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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2015年6月

愛した男は誰だったのか――
現代人の心の襞の奥底に踏み込む、濃密な心理サスペンスの誕生。

なぜ生きるのか? なぜ愛するのか?
人が他者を、自らを支えきれなくなった時代、「生と性」の意味を問い続けてきた著者が贈る、渾身の感動長編!

孤独の中を生きてきた男女が辿りついた場所とは――

幸村鏡子は、長野県軽井沢の外れにある花折町で小さな文学館の管理人兼案内人の仕事をしながら独りで暮らしている。
夫を亡くしてから心身のバランスを崩していた鏡子は、町内の精神科クリニックで高橋智之医師の診療を受けはじめる。やがて鏡子と高橋医師は恋に落ちるが、高橋医師は突然姿を消してしまい......。

                 (毎日新聞出版HPより)



夫を亡くしてから、心理的に不安定になった幸村鏡子(59歳)。

友人・泰代が教えてくれたクリニック内の精神科を受診し、その医師・高橋(55歳)の
診察を受けるようになってから、症状が改善していく。

やがて、鏡子と高橋は、患者と医師という間柄から、男女の関係に。

そこまでは、よくある話なんですが・・・・

高橋の抱えた重たいものの正体がわかり、二人は一旦離れてしまうので
その後どうなるのか気になりつつ読み進めるかんじ。

兎に角、最初から最後まで一気に読みました。

大人の恋愛小説です。
いままでの作品のような濃厚な性的な場面は殆どないのですが、
鏡子の心理描写が、読むがわに強く伝わって来て、切なくなります。

高橋は、間違ったことをしたわけですが・・・・
実害を被った人はなく、逆に鏡子のように救われた人が多くいたということは、
医師の在り方を問うような意味もあったかな?


最後、二人は再び会い、お互いのことを何もかも受け入れて
新たな幸せを一緒に掴もうとしているかんじで、ジ~ンとしました。


大人のための恋愛小説というかんじで、良かった!

表題の意味もよくわかりました。

小池さんの小説、やっぱりいいな。と思わせてくれました!


                          ★★★★★



 
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発行年月:2015年2月


 男は抗い、女はたゆたう。

「生まれてから死ぬまでの『時間』。死に向かって生き続けるための哲学。この10年間、私はそればかりを考えて書いてきました」(著者)

義母の葬式で、男が思い浮かべた“女”の姿は――。
生と死、愛と性、男と女を見つめ続けた珠玉の8篇。

小池真理子の新たな到達点。9年越しの最新作品集。

                     (講談社HPより)





男は抗い・・・はなんとなくわかるのですが・・・・

女はたゆたう・・・??と思い調べました。

たゆたう・・漢字だと「揺蕩う」・・・こうすると意味がちょっとわかりますね~。
ゆらゆらと揺れ動いて定まらないことだとか。

なりほど・・・・この短編集の男と女は、そんなかんじの男女を描いていました。


<過ぎし者の標>
母の再婚相手の弟で映画監督の42歳の久爾夫と27歳で知り合った美貴。
久爾夫に憧れに気持ちを抱き二人で会うことに楽しみを覚えるが・・・


<つづれ織り>
父が他の女と一緒になりたいと言い離婚を受け入れた母。
わたしと兄は母と共に借家暮らしを始める。
母はそこの家主の息子・大学生と関係を持つ。


<落花生を食べる女>
父のつくる雑誌の専属モデルだった、あかり。
今は70歳だがどこか妖艶。あかりのことが始終頭から離れない。


<修羅のあとさき>
恋人と別れ苑子と親しくなったが、再び元恋人と付き合い始め、妊娠を機に結婚する
ことになる。
苑子に別れを告げ承諾してくれたが、その後、精神に異常を来たす。
20年ぶりで苑子に会いに行くと苑子の母と約束し会いに行く。


<常夜>
かつて夫だった人の死を知り、その姉に連絡を取り、お線香をあげさせてもらう
ために訪ねる。


<テンと月>
夫の夢に付き合い、ペンション経営を始めた。
暫くして経営が上手くいかなくなり、夫も急死。
自分もこの地を離れようと引っ越しの支度を始める。


<千日のマリア>
妻の母・美千代が亡くなった。
美千代との関係は、妻には話せないこと。


<凪の光>
57歳の智美は老人ホームでヘルパーとして働いている。
離婚後10年。
ある日、入所者の息子夫婦が訪ねて来た。その夫婦は自分の同級生だった。



表題作の<千日のマリア>は、話としては嫌な話だったなあ~。
妻の母親・美千代と関係を持つ夫・秀平・・・・気持ち悪い(;O;)
美千代は、きっと自分の娘のために黙って受け入れ、その秘密を墓場まで持って
行ったんでしょう。
本当に不憫でならない。
これからは良き夫、良き父親として生きて欲しい!


色々な男女の関係。
どれも興味深く読んだ。


                           ★★★★




発行年月:2014年7月


 送別会の幹事だった私は、忘れ物として黒い女性用のカーディガンを渡された。
だが、それを着ていた出席者はいなかった……。
名手が描く、死者と生者の世界が交錯する、珠玉の幻想怪奇短編集。 

                    (集英社HPより)




7つの短編集。

小池さんの書く怪談ってどんなかんじだろ?と読む前からワクワク。

最初の話が一番怖かった!
ちょうど、寝る前に読んだからかもしれないけれど。。。



<岬へ>
20年前、かつての友人が身投げした岬近くのペンションを訪れる。
身投げした友人から好意を示されてもいつも冗談ぽく交わしていた。
自殺したのは、自分の態度がいけなかったのか?    


怖かったぁ~。
夜中、目が覚めて部屋を出て、冷蔵庫の飲み物を出して振り返ると人が・・・・
ああ、それだけでドキッとしたのに、更にその人との会話が・・・



他の話は、まあちょっと不思議という感じでさほど怖くはなかったかな?

<座敷>
親友の嫁いだ屋敷を訪れる。
その屋敷は、とてつもない広さで、親友は先に亡くなった夫の弟と再婚したが
再婚してから、亡くなった夫が現れるのだという。

亡くなった先のご主人は、どんな思いで現れるのだろう?


<幸福の家>
散歩の途中、公園で1人寂しげに座っている老人と会話する小夜子(22歳)。
老人は妻を亡くし愛猫もその後亡くしたと語る。
小夜子は、その日から公園を訪れるのを日課とし、老人と会話する日々が続く。
そして、ある日、老人を家に招待したいと申し出ると
「遊びに行きたくても行かれない」と。 

小夜子がまさかこの世の人じゃないとはね。


<同居人>
森の中の一軒家に1人で住んでいる80歳の女性。
でも少しも寂しくないし、不便は感じていないと、電気メーターの検針員の
女性と会話する。

なるほど・・・そういう同居人がいれば寂しくないかもね。
不思議と怖くない。


<カーディガン>
貸切にした店での同僚の送別会幹事をしたヨウコ。
帰り際、店主から「忘れ物」と渡された黒いカーディガン。
仲間の誰かの忘れ物かと預かったが、誰の物でもなかった。
自分たちのほかに店に居たというもう1人の物?その人の住所がわかり
そこへ持って行くことに。

ヨウコは、この後、どうなっていくんだろ?


<ぬばたまの>
西洋美術史を大学で教える男性。
妻は13歳年下の元教え子だったが、病死した。その妻がこのところ頻繁に
現れる。

この男性は、妻のことを本当に愛していたんだなぁ~。
とても切ない話。


<還る>
二人部屋で入院中、隣のベットの老女が話す不思議な話。

死者もあの世で成長するのかなぁ~?
身内ならどんな姿になって出て来ても、わかるかな?



いろいろな怪談話。
怖い話は苦手なわたしも楽しんで読めたので良かった♪


                           ★★★




発行年月:2014年4月



生きて、愛して、死ぬ、ということ。
その途方もない歓喜と悦楽。

あなたの心をかき乱す、七つの物語

                 (本の帯文よる/文藝春秋)




どれも濃厚な読み応えでした!

小池さん、凄いなぁ~。


<鍵>
46歳の周子。夫が病で急死し、今は長男と二人暮らし。
ある日、合鍵が出てくる。
それはオフイスに出入りしていた女性の部屋の鍵ではないか?と勘ぐる。


<木陰の家>
今は森のような木々に囲まれた実家で猫と暮らすわたし(58歳)。
かつては、ここには両親と、離婚後で戻った姉が3人で住んでいた。
わたしは実家にあまり寄りつかず、自宅療養の父の世話は主に姉がしていた。
そして父の危篤の知らせで実家に戻ったわたしだったが、不倫相手の家が実家の
近くにあったので、実家を抜け出し、家を見に行く。
そんな30年前のことを回想。


<終の伴侶>
13年前に離婚し独り暮らしの喜和子(57歳)。
別れた夫・拓郎の姉から拓郎の死を知る。
そして13年前に別れたときの拓郎の姿を想う。


<ソナチネ>
ピアニストの佐江は、チェリストの婚約者が居る。
とある金持ちの令嬢・菜々子(11歳)のピアノを個人的にレッスンしていて、
別荘で開かれる菜々子のリサイタルに招待された。
そして出会った菜々子の叔父にあたる男性・健次郎。


<千年萬年>
東京の娘一家が1週間滞在後帰っていった。
美津代(52歳)は、疲れがドッと出ている。
買ってあげたのに結局置いて行ったカメ。
買い物途中に見かけた指圧院の看板。
指圧でもしてもらおうと気楽な気持ちで指圧院を訪れるが、それは未知の
感覚を美津代に開花させる。


<交感>
26歳の作家・小堀縫子にファンレターを送る老齢の男性・飯沼政夫。
小説の感想を述べ、日常のことなども書いて寄越すファンレターに好感を抱き
返事を書く縫子。
そして、手紙のやり取りが続く。


<美代や>
内科医院の水口新平の元にある日、堀美代が亡くなったとの知らせがある。
美代は、水口家で住み込みで働いていたことがある女性。
母親は、美代のことを「美代や」とよく呼んでいた。
そして幼かった自分も美代のことを慕っていた。



表題作<ソナチネ>と<千年萬年>は、官能的。
ソナチネのピアニスト佐江は、この後、どうなっちゃうのだろ?
一方の千年萬年の美津代のこの後もすご~く気になる^^;
指圧の自宅出張って・・・・ドキドキ妄想が膨らんじゃうわ~(笑)。

官能的な描写も小池さんだと下品にならないのが良いですね~。
これ以上は、ちょっと読みたくないというギリギリのところで止めてくれるかんじ?


ほかの話もそれぞれ良かった。
主人公たちの年齢が自分の年に近いのもリアルなかんじで
老いは誰にもやってきて死もだんだん、身近になっていくんだなぁ~
なんて思って少し暗い気持ちにもなったけれど
残された時間を有効に生きていかなきゃなぁ~なんてことも考えた
意外と深いお話でした。


                         ★★★★★
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   発行年月:2012年11月

  生涯に1度しか書けなかった家族の物語

  亡き父が遺した日記には娘への愛、家族との不仲、
  そして恋人との魂の交流が記されていた。
  生と死、家族を問い直す入魂の感動作


                          (文藝春秋HPより)



主人公の三國衿子は、離婚して一人暮らし。
文芸誌の出版の仕事をしている。

衿子の父・泰造は衿子がまだ幼いときに他の女性と家庭を持つために出て行った。
その後は母親と二人暮らしをしていたが、母親は現在、認知症を患い施設入所中。

父は新しい家庭を持ち、そちらでも娘が二人。
成人し、それぞれ家庭を持っている。

父はパ-キンソン病を患い手足の自由が利かず、施設入所。
そして亡くなった。

物語は、亡くなった後の葬儀の場面から、父が生前、交流のあった人たちの存在を知り
泰造の知らなかった一面を少しずつ知ることになる。

晩年は病気のため、殆ど話すことはなかった泰造。
しかし、話さなかったけれど、いろいろなことを考え、生きることの情熱も失ってなかったと知る。
娘としては、複雑な心境になるような事実も出てくるけれど、そんな風に生き抜いたのだと知れたのは嬉しいことなのかもしれない。

再婚後の生活のなかで、ほかに大事に想う女性の存在があったり・・・
短歌の会で親交を深めた女性との友情があったり・・・

自分は幼いときに父から捨てられたのだけど、自分のことを最後まで気に掛けてほかの二人の娘より深い愛情を感じていてくれたと知る遺された手紙の文面はジ~ンとした。

短歌を通じて知り合った女性と交わす手紙のなかに詠まれている歌も素敵だった!

そして巻末の著者のことばで、泰造の詠んだ歌は小池さんのお父様が実際に詠んだ歌だそうで
なんだか感動した!

この物語は、小池さんのお父様がモデルなんですかね?


読み応え十分の物語でした!


 

★★★★★

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