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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2015年1月


 幼い頃から想いを寄せていた諒一を奪った親友・百合。二人の息子に「直巳」と名付けた日から、真由子の復讐が始まった。22歳年下の直巳を手塩に掛けて〝調教〟し――。谷崎潤一郎作家の山田詠美が、名作『痴人の愛』に挑む、絢爛豪華な愛憎劇!

                    (中央公論社HPより)





前からこの著者の文章が好きでしたが、これは秀逸!!

谷崎潤一郎の『痴人の愛』が文中にも出てきて、主人公の真由子が親友の息子・直巳を
幼い時からずっと見守り、自分好みにつくりあげていく過程が描かれる。
それに伴い、直巳の母・百合と真由子の幼いときからの関係が描かれ
表面上はお互いが親友として付き合うけれど、心の奥に秘めるものが
成長するにしたがって大きくなっていく。


真由子の父の死の真相は衝撃的だったなぁ~。
大好きな父親の死の真相を知ったショックは相当なものだったでしょう。


そして息子の直巳と真由子の関係を知った百合もショックだと思うのだけど・・・・

真由子も百合も衝撃を受けたであろうのに、その気持ちをあまり表さず
変わらぬ親友の付き合いを続けているところが、怖かった。


ドロドロの愛憎劇が中身なのに、表面上は綺麗な文章でサラサラと過ぎていく。


谷崎の『痴人の愛』をまた読んでみたくなった。


                         ★★★★★
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