、妊娠中の
妻に運転させる警察官の夫には腹が立った!

かおりは、獄中で出産し、出所した場で夫からは離婚を説得させられる。
自分には全く非がないという態度も赦せない!

なので、犯したことは重いけれど、かおりのことを応援しながら読んだ。
子どもに会いたい気持ちが強く、幼稚園に行ったり、小学校の入学式に
侵入したりは行き過ぎだけど、そこで会えずにいたことはかえって良かったのかも。

味方になってくれる久住呂百合と娘の咲ちゃんの存在がすごく大きかった。
お金を盗まれたり災難もあったりしたけど、
気にかけてくれる人がいたことは大きかった。


そして、最後は息子に会えてよかった。
無理やり押しかけて会うより、本人の意志で会えたことが大きい。

連絡先も交換したから、今後も会う機会はあるでしょう。

かおりに好意を抱いてくれる男性も急かさず、待ってくれる人で好感が
もてる。

「熟柿」のタイトルは、この物語にピッタリだった。

読み始めから途中までは読むのが苦しかったけれど、良い物語だった!




                     ★★★★★
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発行年月:2023年12月


「夫の墓には死んでも入りたくない」義母の遺言から始まった墓問題。
それは親類や子供たちを巻き込み、墓の必要性などを考えるきっかけになっていく。
「遺骨は燃えるゴミで」と言いたくなるほど面倒な、明日は我が身の墓騒動小説。


                    (朝日新聞出版HPより)



松尾五月(61歳)・・・義母の四十九日が迫るなか、夫・慎二の姉・光代が
「おかあさんは樹木葬を望んでいた。
お父さんと同じ墓に入りたくないから・・・」
と生前に頼まれていたのだという。
松尾家には代々の墓があり慎二やその父・壱郎は、最初は反対しているのだけど・・・

意外に簡単に壱郎が妻の樹木葬に同意したのは、驚いた。
でも、残る墓はだれが守る?問題は残り・・・

慎二の兄・秋彦は、婿養子になっているし・・・
慎二の子供は娘二人だし・・・


それに加えて五月と慎二の娘たち、詩穂と牧葉の結婚後、苗字は変えたくないの
問題。
牧葉は、実の父に良い印象がなく前に付き合っていた恋人・鈴木哲夫と
結婚を考えるときに父親の苗字が鈴木だったことから、鈴木姓に変えたくないと
言ったことからうまくいかなくなり別れている。

妹の詩穂は婚約者の中林悟と、やはり苗字のことで意見が合わず、
悟の親の実家の墓問題にも直面し、全てが嫌になって悟と別れる。


ああ、こういう問題が絡むと結婚も難しいよね~。
夫婦別姓、なんでまだ法律で認められないんだろ?
別々じゃなくてもいいし別々でも選べれば、結婚を躊躇する人たちも少しは
減ると思うんだけど・・・・
少子化問題とか未婚率上昇とか言っているのなら、そこから変えてみれば?
と思っちゃう。


物語を読みながら、あれこれ考えるきっかけになる。

五月の考え方、結構、共感できることが多くて・・・

お墓に埋葬なんてしてくれなくていいし、骨なんてただのカルシウムという
発言には笑っちゃった。
うんうん、その通り。
牡蠣の殻とか卵の殻もゴミで出すんだからね・・・^m^


垣谷さんの物語は、やはり面白い。




                     ★★★★




発行年月:2026年4月


何を食べて、何を飲む?
人生に寄り添う愛おしい味がある
料理と飲み物、そして味わう二人。
「ペアリング」をモチーフにした掌編小説集
俳句結社「水軍」にもかかわる、多様な登場人物たち。
それぞれが抱える〝心のもや〟が、「食のペアリング」を通して
少しだけポジティブへと変わる――。
誰かと一緒に食べることで、気持ちが変わっていく。
食べることは、生きる希望につながる。
食を通して紡がれる24のショートストーリー。
 
目次
 〇   イラスト集
1.鱚のフライと白ビール 
2.アゲマキの網焼きと缶チューハイ、凍らせたレモン添え
3.ラプサンスーチョンとダイジェスティブビスケット
4.出汁巻き玉子と、おりがらみの酒
5.焦がしてしまった鰤の照り焼きと、スペインの赤ワイン
6.クリスマス餃子と子供シャンペン
7.味噌汁とホットケーキ 
8.黒ぢょかで作る芋焼酎のお湯割りと、スペアリブと大根の煮込み
9.〆鯖とズブロッカ 
10.羊羹とミントティー 
11.プロセッコと花ズッキーニのフリット
12.メロンパンとインスタントスープ 
13.とうもろこしのグラタンとバーボンソーダ
14.フルーツポンチとリモンチェッロ 
15.阿里山金萱茶とパイナップルケーキ
16.フレッシュポルチーニのフライと、ピエモンテのバルベラ 
17.牛乳とカツカレー
18.鳥のもも揚げとホッピー
19.博多雑煮と賀茂泉
20.豆板とウィスキー
21.マッコリと蛤のチヂミ
22.ふきのとうのフリットとレッドアイ 
23.筍の田楽と作(ざく)
24.五年ものの梅酒と、メギスの唐揚げ


                   (潮出版社HPより)



楽しい、美味しそうな短編連作集。
俳句結社「水軍」のメンバーたちのお話がつづく。

先に出て来た人がその後、どうなったかも後の話でわかってニンマリしたり
美味しそうな料理はお酒との組み合わせが多く、下戸のわたしには
試せない悔しさがあるものの、巻頭のイラストを眺めて味を想像。


会のなかでのモテ男・広渡拓郎(61歳?)。
ちょいちょいお話に出て来るけれど、嫌みがなく、誰に対しても思いやりを
持って接する様子に・・・ああ、これは納得のモテ男だわと思う。

その拓郎がメンバー内で想いを寄せる十朱瑤子との話が最初のお話。
2人は互いに好意を持っている。
それを見守る拓郎の娘・茜も気が利く良い人。
茜が憧れている同じ劇団の桃子との関係もいいかんじで
最後、メンバーが集まっての食事の場面は、本当に楽しそう。

嫌なお話が全くない。
最初は「あれ?これはまずいはなし?」と思っても最後はハッピーに
終わるのがいい。


表紙のイラスト、巻頭のイラスト、全部、本当に美味しそう。
出来ればすべての料理のイラストが見たかったなぁ~。


取り敢えず、羊羹とミントティーを試してみようかな。



                      ★★★★★  









発行年月:2026年4月


手を重ねて観える未来が心を癒す時代小説
 深川佐賀町の水茶屋「ささげや」の女将・お玉。彼女は、人の掌に触れると、その人の「人生の束の間が観える」という不思議な力を持っています。悩みを抱えた人々が「豆は煮えたか」という符牒を合図に彼女を訪れ、その不思議な力に導かれていきます。お玉自身も、悲しい事故で夫を失っています。お玉をはじめ、人知れず特別な力を持つ者たちが織りなす連作短編集です。
 ささげやの女将お玉は、名物の豆餅を売る水茶屋を営んでいます。しかし、彼女にはもう一つの顔がありました。訪れる客の掌に触れることで、その人の未来を垣間見る力。それは本人が望んだものではなく、彼女自身も「あまり気の進む生業ではない」と感じています。
 しかし、夫と営んでいたささげやの名物、豆餅をお玉はどうしても上手くつくることができません。女の腕で餅をついても目指すものはできず、小豆を煮ても火加減、塩加減、砂糖の加減までまるで見当違いで、恋しい味にならないのです。客の評判も下がるいっぽうで、どのみち来ない客を待つならと、気が進まないながらも求められると占いをしています。
 あるとき、親の決めた縁談と想い人との間で悩む娘、おこうが店を訪れます(「豆は煮えたか」)。お玉の力は、ただ未来を告げるだけでなく、相談者が自らの足で幸せな道を選ぶための、ささやかな道標となっていきます。
 本作の魅力は、お玉だけにとどまりません。物語が進むにつれて、それぞれ異なる不思議な力を持つ人物たちが登場し、彼らの運命が交錯していきます。不思議な力を通して描かれるのは、懸命に生きる人々の姿であり、彼らを支える温かな人の縁。登場人物たちが紡ぐ優しさに触れるたび、心がじんわりと温かくなる。読み終えた後、ささげやの豆餅が食べたくなるような、滋味深い一冊です。



                    (文藝春秋HPより)



水茶屋・ささげや・・・店の名物は豆餅
女将のお玉は、以前の味を出せない。
作っていた亭主の喜之助は亡くなってしまったから・・・

物語の後半で、喜之助は、堀に落ちた子どもを救うために自らの命を
落としてしまった。子どもは無事。
母親とお玉の元にその時のことを伝えにくる場面。
辛いけれど、真実がわかれば少し救われるものもあるかな?


お玉は人の少し先の未来が見える力を持っていて、水茶屋とは別稼業として
人から人へ伝わった符牒「豆は煮えたか」を言う人を奥の部屋に通す。
掌に触れることで見える未来の様子。
見たことから想像して、知りたがっていることを、その人の為になるような
言葉で伝える優しさがある。

最初の<豆は煮えたか>では二人の若い女性。
一人が、親の決めた縁談があるけれど、自分には相思相愛の相手が
いるのだという。
もう一人の娘は、付き添ってきたが、実はその相思相愛だという男に
好意を寄せている。

二人の掌をそれぞれ見て、そういうことを理解したお玉は
先の女性には、親が持ってきた縁談相手との未来は明るいと告げ
もう一人には、苦労した末に想っている人と結ばれると伝える。


他にも易者なのに、自分の将来は全くわからず弟子が教えてくれて
お玉の元を訪ねる。

種樹屋(植木屋)の男、女房を亡くし、後継ぎになるはずの息子は
呆れられ家を出て行ってしまい、この先どうしたらいいのやら・・・


お玉の元にケガをして匿われる新次郎が菓子職であるとわかり
ささげやの豆餅の味の再現に尽力したり、勘が働くおかつが
ささげやで働くようになったりで、店に賑わいが戻ってくる様子も
楽しかった。
後に新次郎とおかつが夫婦になり、小太郎が生まれる。

お玉を中心に人の縁がつながっていく。
お玉自身にもこうして、賑やかな場の中心で笑っている日々が
続く幸せがあってよかった。



今回のお話もたのしかった。



                   ★★★★



発行年月:2026年2月


南天文庫には、外とは違う時間が流れている――。
外苑前の私設図書館。三重にある元公民館の空き家。斎場。夜の飲食店。
インドネシアの農園……。
いつの時代も、「隙間の場所」では物語が生まれる。
時間と場所を超えて重なり、織り上げられてゆく人の生に静かに耳を傾ける、
珠玉の群像劇。
私設図書館・南天文庫。高校一年生の陽日は、
幼い頃からここに通い続けている。
他の子供たちが帰ったあと、運営のあやめさんと話すようになったのはいつからだろう。
あやめさんは陽日にときどきこう言う――「外の世界のことを話して」。
日々の出来事をあやめさんに伝える一方で、
陽日はあやめさんが子供だったころの話を集めてもいる。
なんでも、「ピンクの家」と呼ばれたガード下の元公民館に、
三組の夫婦と五人の子供たちが身を寄せ合い不法に暮らしていたらしく……。


                  (集英社HPより)




物語はそれぞれの登場人物たちの語りで進む。

時代も前後したりするので、相関図を書きながらじゃないと混乱する(^^ゞ
でも、江國さんの文章は好きなので始終、読んでいて心地いい。


あやめ・・・私設図書館・南天文庫を運営。
元々は母親・輝子とやっていたけれど、今はひとりで。
弟みたいな功が時々、やってきてあやめの手伝いをしてくれる。

朝日奈陽日(はるひ)・・・高校1年生で母親が南天文庫の会員で幼い頃から
通っている。あやめの手伝いをすることもある。
学校の親友・瞳が虐めから不登校になり今は自宅学習をしているけれど
陽日とは常に連絡を取り合い、よく会っている。

あやめは、陽日に「外の世界の話を聞かせて」という。
陽日は、学校の友達のことなどを話す。
友達付き合いの面倒臭さなど・・・。


真実子・・・幼い頃にあやめと一緒に住んでいたことがある。
功の姉で元夫が今は功と同居している。(もともと、先に功と同居生活を
していたところで知り合った)
結婚は四度目で今の夫・耕一は、職場(斎場)で知り合った。


功・・・真実子の弟。いくつもの仕事を掛け持ちしていたり定職には就かず。

豊樹という居候がいる。最近、豊樹の元教え子だという芯(国立大を卒業
したのに就職しないことで親との軋轢に耐えられず家出)も加わる。


あやめは幼い頃に3家族で住んでいたことあり。
それが元公民館で不法に居住していたらしい・・・・そんなこと可能なの?(^^ゞ

他は、あやめの父親の兄の家族とあやめの父の友達家族。
その友達家族の子どもが、真実子と功。


読み進めるとメモした相関図を見なくても理解できるけれど・・・
ちょっと変わった人たちが多く登場。

高校生の陽日はそのなかでは普通っぽいけれど。


それぞれが語る日常は、普通なんだけど、江國さんの文章が素敵な
物語にしてくれる。

陽日は、どんな大人に成長するのかなぁ~。



                     ★★★★
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪

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★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;

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