忍者ブログ
読んだ本の感想あれこれ。
[1]  [2]  [3]  [4]  [5]  [6



発行年月:2023年8月


2023年、必読の家族小説
「家族に挫折したら、どうすればいいんですか?」
太平洋戦争直前、故郷の岐阜から上京し、日本女子体育専門学校で槍投げ選手として活躍していた山岡悌子は、肩を壊したのをきっかけに引退し、国民学校の代用教員となった。西東京の小金井で教師生活を始めた悌子は、幼馴染みで早稲田大学野球部のエース神代清一と結婚するつもりでいたが、恋に破れ、下宿先の家族に見守られながら生徒と向き合っていく。やがて、女性の生き方もままならない戦後の混乱と高度成長期の中、よんどころない事情で家族を持った悌子の行く末は……。
新聞連載時から大反響! 感動という言葉では足りない、2023年を代表する傑作の誕生


                    (KADOKAWA HPより)




550頁越えの長編でしたが、頁を捲る手が止まらない。

家事とか、やらなくていいなら、ずっと読んでいられる(笑)


主人公の悌子がすごくいい。
人として、素晴らしい!尊敬する。

教師としても母親としても最高。

結婚したときは、流れでなんとなくという感じだったけれど、夫になった権蔵も
素敵な人だった!
悌子と二人が揃ったら怖い物なしのかんじで色んなことを乗り越えていく姿は
清々しい。


戦争前~戦後の時代の話なので、辛いことも多いんだけど、そのあとに
必ず希望があって救われる。

悌子の幼馴染・神代清一とは、戦争で二度と会えなくなったけれど
その息子・清太との関係は素敵。
血の繋がりがなくても、こんな風に家族になれるんだな~。

運動が苦手の権蔵が清太とキャッチボールをするラストは泣ける(/_;)

本当に素敵な物語だった!!




                        ★★★★★
PR



発行年月:2023年1月


第21回『このミステリーがすごい!』大賞 大賞受賞作
 
「認知症の老人」が「名探偵」たりうるのか? 孫娘の持ち込む様々な「謎」に挑む老人。日々の出来事の果てにある真相とは――? 認知症の祖父が安楽椅子探偵となり、不可能犯罪に対する名推理を披露する連作ミステリー!
 
<最終選考委員選評>
●レビー小体型認知症を患う老人が安楽椅子探偵をつとめる“日常の謎”系の本格ミステリー連作で、ラストがきれいに決まっている。(大森望/翻訳家・書評家)
 
●マニア心をそそられる趣向が凝らされており、古典作品へのオマージュも好印象。ディーヴァーのリンカーン・ライムのヴァリエーションのようだ。(香山二三郎/コラムニスト)
 
●キャラクターが非常に魅力的。彼らの会話がとっても楽しい! 全体を通しての空気感、安定感が秀逸でした。魅力的な物語を書き続けていける方だと確信しました。(瀧井朝世/ライター)
 
<あらすじ>
かつて小学校の校長だった切れ者の祖父は、71歳となった現在、幻視や記憶障害といった症状の現れるレビー小体型認知症を患い、介護を受けながら暮らしていた。
しかし、小学校教師である孫娘の楓が、身の回りで生じた謎について話して聞かせると、祖父の知性は生き生きと働きを取り戻すのだった!
そんななか、やがて楓の人生に関わる重大な事件が……。

                     (宝島社HPより)



レビー小体型認知症の71歳、元校長先生という設定が面白い!
疾患特有の幻視をうまく物語に活かしていたのは、良いアイデアと思った。


短篇ミステリーの形で、孫娘の楓(小学校の教師)が持ち込む謎を
認知症の祖父が解いていく。
謎解きの部分は楽しかった。
軽いものもあったけれど、殺人も起きたり、楓自身に起きるストーカー問題は
物語の終盤で盛り上がった。


ミステリーより興味深っかったのは、楓とその同僚教師・岩田。
岩田が高校時代、野球部でバッテリーを組んでいた後輩・四季。
四季は劇団に所属していて、とても風変り。
それでもこの3人の関係がいい。
男性はそれぞれ楓に好意を抱いていて、その想いも楓は知っている。
どちらかを恋人に選ぶのか?
たとえ、どちらかと恋人になっても3人の関係は持続していきそう。

ミステリー抜きでも面白そうだけどな。
続編があれば、読んでみたい。


                       ★★★


発行年月:2022年4月


◎第167回直木賞候補作◎
◎各書評で大絶賛!!◎
東京、炎上。正義は、守れるのか。
些細な傷害事件で、とぼけた見た目の中年男が野方署に連行された。
たかが酔っ払いと見くびる警察だが、男は取調べの最中「十時に秋葉原で爆発がある」と予言する。
直後、秋葉原の廃ビルが爆発。まさか、この男“本物”か。さらに男はあっけらかんと告げる。
「ここから三度、次は一時間後に爆発します」。
警察は爆発を止めることができるのか。
爆弾魔の悪意に戦慄する、ノンストップ・ミステリー。

                (講談社HPより)



酔っ払って酒屋前の自販機を蹴飛ばし、その酒屋の店主を殴って捕まり
野上署で取り調べを受けるスズキタゴサク。
その最中、東京都内での爆発の予感がすると話し、実際に秋葉原で爆発。
その後もスズキは取り調べの警察官相手に、次の爆破予想など告げていく。
まだまだこれは続くと。


スズキと警察官の取調室でのやり取りは、正直、長いなぁ~と思った。
東京の土地勘がないので余計に・・・(^^ゞ

最初の爆破では軽傷者3名だったが、その後、東京ドーム付近の爆破では
ウォーキング中の夫婦が巻き込まれ妻が死亡。

代々木公園での爆破では、炊き出し中の時間帯で60名以上が巻き込まれ
死者11名。


取り調べをしながら、警察は、爆弾の捜査に奔走。

それに絡んでくる一人の警察官の不祥事のちの自殺。
その不祥事というのが、ちょっと理解し難いことだけど、本人もかなり
悩んでいたというから少し気の毒。
それでも電車に飛び込み自殺という方法が、家族を更に苦しめることになる。
そのくらい考えて欲しかった、
自殺の方法が違えば、もしかしたら、残された家族は金銭面ではここまで
苦しまず、爆破事件にも発展しなかったかもと思えてしまう。


スズキタゴサクは、爆破事件にどうかかわっていたのかは、終盤わかってくる。


う~ん。
事件の背景にあるものがダーク過ぎて、真相がわかっても全くスッキリしない。
爆弾ももしかしたら、まだ残されたまま?

モヤモヤするぅ~!



まあ、面白くなくはないけど、好みじゃないな。
話題になったから、読めた作品。



                      ★★★



発行年月:2022年9月


さっ、行こう、ひとりで。 そして、力いっぱい世界を抱きしめよう!
1948年、終戦後の日本。中学2年になったイコの周囲には、やけどを負った同級生や傷痍軍人の物乞いなど、今だ戦争の傷跡が多く残されていた。母を早くに亡くしいつも心のどこかに不安を抱えるイコだったが、英語の授業で習った【~ing=現在進行形】にがぜん夢中になる。「現在進行形、今を進むという事!」急展開で変わっていく価値観に戸惑いながら、イコは必死に時代をつかもうとする。そして「いつかどこかへ行きたい。私ひとりで」そう強く願うようになる。でもまだ、日本からの海外渡航が許されない時代。手段も理由も見つからないまま大学を卒業したイコに、ある日大きなチャンスが巡ってくる……。「魔女の宅急便」の著者・世界的児童文学作家、角野栄子の『トンネルの森 1945』に続く自伝的物語。戦後の日本を舞台に、懸命に自分の路を探す少女の成長をエスプリとユーモア溢れるタッチで描く著者の原点ともいうべき作品。87歳、角野栄子は今も現在進行形だ!

                     (角川書店HPより)


角野さんの自伝的小説。
中学2年から大学を卒業し、社会人になるまでの話。

幼い時から「ここではない世界に行ってみたい」と思っていて
その通り、いつも未知の世界に自分から飛び込んでいくイコ。
逞しいなぁ~。

お父さんのセイゾウさんも理解ある方。
学校で知り合った友達とは、ずっといい関係。
困ると必ず、導いてくれる人が現れたりするのは、イコが素敵な人だから
でしょうね。

早稲田大学を卒業して紀伊国屋書店の編集部に就職。
その後、ブラジルへ。

ブラジルでの生活も気になる。
そのことは、また続きで書いてくれるのかな?
期待して待とう。


現在87歳ということだけど、NHKの番組での日々の様子を見る限りまだまだ
活躍できそうなかんじで、とても素敵。
また元気な姿も見られるといいな~。



                   ★★★★




発行年月:2019年9月


84歳の今も、私は現在進行形!「魔女の宅急便」の著者、待望のエッセイ集

洗濯する背中にもたれて感じたぬくもりは死別した母のたいせつな記憶、毎晩兄弟で取り合った父のあぐら、そこできいたオノマトペをまとう物語、ブラジルで出会った赤毛の魔女、「普通のおかあさんになってよ」と娘からいわれた日、昭和・江戸川の土手に住みついていた浮浪者のハーちゃん、紀伊國屋書店本店の喫茶室で見たフランス帰りの岡本太郎……。
喜びだけでなく、悲しみも人に力を与えてくれる。みんな、私を作った「集まっちゃった思い出」。
50年の作家生活で各紙・誌へ寄稿してきた中から選んだ、珠玉のエッセイ集!

                  (KADOKAWA HPより)


角野さんのエッセイは初めてかな?
絵本はよく読んだけれど・・・

最近、Eテレで放送している「カラフルな魔女」も楽しみにみている。
現在は、86歳?
変わらず、綺麗でお茶目で、ファッションセンスも抜群!
こんな80代になれたらいいなぁ~なんて思っている。


このエッセイを読むと角野さんがどんな幼少期を過ごして、それが全て
絵本を書く核になっているんだということがよくわかる。
子どもの頃、怖がりで泣き虫で・・・
子どもの頃、感じたことって案外、覚えているものかも。
読みながら、共感した話もあった!


角野さんの絵本は、また再読してみたい。
そして絵本以外にも幾つか書いていらっしゃるので、そちらも是非、読んでみよう。



                      ★★★★★
カレンダー
03 2024/04 05
S M T W T F S
1 2 3 4
7 8 10 12 13
14 19 20
24 26 27
28 29 30
メ-タ-
kyokoさんの読書メーター
カテゴリー
フリーエリア
最新コメント
[09/20 kyoko]
[05/23 のぶ]
[09/15 kyoko]
[09/14 ひろ]
[03/06 kyoko]
最新トラックバック
プロフィール
HN:
kyoko
HP:
性別:
女性
自己紹介:
台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪

記事最後の★についての基準は
★★★★★ぜったい再読したい!!
★★★★すごく良かった!
★★★最後まで楽しめた
★★☆最後まで読んだが好みじゃなかった
★★飛ばしつつ一応最後まで目を通した
★途中放棄^^;

バーコード
ブログ内検索
P R
カウンター
フリーエリア

Copyright (c)本を片手に・・・ All Rights Reserved.
Powered by NinjaBlog  image by Night on the Planet  Template by tsukika

忍者ブログ [PR]