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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2016年7月


絶景の地・北海道大沼を舞台にした
ドラマ化や各賞も狙える傑作誕生★
 
 大沼は、明治時代、手つかずの美しい自然に魅せられた開拓民が入った地。香川県から移り住んだ、倉島家の小さな母・那須子(やすこ)と三兄弟。
 
 ‹‹「どんなことだって、いつまでもくよくよしてちゃ、お天道様にだって見放されるんだよ。うちのご先祖様たちは、どんな苦労も乗り越えてやってきたんだよ」››
 
 那須子は15歳のとき、倉島家の先祖と同じ香川から嫁いできた。早くに夫を亡くし、故郷へ帰ってもよかっただろうに、大沼の地で、腹を据えて子どもたちを育ててきた。
 
 長男・秀雄(ひでお)は、第二次世界大戦中、溶接東京の学校に通っていたとき、よく行く寿司屋で山梨から住み込みで働きにきていた、坂田家の長女・以久子(いくこ)と出会う。
 
‹‹あのさ、俺は戦争が終わったら田舎に帰るつもりなんだ。北海道の大沼ってところ。また会えるといいなと思って››
  恋に落ちて結婚したふたりは、終戦後、大沼に戻って暮らしはじめる。
 名前の頭文字がひーふーみーの3兄弟と
いーろーはーの3姉妹がまさかの結婚!  
 そして・・・長男長女に続き、どうしたことか、次男・文雄には次女・朗子(ろうこ)が、三男・満男(みつお)には三女・(ハナ江)が、順に嫁いでいくことになる。
 3夫婦は、さまざまな困難に見舞われながらも、この地に新風を注ぎ込んでいく・・・。
 
美しい北の大地を舞台に、不思議な縁で結ばれた母と3兄弟と3姉妹の姿を描いた大家族の物語。北海道を舞台に数々の小説を発表してきた著者・谷村志穂が、5年の歳月をかけて紡ぎあげた渾身の作品です。大きな愛で家族を包み込む小さな母・那須子の凛とした姿、3夫婦の悲喜こもごもに涙が止まらない・・・。心の奥深くに響く感動作!


                    (小学館HPより)




山梨の三姉妹の長女・以久子が東京で住み込みで働いていたすし店で出会った
北海道出身の倉島秀雄に出会い、北海道に嫁ぎ、次男の文雄が以久子の下の妹・朗子と
そして三男の光男が以久子の末の妹・ハナ江と結婚し、皆で一つ屋根の下で暮らす。

大変な自然災害などもあったりするけれど、いつも皆で協力して生きていく。
血の繋がった兄弟、姉妹の夫婦たちだからこそ、強い絆があり
皆、それぞれ優しい気持ちを持っている人たちだから読んでいても楽しかった。

それぞれの夫婦にも子どもが二人ずつ。
成長し、家を離れる者があっても、何か行事があれば集う。


ただ、長女・以久子の娘・聖良が嫁いだ先で理不尽な目に遇ったのは
可哀想だった。
聖良にも今後は、幸せになってほしいな。


読み終えてから、実際に三兄弟が三姉妹と結婚した話があったと知り、びっくり。

読み応えあって、良いお話でした。

これ、ドラマになったら面白いだろうなぁ~




                      ★★★★★

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発行年月:2022年10月


親子とは、なんであろうか。誕生とは、どの瞬間をさすか。なぜ多くの夫婦が、実子に拘るのか。養子ではいけないのか。子とは、両親の遺伝子を運ぶ船であり、親が子を助けるのは、自らの遺伝子を載せた方舟を無事に船出させるためだ。そうとまで言い切る学者もいる。自分の犯した罪を忘れたいがためなのか、この世に産声をあげた子らは、すべからく何れかの親を持つ天からの贈り物である、と今ここにいる老人は信じます。――本文より

                       (光文社HPより)



赤ちゃんの取り違えが題材の物語は幾つか読んだり、映画で観たり
していたけれど、生殖医療が進んだ時代では、こういうことも起こりうること?と
ちょっと怖くなった。

取り違えは、受精卵を培養するためのシャーレの取り違え。
別のひとの受精卵をお腹のなかで育て、出産している2人の母親とその子ども。
どちらも女の子。
そして日本人と韓国人。


そのうちの一人、宮本菜々子は、医大生になっている。
ある日、血液型の検査を受け、両親が共のO型なのにB型の判定。
不思議に思い、自ら家族のDNA検体を集め、遺伝子検査をする。
自分は両親のどちらでの子どもでもないことがわかる。
同級生の韓国人・ジヒョンが偶然、同じ時期に菜々子の産まれた産院で
生まれていたことがわかるが、別の韓国人夫婦の子どもが菜々子と入れ替わって
いることまでわかる。

菜々子は、本当の両親に会うため、韓国へ。



事実は判明した後も変にパニックにならず冷静に行動する姿は好感が持てた。
医師を目指している人だからか?
自身が母親に感じていた、違和感の原因がわかったことに納得し、
それまでより逆に良い関係が築けていけそうなのもよかった。


しかし、間違いのもとを引き起こした医師・高山は、ちょっと許せない。
間違いに気づいたタイミングも割と早い時期だったのに、隠したまま。
でも、もし、気づいた時点で打ち明けていたら、どうなっただろう?
2人の女性が入れ替わっても、それぞれの両親のもとで健康に平穏に
生活できていたから、後から知ってもそれほど、混乱が起きなかったのは幸い。


読みながら、色々、考えさせられる内容だった。



                      ★★★


発行年月:2021年3月


長年連れ添った夫のPCで見つけたのは、若い女との親密なやり取りだった。
人を好きになってしまうことに、解などないのだ――。
恋愛小説の名手・谷村志穂が描く大本命不倫小説!
息子が就職して家を出たことを機に部屋を片付けていた香菜子。
クローゼットの奥にしまわれたPCを開き、夫のメールを見つけてしまう。
そこには、夫と女が親密に名前で呼び合い、
2人が子供のように育てていた猫が死んでしまったなど、
21年以上にわたるやりとりが書かれていた。
おかしい。21年前といえば、香菜子が必死に幼い息子を育てていた頃なのに。
夫と女の間に何があったのか。その後、彼女は「不倫小説の傑作」とも評価された
1冊の小説を出版していることが分かって――。

                    (角川書店HPより)



なかなか面白い設定だったなぁ~。

60歳になり、夫婦二人の生活が始まる。
自分と同じような状況なので、妻の香菜子の立場で読みすすむ。


20年ほど前の夫と不倫相手のメールを偶然、見つけてしまったという状況。
みなきゃいいのにね~(笑)。


で、相手の女性・玲依が夫との不倫を元に小説を出したというので
それも読む・・・よまなきゃいいのにね~(笑)。


夫が悪い!断然、悪い!
不倫した時期に腹が立つ!
上の子は3歳になるところで生まれたばかりの赤ちゃんがいる状況。
妻は母親オンリーにならざるを得ないとき!

仕事だからを言い訳に、不倫して、海外旅行にまで一緒に行くとは!!


60歳の今、知っても、その時にそんな裏切りがあったと知ったら
夫に対する気持ちは、もう軽蔑しかない。恨みなんて通り越して
蔑みの気持ちしかない。


香菜子は、夫に気持ちをぶつけることはなく、玲依という女に会いにいく。
顔をみただけで帰ってきたけれど、それでいい。
ママと呼ぶ女の子を見て声を掛けずに帰ってきたと。
良識ある女性のままでいてくれてよかった。

偶然、声をかけてくれた子ども食堂の手伝いが、安らぎになってくれたらいいな。


しかし、相手の女・玲依、2さ目の小説を香菜子に読ませるために書くという。
こちらの女性は、好きになれない。
結婚したんだから、その家族と向き合う時間を大切にしてほしい。


まあ小説としては面白かった。



                     ★★★


発行年月:2019年11月

北海道・大沼湖畔に佇む2つの施設。そこではさまざまな事情で親元を離れた少年少女たちが、自立のために職員たちと一つ屋根の下で暮らしていた。施設を束ねる藤城遼平の娘・ゆきは札幌の病院で働く新人の理学療法士。偶然、父の教え子である同世代の摩耶が唄うYouTubeを見たことから、摩耶、そして同じく教え子の兄・拓弥と出会う。実在の児童自立支援施設を取材し、繊細な心を描き上げた著者の新境地。

                    (発行/潮出版社)



実際にある施設を何度も取材して書いた物語だそう。
かなり重たい内容。
でも現実は、もっと酷いのかも。
読んでいると、なんとも暗い気持ちになる。
こんな風に家庭環境が悪いばかりに、過酷な生活を送らなければならない子どもが
居ると思うと・・・辛い(/_;)。

ここでは、ある兄妹(拓弥と麻耶)を軸に、自動自立支援施設の院長の藤城遼平と
その家族の関わりを描いている。

院長の藤城の子どもの気持ちを理解して24時間、ほとんど自分の自由な時間なしに
働く姿には、頭が下がる。
妻と娘とは、離れて暮らしているけれど、一緒に住んでいたら
家族まで心労を伴うでしょうね。


途中からの展開は、藤城の妻の立場で読んでしまい、心穏やかではいられなかった。
そういう気持ちになるのは、やはり、普通じゃない生い立ちの拓弥たちに
偏見を持ってしまっているということだけど、他人としては応援したくても
身内になるかと思うと。。。。


結果的に、娘のゆきの意志を尊重した夫妻。
そうするしか、こうなればないよなぁ~。

世間も過去は過去として、現在の頑張っている姿を見て応援してあげなきゃね。
生まれた子どもたちは、幸せに温かい家庭で暮らせますように・・・


                           ★★★★



発行年月:2006年7月


永遠のテーマに挑む哀しき愛の物語

北国を舞台に、永遠のテーマに挑んだ救済の物語!
夫婦の愛、家族の愛とは?

水難事故をきっかけに、たがいにすれ違いはじめた夫婦。 安らぎを求めるふたりの魂は、どこへ向かうのか?

北海道で自然学習塾Burnsを営む夫婦を襲った水難事故。
積丹の海で塾生の父親である戸田勇が死んだのだ。
ひとり責任を背負い込み孤独を深める靖季。
彼をいたわろうとする妻の百合香。
しかし、かえって心は離れていく。
靖季は遺された戸田の妻・理津子に安らぎを求め、
一方、百合香は不安と孤独を紛らわせるためかつての男のもとを訪れる。
敏感に反応する幼い娘を抱えながら、たがいにすれ違いゆく彼らの魂の行方は…?
                     (祥伝社HPより)




随分前の谷村作品。
う~ん。


仁科靖季と百合香。
この夫婦がちょっと気持ち悪い。
特に夫。

誰にも優しい男ってタチガ悪い。

そんな夫を理解出来ずに、ジタバタする妻。

幼い娘・葵が、このままじゃ気の毒なことになりそうと心配しながら
読みました。

結果、なんとか、元のさやに納まった?
ヤレヤレというかんじ。

でも肝心の戸田の死の真相がぼやけてしまった。
結局、ただの事故だったということだろうけど、不可解な行動の謎は
残ったまま。


う~ん。
最後まで面白く読んだけど少しモヤモヤ感が残るかんじだな~。






                       ★★★
 
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