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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2019年6月


味見してみちゃ、くれねえかい? 読んで美味しい“人情”という銘菓。
“思い”のこもった諸国の菓子が、強張った心を解きほぐす――。
親子三代で営む菓子舗を舞台に、人の温もりを紡いだ傑作時代小説!
武家出身の職人・治兵衛を主に、出戻り娘のお永、孫娘のお君と三人で営む「南星屋」。
全国各地の銘菓を作り、味は絶品、値は手ごろと大繁盛だったが、治兵衛が手を痛め、粉を捏ねるのもままならぬ事態に。不安と苛立ちが募る中、店の前に雲平という男が行き倒れていた。聞けば京より来たらしいが、何か問題を抱えているようで――。
吉川英治文学新人賞受賞作
『まるまるの毬』
待望の続編!

                   (講談社HPより)




今回も美味しそうな和菓子が章ごとに出てきて、美味しそう♪


・夏ひすい
・吹き寄せる雲
・つやぶくさ
・みめより
・関の戸
・竹の春
・亥子ころころ


和菓子屋・南星屋の二作目。
今回は、最初の話で、新たなメンバー登場でした。

京から江戸へ人を探しに来たという雲平(41歳)。
探し人は、以前同じ菓子店で修業をしていた亥之助。
南星屋の主・治兵衛を手伝いながら、その行方を追う。


雲平も良い職人で寡黙ながら礼儀もちゃんとわきまえている良い感じの人。
この物語には、基本、嫌な人が殆ど出てこないのがノーストレス(^^)

前作で、ひと悶着の原因を作ってしまった、岡本屋当主・慶栄が隠居し
その息子・志隆(ゆきたか)が当主に。
21歳と若いけれど、父親の慶栄より、ずっと賢く謙虚で人の気持ちを
慮ることが出来る人。

その志隆がお君に好意を持っていると知れて嬉しかった。
でも、お君にそれが知らされることはないまま。
武家の嫁になるのは、もう懲り懲りと思っていると。
このまま、諦める志隆か??

物語の最後に行方知れずの亥之吉登場。
こちらの亥之吉も良い人だった。
雲平と共に行くのか?と思いきや、雲平は南星屋にまだ暫く居たいと。
亥之吉も今、いる店でこのまま働きたいと。

色々、まるくおさまり、よかった、よかった。


つづきの三巻目も読むのが楽しみ。



                     ★★★★
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発行年月:2014年6月



お君ちゃん、今日の菓子はなんだい?
江戸は麹町の菓子舗「南星屋」。
繁盛の理由は、ここでしか買えない日本全国、名菓の数々。
若い時分に全国修業に出、主の治兵衛が自ら歩いて覚えた賜物である。
娘のお永、孫のお君と親子三代、千客万来。
でもこの一家、実はある秘密を抱えていて……。
思わず頬がおちる、読み味絶品の時代小説!
「たかが菓子だ。そんな大げさなものじゃねえさ」
武士から転身した変わり種
諸国の菓子に通ずる店の主・治兵衛
「お団子みたく、気持ちのまあるい女の子になりなさい」
菓子のことなら何でもござれ
驚異の記憶力を持つ出戻り娘・お永
「お菓子って、面白いわね、おじいちゃん」
ただいま花嫁修行中!
ご存じ、南星屋の”看板娘”・お君


                   (講談社HPより)



治兵衛、お永、お君、それぞれがいい。
気持ちのいい家族の会話に、それぞれがお互いを想いやっているのがわかる。

章ごとにお菓子の名前がついていて、知っているのもあれば、どんなお菓子だろ?
とついつい調べたくなる知らない名前のお菓子あり。

・カスドース

・若みどり
・まるまるの毬
・大鶉(おおうずら)
・梅枝(うめがえ)
・松の風
・南天月


表題にもなっている<まるまるの毬>は
治兵衛の娘であり、お君の母親である、お永のはなし。
お君が10歳の時に、お永の夫は他に女を作って、それを機に母娘は
治兵衛の元で暮らすようになったという。

が、最近、お永は元旦那が近くに戻って来たことを知り、度々、会いにいっている
という話。

お菓子のまるまるは団子のこと。
それに栗の実をすり潰し、団子の周りに栗の毬を模して付けた毬餅を
季節のお菓子として治兵衛がつくる。


治兵衛の実家の話から生い立ちを知る話もよかった。
けれど、そんな治兵衛のことを妬む同じ菓子職人で大店・紺子屋の為右衛門に
よって、治兵衛の周りに不穏な空気。
それによって、お君の縁談が白紙になってしまったのが気の毒だった。
為右衛門は自業自得で店を潰すことになるのだけど・・・。


でも、お君の縁談が進んだら、他所に行ってしまうことになって、
お話としては、お君が居た方が面白いから、読み手としては
これで良かったと勝手に思ってしまった。

お君なら、きっと良い縁に出会うと思う。


あと2冊、続くようなので、楽しみに読みたいと思う。



                   ★★★★★



これがシスターフッドの新しい現在地!


 
                 (講談社HPより)





20歳の真央がバイト先で会った山戸四葉(41歳)は、スーパーの試食販売を
している。
親しくなるうちに彼女から宝箱という宝石が沢山入った箱を貰う。
苦学生奨学金を借りていることを話すと、この宝石を売ってそれで返済
すればいいと。


幾つかを売るけれど、四葉が言ったような金額にはならずがっかりする真央。
四葉が一番、気に入っていると言った真珠のネックレス(オールノット)は
手元に残す真央。


四葉と疎遠になる真央は、四葉の親友だった実亜子と親しくなる。
そして二人が知り合った横浜の山の手にある中高一貫校の女子校時代の
話へ。

1900年代初めに四葉の祖父が始めたレストランが繁盛し、山戸家は名の知れた
存在に。
四葉もお嬢様だった時代があった。
が、次第に山戸家は衰退していく。


20歳の真央が最後は40歳になっている。
一応、正社員として働き、ある程度の暮らしをしている様子。
大学卒業後は、留学もしていたり、真央自身の頑張りもあったけれど
当時、四葉さんの存在も大きかったんじゃないかな?
あまり感謝している感じが読みとれなかったっけれど・・・。

そして高校に通いながら学校に特別許可を貰って、真央の会社でバイトしている
佐々木を気遣い、四葉から貰ったオールノットを現金に換えて佐々木に渡す場面で
終わるけど、四葉と実際に、会って終わって欲しかったなぁ~。


その点がちょっと不服・・・。


                      ★★★



発行年月:2022年6月


【第168回直木賞受賞作】
【第13回山田風太郎賞受賞作】
「君は満洲という白紙の地図に、夢を書きこむ」
日本からの密偵に帯同し、通訳として満洲に渡った細川。ロシアの鉄道網拡大のために派遣された神父クラスニコフ。叔父にだまされ不毛の土地へと移住した孫悟空。地図に描かれた存在しない島を探し、海を渡った須野……。奉天の東にある〈李家鎮〉へと呼び寄せられた男たち。「燃える土」をめぐり、殺戮の半世紀を生きる。
ひとつの都市が現われ、そして消えた。
日露戦争前夜から第2次大戦までの半世紀、満洲の名もない都市で繰り広げられる知略と殺戮。日本SF界の新星が放つ、歴史×空想小説。

                    (集英社HPより)


満州の歴史を背景に繰り広げられる物語。

1899年、21歳の大学生・細川が志那語とロシア語が話せる通訳として軍人の高木と共に
船に乗りハルビンへ。
支配しているロシアの懐に潜入調査に入るのが目的。


その後、舞台は満州へ。
満州の理想郷と呼ばれる『季家鎮』に集まる人々。
ロシア人宣教師・クラスニコフは、ロシアから入植してくる者たちのため教会が
造られ、布教活動。

貧しく過酷な暮らしから逃げ出し、『季家鎮』にたどり着いた孫悟空は独自の考えを
説いて人々を魅了し、権力を得る。
沢山の女性と関係を持ち、子どもも多かったが、妊娠中の女性との関係で
生まれた丞琳は、父親のことを恨み、いつかこの手で殺したいと思っていた。

そして、そのために孫悟空が関わっている日本人の炭鉱を潰すことを計画。


軍人の高木はロシア軍との戦いで命を落とす。
最期は持っていた軍刀で部隊の頭の喉をついて 自らの命も落としてしまう。
日本にいる妻-・慶子は細川が引き合わせた須野(東京帝大で気象学を研究)と再婚。
高木との子・正男(5歳)のあとに須野との子・明男が生まれる。

正男と明男は、成長し、それぞれ軍のために働く。
明男は、満州に初めて行ったとき、孫悟空の、娘・丞琳に会い言葉を交わす。
それは、丞琳が日本の炭鉱を潰す計画を実行しようとして失敗した日。
一部の爆破事故だけで終わり、すぐに修繕される。

時代は、日中戦争、日露戦争、世界大戦へと向かっていく時代。

日本が満州にいたロシアを追いやり、理想郷を造り支配しようとしていたが
アメリカ相手に戦争が始まると、満州に築いてきたものも無用の長物と化すことに。



そんな情勢を冷静にみていた、細川はさすがだ。
戦争後の日本のことをちゃんと考えて満州の建材を日本の戦後の復興に使える
手筈を整えていた。
明男も復興の都市計画に関わっているという終盤の結びがいい。

1955年、再び、満州の地を訪れ、当時、整備に関わった季家鎮の公園広場で
丞琳に再会する場面もよかった。
二人でクラスニコフが描いた地図を広げながていく。


存在しない青龍島が、なぜ描かれていたのか?の理由も。


登場する人物たちが魅力的。
架空の話というけれど、史実もまじっているのでリアル。

映像化されたら面白そうだな~。

こんなに長い話なのに、全く飽きずに読めた。
この著者、すごいな。
他の作品もぜひ、読まなきゃ!!



                      ★★★★★



発行年月:2015年9月


交番勤務の凸凹コンビが秋葉原の平和を守る!
イケメンで社交性の高さがこうじて幽霊まで見える警官向谷と、毒舌で聡明オタク気質の警官権田が働く秋葉原では、今日も地域に根ざした小さな謎が進行中。一方、向谷の眼には足だけの女性の幽霊が見えたのだが……。

                   (角川書店HPより)


面白い設定。
交番勤務をする、東大卒でオタクの権田とイケメン、女好きの向坂。
そこに足だけの幽霊・足子さん(本名は渡井季穂)20歳。



季穂が幽霊になったのは9日前。
なぜ、自分は死んだのか?
向坂には、幽霊になった季穂の足が見える。会話も成立。
そこで交番に舞い込む事件を一緒に解決していく。

季穂はなぜ、死んだのか?
その真相も段々とわかってきた。
季穂の周りの人間関係も絡んできて、なかなか過酷な過去だったんだと知る。

メイドカフェで働いていた季穂のことを邪魔な存在だと思う者あり
その人が季穂を殺害した?と思ったら、本当の死因は交通事故だとわかる。

季穂自身が誤解していた家族のこと、家出したままだった母親の気持ち
色々、わかってお互いが穏やかな気持ちになって・・・・

あれ?それでも季穂は消えないの?(笑)

続編がある?
あとで調べてみよう。


で、調べていたら、本書についてのこんなemoji対談を見つけた!



                   ★★★


             

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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪

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★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
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