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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2022年10月


親子とは、なんであろうか。誕生とは、どの瞬間をさすか。なぜ多くの夫婦が、実子に拘るのか。養子ではいけないのか。子とは、両親の遺伝子を運ぶ船であり、親が子を助けるのは、自らの遺伝子を載せた方舟を無事に船出させるためだ。そうとまで言い切る学者もいる。自分の犯した罪を忘れたいがためなのか、この世に産声をあげた子らは、すべからく何れかの親を持つ天からの贈り物である、と今ここにいる老人は信じます。――本文より

                       (光文社HPより)



赤ちゃんの取り違えが題材の物語は幾つか読んだり、映画で観たり
していたけれど、生殖医療が進んだ時代では、こういうことも起こりうること?と
ちょっと怖くなった。

取り違えは、受精卵を培養するためのシャーレの取り違え。
別のひとの受精卵をお腹のなかで育て、出産している2人の母親とその子ども。
どちらも女の子。
そして日本人と韓国人。


そのうちの一人、宮本菜々子は、医大生になっている。
ある日、血液型の検査を受け、両親が共のO型なのにB型の判定。
不思議に思い、自ら家族のDNA検体を集め、遺伝子検査をする。
自分は両親のどちらでの子どもでもないことがわかる。
同級生の韓国人・ジヒョンが偶然、同じ時期に菜々子の産まれた産院で
生まれていたことがわかるが、別の韓国人夫婦の子どもが菜々子と入れ替わって
いることまでわかる。

菜々子は、本当の両親に会うため、韓国へ。



事実は判明した後も変にパニックにならず冷静に行動する姿は好感が持てた。
医師を目指している人だからか?
自身が母親に感じていた、違和感の原因がわかったことに納得し、
それまでより逆に良い関係が築けていけそうなのもよかった。


しかし、間違いのもとを引き起こした医師・高山は、ちょっと許せない。
間違いに気づいたタイミングも割と早い時期だったのに、隠したまま。
でも、もし、気づいた時点で打ち明けていたら、どうなっただろう?
2人の女性が入れ替わっても、それぞれの両親のもとで健康に平穏に
生活できていたから、後から知ってもそれほど、混乱が起きなかったのは幸い。


読みながら、色々、考えさせられる内容だった。



                      ★★★
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