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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2020年7月

ある朝、目を覚ますと腕に大きく「神様当番」という文字が! 突如目の前に現れた「神様」のお願いを叶えないと、その文字は消えないようで……?
 「お当番さん、わしを楽しませて」
 幸せになる順番を待つのに疲れたOL、理解不能な弟にうんざりしている小学生の女の子、SNSでつながった女子にリア充と思われたい男子高校生、学生の乱れた日本語に悩まされる外国人教師、部下が気に入らないワンマン社長。
 小さな不満をやり過ごしていた彼らに起こった、わがままな神様の奇跡は、むちゃぶりなお願いから始まって――。
 ムフフと笑ってほろりと泣けて、最後は前向きな気持ちになれる。
5つのあたたかい物語。

                   (宝島社HPより)



表題の「ただいま」は只今という意味だったんだな。
ただいまを、おかえりに繋がるものだと思っていたけれど・・・・(^^ゞ

5人の神様当番の話が順番に。
5人は、毎朝、同じバス停で顔を合わせるメンバー。
他人だけど、ちょっと繋がりがあるのも楽しい。

それぞれの元に突然、現れ、神さまからのお願い事を受ける。
それが叶えられるまで居るのだと。



<一番 水原咲良  OL(23歳)>
神様のお願い事は  「楽しませて」


<二番 松坂千帆 小学6年生>
神様のお願い事は  「最高の弟がほしい」


<三番 新島直樹  高校1年生>
神様の願い事は   「リア充させて」


<四番 リチャード・ブランソン  大学非常勤講師>
神様の願い事は   「美しい言葉でお話がしたい」


<五番 福永武志  零細企業社長>
神様のお願い事は   「えらくなりたい」



神様がチャーミングでいいなぁ~。
願い事を叶えてくれるまで居座るから・・・・と言いながら
結局、それは、それぞれの心の中にある思いを現実にしていく
ことに繋がって、皆が前より確実に幸せになっているのが素敵。

面白かった!!



                    ★★★★★

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発行年月:2023年5月


謎と秘密を乗せて、今、長い航海が始まる。
撮影中の事故により三たび映像化が頓挫した“呪われた”小説『夜果つるところ』と、その著者・飯合梓の謎を追う小説家の蕗谷梢は、関係者が一堂に会するクルーズ旅行に夫・雅春とともに参加した。船上では、映画監督の角替、映画プロデューサーの進藤、編集者の島崎、漫画家ユニット・真鍋姉妹など、『夜~』にひとかたならぬ思いを持つ面々が、梢の取材に応えて語り出す。次々と現れる新事実と新解釈。旅の半ば、『夜~』を読み返した梢は、ある違和感を覚えて――

                   (集英社HPより)



物語の始まりからワクワク。
豪華客船で2週間のクルージングを楽しみつつ、小説「夜果つるところ」と
その著者・飯合梓について語る面々。

集まったメンバーたちが豪華。

過去2回、映画化が試みられたが、いずれも上映までには至らず。
それそれの撮影中に度重なる事故などで死亡者が合計8名出ている。

メンバーたちが揃う場で、語る話も興味深いものがあったが、後日
小説家である蕗谷梢が個別にインタビューした話も、なかなか凄かった。

小説の著者・飯合梢についての考察も面白い。

ただ、皆の憶測が主だったりで、本当のところというものがわからない。

恩田さんの物語は、そういう類のものが多いので、その辺は承知。

真実は虚構のなかだけに存在する・・・・クルージングに参加の90歳近い(?)
映画評論家の言葉が、この物語そのものなのかも。


最初から最後まで、楽しかった。
謎は残るけれど、「夜果つるところ」が凄く魅力的な作品であるという
期待が膨らんだ。

早く読みたいなぁ~。



                      ★★★★



発行年月:2022年2月


児童文学者の著者が英国で二十代の学生時代を過ごした下宿の女主人ウェスト夫人や様々な人種の住人たちとの騒動だらけだがとびきりの日々。夫人の「理解はできないが受け容れる」徹底した博愛精神と時代に左右されない手仕事や暮らしぶりは、生きる上で大事なことをそっと心に落としてくれる。この時代に静かな共感を呼ぶ九章。

                   (新潮社HPより)


梨木さんのエッセイは、物語のよう。
登場人物たちが個性的で魅力的。

イギリスで留学していとき、お世話になっていた下宿先でのお話あれこれ。
そして、20年以上経ち、再び訪問したときのことなど。


ウェスト夫人がとても素敵。
アメリカ人で離婚後、三人を子どもを育てたそう。
ウェスト夫人も児童文学者だそうで、二人はずっと親交を深めながら
お互いを見守っているかんじ。


下宿先以外のお話も興味深かった。
<それぞれの戦争>は、偶然、列車で隣に座った男性との会話。
アメリカ生まれのその男性は、戦争のとき、アメリカの強制収容所で過ごしたと
いう。
こういう話を聞くと、戦争は本当に人間の醜いところがさらけ出されて
嫌だなと強く思う。

<夜行列車>では、カナダ旅行で列車に乗った際、やや高齢の男性車掌に
侮蔑的な対応をされた話。
怒るよりも彼がそうした態度に出る背景を想像して、歩み寄ろうとする
梨木さんの大らかさがいい。

ウェスト夫人も「理解はできないが受け入れる」という精神を受け継いでいる
のかな?
でも、こういう気持ちはとてもいいと思う。

わたしも見習おう・・・( ..)φメモメモ


梨木さんの長編小説をまた読みたいな。



                     ★★★★


発行年月:2022年11月


2023年本屋大賞ノミネート!!
似ているようでまったく違う、
新しい一日を懸命に生きるあなたへ。
最後に仕掛けられた驚きの事実と
読後に気づく見えない繋がりが胸を打つ、
『木曜日にはココアを』『お探し物は図書室まで』
『赤と青とエスキース』の青山美智子、最高傑作。
長年勤めた病院を辞めた元看護師、売れないながらも夢を諦めきれない芸人、娘や妻との関係の変化に寂しさを抱える二輪自動車整備士、親から離れて早く自立したいと願う女子高生、仕事が順調になるにつれ家族とのバランスに悩むアクセサリー作家。
つまずいてばかりの日常の中、それぞれが耳にしたのはタケトリ・オキナという男性のポッドキャスト『ツキない話』だった。
月に関する語りに心を寄せながら、彼ら自身も彼らの思いも満ち欠けを繰り返し、新しくてかけがえのない毎日を紡いでいく――。

                   (ポプラ社HPより)


なんだか、うまくいかないなぁ~と悩んでいる人たちが、ちょっとした
キッカケで気持ちが吹っ切れて良い方向に進みだすお話が
集まっていたので、読んでいて、楽しかった。


5つのお話は別の話だけれど、主人公たちが、共通して聞いている
ポッドキャストの「ツキない話」。
先に登場した人が、他の話で出て来て、良い方向に導く手助けを
することになる。

こんな風に知らないうちに誰かを助けて、その人がまた知らない誰かの助けに
なって・・・と繋がっていくって素敵なことだな。


最後の章で、そのタケトリ・オキナの正体も明かされる。
想像とちょっと違っていたけれど・・・・うんうん、なるほど・・・。


「ツキない話」の内容も、面白かった。


この著者の話、もっと読んでみよう。



                   ★★★★★



                  



発行年月:2023年2月


誰かに親切にしなきゃ、
人生は長く退屈なものですよ
18歳と8歳の姉妹がたどり着いた町で出会った、しゃべる鳥〈ネネ〉
ネネに見守られ、変転してゆくいくつもの人生――
助け合い支え合う人々の
40年を描く長編小説
毎日新聞夕刊で話題となった連載小説、待望の書籍化!

                   (毎日新聞出版HPより)


1章ごとに10年経っていく。

最初は、理佐18歳、 律8歳。
姉妹は、母親と、その婚約者から逃れて家出する。
理佐は高校卒業したばかりで律は小学3年生になるところ。

行き着いたのは、お蕎麦屋さん。
石田守と浪子(共に53歳)が営んでいるお蕎麦屋さんは、店の隣にある
水車の力で臼でそば粉を挽いているという。
その臼の番をしているのが、ネネ。
ヨウム(オウムではない)のネネは賢く、臼のなかが無くなると「からっぽ」と
教えてくれたり、人まねも上手。
そのネネのお世話係として理佐は働くことに。
事情を話し、律のことも受けいれてくれる。

そんな暮らしからスタートして、第一話から第四話まで10年ずつ経った
お話が続く。


色々な人に助けられた姉妹もやがて、他の人の手助けをしたり、助けられた人が
また別の誰かの助けになって、人間関係も広がっていく素敵な物語だった。



ネネはずっと皆の真ん中にいて、良い働きをしていた。
ネネが主役なのかも・・・。


長いお話だけど、楽しくてもっと読み続けていたいと思った。

イラストもいい。




                       ★★★★★

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