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読んだ本の感想あれこれ。
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    発行年月:2012年10月


     『源氏物語』の"艶”と"妖”の世界を、名手が現代に蘇らせる。
     変貌し、愛に狂う姿うぃさらす女たち------
     私は少しずつ、虫の音とともに、あの男に解かれていく。


                      (祥伝社HPより)




母親の誘いで「源氏物語」の講座を受講し始めた千佳。
30代の千佳が講師の70代の大橋征一に夢中になっていく。

源氏物語の源氏をそのまま演じているかのような、老人・大橋がちょっと怖い。
けれど、物語を読んでいるうちに、こういう恋愛もあり得るのかも?なんて思えてくる。

途中から大橋の息子が登場。
これまた変わった男で不能なのに、千佳に近づき父親とそっくりの行動を取るのにはびっくり。
千佳もすぐに受け入れ過ぎでしょ!?と思わず突っ込みを入れたけれど・・・・
物語のなかの千佳の状況なら、受け入れるのも仕方ないかな?

時々、登場する、源氏物語のなかの歌が良かった。
どんな状況のときに詠まれた歌か解説付きのようなかんじで、理解し易かった。

そういう意味では、変わった恋愛小説だけれど、新しいかんじで、なかなか面白かったかも。


 
★★★
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41WiqRjBZ2L__SL500_AA300_.jpg発行年月:2012年5月


その男は、ある日突然に「消えた」----母の元恋人を捜す娘が見つけた、切なすぎる真実。

昭和二十七年。何の前触れもなく姿を消し、二度と戻らなかった恋人。それから五十年……末期ガンを宣告された母に代わって消えた男を捜す娘は、いつしか母の想いに諦めたはずの自分の恋を重ねはじめる。函館の街を舞台に、昭和と平成、二つの時代を挟んで向き合う二組の恋人たちの行き着く先は-----衝撃の結末が胸を揺さぶる渾身の恋愛長編。

                                           (新潮社HPより)



久しぶりに切ない恋愛小説を読んで感動しました!
谷村さんは、北の地方が舞台のお話が多いけど、今回もそうでした。


余命短い母親・美月が母の看病のためといい東京の仕事を辞めて来た娘・季恵に話す、夫と結婚する前に好きだった人・大橋藤一郎の話。
その人は、ある日、突然、自分の目の前から姿を消したという。
なにが起きたのか?その後の彼はどういう暮らしをしていたのか?
娘に探してほしいと頼む。

最初は、父親の前に好きだった人を今まだ忘れられずにいるという母親の気持ちに戸惑う季恵。
しかし、母の望みを叶えてあげたいと必死に大橋を探す。

探偵事務所の古賀と出会い、大橋の友人だった喜多門と出会い、いろいろな真実が明かされていく。

母親と大橋が交わしていた手紙の文面も書かれ、二人がお互いのことを深く愛していたことがわかる。
しかし、それなのになぜ消えた!?という疑問も大きくなっていく。

そして、最後は姿を消す前の大橋の気持ちが綴られる。

青函連絡船の遭難事故という史実も絡みながら、ラストはなんとも切ない(/_;)。

読み終えた後も、静かな余韻に浸っていました。


★★★★★

79bde4c3.jpeg発行年月:2012年4月


チャイ、17歳。ミーミー、7歳。
二匹の猫と寄り添うぬくもりの日々を、
やわらかな筆致で描く感動作。
チャイとの二人暮らしから、結婚を経て
5人家族となるまでの、響き合う命の時間。


                     (河出書房新社HPより)



動物は好きなのに、猫にはあまり興味がなかった谷村さんが猫を飼うことになる。
そういえば・・・北海道大学農学部ってプロフィ-ルみて、北海道だからスケ-ルの大きな酪農なんかにも興味あったのかなぁ~?動物好きなんだろうか?と漠然と思っていました。

貰った猫が「チャイ」。
人見知りの猫だったとか。
段々と谷村さんに慣れていく様子が微笑ましい。
独身時代に貰って猫との生活を楽しみ、やがて結婚して、娘さんが誕生して、二匹目の猫「ミ-ミ-」をご主人が知人から貰って来て5人家族になるまでの話がひとつの物語のよう。

谷村さんの著書は幾つか好きで読んでいるけど、結婚してひとり子どもさんを産んだあと、病気されたのは知らなかった。
辛いことも乗り越えたんだな・・・・と思ったらなんだかジ~ンとした。

あとがきにある言葉からも改めて、チャイとミ-ミ-に対する愛情を感じました♪
2匹の写真が載ってたのも嬉しかった♪
家族も仲良さそうだし・・・
ファンとしては、近況を知れることも出来たのが収穫(^^)



★★★
 
 
e82eb795.jpg   発行年月:2011年3月

「じゃあ、さらっちまうか。
それでさ、二人で誘拐犯になんのな」。
身代金目的の稚拙な犯行は、誰にも止められなかったのか――
家族の愛を享けられず、自堕落な日々に溺れ、互いの存在だけを頼りに育った幼馴染み、21歳の香田はるかと20歳の坂本光代。ふくらんだ借金返済のため、ふたりは7歳の少女をさらって身代金800万円を要求する誘拐劇を実行に移した――。女性の等身大の愛と性を描き支持を集める名手が、故郷・北海道を舞台に、犯行に至る女たちの赤裸々な性と心情を迫真の筆致で紡ぎ出した、衝撃の長編犯罪ロマン!

                                   (実業之日本社HPより)


はるかと光代は、中校生時代からの知り合い。
はるかは、虐められっこで、光代は心は男性で自分のことも「ぼく」という。
いろいろなところからはみ出したかんじの二人だったが、二人一緒に居ればお互い安心するのか?
けれど、一緒に居たから、いつまでも成長することがなく、大人になっても自堕落な生活を二人で続けていく。

はるかは、自分のことを「バカだから・・・」とよく言い、光代の言い成りになる。
暴力を奮われても、稼いだお金を全て光代に取られても反抗しない。

光代は、男っぽい格好をし、全く働こうとせず、はるかの稼いだお金や祖父母にお金を貰い、好き放題の生活。
気に入らないことがあれば、怒鳴る。

一見、はるかが弱くて、光代が強いかんじだけど・・・・
強かさを秘めているのは、はるかの方だったかも。
意志をちゃんと持っているのに、言葉や態度に出せないだけで、光代のそばにさえいなければ、もう少しちゃんと大人になれたかも。

光代は、性同一障害を抱え、心もアンバランスなかんじだった。
強い態度に出ているけど、やること全てが幼稚。
いつも従順なはるかに頬を打たれたときも反抗できなかったり予期せぬことが起きると逃げる。


一緒に居たら負の行いしかしない二人がいつまでも一緒に居たために思いついた犯罪も短絡的で、あっけなく終わる。

この事件の後、刑期を終えて社会に出た二人が別々に、前よりマシな生活を送ることを祈りたくなった。

読んでいて、不快感いっぱいの物語だったけど、犯罪を犯す過程がよくわかった。

物語は、本の冒頭にあるように1995年北海道小樽市で21歳のはるかと20歳の光代が開業医の7歳の娘を誘拐し身代金800万円を要求したものだけど・・・

調べたら1995年東京都足立区で似たような20歳の女性2人による誘拐事件があlりました。

誘拐事件を起す人って、こんなかんじの人が多いのかも・・・・
なんて思いました。


今までの谷村さんの書く作品とは、ちょっと違ったものでしたが、一気読みでなかなか物語としては面白かった!


★★★

   
18228ef9.jpg発行年月:2004年10月


あなたの恋人は、砂漠の上に一緒に立っていられる相手ですか? 
同じ夢を追いかけた女達5人の愛と性。
透明なエロスを漂わせる「雀」を軸に、
パワフルに生きる女達を描いた感動の長篇大作。


                   
   (河出書房新社HPより)



主人公の雀(30歳?)は、自由奔放。
50過ぎの金持ちの男性に養われながら贅沢な暮らしをしていて・・・・出会う男性とはすぐに体を重ねて、相手の男性を虜にしてしまう。
う~ん。嫌な女だなぁ~(ーー;)
と、最初は思いました。まあ、当然ですよね~?

若い頃、ダンサ-になることを夢見ていた5人の女性が、事ある毎に集う。
雀のほか4人も、それぞれが個性的。
既婚者は、一人?
・恋人に振られるたびにリストカットするレイ子。
・外資系証券会社勤務で、アメリカに放浪の旅に出た恋人を待っている、ハ-フのメリ-。
・環境活動家であり、7歳年下の浩輔が恋人のケイ。
・唯一の既婚者の多恵子。


自分は誰に近いだろ?と思ったけど・・・全然、近い人いないですね~^^;
わたしの周りにもここに出てくる5人と似た生き方してる人は居ない。

一番、ぶっ飛んでるのは、主人公の雀ですが、読んでいると、最初に感じた嫌悪感が薄れてくるのが不思議でした。
ズルさとか何か計算して行動してる人じゃないってわかったからかな?
一途というか、よく言えば、純粋な人だと思う。
そして、逞しい。

ここに出てくる女性たちに、共感するものは、わたしはなかったけど、その生き方には応援したくなるものがあった。

本の最後に、著者の言葉で、インタ-ネットに物語を記し、それを毎回読んだ感想が届き、その感想やら意見などを元に続きを書いていった物語とか。

なかなか面白い試みですね!?
そういうのが今後、あればわたしも参加したいわ~。

★★★
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