発行年月:2024年8月
5つの短編に待ち受ける、予想外の驚愕の結末!
あなたはもう、以前の家族には戻れない。衝撃の令和の家族像。
「母という禍、家庭という地獄。
ひょっとして獄吏は自分自身なのかもしれない」
ーー中島京子(小説家)
<崩壊する家族を描く、衝撃の連作短編集!>
セメタリー
ワンピース
ビースト
エスケープ
アフェア
<書評家も絶賛>
「よくぞこの全人類にとって厄介で気になりすぎる母という存在を描き切ってくれた。不謹慎なほどの面白さ!」ーーマライ・メントライン
「作者がエールを送っているのは、母という名の女性たちなのだ。母親という呪縛に囚われている、すべての女性たちなのだ」--吉田伸子
母と娘の関係性はたくさん書かれているが、これは、母とかつて母だったものとの物語だ。
アニメのような三世代家族から独立して家庭を持った青年が、コロナ禍の間に立て続けに身内が亡くなった実家に久々に帰る「セメタリー」、過労によるうつ病で医師の仕事をやめて離婚した兄から、その身を案じながら亡くなった母の一周忌を前に再婚の知らせが届く「ワンピース」、娘が嫁いで一人残された高齢女性が、やがてマンション内で鞘当てが起きるほどに華やかに変貌していくさまを管理人の目から見た「アフェア」など、「母」という名に隠された一人の女性としての“本当”の姿を描き出す、直木賞作家渾身の家族小説!
(講談社HPより)
短編集だけれどそれぞれの話が読み応えあり。
ちょっと辛い展開なんだけど、こういう家庭、いくらでもあるよな~という
リアルさがあった。
<ビースト>の柏木美也子には、同情しちゃった。
60歳、夫が亡くなり、のんびり一人暮らしをしていたところに
7年間、音信不通の娘が子ども(男子2人)とともに転がり込んでくる話。
娘の態度がなんとも横柄で嫌だったなぁ~。
それでも孫は可愛く色々と世話をしての最後・・・・
階段から落ちるという悲劇。
このあと、どうなったの!?と一番、気になる話だった。
<エスケープ>は全く同感できない母親。
26歳から不倫関係にあった男性がやっと離婚して結婚できた。
40歳過ぎての出産。
生まれた女の子陽希(はるき)は、母親の胎内にいるときから母親の言葉を
聴き、産まれてからも母親の声に不快感を持ち、泣く。
そんな我が子を可愛く思えない母親。
はるきは父親に懐く。
母親が家を出て父親と二人の生活になり、自分がここから逃げなくてよくなった
ことに安堵するというはなし。
なんか、勿体ない人生の過ごし方をする女性だな・・・・
乃南さん、やはり面白いな。
グイグイ読ませる文章は流石です!
★★★★★
(講談社HPより)
短編集だけれどそれぞれの話が読み応えあり。
ちょっと辛い展開なんだけど、こういう家庭、いくらでもあるよな~という
リアルさがあった。
<ビースト>の柏木美也子には、同情しちゃった。
60歳、夫が亡くなり、のんびり一人暮らしをしていたところに
7年間、音信不通の娘が子ども(男子2人)とともに転がり込んでくる話。
娘の態度がなんとも横柄で嫌だったなぁ~。
それでも孫は可愛く色々と世話をしての最後・・・・
階段から落ちるという悲劇。
このあと、どうなったの!?と一番、気になる話だった。
<エスケープ>は全く同感できない母親。
26歳から不倫関係にあった男性がやっと離婚して結婚できた。
40歳過ぎての出産。
生まれた女の子陽希(はるき)は、母親の胎内にいるときから母親の言葉を
聴き、産まれてからも母親の声に不快感を持ち、泣く。
そんな我が子を可愛く思えない母親。
はるきは父親に懐く。
母親が家を出て父親と二人の生活になり、自分がここから逃げなくてよくなった
ことに安堵するというはなし。
なんか、勿体ない人生の過ごし方をする女性だな・・・・
乃南さん、やはり面白いな。
グイグイ読ませる文章は流石です!
★★★★★
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発行年月:2021年6月
自分のルーツを探す旅に出る
自分ではわくわく少女だと思っていた。
でも、今のあたしは、好きじゃない。
ああ、無人島へ行きたい。
学校生活に疲れたとげとげ少女が向かったのは生命力あふれるハワイ。
ハワイは、彼女のお父さんの故郷だ。
まだ会ったことのないおばあさんや親戚との出会いに、緊張しつつ、空港に降り立つ。
すがすがしい香りの花々、真っ青な空と海、雄大なハワイの景色、そして、彼女を待っていたのは・・・・・・?
自分を一人の人間として扱ってくれるハワイの人たちに囲まれて、自分につながる大切なものを見つけた。
(小学館HPより)
児童書だけど、大人でも楽しめる。
SNSの誹謗中傷に傷つき、人と話すことが嫌いになったもうすぐ中学3年生の
真奈。
春休みを利用して、亡くなった父の家族のいるハワイへ。
ハワイは行ったことないけれど、明るくて、のんびりしていて
自然が綺麗なイメージそのままの雰囲気。
そこで父親の姉(レオナ)やその家族。
一人でレオナの家の離れで暮らす祖母のハイディの元で生活し
真奈は色々なことを学んでいく。
ハイディは優しいけれど言葉は少な目。
目が不自由だけれど、家事や庭仕事もこなし、真奈はハイディと共に
動きながら色々なことを学んでいく。
そしてハイディの母(真奈にとっては曾祖母・イサ)のこと。
イサは16歳で日本から先に移民としてハワイに渡っていたクスジロと
結婚。クスジロは結婚当時35歳で見た目はもっと老けてみえたとか。
愛情がない結婚。
そんななか、子どもを産み、子どもを背負ってさとうきび畑で
1日10時間。週6日の労働・・・・・過酷すぎてビックリ!
ハイディの上に兄2人、姉2人いたけれど両親が相次いで亡くなり
その時、ハィデイは3歳で裕福な白人夫妻の養子になったと。
ハワイに移住した日本人の苦労は前にも読んだことがあるけれど
真珠湾攻撃の後、スパイ容疑をかけられたりというのは、今回初めて
知り、恐ろしくなった。
戦争でいつも理不尽な目に遇うのは普通に暮らしていた人々。
そういう先人たちの苦労の元に現在の日本の平和があるんだということを
改めて感じる。
真奈の元にSNSに誹謗中傷をしていた親友だと思っていたカレンから
メール(電話)が来たけれど、真奈は立派な対応をしたと思う。
それは強くなったから。
言葉では許すと言っても心では許せないは当然。
こういう本を中高生たちにたくさん読んでほしいな。
勉強になることも沢山の本だった。
★★★★★
(小学館HPより)
児童書だけど、大人でも楽しめる。
SNSの誹謗中傷に傷つき、人と話すことが嫌いになったもうすぐ中学3年生の
真奈。
春休みを利用して、亡くなった父の家族のいるハワイへ。
ハワイは行ったことないけれど、明るくて、のんびりしていて
自然が綺麗なイメージそのままの雰囲気。
そこで父親の姉(レオナ)やその家族。
一人でレオナの家の離れで暮らす祖母のハイディの元で生活し
真奈は色々なことを学んでいく。
ハイディは優しいけれど言葉は少な目。
目が不自由だけれど、家事や庭仕事もこなし、真奈はハイディと共に
動きながら色々なことを学んでいく。
そしてハイディの母(真奈にとっては曾祖母・イサ)のこと。
イサは16歳で日本から先に移民としてハワイに渡っていたクスジロと
結婚。クスジロは結婚当時35歳で見た目はもっと老けてみえたとか。
愛情がない結婚。
そんななか、子どもを産み、子どもを背負ってさとうきび畑で
1日10時間。週6日の労働・・・・・過酷すぎてビックリ!
ハイディの上に兄2人、姉2人いたけれど両親が相次いで亡くなり
その時、ハィデイは3歳で裕福な白人夫妻の養子になったと。
ハワイに移住した日本人の苦労は前にも読んだことがあるけれど
真珠湾攻撃の後、スパイ容疑をかけられたりというのは、今回初めて
知り、恐ろしくなった。
戦争でいつも理不尽な目に遇うのは普通に暮らしていた人々。
そういう先人たちの苦労の元に現在の日本の平和があるんだということを
改めて感じる。
真奈の元にSNSに誹謗中傷をしていた親友だと思っていたカレンから
メール(電話)が来たけれど、真奈は立派な対応をしたと思う。
それは強くなったから。
言葉では許すと言っても心では許せないは当然。
こういう本を中高生たちにたくさん読んでほしいな。
勉強になることも沢山の本だった。
★★★★★
発行年月:2018年12月
アジア初のブッカー国際賞作家による奇蹟の傑作が文庫化。おくるみ、産着、雪、骨、灰、白く笑う、米と飯……。朝鮮半島とワルシャワの街をつなぐ65の物語が捧げる、はかなくも偉大な命への祈り。
ノーベル文学賞受賞!
生後すぐに亡くなった姉をめぐり、ホロコースト後に再建されたワルシャワの街と、
朝鮮半島の記憶が交差する。
朝鮮半島の記憶が交差する。
(河出書房新社HPより)
ノーベル賞受賞作って、ちょっとよく理解できないなぁ~というものが
今まで多かったので、敬遠しがちがったんだけど、これは良かった!!
こういう文章はすき。
わかりやすい。
詩のように、白いものたち、ひとつひとつのことが短く描かれる。
そこにある情景などが自然と浮かんでくる。
表紙の写真にあるしろい産着は
産まれて2時間でこの世を去った、私の姉に母親が着せたものかな?と想像する
写真。
産まれてわずか2時間のことが映像をみるように頭にうかぶ。
そんな姉のことを「わたし」はずっと考えながら白いものたちのことを
語るかんじ。
著者が後ろの「作家の言葉」として書いたものを読むと、この本がどうやって
生まれたのかがわかる。
著者の本を翻訳していたポーランドの翻訳家がワルシャワに招待されたら
自分も行くと約束し、その地を訪れたときに、構想が浮かんだのだとか。
なるほど・・・ワルシャワの地でね・・・
静かだけど、何か強く心に響いてくる良い本だった。
著者の他の作品も読んでみたい。
★★★★★
発行年月:1990年6月
ノーベル文学賞受賞作家の代表作 解説:村上春樹(ノーベル賞記念版のみ) 品格ある執事の道を追求し続けてきたスティーブンスは、短い旅に出た。美しい田園風景の道すがら様々な思い出がよぎる。長年仕えたダーリントン卿への敬慕、執事の鑑だった亡父、女中頭への淡い想い、二つの大戦の間に邸内で催された重要な外交会議の数々-――過ぎ去りし思い出は、輝きを増して胸のなかで生き続ける。 英国最高峰の文学賞、ブッカー賞受賞作
(中央公論社/発行)
主人公のスティーブンスの語りが上品で読んでいて優雅な気持ちになれる。
ダーリントンホールの前の主人・ダーリントン卿の思い出を自動車の旅を
しながら回顧する。
今の主人・フレディはアメリカ人。
そのフレディが5週間仕事で遠方に行くので休暇をとったらどうか?と
スティーブンスに勧める。
そしてスティーブンスは以前、共の働いたミス・ケントン(女中頭だった)から
少し前に何やら今の暮らしを憂いているような印象を受けたこともあり
彼女に会うことを旅の目的として出かける。
途中、親切な人たちに出会う、その人たちとの交流話は楽しかった。
そして思い出す、以前のダールントン・ホールのこと。
第一次世界大戦で敗戦国になったドイツのことや、その周辺のイギリス
フランスなどのこと、そしてアメリカ。
日本と離れたヨーロッパで起きていたことが少しわかる。
ダーリントン卿が品格ある主であったが、ヒットラーの企みに利用される
形になってしまったのが、なんとも切ない。
スティーブンスは、主のことを信じることが執事の務めと割っていたが
内心は心配もあっただろう。
旅の目的、ミス・ケントンとの再会は、スティーブンスの思い描いていた
ものと違うものになったけれど、それはそれで良かったんじゃないか?
離れていても元同僚としての親交が続くといいな。
いい物語だった。
イシグロ氏の物語は幾つか読んだけれど、今まで読んだ中で一番好き。
★★★★★
発行年月:2025年1月
村山由佳が描く、業界震撼の〝作家〟小説!
「どうしても、直木賞が欲しい」
賞(prize)という栄誉を獰猛に追い求める作家・天羽カインの破壊的な情熱が迸る衝撃作!
♦あらすじ
天羽カインは憤怒の炎に燃えていた。本を出せばベストセラー、映像化作品多数、本屋大賞にも輝いた。それなのに、直木賞が獲れない。文壇から正当に評価されない。私の、何が駄目なの?
……何としてでも認めさせてやる。全身全霊を注ぎ込んで、絶対に。
(文藝春秋HPより)
本屋大賞も受賞し、本を出せば売れる作家・天羽カイン(天野佳代子)。
何度か直木賞候補に選ばれるが、未だに受賞はなく絶対に次こそ!と
思っている。
そんなカインの担当編集者のひとり緒沢千紘は、カインの気持ちに寄り添い
時には厳しいダメ出しをし、時には褒めてカインの相棒として
カインにとっては最も信頼する編集者になっていく。
作家と担当編集者の様子がわかり興味深かった。
相性が大事なのかもなぁ~。
気難しい作家という認識のカインが千紘には本音を出して語り弱音も吐き
心の拠り所になっている。
そんな作家と編集者の関係はいいな。理想的だなと思いながら読んでいたので
物語の結末は驚いた!
でも千紘のやってしまったことも、少しは理解できる。
絶対ダメなことなんだけど・・・
カインも許さないと言いながら(紙に書いたものだったけど)
そこには千紘の喜ぶものも添えてあり、それは今まで寄り添ってくれた感謝の
気持ちもあったんじゃないかな?
それが少し救いだった。
面白い物語でした!
直木賞受賞経験のある村山さんだから、書けるんだろうな。
★★★★
(文藝春秋HPより)
本屋大賞も受賞し、本を出せば売れる作家・天羽カイン(天野佳代子)。
何度か直木賞候補に選ばれるが、未だに受賞はなく絶対に次こそ!と
思っている。
そんなカインの担当編集者のひとり緒沢千紘は、カインの気持ちに寄り添い
時には厳しいダメ出しをし、時には褒めてカインの相棒として
カインにとっては最も信頼する編集者になっていく。
作家と担当編集者の様子がわかり興味深かった。
相性が大事なのかもなぁ~。
気難しい作家という認識のカインが千紘には本音を出して語り弱音も吐き
心の拠り所になっている。
そんな作家と編集者の関係はいいな。理想的だなと思いながら読んでいたので
物語の結末は驚いた!
でも千紘のやってしまったことも、少しは理解できる。
絶対ダメなことなんだけど・・・
カインも許さないと言いながら(紙に書いたものだったけど)
そこには千紘の喜ぶものも添えてあり、それは今まで寄り添ってくれた感謝の
気持ちもあったんじゃないかな?
それが少し救いだった。
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直木賞受賞経験のある村山さんだから、書けるんだろうな。
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自己紹介:
台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪
記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;
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