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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2023年9月


紀州の山間の小さな町に紅滝という美しい滝がある。その滝には運命の恋と信じた相手に裏切られた姫の、哀しい伝説が残されていた。だが、伝説が語らない恋の歴史があった。それは逃れることのできないさだめの螺旋。現代から過去――大正、江戸、安土桃山、そして南北朝へと逆巻きに、二人は出会いを繰り返す。恋に呪いをかけた二人の誓いとは。紅滝に奇跡は起きるのか。
感動のクライマックスが読む者を圧倒する傑作。

                     (光文社HPより)


5つのお話。
別々の話だけれど、舞台になっている場所は同じ。
紅滝という美しい滝、そのそばに祀られたお姫様の哀しい伝説。


最初の話は、現代。
滝のそばにある旅館・瀧口屋の娘・美鳩。
秋に行われる滝祭りの「紅姫」役を無事に終えたあと不幸な事故で亡くなる。
それから5年ほど経ち、一人の男・望月志郎が引っ越してくる。

美鳩と望月のなんとも哀しい恋。


次の話は大正時代。
その次は、江戸時代、そして安土桃山時代、鎌倉・室町時代へと過去へ進み
紅姫伝説の元の話は最後にわかる。




どの時代にも「望月」という男が出てくる。
この世に未練を遺したまま、時代により姿を変えて蘇ってきているのか?


なんとも不思議な人の強い情念のようなものを感じる。


遠田さんは、哀しい話を描くのが本当に巧い。






                      ★★★★


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発行年月:2023年2月


たった一つのどら焼きが、海を越え、時代も越える。
少女の切実な願いが胸を打つ感動巨編!
製菓学校を卒業した樋口和子(わこ)は、浅草にある奥山堂の門を叩く。
祖父が亡くなる前に作ってくれた特別などら焼きを再現すべく、和菓子職人への第一歩を踏み出すために。
だが、待っていたのは男ばかりの職人世界の逆風、なかなか工房に立たせてもらえない年功序列の社会。
荒波の中でもひたむきに努力を続ける和子は、やがて一人前の職人になっていく。
一方、調べていくうちに、祖父が太平洋戦争に出征していたころ、ある船に乗っていたことを知る。
「お菓子の船」と呼ばれていたその船にこそ、どら焼きの秘密があるかもしれない。
当時の乗員に会って話を聞いていくうちに、和子は祖父の知らなかった一面を見つけていく。
ふんわりと溶ける皮、口の中でほどける餡子と、ひとつまみの“秘密”。
誰にでも、一生ものの忘れられない味がある。
「お菓子には不思議な力があるんだよ」

                    (講談社HPより)


幼いころに食べた祖父が作ったどらやきの味が忘れられず、いつか自分もと
和菓子職人になる。
祖父のどらやきを食べたとき、春と海の景色が見えた。
お菓子を食べて景色が見えることが驚きで、祖父に話すと凄く喜んでくれた。


和菓子職人になってからも苦労続き。
でも、懸命に努力して技術を身につけていく。

女性が居ない職場というなかで最初は、好奇な目で見られたり
いじわるをされたり・・・でも次第に他の職人に認められていく。

一方、祖父のことをもっと知りたいと、祖父を知る人を探し話を聞きにいく。
そんななかで、祖父が戦時中は食糧艦<間宮>のなかで菓子を作っていたと
言うことを知る。
当時の祖父を知る人の話を聞きに福島まで行き、戦地でのことを聞く。

菓子を作るための船なので戦闘に備えた装備はなく、最後は敵に撃たれて
沈没したという。
270名ほどの乗員のなか、助かったのは6名のみ。
祖父はそのなかの一人。

知らない史実だった。


和菓子職人として成長していく、女性とその祖父の話、
すごく読み応えあった。

初読みの作家さんだったけれど、読みやすいし、また他の作品も
是非、読んでみたい!




                     ★★★★★



発行年月:2013年9月


小6の冬、リョウは仲良しのいとこナオを亡くしてしまう。中学生になって、ぼんやりと過ごすことが多くなったリョウ。そんなとき、リョウの前に現れたのは、次世代の世界のリーダーを育成する団体「GeKOES(ジーコーズ)」で同じユニットのメンバーだという、ナオにそっくりなナオミだった──。
児童文学総合誌『飛ぶ教室』で連載した「リョウ&ナオ」が単行本になりました。切なくもきらめく青春物語を、どうぞご堪能ください。

                   (光村図書出版HPより)



図書館の児童より少し大きい子のコーナーで、手に取り借りて来た。

そんなに厚くないし、すぐ読めるだろうと思って読み始めたけれど
結構、じっくり読ませるタイプの話でだった。

大人でも楽しめる。


次世代の世界のリーダーを育成するための団体による企画に参加する
リョウが主人公。
リョウは、子どもの頃からずっと一緒に育ったいとこのナオと参加に応募
していたが、ナオは生まれつきの心臓疾患で手術中に亡くなってしまった。
ナオの代わりに自分が・・・・と参加するリョウ。

同じグループには、日本語を話せるアメリカ人のナオミ。
ハッサン(愉快でお金持ちの子?)、ペネロペ(北米から。沢山の国の言葉を
話せる女の子)、ローハン(インドの子、大人しい)
5人の絆がすぐに固く結ばれていく様が微笑ましい。

ナオに似ているナオミの存在がリョウには一番。印象的。
最後の日本での研修で、ナオの家が合宿場所になったのもよかった。

世界の国には、まだまだ知らないことがたくさん。
この年代でそれがわかることって凄いことだなと思う。

実際にこういう活動はあるんだろうか?

色々、勉強になった。




                       ★★★★



発行年月:2023年8月


京都が生んだ、やさしい奇跡。
ホルモー・シリーズ以来16年ぶり
京都×青春感動作
女子全国高校駅伝――都大路にピンチランナーとして挑む、絶望的に方向音痴な女子高校生。
謎の草野球大会――借金のカタに、早朝の御所G(グラウンド)でたまひで杯に参加する羽目になった大学生。
京都で起きる、幻のような出会いが生んだドラマとは――。
今度のマキメは、じんわり優しく、少し切ない
人生の、愛しく、ほろ苦い味わいを綴る傑作2篇

                   (文藝春秋HPより)



楽しい2編でした♪
万城目作品を読むのは久しぶりだけど、京都らしいお話。
ありえないことだけど、京都ならこんな奇跡もあっても不思議じゃないな~と
思わせてくれる。


ひとつめの<十二月の都大路上下ル>
は女子の駅伝大会で補欠選手の坂東(さかとう)が先輩に代わり
急遽アンカーを走る話。
超絶方向音痴というのも面白い。
わたしも方向音痴なので、すごくよく分かる・・・^m^

走っている最中に横を走っていく『誠』の旗を持った集団。
ゴールまで競っていた他校の女子生徒との後日談も面白い。


ふたつめは<八月の御所グラウンド>
こちらは、大学生の草野球大会。
毎年、8月のお盆の頃に開催される6チームが対戦して優勝チームを決める。
帰省するものあり、他の用事がある者ありで、9人のメンバーを揃えるのも
一苦労。
案の定、来られなくなった人の代わりを探して急遽参加するメンバーが
まさかの過去の野球界のレジェント?

まさに和製版フィールド・オブ・ドリームの世界でした!!


ああ楽しくてあっという間に読了しちゃった。



                      ★★★★★



発行年月:2017年10月


ダンス用品会社のセールスレディは、ヘンな顧客や不倫上司に絡まれぶちギレ寸前。
踊り出したら止まらない〈笑劇〉の連作短編集

                  (中央公論新社HPより)



なんだか不思議な話だった。
主人公のダンス用品の営業をしている女性は、30代くらい?
名前、出て来たかなぁ~?

顧客の家・田宮家での話も笑える。
不良幼児のナオちゃんと犬のぶんたとみゆき。
ナオちゃんに「火事だからおまわりさんを急いで呼んできて!」と
言われて、慌てておまわりさんを呼んでくるって・・・

先ず、本当なのか確かめなきゃね~^m^


タクシーの運転手に「一緒に死のう」と言われるとか。
世界人格供給商会の男性から、声を掛けられて、人格を採取されるとか。

なんか、よくわからない話がてんこもり。


他に読む本がないときだったから、まあまあ楽しく読んだけれど
なんだかなぁ~という1冊だったな・・・苦笑



                        ★★☆
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