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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2022年1月


「なぜわたしは死ぬことになっているの?」終末期病棟の礼拝堂で、17歳のレニーは神父を詰問して困らせる。好奇心旺盛で何事にも前向きの少女は老人向けアート教室に入り、83歳のマーゴと計画する。1年に1枚ずつ、2人の人生を100枚の絵に描くのよ――。デビュー作にして世界中で大絶賛を浴び、映画化も決定した心温まる物語。

                   (新潮クレストブックスHPより)



ターミナルケア病棟に入院しているレニーは17歳。
同じように余命短い83歳のマーゴとアートの教室で知り合い
二人合わせて100歳だから100枚の絵を描こうと決める。

目標がある毎日は、輝いている。


物語は、二人のこれまでのことを織り交ぜながら進む。
83歳のマーゴは長く生きた分、多くの物語を語る。

最初の結婚で男の子を出産したけれど、すぐに亡くなってしまい
その後、離婚。
48歳で2度目の結婚。
ご主人はアルツハイマーになり、最期はマーゴのこともわからなくなって
しまう。
67歳で再び一人に。


レニーは、14歳で特に好きでもない男の子とキスをする。
病院に来たホームレスの男性がスエーデン人だというのでレニーが通訳。
男性は、生きることに無気力になっていたけれど、レニーが生きていれば
自分で・・・・できるんじゃない?と。
男性はやがて亡くなるけれど、レニーと話せて、きっと生きようと
思ったはず。

色々な大人に刺激を与えた素敵な17歳の女の子だった。

ターミナルケアにいる人たちを飛行機に例えて、自分ももうすぐ旅立つんだと
哀しくなりがちな話もユーモアを交えて語る姿が、切ない。
もっと行きたかっただろうな。

でも哀しくなり過ぎず、生きいるうちは、毎日を楽しまなきゃいけないなと
思わされた。



                     ★★★★
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発行年月:2023年8月




大手ゼネコン勤務の加茂川一正は、インドネシアの小島で海底に聳え立つ仏塔を発見する。一正はこの遺跡の保護を自らの使命とし本格的な調査に乗り出すが、次々と障壁が立ち塞がる。住民の反発、開発を優先する地主、他宗教からの弾圧……人間の欲望が女神の怒りに触れたとき、島に激震が走る。圧巻の長編エンタテインメント!

                  (新潮社HPより)



インドネシアにある小島・ネピ島へ海底遺跡の調査に参加する
加茂川一正。
同行するのは人見淳子(海洋学文明研究科特任教授)と
藤井(水中考古学の研究者)

加茂川は離婚歴3回だけれど、特別、変なかんじじゃない。
むしろ、結構、ちゃんとしていると思ったなぁ~。

人見は女性だけれど結構、度胸があるし行動力も。
藤井は冷静沈着で研究者っぽい。

三人三様のかんじがいい。



海底に沈んだ町の存在を確認したが、そこをゴミの処分場を建設する動きが
あることがわかり、阻止するのはどうするか?と頭を捻る三人。
なんとか、一旦、計画を中止するまでになったけれど、その土地の
権力者が違う開発を企てていると知る。

そうこうするうち、火山の爆発!
このままでは島そのものが沈むかもという危機!



島のガイド・ケワンとその母親・マヒシャ、父親のボラ、姉のエダ。
ケワンの家族の大活躍。
特にエダ姉さん、最高でした!
人見教授も危険を前にしても逃げずにマヒシャとエダに同行して凄い。



最後は、めでたしめでたしなんだけど、この後の島民たちの暮らしが
心配。
加茂川が始めた支援活動はいいこと。
日本の技術がこういう活動を通して活かされることは素晴らしい。



読むのに時間がかかったけれど、面白かった。



                     ★★★★



発行年月:2007年3月


17世紀、エディンバラの寒村に暮らしていた遠い祖先。やがて19世紀前半、一家三代でカナダへ。語り部と物書きの血が脈々と流れるマンロー一族の来し方を、三世紀に亙る物語として辿りなおす。実直な父、世故に長けた母、階級の違う婚家、新しい夫との穏やかな暮らし……人生のすべてが凝縮されたような自伝的短篇集。

                  (新潮社HPより)


ノーベル文学賞受賞の作家さん。
以前、他の作品をよんだような・・・・


スコットランドから、長い航海をしながら、カナダに移住する一族。
こんな昔の一族の生活を細かく描写しているのが、凄い。
ちゃんと記録に残していた者が何人かいたのが幸い。
書くことが好きな人がいたのは、著者の一族らしい。


短篇なので、ひとつひとつ話は切れる。
それでも、登場人物がだぶっていたりで、ちゃんと繋がっているお話なんだと
わかる。

生き生きとした日常の話から、次の話では、彼らのお墓があったりして
こうして命は引き継がれていくんだな・・・としみじみしたり・・・。

後半は、著者自身の子どもの頃の話などが出て来て読むスピードが上がった。


表題になっている「林檎の木の下で」は、ちょっと甘酸っぱいような思い出?
13歳のわたしの話。

次の「雇われさん」は17歳で、ある家でお手伝いさんのような仕事をしていた
時の話。
ちょっとした妄想をしながら・・・・著者のお茶目なかんじが可愛らしい。


情景の描写がいい。
自然の景色などが目に浮かぶよう。

著者の他の本も読んでみたいな。と思う。



                     ★★★



発行年月:2023年7月


四年ごとに開かれる会社の代表選挙。一回目の投票は票が散らばったため、上位二名による決選投票が行われることになった。現体制は手堅い保守層から支持を集め、二番手につく候補は吸収合併した会社のプロパー社員のリストラ等過激なスローガンを掲げる。接戦が予想される中、両陣営共に動向を窺うのは、一回目で三位につけた候補の支持者たちであった。運動員の送り込み、ハラスメント手前の圧力、上司からの探り…。社内政治の面倒臭さをリアルにコミカルに描く。

                   (U-NEXT HPより)



U-NEXTで、本も出しているんだなぁ~。

本のサイズが、あまり見たことがないもので、薄くて、何かのオマケの
ような感じ。
それでも、薄さに反して、面白かった。
この短さでも、十分!


会社の代表を社員の投票によって決めるというのも面白い。
こういう会社員経験がないんだけれど、こういうの珍しいことじゃないの?


主人公の小林(性別不明)は、落選した「緑山」を推していた。
1位は藍井戸 2位は黄島。
それぞれの投票率は2%の差。

決戦投票にどちらかを投票しなければならない「緑山」推しの会(緑の会)。


「緑の会」の会合が開かれるときには「うどん」が振舞われる。
早く行かないとかき揚げはないが・・・。


緑の会の人たちの、緩いかんじがなんだかほんわか。
良い関係だな。

会合に、うどん、ちょっと数人で集まるときはうどん屋、
家でもうどん。

食べものうどんしか出てこない・・・( ´艸`)

決戦投票の前、「藍」と「黄」の人たちの攻防戦が、なかなか激しい。
露骨に相手を落とすような情報を社内に流したり・・・
強引に自分たちの陣営に取り込もうとしたり・・・。


うどん陣営の人たちの4年後をまた読んでみたいなぁ~。



                        ★★★★







発行年月:2023年8月

私の幸せも不幸も、私が決める。そう、決めた
「離婚って失敗なの?」「恋愛と結婚って別物?」
新直木賞作家が描く、おとなの女性の結婚と幸福をめぐる物語。
桐原まりえは40歳を手前に離婚した。夫の森崎に「恋愛がしたい」と切り出され、2年近い話し合いの時期を経て、7年半の結婚生活に終止符を打ったのだ。理由にはいまも納得がいかないまりえだったが、自分はもう誰にも属していない、そう思うと心は軽やかだった。離婚届を提出する朝、寂しさよりも、手放して一人になることの清々しさをこそ感じたのだ。
「あんたもこれから恋愛できるわね」、行きつけのワインバーでよく遭う年かさのかっこいいマキさんはそう言うが、まりえにはその気はない。駆け引きも探り合いも億劫だし、今のからだを見せる羞恥が性欲を上回る。なにより、すべて自分の自由にできる生活が一番大事でそれを危うくする欲望に呑み込まれたくはないのだ。でも、なにか不安で、なにか取りこぼしている気がする……。
ひょんなことで懐いてきた由井君が粉料理を教わりに訪ねてくるのを好ましくは思うが、物事の受け止め方に7つの歳の差を感じるばかりだ。そんな折、些細なきっかけと少しの興味から、まりえは結婚相談所に登録をした。そこで見聞きする世界は、思いもよらないものだった。マリッジコンサルタントに、紹介された男たちに、婚活仲間に、切実な「現実」や結婚に対する価値観を次々と突きつけられ、まりえは考え続ける。自分が人生に求める幸せとは何なのか。
若い頃のように無邪気に恋愛に飛び込んでいけなくなった眼にだからこそ捉えられる、おとなの女の幸せをめぐる長篇。

                (文藝春秋HPより)



森崎の離婚理由は、「なんだそれ?」だけど、
意外とすんなり受け入れるマリエに違和感。
まあ、自分も働いていて、それなりの責任ある仕事を任されている様子なので
経済的にも一人で生活していける環境が確保されているからなのかなぁ~?

知り合った7つ年下の由井くんとも、良い感じだし
それなりに離婚後の生活も充実している。

マリエの心のなかは、それでも色々、揺れているんだけれど
なるようにしかならないんだから、楽しめばいいんじゃないかな?
とやや冷めた感想しか浮かばないかな~?

まあまあ、楽しめたけれど・・・・
ちょっと物足りなかった。



                      ★★★
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台所、居間、パソコン室、一日中、本を片手にあちこち移動しながら、読書しています♪

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