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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2017年11月


 赤字ローカル線の終点・根古万知。駅前は、わずか八店舗ほどが細々と営業するシャッター商店街である。数年前、猫の町「ねこまち」としてブームになりかけたこともあったが、それも一時のこと、以来、ジリ貧状態だ。離婚を機に、そんな町に戻ったラーメン店の娘・愛美は、緑色の大きな目と灰色の毛が愛らしい拾い猫を飼うことになった。ノンちゃんと名付けたその猫が、ひょんなことから一日猫駅長を務めると駅は再ブレイク、商店街にも観光客が訪れる。愛美は久しぶりに賑わう光景を見て、今度こそ、元気いっぱいだった頃の根古万知を取り戻したいと動き出すが…。

                (BOOKデータベースより/祥伝社)



シャーッター商店街と化した根古万知駅前商店街。

そこに現れた1匹の猫!
猫が町の活性化に大活躍~。

商店街で生まれ育ち、一時は都会に出たけれど、離婚して地元に戻った
愛美が、街おこしの発起人的役割になっていく姿は楽しかった。

今はSNSとかインスタとかで知らないうちに宣伝してくれるという
利点もあって、猫のいる駅ということだけで人が来るようになるんだなぁ~。


でもそれだけじゃダメと商店街の人たちが動き出す。

町おこしだけじゃなく、そこに暮らす人たちの暮らしぶりも興味深く
読んだ。

猫のノンちゃんの元の飼い主さん探しで愛美が出会った人物・河井氏。

愛美の父親の同級生。
子どもの頃のわだかまりが、これを機に溶けたかな?

ノンちゃんの元の飼い主の最期は気の毒なものだったけど
ノンちゃんのおかげで見つけられたのかも。


愛美も幸せそうで、良かった♪



                            ★★★

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発行年月:2016年8月


 春子は、ゴミ置き場に花を捨てに来た男性に声を掛け、その花を譲り受けた。数日後に再び花を捨てに来たのを見て、春子はあることの重大な意味に気づいたのだが…。
春子と拓郎(プロ野球選手)が織りなす事件と日常と花々の連作集。


                    (原書房HPより)



3つのお話。
主人公は春子さん。
日常のなかで、ふと不思議に思ったことを推理していく。

<春子さんと捨てられた白い花の冒険>
ゴミ置き場で偶然、出会った男性。
パンジーの花を妻に頼まれて捨てに来たと言う。
春子は、それを貰えないか?と話しかけ快く譲り受ける。
後日、再び別の花を抱えてゴミ捨て場に来た男性。
再び、譲り受け、自宅で見つけたもの。

ああ、なんて嫌な話。



<洋平くんと、無表情なファンの冒険>
野球観戦にいつも来ている女性。
同じ席に座りじっとしている。
無表情のまま試合を観戦してる姿は異様。

普通に試合も楽しんでる風にしてた方が目立たなかったと
思うのに。



<有希さんと、消える魔球の冒険>
ご主人がプロ野球選手の有希とネットを通じて親しくなる春子。
有希の夫には亡き前妻との娘・ひかりがいた。
そのひかりに一緒に会いにいく。
ひかりは重い知的障害を抱え、施設で暮らしている。
春子をみて「お母さん」と呼び「まきゅう」と言うひかり。


これはじーんとする良い話(:_;)



どの話もササッと読めて面白かった。
元看護師だという春子の人柄がいい。
プロ野球二軍選手のご主人・拓郎との会話もほのぼの。

シリーズ化してくれるかな?


                        ★★★



発行年月:2016年12月


 その店は、人生の岐路に立った時に現れる。さかさまの絵本、底のないポケットがついたエプロン、持てないバケツ……。古道具屋は、役に立たない物ばかりを、時間も空間も超えて客に売りつけ、翻弄する。不可思議な店主の望みとは何なのか。未来は拓かれるのか? 買い主達がその店に集結する時、裁きは下され、約束が産まれる。

                   (新潮社HPより)


第一話 さかさまの物語
第二話 金色の豚
第三話 底のないポケット
第四話 持てないバケツ
第五話 集合
第六話 幸福への旅立ち




ふと気づくとある古道具屋。
こんなところに、あったっけ?と不思議に思いつつ中に入る者たち。
そして、なんとも不思議なものをハットリ君似の店の人から、なんとなく成り行きで
買わされる。

買ったものを巡って、繋がる人間関係。

バイトしながら小説家を目指す貧乏青年は、やがて、恋人も出来
小説家にもなり幸せになるが、その後、深刻な事態になる。
けれど、そんな深刻な状況もやがて、受け入れ前向きな気持ちに。


不思議でちょっと切なかったり怖かったりだけど、最後は希望ある終わり方で
良かった。


道具って使っていた人の思いが、やはり宿るものなのかなぁ~?
と考えさせられた。



                         ★★★★


発行年月:2014年12月


心の奥底にある闇を描く、恐ろしくもせつないホラー短編集


顔も生き方も似ていない双子の姉妹が、過去の凄惨な事件に誘われる「薫衣草」、雪とともに蘇残酷な記憶と、一人の女性のやるせない運命を静謐な筆致で綴る「雪を待つ」他、日常と地続きの恐怖を描く5篇の恐怖譚。

                  (角川書店HPより)




ホラー短編集とあるので、ちょっとドキドキしたけれど、まあホラー苦手の
わたしでも大丈夫な内容でした。
でもそれぞれの話の主人公たちが、置かれた状況がとても哀しい。


<薫衣草 ラベンダー>
双子の姉妹・清香と沙香。
姉の清香は独身で新聞社で働く。
妹の沙香の方が、向上心もあり勉強も出来たのに、大学卒業間もなく
同級生と結婚し、子どもを産んで家庭に収まってしまった。
その妹が見知らぬ場所ん路上で死んだ。
心臓発作による病死だったというが、なぜそんな場所で?

過去の思い出と段々結ばれていく、沙香の死にあった背景のこと。
ぞわぞわと恐怖が迫ってくるかんじで、結構、怖かった。



<雪を待つ>
幼い頃、珍しく降った雪のなか、集団登校の集合場所で積もった雪を傘の先で刺して
遊んでいた。後でおなかを刺された猫の死骸が出てきて驚くが故意ではないし、
刺すまえから死んでいたのだから・・・
しかし、その後、父が急死し、兄も学校で転落死する。
母はホステスとして働きはじめ、そこの常連客と恋仲に・・・
わたしはその後、社会人になり結婚、娘も生まれるが娘が3歳のとき夫は家出
そして娘は小学校の登校中に事故死。
その加害者は、兄を死に追いやった原因をつくった女の息子。

こんな負の連鎖いやだぁ~!!


<隠されていたもの>
フリーライターの絵美は、ごみ屋敷の老女の取材に行く。
頑なに他者の関わりを拒んでいた老女・時子だが、なぜか絵美はすんなり
受け入れられ屋敷のなかに招かれる。
ゴミの山、異様な匂いのなかで絵美が見つける見覚えのある物たち。

ああ、これ前にテレビの「世にも奇妙な・・・・」で見た気がする。
そのときの話はあまり覚えていないけど、似てる話のような?
だからラストは予測出来ちゃって、全くの興ざめでした^^;


<ランチタイム>
いつもランチタイムは一人。
誰からも誘われず、自分から輪に加わろうとも思わない。
その時間はただ一人で散歩し、お気に入りの公園に行くのが日課。
そこでよく会う、初老の男性に初めて声をかけられる。

これは、とっても哀しい話。


<自滅>
自分だけのお気に入りの場所に行く。
そこはビルの屋上で夜になると灯りが見える。
それを見ながら唱える「消えろ」。
嫌いな人には呪詛を。
そして最後は・・・

本当にネガティブな人だなぁ~。
こんな風にしか生きられないって・・・・辛すぎる。


読んでいると気が滅入る作品集・・・。
精神状態が良くない人は読まない方がいいと思う。
と言いつつ、全部スラスラ読んだので、精神状態が正常の人には
まあまあ楽しめるのかな?

                          ★★★



発行年月: 2014年12月


“空腹警報絶対注意”の高原のカフェを舞台に奇跡が起こる--。
百合が原高原に一軒のカフェ「Son de vent(ソン・デ・ヴァン)」を
開業した奈穂。
かつてペンションブームに沸いたこの高原も、今はやや寂れ気味。
東京の女性編集部で働いていた奈穂が、冬には雪深く寒さの待ち受ける
この地へ移ってきたのには、深刻な理由が---
エリート銀行員の夫・滋のモラスハラスメントに堪えかねて極度の
自律神経失調症に陥り、これまでの生活を変えるためだった。

                    (文藝春秋HPより)





わけありで冬は寒さが厳しい高原で1人カフェを営む奈穂の奮闘は

読みながら応援したくなりました。
近くの「ひよこ牧場」や「あおぞらベーカリー」などの経営者と親しくなり
カフェのメニューも充実していく様子にワクワク。

村役場の村岡涼介の存在も大きかった!

それにしても、読んでいてお腹が空いて来ました^^;

「高原のチーズクリームシチュー」「ベーコンサンド」「ポークソテー」
「野生きのこのオムレツ」ほかにもスイーツ類などなど。


いろいろな悩みを抱えながら訪れる人たちが、カフェに寄って
料理を食べたり、お喋りしたりしながら、少しずつ良い方向に向かっていく。
奈穂自身も大きなおもりから解放されていく。

離婚に応じなかった夫・滋もこれからは別の人と幸せになって欲しいな。


素敵な物語でした♪



                          ★★★★★
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