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読んだ本の感想あれこれ。
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発行年月:2004年4月


「夏のはじめのある日、ブラフマンが僕の元にやってきた。」
あたたかくて、せつなくて、いとおしい。極上の文学世界をご堪能ください。
朝日はまだ弱々しく、オリーブ林の向こうの空には沈みきらない月が残っているような時刻で、僕以外に目を覚ました者は誰もいなかった。ブラフマンは裏庭のゴミバケツの脇に潜み、脚を縮め、勝手口の扉に鼻先をこすりつけていた。――(本文より)

                  (講談社HPより)




文章が美しい。

読んでいると自然に情景が浮かぶかんじ。


これは日本ではないかな?
西洋の香り。


ある夏の日にけがをした仔犬を見つけて、連れ帰る僕。
僕は「創作者の家」と呼ばれる施設の住み込みの管理人。

色々な創作者がここで創作活動をしていて、一番親しいのは碑文彫刻家。
仔犬の名前を彫刻家の作品のなかから選ぶことにして気になった文字を
尋ねるとサンスクリット語で「謎」という意味の「ブラフマン」と読むんだと
教えられ、それを名前に決める。


普段は、部屋のなかでほかのものに見つからないようにしていたが
動物アレルギーだというレース編み作家に見つかってしまう。
部屋に頑丈な鍵を彫刻家に取り付けて貰い、ブラフマンが勝手に部屋から
出ないようにする。

必需品を配達してくれる雑貨屋の娘と親しくなり、車の運転の練習に
付き合う。
創作者の家の庭は広いので、そこが練習場所。


ああ、なんか嫌な予感・・・・・と思ったら・・・・(;O;)

僕とブラフマンの暮らしぶりは、微笑ましいもので犬も可愛いなと
思って読んでいたのにな・・・。


表題通り、埋葬するのが物語の最後。
でも、ブラフマンを避けていたレース編み作家も埋葬に参列したのは
良かった。
嫌な人ではなかったとわかって良かった。



アッとという間に読み終えてしまったけれど、とてもよかった!



                       ★★★★
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