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読んだ本の感想あれこれ。
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81c4b266.jpg発行年月:2008年5月

あたしは必ず、脱出してみせる---- -----。

32人が流れ着いた太平洋の涯の島に、女は清子ひとりだけ。いつまで待っても、無人島に助けの船は来ず、いつしか皆は島をトウキョウ島と呼ぶようになる。果たして、ここは地獄か、楽園か?いつか脱出できるのか---。よくを剥き出しに生に縋りつく人間たちの極限状態を容赦なく描き、読む者の手を止めさせない傑作長篇誕生!

                       
(新潮社HPより)

結構、好きな作家さん。
いつものように図書館から借りたので、随分、順番を待ちました!

でも待った甲斐あり、おもしろかった!
無人島に32人が流れ着いたといっても、一度にじゃないのね。

最初に主人公である女性・清子とその夫・隆が乗っていたクル-ザ-大破により流れ着き、その後、日本人のフリ-タ-の若者たちが流れ着き、また暫くして、中国人の密航者、フィリピン人と島民が増えてゆく。
清子は46歳。島で唯一の女性ということで最初は、男たちからチヤホヤされる。
本人もその状況をまんざらでもなく受け入れていて、日本にいるときには、貞淑な妻だったのに、何やら野生化していく様子は滑稽。

夫の隆は、島に馴染めず体調を崩し、ついには謎の転落死を遂げるが、清子はさほど悲しそうではなく、次の夫を迎える。
何とも気の毒なご主人。

清子は、状況を見て、自分の得になることを素早く判断し行動に移す。
身勝手なようだが、生き延びるためなら仕方ないのかも。

日本人の中でも嫌われ者は、皆と離れた箇所に追い払われ、後から来た中国人たちも日本人は嫌い遠ざける。
しかし、その場凌ぎのやや能天気ぎみの日本の若者に比べて、中国人たちはサバイバル能力は勝っている。
そこにある道具を工夫して使い、塩を作ったり、火をおこしてちゃんと調理したり。
そんな様子を観察して、清子は中国人(皆はホンコンと呼んでいる)たちに近づく。
そして、日本人たちを裏切る行為。

島には、幸いなことに食べ物は結構、豊富にあるようで、それだけでも危機感は半減かな?
これで食べ物も少なかったらもっと悲惨なことが起こったでしょう。
実は、読む前は、それを想像していたので、覚悟していたのですが・・・。
争いはあるけど、なんだか少しリアリティないかんじで最後まで可笑しく読みました。
実際、笑える箇所もあったし。(亀仙人・・・想像して吹き出しました)


最後、ホントに脱出できるのか?気になっていましたが・・・なるほどそういう結末でしたか?

結構、生き残った者、それぞれがその状況を受け入れて明るいかんじなのでホッとしました。


以前、何かの雑誌(だったかな?)の記事に、この話と似た事実は昔あったと読みました。
島の名前がちょっとおもしろかったので、覚えていました!

思い出して探したら・・・アナタハン島事件というのが、ありました。
気になる方は、飛んでみてください。
何らかのヒントにしたのかな?

桐野さん、新刊が出ましたね。
そちらも図書館で予約待ち。
早く読みたいなぁ~

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