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読んだ本の感想あれこれ。



発行年月:2015年1月


 幼い頃から想いを寄せていた諒一を奪った親友・百合。二人の息子に「直巳」と名付けた日から、真由子の復讐が始まった。22歳年下の直巳を手塩に掛けて〝調教〟し――。谷崎潤一郎作家の山田詠美が、名作『痴人の愛』に挑む、絢爛豪華な愛憎劇!

                    (中央公論社HPより)





前からこの著者の文章が好きでしたが、これは秀逸!!

谷崎潤一郎の『痴人の愛』が文中にも出てきて、主人公の真由子が親友の息子・直巳を
幼い時からずっと見守り、自分好みにつくりあげていく過程が描かれる。
それに伴い、直巳の母・百合と真由子の幼いときからの関係が描かれ
表面上はお互いが親友として付き合うけれど、心の奥に秘めるものが
成長するにしたがって大きくなっていく。


真由子の父の死の真相は衝撃的だったなぁ~。
大好きな父親の死の真相を知ったショックは相当なものだったでしょう。


そして息子の直巳と真由子の関係を知った百合もショックだと思うのだけど・・・・

真由子も百合も衝撃を受けたであろうのに、その気持ちをあまり表さず
変わらぬ親友の付き合いを続けているところが、怖かった。


ドロドロの愛憎劇が中身なのに、表面上は綺麗な文章でサラサラと過ぎていく。


谷崎の『痴人の愛』をまた読んでみたくなった。


                         ★★★★★
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発行年月:2013年2月

誰もが、誰かの、かけがえのない大切な人。 失ったものは、家族の一員であると同時に、幸福を留めるための重要なねじだった――。 突飛で、愉快で、愚かで、たまらなく温かい家族が語りだす、愛惜のモノローグ。感涙の傑作長篇小説! 「人生よ、私を楽しませてくれてありがとう」 ひとつの家族となるべく、東京郊外の一軒家に移り住んだ二組の親子。二人の兄妹に父側の弟が加わり、さらにその後、次女が生まれる。それは、幸せな人生作りの、完璧な再出発かと思われた。しかし、落雷とともに訪れた長男の死をきっかけに、一家の姿は激変する。母がアルコール依存症になり、家族は散り散りに行き場を失ってしまう。やがて、それぞれは自分に似合った悲しみを選択し、自身と家族の再生を目差すのだが……。 かつて誰も言葉にしてくれなかった「人生のアイディア」がちりばめられた、著者渾身の新たなる代表作。

                  (幻冬舎HPより)



妻に先立たれた男・澄川誠と夫の女性関係が元で離婚した女・美加。
誠は4歳の創太を連れて、美加は長男・澄生と長女・真澄を連れての再婚。
そして、再婚後生まれた千恵。

物語は第一章から第四章まで、主に子どもたちが、それぞれ語る。

<第一章 私>
30歳を過ぎた真澄の語り。
両親が離婚して母親が親権を持ち、兄と3人で暮らしていたが、新しい父親が
できた時のこと。
兄の澄生は17歳のとき落雷に打たれて亡くなったこと。
それ以後、母がアルコ-ル依存症になり入退院を繰り返すことになったことなどを
家族の歴史を大まかに語る。


<第二章 おれ>
社会人になった創太の語り。
大学時代の食堂で働いていた50歳過ぎの女性・真知子と付き合っている。
自分の本当の母親は病死しているが、新しい母親に自分の存在を認めて欲しくて
必死だった子ども時代のことを語る。


<第三章 あたし>
澄川家になかで唯一、みなと血がつながっている千絵の語り。
家族のことを冷静な目でみている。


<第四章 皆>
現在の澄川家の話。
真澄は恋人のロバ-トと付き合っていて、かれには病気の妻がいたが・・・・
アルコ-ル依存症の美加をなんとか立ち直らせたいと思う子どもたちの気持ちが
美加に通じたようなラストは胸がジ~ンとした。


澄川家の家族は、澄生の死を抱えて、長く苦しい時期を過ごしたけれど、最後は
皆で良い方向に向かっていけそう。

澄生と真澄の曾祖母が遺したことば
「人生よ、私を楽しませてくれてありがとう」が冒頭に出てきたけれど
生きていれば、いろいろあるのは皆同じ。
だけど、最後にそんな風に思えるのって理想だな。


明日死ぬかもしれない・・・・こんな時代だからこそ、
このことばを胸に留めながら日々の暮らしを大切に送りたい。
なんて思った。


                            ★★★★
41hSltyaDTL__SL500_AA300_.jpg発行年月:2011年11月

ぼくの愛したその男、罪人(つみびと)につき。
非の打ちどころのない優しさを持つ青年、漱太郎。紳士の顔に隠された、道徳の汚れを垣間見たそのときから、夢生は彼の“告解の奴隷”となった――。
哀切極まる衝撃の結末に、あなたは耐えられるか。
圧倒的熱量で紡がれる生と性の残酷さ、ままならない恋の究極。

眉目秀麗、文武両道、才覚溢れるジェントルマン。その正体――紛うことなき、犯罪者。
誰もが羨む美貌と優しさを兼ね備えた青年・漱太郎。その姿をどこか冷ややかに見つめていた同級生の夢生だったが、ある嵐の日、漱太郎の美しくも残酷な本性を目撃してしまう。それは、紳士の姿に隠された、恐ろしき犯罪者の貌だった――。その背徳にすっかり魅せられてしまった夢生は、以来、漱太郎が犯す秘められた罪を知るただひとりの存在として、彼を愛し守り抜くと誓うのだが……。
比類なき愛と哀しみに彩られた、驚愕のピカレスク長篇小説。


                                       (講談社HPより)



衝撃的な恋愛小説でした!!
さすが、山田詠美!!

普通の恋愛話を書くわけが無いと期待して読んだけど、期待以上でした~。
最初から最後まで一気読み。

これは一般受けする話ではないかも?
男女の清い恋とは、180度別のものなので・・・・・^^;

20年前から特異な関係を保ち続けている、漱太郎と夢生。
ジェントルマンとは漱太郎のことである。
高校で知り合った二人だけど、その当時の漱太郎の最初の印象はジェントルマンと呼ぶにふさわしい。
勉強が出来て容姿端麗なのに、少しも嫌味でない立ち振る舞いで皆から好かれる漱太郎。
だけど。。。ある日、そんな漱太郎の本性を知ってしまう夢生。


そのギャップはあまりにも大き過ぎるけれど、何故か更に惹かれていく夢生。

20年後の彼らの生活に舞台は変わり・・・
二人の関係は、更に周りの人間も交えながら学生時代ほどの濃厚なかんじではないものの続いている。
漱太郎は結婚し、息子が二人いる。
穏やかな結婚生活を続けながらも狂気めいた本性は隠し持っている。

漱太郎の妹の存在が明かされるあたりからもその隠し持っているものの正体が不気味さを増す。

そして・・・・ラストはまたまた衝撃的でした!!
多少の予測はつくもののこういう形で終わるとは!?

凄い!
読み終えたら、脱力。



このタイトルと本の装丁のセンスも好き!!

★★★★★
 
faa69cd6.jpg   発行年月:2010年10月


   小さくて最高にリッチな、いくつもの愛のかたち

   甘かったり、苦かったり、怖かったり。
   最高の日本語の使い手が腕によりをかけた、
   20余篇の恋愛がつまった宝石箱のような短篇集

                                   (文藝春秋HPより)



21篇の短いお話ですが、どれも良い!
変わっていて面白かったのは
「電信柱さん」・・・電信柱が主人公の物語で、ちょっと童話のようですが、なかなかシュ-ルです。
人間の行動を見ながら思う事は、笑えたり、なるほど~とうなずいたり・・・。
そして、さくら草との会話は、なかなか高尚。
最後は、ちょっと哀しい。

それから・・・
「涙腺転換」・・・泣き虫だった彼は母親から男子たるもの決して涙を見せてはなりませんと言いつけられ、それを守って生きて来た。
そして、母親が亡くなると体が変化して、涙は尿として流れるようになる。
笑える話だけど、当事者となれば、これは困るな・・・・。


短編の所々で登場の「GIと遊んだ話」が良かった。
「一~五」まで出て来て、それぞれが違う場所で違う人たちでの話。
共通するのはGIと遊ぶ女性たちの話ですが、自由奔放なにGI相手に遊ぶ女の子の話のなかに戦争の話があったり。
最後の「GIと遊んだ話(五)」は、辛いことを乗り越えて一緒に生きることに決めた二人の話で
これがこのタイニ-スト-リ-ズの最後の話で良かった♪


いろいろな話で楽しい短編集でした!

 

★★★★
 

  

b0e31ff1.jpg発行年月:2009年6月


私ねえ、欲望の愛弟子なの。

4人の少年少女たちの、生と性の輝き。
そして、いつもそこにある、かすかな死の影。

山田詠美の新たなる代表作

                      
(本の帯文より)

タイトルの「学問」から連想すると・・・堅苦しいお話?とも思いますが、
帯文の「欲望の愛弟子」を見ると・・・・官能っぽい?

そして、読み始めると、最初にあるのは、雑誌掲載された一人の女性・香坂仁美の死亡記事。
享年68歳。

その後の文では、ガラッと雰囲気が変わって、仁美が東京から転校し、静岡県のとある場所にある小学校の同級生たちとの日常が描かれる。
大人からも子どもからの人気者の心太(ところてんとも読むから・・・てんちゃん)
心太のことを好きな千穂(チ-ホ)
病院の跡取り息子で食いしん坊の無量(ムリョ)

ほかにも可愛くて、頭も良いけど、ちょっと自己中心的な素子やら、学校の先生たちとの関わりも。
彼らが1962年生まれという事、静岡県ということで、私自身との共通点がある為、
おやつの うなぎパイやら源氏パイとか彼らが話す方言「~だら」「~じゃん」「ひずるしい」などを読むと自分の小学生時代とだぶりました(笑)

そんなのんびりした日常の中で、ふとした瞬間に気づく体の奥深くで感じる「得体のしれないもの」。
仁美の視点で性に目覚める少女のリアルな様子が新鮮。
大人の「性」にまつわる話にはない、不思議なかんじ。
男の子のそういう話(書きにくいなぁ~^^;)は、意外と今までも読んだ事あるけど、女の子の・・・仁美自身もそれをなんと言っていいのか分からず「儀式」と呼んでいました。
彼女の言葉を借りて。。。。その儀式の様子がリアルに書かれているわけです。

子どもなので、それがどういう意味があるのか?不思議で心太に話したり、みんなで考えたり・・・その事を知ってる大人にとっては、赤面しちゃうような言葉だったりするのですが、子ども達は、純粋な気持ちで「なんだろね?」と言ってる。


物語は彼らの小学生~中学生~高校生の出来事を断片的に追ってゆくのですが、途中で一人ずつ冒頭の仁美ような死亡記事が載ります。
亡くなった年齢もバラバラですが、経歴などを見ると、大人になり、それぞれが、立派な社会人に成長したことがわかるものです。

多くの事を学びながら、きっと有意義な人生を歩んだんだなぁ~と思えました。


最後の最後、仁美と心太の子どもの頃に戻っての会話が、なんとも言えず良かった!

山田さんの作品、「風味絶佳」以来、久しぶりに読んだけど、やっぱりいいな!

★★★★★

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